秋リーグが開幕!男子は辛勝、女子は大敗し明暗別れる

バドミントン

 「スポーツの秋」真っ盛りの9月中旬。東日本学生選手権(東日本)から2週間もしない本日、関東大学秋季リーグ戦(秋リーグ)が開幕した。ここから3日間と、21、22日に分けて行われる。初日のきょうは、男子が明大、女子が日体大と対戦。男子はシングルス3本で辛勝し、優勝に向けてまずまずといったところだろう。対する女子は日体大相手に完敗し、悔しい結果となった。

 シングルスで勝ち切れたことが勝負を分けた。吉村徳仁(スポ4=富山・高岡第一)がストレート勝ちを収めると、渡辺俊和主将(スポ4=埼玉栄)が競り勝ち2勝目を上げる。「相手の方が疲れていたので、自分は(シャトルを)入れておけば、相手がミスをしてくれると思っていました」(渡辺)と語るように、最後まで集中力を切らさずファイナル28−26の激戦を制し、大事な2勝目を手にした。続くダブルス2組は破れてしまったが、最後は小野寺雅之(スポ3=埼玉栄)が高校同級生対決を制し、3−2で初日を終えた。

熱戦を制した渡辺主将

 春リーグで優勝した女子は厳しい結果に。シングル2組があっさりと取られると、続くダブルス2組はファイナルまで持ち込むも惜敗してしまう。吾妻咲弥(スポ3=福島・富岡)・吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)ペアは第1ゲームで27−29、第3ゲームで18−21と勝ち切れず、どちらもリードしていた展開だっただけに悔しそうな表情を見せた。桃井伶実女子主将(スポ4=石川・金沢向陽)・平野紗妃(スポ2=福岡・九州国際大付)ペアは第1ゲームで圧倒したが、「勝ちにこだわったときに開き直ってできていなかった」(桃井)と語るように第2ゲームから形勢が逆転。ファイナルは12−21と押され、リーグ戦2勝目はならなかった。

「勝ちにこだわってしまった」と語った桃井・平野ペア

 リーグ戦は個人戦とは全く異なる雰囲気の中で行われる。チームメイトの応援を後ろに立ちプレーするため、ベンチがチームの勝敗に影響するといっても過言ではない。早稲田大学は部員数が少なく、ベンチの人数も限られてくる。一人一人の声が大事になってくるだろう。特に女子は今回日体大の勢いに圧倒されてしまった印象だ。チーム全員で勝ちにいけるかが勝負のカギとなる。

(記事・写真 石名遥)

結果

▽男子団体○3-2明大

シングルス1 吉村徳仁○2―0(21-19、21-11)

シングルス2 渡辺俊和○2-1(18−21、23-21、28−26)

ダブルス1 小野寺雅之・友金利玖斗(スポ2=兵庫・村野工)●1-2(21−16、15−21、19−21)

ダブルス2 浅原大輔・吉村徳仁●0―2(15−21、22−24)

シングルス3 小野寺雅之○2―1(21−23、21−16、21−18)


▽女子団体●1−4日体大

シングルス1 松本茜(社4=福岡・九州国際大付)●0-2(11−21、18−21)

シングルス2 鈴木ゆうき(社2=宮城・聖ウルスラ学院英智)●0-2(18−21、19−21)

ダブルス1 吾妻咲弥・吉田瑠実●1−2(27−29、21−10、18−21)

ダブルス2 桃井伶実主将・平野紗妃●1−2(21−18、19−21、12−21)

シングルス3 吉田瑠実○2―0(21−10、21−15)


コメント

渡辺俊和主将(スポ4=埼玉栄)

―― チームもご自身も競り勝ったと思うのですが、今の気持ちは

リーグ戦の初戦は結構大事なので、その初戦に勝てたのは大きいと思います。

――ファイナルの最後まで集中が切れなかった要因は

集中力は…。何だろう。分からないですね。

――相手の方が疲れていて、渡辺選手は体が動いているように見えました

相手の方が疲れていましたね(笑)。自分は(シャトルを)入れておけば、相手がミスをしてくれると思っていました。終盤追い抜いてやろうとずっと思っていました。

――フィジカルが強化されたように感じたのですが、夏合宿は体力面から振り返るといかがでしたか

夏合宿でランニングをいつもより増やして、宿舎から体育館までをランニングで行ったり、帰ってきたりっていうのもしていました。夏合宿で結構全員を追い込んだ感じがあります。

――その実感はありますか

正直まだ実感はないです(笑)。でもこの後、夏合宿で頑張ったのを普段の練習でも0にしないじゃないですけど、普段の練習でも生かしていけるようにしっかりやっていきたいです。

――このリーグ戦で渡辺選手のシングルスの1勝は大きいと思うのですが、その思いやプレッシャーは

本当ですよ。シングル陣があまりいなくて、シングルスの1つ1つの戦いが大事になってくるので、そこは自分としても、主将としても、選手としても勝たなきゃいけないと思います。そういう気持ちはありますね。

