バドミントンの日本一を決める全日本総合選手権(全日本総合)が幕を開けた。各世代のトップ選手が集結し、しのぎを削る本大会。今年は新型コロナウイルス・オミクロン株の影響で、世界選手権に出場した日本代表選手が欠場となった。ミックスダブルスで日本B代表の緑川大輝(スポ3=埼玉栄)やシングルスでの活躍に注目が集まる大林拓真(スポ4=埼玉栄)など、早大選手の大きな飛躍にも期待が高まる。予選1回戦が行われ、大林と吉田瑠実(スポ3=埼玉栄)の2人がシングルスに登場した。
★男子シングルス
予選2回戦からの登場となった大林。本戦出場に向け、絶対に負けられない戦いとなった。第1ゲームは、ラインギリギリを狙ったショットや、相手を四隅に動かす配球でゲームを支配。長いラリーでもレシーブが冴え渡り、確実に相手コートに返球し続けた。安定した試合運びを見せ、第1ゲームをわずか9本で奪う。勢いそのままに第2ゲームに突入。このゲームでも甘く浮いた球を見逃さず決め切るプレーや、正確なラインジャッジで得点を重ねる。最後まで集中力が切れることなく攻め続け、最終スコア2ー0(21ー9、21ー13)で勝利を挙げた。
ネット前のショットに反応する大林
★女子シングルス
予選からの出場となった吉田のシングルスは、悔しい結果に終わった。ゲーム序盤は、4連続得点を重ねる好調の滑り出し。試合の主導権を握ったかに見えた。しかし、相手がペースをつかみ始めると、徐々に点差を縮められていく。2点のリードを許したインターバル明けも、ネット際への打球に苦しめられ14-21。第1ゲームを献上してしまった。続く第2ゲームでも流れをつくれず、リードを許す展開に。「体育館とシャトルに合わせられなかった」と振り返るように、試合環境にうまく対応できず、吉田の得意とするラリー展開に持ち込むことができなかった。試合は終始相手ペースで展開され、クロスを狙ったショットがネットにかかり12ー21。吉田らしい試合を展開できず、予選敗退となった。
スマッシュを打つ吉田
シングルスで敗戦を喫した吉田だが明日の本戦から鈴木ゆうき(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)と共に女子ダブルスの試合に挑む。また3種目に出場する緑川や、緑川とペアを組む町田脩太(スポ1=長崎・瓊浦)、予選を突破した大林ら早大選手の躍動から目が離せない。明日以降の試合、これまでの厳しい戦いを勝ち抜いたトップレベルの選手が集結する。どのゲームも白熱した意地のぶつかりあいとなるだろう。しかし「優勝するチャンスはある」と大林が意気込むように、目の前の一戦を勝ち抜いた先に、おのずと頂は見えてくるはずだ。まずは明日の1回戦で勝利し、着実に頂への歩みを進めたいところだ。
(記事、写真 山田彩愛、渡邊彩織)
コメント
吉田瑠実(スポ3=埼玉栄)
――今日の試合を振り返っていかがですか
直前まで合宿をやっていてそこの環境のまま、(今日の試合に)入ってしまったので、体育館とシャトルに合わせられなかったのが敗因かなと思います。
――対戦相手の印象はいかがでしたか
(対戦相手が)高校生だったので自分よりも動けるというのはありました。自分の持ち味の体力勝負でのラリーというのができなかったです。長いラリーを取ることができず、試合的には相手よりも自分と戦って負けたという思いです。
――明日の女子ダブルス本戦に向けての意気込みを教えてください
頑張ります! 1試合は勝ちたいなと思います。1日だけでも残って1試合でも長く、(鈴木ゆうき(社4=宮城・聖ウルスラ学園英智)選手と)一緒にいられたらなと思います。
大林拓真(スポ4=埼玉栄)※共同記者会見より抜粋
――今日の試合を振り返っていかがですか
ランキングサーキットの結果に関係なく、インカレ(全日本学生選権)がベスト32で(本戦出場の)権利を取れなかったので、その中でも全日本総合に出ることができて良かったです。
――去年ケガに苦しんでいましたが現状の状態はいかがですか
ランキングサーキットが復帰戦でした。その時も万全ではなかったですが、練習自体は落とすこともなく、そこからやっていたので今はもう完治していると思います。
――インカレで出た課題をどのように修正したいですか
今回は予選からですし、もう余裕がないです。正直自分のできることをやれば優勝するチャンスはあると思います。自分の調子も悪くはないので、今日はしっかり休んで明日から1試合1試合集中して調子を上げていければなと思います。
――どんな思いで全日本総合に臨んでいますか
去年はアキレス腱を断裂して出ることがでられなかったので、楽しみにしてきました。楽しんでやっても負けたら悔しいので、楽しむことも大事ですがもっと無我夢中に頑張ることと優勝することが今回の目標です。
結果
▽男子シングルス
大林拓真○2-0(21-9、21ー13)西大輝(龍谷)
▽女子シングルス
吉田瑠実●0ー2(14ー21、12ー21)猿川優香(八代白百合学園高)