女子エペ日体大に敗れ3位にとどまる

フェンシング

 悲願の日本一に向け、時は満ちた。関東学生リーグ戦、関東学生選手権で優勝を収め、圧倒的な強さを見せてきた女子エペ。ついに戦いの火ぶたが切って落とされた。だが個人を制した堀川こず恵を擁する日体大の戦力は想像以上に高かった。決勝を前に無情にも敗北、日本一は夢に終わる。意地を見せ3位決定戦には勝利したものの、悔しい3位となった。一方、男子サーブルは強豪・日大のカベに阻まれ3回戦で姿を消した。

 男子サーブルは2回戦の同大戦は序盤から力の差を見せつける。エース佐々木勇歩(スポ3=静岡・沼津東)が第2セットで5連続ポイントを決めると、差を詰められることなく試合を進め45-37。大舞台で勝利を収め、ベスト4を懸け日大戦へと臨むこととなった。先陣を切って登場したのは甘粕貴大(社3=神奈川・サレジオ学院)。気迫のこもったプレーで接戦を制し5-4でバトンをつなぐと、続く佐々木も1点のビハインドでなんとか食らいつく。だが、3セット目か日大の素早い攻撃に対応することができない。相手の勢いに押された早大は最後まで攻め切れず34-45で試合を終えた。「本当にうまくやれば、勝てない相手ではなかった」と甘粕。思うような結果を残せず、今季最後の学生大会を終えた。

最後回りで健闘した佐々木

 「何回こんな試合をしているんだ」。女子エペの山根司、スポ3=香川・三本松)は今大会をこのように振り返った。確実に成長を重ね、あと少しで手が届きそうだった日本一。しかし、夢ははかなくも散った。2回戦を突破し、挑んだ準決勝・日体大戦。第1セットから1-5と厳しい状況となる。しかし、全日本学生選手権個人でベスト8と悔し涙をのんだ山根司がエースの底力で6連続ポイント。一気に形勢を覆す。このまま主導権を握りたい早大だったが、二回り目で再びリードを奪われ序盤に見せたガッツポーズも少なくなる。最後までこの差を縮められず、37-45でゲームセット。日本一を目指した早大の戦いは終わった。3位決定戦では今季、学生王座決定戦で敗北した朝日大と対決。見事雪辱を果たしたものの、3位という結果への悔しさは底知れないものだった。

思うようなプレーができなかった山根

 結果を残そうという焦りは剣へと伝わり、思わぬところでの敗戦となった早大。「自分たちの動きをして、楽しんで目の前の一本に集中する」(山根司)。勝利に向け全員が必要だと考えていたことだ。全日本選手権ではこの言葉を体現し、納得のいく結果を残してほしい。

(記事 三上雄大、写真 川嶋悠里、副島美沙子)

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子エペ

早大〔山根司(スポ3=香川・三本松)、伊藤由佳(スポ2=栃木・宇都宮中央女)、山村彩和子(教2=岡山・玉野光南)、千葉絢音(スポ1=大阪・北野)〕 3位

2回戦:○42-28 同志社大

準決勝:●37-45 日体大

3位決定戦:○45-39 朝日大

▽男子サーブル

早大〔甘粕貴大(社3=神奈川・サレジオ学院)、佐々木勇歩(スポ3=静岡・沼津東)、奥村祥大(教3=京都京大付)、山本隼大(スポ2=香川・三本松)、竹下昇輝(スポ1=静岡・袋井)〕 2回戦敗退

1回戦:○45-37 関西学院大

2回戦:●45-34 日大

※※山根選手と甘粕選手のコメントは個人の記事に記載されています。