全日本総合選手権(全日本総合)は大会2日目を迎え、本戦1回戦がスタートした。早大からは大林拓真(スポ4=埼玉栄)、緑川大輝(スポ3=埼玉栄)、町田脩太(スポ1=長崎・瓊浦)、鈴木ゆうき(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)、吉田瑠実(スポ3=埼玉栄)の5名の選手が本戦に出場。女子複、緑川の男子単は1回戦敗退となったが、大林、緑川・町田組は白星を挙げ、明日の2回戦へと駒を進めた。
★男子シングルス
前日の予選の疲労を見せることなく、大林は本戦に臨んだ。第1ゲームでは、レシーブやクリアを多用し、相手を動かすことをメインに試合を展開。自分から積極的に攻めることはなかったが、小さなチャンスを見逃すことなく、持ち前のスマッシュで得点を重ねた。冷静さを欠くことなくプレーし、21-15で第1ゲームを獲得した。良い流れのまま迎えた第2ゲームでも、落ち着いた試合運びで自分に優位な展開へと持ちこんだ。第1ゲームよりも失点を抑え、21-9で終える。2-0と1回戦をストレートで突破した大林。自身も完璧に近いゲームだったと振り返った。
本戦から出場の緑川。序盤から緑川は力強いスマッシュで得点するだけでなく、様々なストロークを多用し、相手を翻弄(ほんろう)した。一方で、相手に攻め込まれる場面もあり、点数を取り合うシーソーゲームに。試合が動いたのは終盤。緑川はヘアピンやレシーブをネットにひっかけるミスを繰り返し、相手に流れが傾き始める。最後は4連続ポイントを許してしまい第1ゲームを17-21で落とした。続く第2ゲームでも、悪い流れを断ち切ることができず、13-21で敗戦。1回戦敗退という悔しい結果に終った。
ネット前のショットを返す緑川
★男子ダブルス
1回戦は武井凛生・荻原聖也(ふたば未来学園)の高校生ペアとの対戦となった。第1ゲームは、相手に打ち込まれてもロングレシーブでしっかり奥まで返し続けた。攻撃面でも、スマッシュ、プッシュ、ドロップなど多彩なショットで得点を積み重ね、相手をどんどん引き離していく。21-12でこのゲームを取得し、勢いのまま第2ゲームへと突入。途中4連続失点をするなど、第1ゲームのように順調には試合を展開できなかったが、相手がどこに打ち込もうと安定したレシーブを継続した。連続攻撃で積極的に攻めるなど攻守ともに光った早大ペア。ストレートで勝利し明日の試合へとつなげた。
★女子ダブルス
対戦経験の多い、上杉杏・木村早希組(明大)との試合となった。立ち上がりは、明大ペアのスマッシュをコート奥までレシーブ。自分たちのペースに持ち込み、イレブンを先取した。しかし中盤以降ミスを連発し、終盤には6連続ポイントを許してしまう。そしてこのゲームを13ー21で落とした。第2ゲームでもミスは見られたものの、鈴木の緩急をつけたショットで明大ペアを崩し、甘く返ってきた球を前で押し込んだ。インターバル以降は、息のあったコンビネーションをみせ、連続攻撃。積極的に仕掛けつつも明大ペアをなかなか突き放すことができなかったが、最後は吉田のプッシュが決まり、21-19。試合は再び振り出しに戻された。そして迎えた最終ゲーム。両ペアともにミスが散見され、均衡を保った展開となる。しかし、コンビネーションでのミスやラインジャッジミスなどで失点し、流れが相手に傾き始める。15ー16となると明大ペアがここから一気に5連続ポイント。そのまま逃げ切られ、フルゲームに及んだ熱戦の末に1回戦敗退となった。
レシーブをする鈴木・吉田組
明日の2回戦には、今日勝ち抜いた種目に加え、シードを獲得していた緑川・齋藤夏(ACT SAIKYO)組のミックスダブルスが登場。国際大会での優勝経験もある2人の躍動に注目が集まる。緑川は町田とのダブルス出場も控えている。得意とするダブルスで2勝を挙げ、勢いづきたいところだ。大林のシングルスからも目が離せない。今日の試合を良い状態で終え、好調のまま明日も勝利へと突き進みたい。
(記事、写真 山田彩愛、湯口賢人)
コメント
鈴木ゆうき(社4=宮城•聖ウルスラ学院英智)•吉田瑠実(スポ3=埼玉栄)組
