10月30日に早稲田アリーナにて早慶バドミントン定期戦が行われた。男子は5複10単、女子は2複3単の団体戦によって競われた。男子は6ー9と負け越してしまい連勝は途切れてしまったが、女子は2年連続の全勝という結果となった。
早慶戦の始まりに伴って一斉に行われた男子ダブルス4試合、圧巻だったのは第1ダブルスの池端元哉(スポ3=熊本学園大付)・荒島一太郎(人3=愛知・豊橋東)組だ。池端が、「積極的にネット前で勝負しに行ってパートナーが打ちやすい球を打てるようにゲームメイクしました」というように攻撃的なプレーで序盤は相手を圧倒。21―11で第1セットを先取する。しかし、第2セットは立ち上がりから相手のスマッシュに押され体制を崩され劣勢の展開に。徐々に点差は縮めたものの10―11でインターバルを迎えることになる。そこからは攻めて守っての一進一退の攻防になった。20―18で迎えたマッチポイント、痛恨のサーブミスで失点、流れは慶大に向かったと思われた。しかし相手の甘い球をプッシュしゲームセット。幸先のよいスタートをきった早大だが、次に行われた第5ダブルスも含めて2勝3敗。男子優勝のためにシングルスでの勝ち越しが至上命題になった。
白熱した試合を繰り広げる池端・荒島ペア
ダブルスの負け越しから、絶対に勝利が欲しい男子第2シングルスには町田脩太(スポ2=長崎・瓊浦)が登場。今年の全日本学生選手権にて、緑川大輝(スポ4=埼玉栄)との組でダブルス準優勝を果たした町田は、その実力の高さを存分に見せつけた。終始、コートの四隅を狙ったショットで相手選手を翻弄。更に素早いフットワークから主導権を握り続け、第1セットは21―15で終える。第2セットもドロップなどの手前に落とすショットを駆使し21―17でストレート勝ち。試合中には時折笑顔を見せ、得点差以上に余裕度が伺えた試合だった。
期待に応える活躍を見せた町田
男子第9シングルスには9月に入学したばかりの1年生、ザック・プレンティス(政経1=イングランドカンフォードスクール)が出場した。第1セットの序盤は恵まれた体から放たれる高威力、高角度のスマッシュが火を噴き競り合いながら得点を重ね、11―10でインターバルを迎える。以後も相手の速いドライブを背面ショットで得点を決めるなど魅せるプレーを織り交ぜながら観客を沸かせた。しかし要所、要所で細かいミスが響き、逆転され18―21で第1セットを終える。第2セットは疲れが見え、相手の深いクリアや左右に散らすヘアピンなどに対して後手に回るようになる。更にこのセットの最中には並行して行われていた第6シングルスで早大は敗北。男子の準優勝が確定するという難しい試合運びとなり、12―21でストレート負け。悔しい初陣となった。
大エース緑川がドイツ遠征によって不在の中で、男子大将戦に登場したのは第1ダブルスで勝利を収め勢いに乗る池端。早大の男子はこの時点で5勝9敗と大きく負け越して準優勝が決まっていたが池端はそれを感じさせない試合を展開する。序盤はネットすれすれのドロップを始めとした精度の高いショットで得点を重ね8ー4とリードを奪う。しかし、そこからクリアのオーバーなどで5連続失点を喫してしまい、8-9と逆転される。しかしここから池端はその地力を見せつける。3連続得点でインターバルを奪うと、そのままスマッシュを中心とした攻撃で点差を広げ21―13で第1セットを獲得する。第2セットは第1セットに引き続き対角スマッシュや甘い球を見逃さないプッシュで危なげなく試合を進め21―14で終了。ストレート勝ちで試合を終えた。
女子は、第1シングルス、第2シングルスと堅実に連勝を収める。続く第1ダブルスには吉田瑠実(スポ4=埼玉栄)・宇都智加(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)組が登場した。第1セット開始直後から攻撃的に試合を展開し11―2と大きくリードを広げる。そこから、相手の4連続スマッシュを拾うなど、全く流れを渡さずに21―7で終える。その勢いのままに第2セットも相手のバックサイドを狙ったスマッシュを軸に得点を重ね、21―9でゲームセット。早大女子の優勝が確定した。
ダブルスで圧勝を収めた吉田・宇都ペア
4連勝で迎えた女子大将戦、最後を飾るのは佐原穂香(人4=近畿大付和歌山)だ。第1セットはドロップとクリアを用いた前後の揺さぶりをかけ、相手のミスを誘い21―8で終える。続く、第2セットはサイドライン近くを狙ったストレートスマッシュで得点を重ね21―13で終了。佐原は試合後、「普段あまりトリの試合を務めることはないので緊張しました」と答えていたがそれを感じさせない完勝だった。そして、女子は5試合すべてでストレート勝ち。実力の高さを見せつけた団体戦だった。
主将戦に出場し、見事ストレート勝ちを収めた佐原
(記事 飯田諒、写真 大日結貴)
結果
▽男子団体
早大●6ー9慶大
▽女子団体
早大◯5ー0慶大
コメント
池端元哉(スポ3=熊本学園大付)
――まずは一試合目のダブルスについてお聞きします。どのようなことを意識して試合に臨まれましたか?
