男女フルーレともに惨敗

フェンシング

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)が開幕し、早大フェンシング部が新たなるスタートを切った。初めに行われたのは男女フルーレ。ともに全日本王座決定戦(王座)進出を意気込んだフルーレ陣だったが、待っていたのは厳しい現実だった。男子も女子も挙げた勝利数はわずか「1」。1勝5敗で男子は5位、女子は最下位の6位で2部との入替戦に臨むことになった。

 男子は1日目、初戦の日大戦で4点差の惜敗、続く日体大戦では1本勝負で敗れる幸先の悪いスタートに。波に乗ることが出来ない早大は続く中大戦も落としてまさかの0勝3敗。入替戦に回る可能性もある非常に厳しい状況で初日を終える。迎えた2日目。まずは1勝が欲しいワセダの相手は今年度から1部に上がってきた慶大。絶対に落とせない戦いで主導権を握ったのは早大だった。力の差を見せ付け一度もリードを許すことなく終わってみれば45‐29の圧勝。欲しかった1勝をようやく手にした。迎えた最終戦の相手は強豪、法大。慶大戦の勢いで勝利したかったワセダだったが序盤から法大に主導権を握られる苦しい展開に。後半の猛追も及ばず1点差で惜しくも敗れ5位という悔しい結果で今大会を終えた。

日体大との1本勝負に敗れ悔しがる仙葉

 

 女子も初日は男子同様に全敗スタートとなってしまう。初戦は劣勢の中、永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)の活躍もあり、日大を猛追したがわずか1点差で敗戦。悪い流れを止められず2戦目、3戦目をそれぞれ大差で落としてしまう。巻き返しを図り臨んだ2日目、早大は心機一転し1日目のオーダーを変更。永瀬を最後回りに固定し1年生の佐々木陽菜(社1=東京・大原学園)を投入。日体大との試合は両校の意地がぶつかる一進一退のゲームとなったが45‐41で競り勝つことができた。何とか1勝を挙げた早大だったが専大との最終戦を勝利で飾れず最下位。入替戦に回るという結果で今大会の幕は下りることになった。

日体大との接戦を制し喜ぶ女子フルーレ陣

 
男女ともに一本が取り切れないなど多くの課題が見えたが、多くの収穫もあった。まずは、フレッシュな新入生の活躍。特に目立ったのは竹田陸人(社1=神奈川・法大二)だ。「尊敬している先輩とフェンシングができることに喜びを感じる」(竹田)というルーキーは日体大戦で12点を追い上げる活躍を見せた。また、選手と応援席が一体となって盛り上がる早大のカラーを出すことができたのも大きな収穫だ。今大会は不在だったがトップアスリート入学を果たしたスーパールーキー松山恭助(スポ1=東京・東亜学園)、狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)というメンバーも控えている早大。これからのチームの成長に大きな期待がかかる。

(記事 山田周史、写真 副島美沙子、松本理沙)

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。

結果

▽男子フルーレ
早大〔仙葉恭輔(スポ4=秋田南)、三好修平(社3=愛媛・三島)、松山大助(スポ3=東京・東亜学園)、竹田陸人(社1=神奈川・法大二)〕1部5位
 1試合目:●40-44日大
 2試合目:●44-45日体大(一本勝負)
 3試合目:●37-45中大
 4試合目:○45-29慶大
 5試合目:●44-45法大(一本勝負)
▽女子フルーレ
早大〔尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)、永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)、伊藤由佳(スポ3=栃木・宇都宮中央女)、佐々木陽菜(社1=東京・大原学園)〕1部6位
 1試合目:●30-31日大
 2試合目:●24-41日女大
 3試合目:●17-45法大
 4試合目:○45-41日体大
 5試合目:●25-45専大

コメント

仙葉恭輔(スポ4=秋田南)