――今日の試合、どのような気持ちで臨みましたか
鈴木 今年最後の大会だったので、まずは楽しんで試合に取り組むこと、あと勝ちたいという気持ちをもってやりました。
吉田 楽しむことを第一にして、勝ちたいですよね(笑)。
――今日の試合を振り返っていかがですか。
鈴木 自分たちが思うようなダブルスというものは全部出し切ってはないと思うんですけど、二人で前を向いてやれたかなと思うので、そこはすごく良かったんじゃないかなと思っています。
吉田 思い通りにいかないなりに、仲良くできました。
鈴木 いつも仲悪いみたいになってるけど(笑)。
――1ゲーム目のインターバルの後に、ミスを重ねてゲームを落としてしまいましたが、2ゲーム目はどのように修正したのですか。
吉田 1ゲーム目は結構気持ちが入りすぎていたのもあって、自分たちがラリーを焦って、自分たちを苦しめていた感じなんですが、2ゲーム目は落ち着いて、自分たちから仕掛けるというよりは、ちょっと余裕をもってプレーしたら流れが変わったのかなと思います。
鈴木 自分たちにプレッシャーをかけすぎてしまったところもあったので、2ゲーム目に入って、最後だし、楽しくやろうってなりました。
――1年間、ペアを組んでみていかがでしたか
吉田 苦しい時の方が多かったと思うんですけど、苦しいだけじゃなく、試合をちゃんと楽しんでできたかなと思います。
鈴木 全部が良かった試合は多分、少ないんですけど。一つ一つの大会に対して毎回向き合って、練習してきたというのはすごい良かったと思いますし、楽しかったと思います。良い経験ができました。
大林拓真(スポ4=埼玉栄)
――今日の試合を振り返っていかがですか
みんな1年の最後の全日本総合に気合を入れて臨んでいると思うので、それに飲み込まれないように1ゲーム目の最初から足を動かしていこうと心がけてゲームしました。その結果が1ゲーム目より2ゲーム目が(相手の)点数を抑えられていて、自分的には完璧だったと思います。
――1ゲーム目から2ゲーム目の修正は何かされたのですか
1ゲーム目でやっていたのが、シャトルが飛ぶコートだったので、相手に回されないように、足を動かしてミスを少なく我慢しました。1ゲームをとれば2ゲーム目は(シャトルが)飛ばない方のコートになるので、そこで相手のロビングやクリアが甘くなってくるところを自分の持ち味のスマッシュで決めていこうというプランが上手くいったと思います。
――明日の2回戦に向けての意気込みをお願いします
余裕もないですし、負けたらそこで終わってしまうので楽しく、いつもどおりのプレーができればなと思います。
緑川大輝(スポ3=埼玉栄)・町田脩太(スポ1=長崎・瓊浦)組
――今日の試合、どんな話をしてから臨みましたか
町田 コートによってシャトルが飛びが違うので調整しながら、あまりミスが出ないようにスマッシュを抑え気味にしてミスを少なくすることを意識してやりました。
――課題はありましたか
町田 明日からレベルも上がってくるので、そこで今日みたいにミスを少なくやりたいと思います。
緑川 ダブルスに関しては、終盤になってくるとどうしても止めたくなって一発で決めようとしてしまいます。そこをもう少し自分たちで我慢して何本も打ち続けて相手にプレッシャーを与えることです。そういった場面で常に自分たちが攻めの場面を作っていけるようにやっていきたいと思います。
――緑川選手はシングルスを振り返っていかがですか
緑川 大学生でいる間はシングルスをやらなきゃいけないのかなと思っています。今年インカレ(全日本学生選手権)で優勝できたので、来年も優勝や早稲田に貢献できるようにやっていけたらなと思います。
結果
▽男子シングルス
大林拓真○2-0(21-15、21ー9)藤原圭祐(ジェイテクト)
緑川大輝●0-2(17-21、13-21)藤原圭祐(ジェイテクト)
▽男子ダブルス
緑川大輝・町田脩太○2ー0(21-12、21-18)武井凛生・荻原聖也(ふたば未来学園高)
▽女子ダブルス
鈴木ゆうき・吉田瑠実●1-2(13-21、21-18、15-21)武井凛生・荻原聖也(ふたば未来学園高)