パートナー(荒島一太郎、人3=愛知・豊橋東)の実力が自分より劣るということで自分が引っ張って行くという気持ちで、積極的にネット前で勝負しに行ってパートナーが打ちやすい球を打てるようにゲームメイクしました。
――次に大将戦についてお聞きします。本日の調子はいかがでしたか?
良くもなく悪くもなく、普段通りに練習通りにできたという感じです。
――試合の後半ではスマッシュを多用していました。何か意図などありましたか?
相手がラリー型という感じだったのでスマッシュを打って相手に大きい展開、コートを広く使う展開にさせないように自分から攻めていって、自分がアタック系の選手なので後半はそこを意識してやりました。
――早慶戦をチーム全体で振り返っていかがですか?
チーム全体としては、上位選手だけが早稲田では強いとなっているその一方で、慶大の選手たちは全体的に底上げというかたちで上の選手から下の選手まで実力が拮抗して、校内戦を経ていい感じで今日を迎えたと思っているので、上と下の実力差を埋めるのが大切なのかなと思います。
――個人では敢闘賞を受賞されました。それについてはいかがですか?
実力通りというか、取って当たり前の結果だと考えています。
――来年に向けての意気込みをお願いします。
自分の2勝は当たり前だと思っているのであとはチームメイトを鼓舞できたらなと思います。
吉田瑠美女子主将(スポ4=埼玉栄)
――本日の早慶戦を振り返ってみていかがですか
昨年に続いて5─0で勝てたのが良かったなと思います。
――第一ダブルスで宇都選手ともに出場し、圧勝しましたが、どういったところが良かったとお考えですか
正規のペアでは無いんですけど、小学校から知り合いの長くやってきた子なので、自分たちらしくできたのは良かったなと思います
――女子が5─0で完勝したことに関して主将としてどのように感じていますか
全員一試合ずつでたんですけど、それぞれが自分の力を出し切って出来たことが結果に繋がったのかなと思います
佐原穂香主務(人4=近畿大学付和歌山)
――1番最後のシングルスという会場の注目を一身に浴びる試合に出場していかがでしたか
普段あまりトリの試合を務めることは無いので緊張しましたが、みんなが応援してくれたのでいい試合ができたんじゃないかなと思います
――早稲田全体としては5─0で圧勝しましたが、ご自身ではどのように感じておられますか
慶応は人数が揃っていなかったのもありますが、ペアを変えてみるなど楽しむことをメインに試合に挑めたのが昨年と同じ5-0という結果に繋がったのかなと思います
――閉会式の表彰では女子の最優秀選手賞に選ばれました。どういった点がこの結果に繋がったとお考えですか
正直主務として準備をした方がきつかったので、最優秀選手に選ばれた時は仕事してよかったなと感じました
――四年生はこれにて引退とのことですが、ご自身の早稲田でのバドミントンを振り返ってみてどうでしたか
和歌山から出てきて実績もない中で、強い選手と練習できるというのはすごい恵まれた環境でした。周りが強くてなかなか結果が出さなかったんですけど、秋リーグでやっと一勝することが出来て、個人的にはすごく成長することが出来たと感じております