――試合前の大会に向ける意気込みは

やるべきことはやって来たので練習通りに実力を発揮できれば良いと思って臨みました。

――僅差で負けてしまった試合を振り返ってみて

僅差になる前にもっと防げた点はあったからそこは防がなくてはならなかった。

――劣勢の展開から追い上げる試合もあったが

元気を出すことを心掛けました。そうすれば応援も盛り上がるし、出したいチームの色が出せたのは良かったです。

――この大会を終えて見えた課題

個人としては一本取りきることです。チーム全体としては失点を抑えることそうすれば僅差で負けたところには勝てて、大差で負けたところとも善戦出来ると思います。一本ずつ丁寧に積み上げていくことをチーム全体で共有していきたいです。

――この大会一年生が試合に出ましたが

一年生はフレッシュに元気を出してやってくれました。一年生の頑張りに上級生が刺激されて良い相乗効果が生まれました。

――今後の目標

フルメンバーで試合に臨んで関カレ、インカレを優勝することです。

竹田陸人(社1=東京・法政二)

——大学生活入って初めての試合でしたね

僕はもともと、法大の付属校出身ということでもちろん他大にもですが何より法大だけには負けたくないという気持ちがありました。それは、お世話になった法大に自分がこれだけ成長したんだ、というところを見せたかったからです。なので、最後の一本勝負で負けたことは本当に悔しいです。もっと自分が差を縮められていればと思います。

——点を重ねている印象でした

確かに点は取れていたのですが、総計するとマイナスで次の人に回しているので、もっと点を取って、相手に点数を取られない工夫をしていきたいです。

——公式戦初試合である日体大戦は

実は先輩方とは小さい頃から一緒にプレーさせてもらっていて同じ団体ではないですが、個人の集まりとして海外遠征も行ったことがあります。これが僕にとって初めての海外遠征でしたし、本当に思い出に残っている経験でした。そのような先輩方と同じ団体としてチームを組めるということにまずうれしさを感じていました。試合うんぬんよりも、早稲田大学であの尊敬している先輩方とプレーできる喜びでいっぱいでした。

——その中でご自身が出られた試合は1勝2敗という結果でした

慶大にはもちろん勝たないといけない相手でした。僕自身としても点を取られてしまい、差を広げることができなかったのであまり良い試合とは言えません。負けた試合ですと、日体大は自分が12点を追い上げることができました。そこにフォーカスを当ててしまうと良いように思えるのですが、他の2試合では6ー5とマイナスで回してしまったので反省が大きいです。

——高校と大学の違いは

雰囲気は違いました。あと、戦術が異なっていると思います。高校までの試合はアタックを決めにいけばなんとか点数が入ったりすることもよくあるのですが、大学の試合ではほとんどそのようなことはありません。動いて動いて相手を崩して、崩れたためにできた隙を狙えるかどうかが重要になっていると感じました。頭を使って考え、足を動かして、動かしていかないと対応できないですね。

——これからの抱負は

第一に、自分の同期が本当に強いので、負けないようなフェンシングをしていきたいです。互いに切磋琢磨して技術を高めていけたらいいと思います。第二に、足をいま使えていないので、足を使って相手を崩していけるフェンシングができるように磨いていきたいです。最後に、時間を使ったフェンシングができるようになりたいです。団体戦ですと、チームを休ませる意味でも3分間を有効に使うことが求められると思います。そういったところも、練習していければ良いと思います。

尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)

――最後のリーグ戦どのような意気込みで臨みましたか

リーグ戦は大学の試合の中でも大事な試合です。今年は最後のリーグ戦だったので王座を目指しましたがメンバー不足もあり入れ替え戦に回ってしまって、残念です。

――1日目と2日目でメンバーの配置が変わった意図は

相手に合わせて配置を変えるよりも位置を固定させた方が良いと判断して変えました。

――大差の試合もあったが振り返ってみて

メンバーが揃ってる相手に対し点が取りに行けなくて、攻めにいった時に逆に点をとられてしまいました。

――これからの課題

まずは入れ替え戦に勝てるようにしたいです。今回の反省を活かして団体戦としてどう戦っていくのかを考えたいと思います。

永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)