――今ダブルスのペアはいろいろと組まれていますね

緑川も大林もいないので、分業制にするか、誰かが単複兼ねても良いし、でも分業にした方が1つに集中できるし、そこは今後試行錯誤しながらやっていきたいと思います。

――これが最後の秋リーグになりますが、どんな秋リーグにしていきたいですか

リーグ戦で男女で優勝することかなと思います。でもまずは自分たちのことが一番大事です。オーダーとかも考えるのは自分ですし、いろんな選手の状態とかを見て、自分を見失わないようにそこはうまくやっていけたらと思います。

――個人としてはいかがですか

自分が勝って、チームを勝利に導けるようなプレーをしていきたいと思います。

吉村徳仁(スポ4=富山・高岡第一)

――シングルとダブルで対照的な結果となりましたが、どう振り返りますか

シングルは、本当だったら出ないはずだったのですが、ナショナルがいない状況で自分を出してもらえて。一番最初の試合でもあったので、勝ち負けも大事ですが雰囲気とかを大事にしていこうと思いました。泥臭いプレーとかしか自分はできないので、そういうプレーを意識してやったら結果勝ちに結びついたなというところです。ダブルスは、自分たちの課題でもあるサービス周りが結構下手に回ってしまいました。そこがこれからの課題でもありますし、まだ4戦続くので、そこの間でもインカレに向けてちょっとずつ修正していければなと思います。/p>

――ダブルスは二人の苦手な部分が前面に出てしまった試合だった印象です

自分もあんまり前衛ができないので、そこで自分がちょっとガツガツ強い球にちょっとこだわってしまって。そこがミスに繋がってしまいました。浅原(大輔、スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英知)のサービス周りというのも、サーブはちょっと問題がありますが、彼がしっかり前衛で仕事をしないと自分たちのダブルスは回っていきません。なので、自分も浅原くんが前に入りやすい球とかを出せるようにしていかないといけないというところですね。

――二人がチームの勝ちに結びついていくのではないかと思います

いい意味でも悪い意味でも自分たちが雰囲気を作っていかないといけないと思うので、試合で勝つことはもちろんですが、試合に負けた後の応援だったり、みんなに対しての対応とか、自分たちの態度とかもすごく大事になってくると思います。負けて悔しい気持ちもありますが、終わってしまったことなので、次に向けて気持ちを切り替えてチームのためになれるよう二人で頑張っていきます。

――4年間で最後のリーグ戦となりますが、どのような5日間にしていきたいですか

今まで悔しい成績やいい成績だったり、いろいろ経験した中での最後です。最後だからといって無駄に力むとかではなく、今まで通りの自分のやってきたこととかをしっかりやって、その中での負けだったらもうしょうがないので自分の力をしっかり出して、あとはチームをどんどん盛り上げたり引っ張っていければと思います。キャプテンとはまた違いますが、ムードメーカーとして頑張っていこうかなと思います。

桃井伶実女子主将(スポ4=石川・金沢向陽)

―― 最後のリーグ戦になりますが、春に優勝を経験して、今回どのようにやりたい、というのはありますか

春に優勝したのは、たまたまじゃないですけど、どこも同じくらいのレベルだったということもあって。春の優勝っていうのを考えずに秋は切り替えてまた優勝を目指したいです。前優勝したからというのはあまり考えずにやっています。

――春は吾妻咲弥選手(スポ3=福島・富岡)のけががありましたが、現在のチームのコンディションはどうですか

いつもリーグ前とか試合前とか誰かがけがをするのですが、今回はそんなこともなかったです。個々で痛いとかはあると思いますが、出られないということではなかったので、そんなに悪くないとは思います。

――第1ゲームは圧勝して、その後相手に詰められてきたと思うのですが、そこの要因は何でしょうか

まず、2ゲーム目の後半はしっかり勝っていて、その後にサーブのフォルトを自分が取られたときに、ちょっと流れが変わってしまいました。そこからあっちの流れで止められなかったっていうのが良くなかったです。それと、最初もあっちに3本取られていたので自分たちも思いきっていけたんですけど、やっぱ勝ちたいじゃないですか。勝ちにこだわったときに開き直ってできていなかった部分が最後持っていかれたのかなというのはあります。

――サーブミスをしたときに、流れが変わったというのは自分の中でどうやって気づきましたか

気持ち的にも結構競っている場面だったので、平野も多分ここもう1本取りたいところで取られてしまって、あーって切れてしまったと思いました。

――春に1勝した際は自分たちのかたちでできていたイメージなのですが、きょうはどうでしたか

最初に開き直っていた時は自分たちのプレーができていたのですが、最後は勝ちにこだわったときに相手の動かなくても届く場所に球を出していたり、相手も前に詰めてくることを徹底していたことに対してしっかり後ろに振れなかった、いう対応力や駆け引きなどが良くなかったと思います。

――試合後はお二人で何を話されていたのですか

試合後は今言った反省点とかですね。勝ちにこだわった時も開き直った時みたいにできていればうまく回っていたと思うんですけど、力入ったり、焦ったりしたときの二人のコミュニケーションだったり、流れの切り方をこれから考えないとまだ上には勝てないかなというのを話しました。

――どことの対戦が今大会のポイントになると思われますか

ポイントっていうか、1個落としちゃったので、やっぱ全勝しないと優勝っていうのは見えてこないです。1つ1つの試合を気持ち入れてやっていかないと思います。