――試合が終わっていまのお気持ちは

悔しいです。

――2日間の戦いを振り返って

自分の中で強いと思っているチームがあったのですが、戦い方によっては勝てたと思います。日大戦は結構競っていたじゃないですか、それはやっぱり勝ちたかったです。負けたところももっと粘って負けていたらまだ最下位ではなかったですし。もう少し戦い方を考えて全試合できたかなと思います。

――新チームということで今まで試合に出ていなかった選手も出場していましたが、メンバーはどのように決めたのですか

まずフルーレ人がいなくて。なので、誰を出すか決めるときに最初は彩和子にしようと思っていたんですよ。でもいまケガをしているし、1年生もまだ練習に来ていなかったので、選択肢としては由佳(伊藤、スポ3=栃木・宇都宮中央女)か司先輩(山根、スポ4=香川・三本松)かなと。みんなで練習した結果、由佳が1番動けるかなと思い、メンバーに入りました。その分自分と千尋先輩(尾上、創理4=東京・田園調布雙葉)の戦い方も変わってしまうので難しかったですね。

――どのような戦い方の変化がありましたか

自分たちは結構守り系で相手が来たところに対して返すということが多くて、去年もそういう戦い方で粘っていました。でも今回は早回りが他の種目専門の選手だから点を取られてしまうのはしょうがないので、その分を自分と千尋先輩で巻き返さなければならないというのが戦い方として大きな変化でした。でも守られるのはやっぱりきついですね。

――2日目は1年生も起用していましたね

そうですね。サーブル人の佐々木陽菜(社1=東京・大原学園)を出しました。本当にサーブルしかやっていない選手なのですが、1番動けていましたね(笑)。フルーレ人より足が動いていました(笑)。頑張ってくれました。

――日体大戦は勝利しましたが、振り返って

日体大は練習試合も行っていたので、絶対に勝ちたいと思っていました。結果的に勝てたという部分は良かったのですが、内容が自分的には良くなかったです。最後に追いつかれたじゃないですか。もう怖くて泣きたくなりました(笑)。

――最後は競っていましたね

でも、同点になったときって意外と慌てないなと思いました(笑)。色々ポンポン考えが出てきてここまで来たら同点だし、個人戦で勝つしかないと思って。後ろにつなげるというか自分が勝つか負けるかなので、何でもいいから突こう、とりあえずポイントは絶対に向けておこうとか。途中までは結構攻められてやられていたからそれをさせないように前へ前へという感じでやっていました。

――今大会は最後回りでも何度か出場していましたが、プレッシャーはありましたか

プレッシャーはかなりあります。1日目で最後から2番目の回りをやっていたのですが、その役割が自分はできなかったんです。早回りの由佳のところで点を取られてしまって点差が離れてしまうと、自分のところで少しでも差を縮めなければならないのですが、アンカーに渡す前に詰めて回したいから点を取りにいきたいけど、そこにハマってしまって逆に相手に点を取られて離されてしまう展開が多かったので。逆に自分が最後回りだった日大戦や日体大戦などでは点を取られるけど、千尋先輩が2番目で取りにいってくれて差を縮めてくれて、自分が取るっていう流れがうまくいきました。なので、役割的に自分が最後で、その前の先輩が差を詰めてくれるというのが理想だと思います。

――今回でチームの形というものが見えてきましたか

そうですね。でも今回はなかなか人数がいなかったため、まず練習ができなかったんですね。団体戦の練習とかもそんなにできなくて苦労しました。

――大差で負けてしまう試合が多かったとおっしゃっていましたが、チームとしての課題は

とりあえず、出だしですかね。最初の3つの回りがあるじゃないですか。そこで良い流れか最悪同点くらいで持っていければ良いのですが、最初で少し離されてしまいましたね。追う展開は自分たちもあまり得意ではないので、最後の回りになる前までにじわじわ離されてしまうのが課題ですかね。

――次への意気込みは

フルーレは入替戦になるのですが、自分は関東学生リーグ戦でサーブルにも出場するので。2日目のフルーレで出たメンバーでサーブルにも挑むので、フルーレの分も頑張りたいです。次は陽菜に頼ることになってしまうかもしれないのですが、やるからにはしっかりと勝ちにいきたいと思います。入替戦も勝って1部残留します!