全日本総合選手権も5日目を迎えた。各種目の準決勝が行われ、小野寺雅之(スポ2=埼玉栄)・岡村洋輝(日本ユニシス)組はナショナルA代表の遠藤大由・渡辺勇大組(日本ユニシス)との戦いに挑んだ。若さが引き出す力でどこまで通用するのか試したかったが、会場中から歓声が上がる準決勝特有の雰囲気に飲み込まれてしまい、思い通りのプレーができなかった。経験値が露わになり5-21、11-21と大差をつけられ悔しさが残る状態で二人の戦いは幕を閉じた。
岡村のスマッシュで相手を崩し、小野寺がプッシュを決めてこの試合は始まった。幸先の良いスタートを切ったものの緊張からか足が動かず、サーブ周りのミスやつなぎのミスが目立った。5-11で後半に突入し点差を縮めたいところだったが、前に素早く出てくる相手の前衛に捕まり攻撃的なプレーを展開することができなかった。「最後の方は何も考えられなくて。雑になっていたところはありました」と岡村が語ったよう、自分たちの流れをつかむことができないままこのゲームを落とした。
第1ゲームの終盤は「雑になっていたところがあった」と岡村
一方で、第2ゲームの序盤は積極的なプレーで相手に食らいついていきシーソーゲームを繰り広げた。しかし途中から粘り強いレシーブを得意とする相手に対しスマッシュが決まらなくなる。また、攻撃的なプレーで優位な試合運びをしていても相手の配球により守りの形を余儀なくされる場面が多く、得点に繋げることはできなかった。最後は遠藤の放ったストレートのドロップに対し、小野寺が滑り込むもラケットはシャトルを捉えることができず21点目を献上する形となった。
最後にシャトルに届かず、悔しそうな表情を浮かべる小野寺
準決勝で敗退となったが目標としていたベスト4入りを果たし、小野寺と岡村は喜びを口にした。一方で「まだまだフィジカルが上の選手の比にならないくらい弱い」(小野寺)と課題が見えたことも明かした。しかし、バドミントン界の次世代を担う二人が3位入賞を果たしたことで日本の層の厚さを感じせたのは確かだろう。所属が違い練習などで苦労する反面、成長が止まらない小野寺・岡村組。このペアが目指す場所は日本一ではなくその先にあるオリンピックだ。若き二人の戦いはまだまだ続く――。
(記事 佐藤菜々、写真 石名遥)
表彰状を手にする小野寺(右)と岡村
結果
▽男子ダブルス準決勝
小野寺・岡村(日本ユニシス)●0−2(5-21,11-21)遠藤大由・渡辺勇大(日本ユニシス)
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コメント
小野寺雅之(スポ2=埼玉栄)、岡村洋輝(日本ユニシス)
――きょうの試合を振り返って
岡村 先輩方とだったのでどれだけできるかだったのですが、正直パフォーマンスは半分も出せなかったと思います。自分たちのスタイルもできなかったので、あまり良くなかったです。
小野寺 昨日(3回戦が)終わった後に、自分たちが持っているパフォーマンスをやろうと言っていました。ですが、実際に準決勝の舞台に立って、1、2回戦とはやはり雰囲気が違って。その雰囲気に飲まれてしまい、いつも通りのパフォーマンスができませんでした。来年も二人で話し合って頑張っていきたいです。
――岡村選手が「半分も出せなかった」と言っていましたが、具体的にどのようなところでしょうか
岡村 細かいところで言ったら、簡単なミスばかりでつなぎのミスだったりとかサーブ周りだったりとか。そういうのがボロボロっと出てしまって、全然自分たちでのっていけないというか、全然勢いづいていけなかったところがダメだったなと思います。/p>
――相手に対しての戦術などはありましたか
小野寺 レシーブがうまいので。自分たちはまだパワーも全然足りていないですし、振られて振られてっていうのは練習のときからわかっていました。そこは我慢していこうと話していましたが、思った以上に自分が打っても決まらなかったですし、最後まで我慢できずにミスしてしまっったのも自分たちでした。そこをもっと我慢して攻められるようにしていきたいと思いました。
――初めての準決勝の舞台でしたが、実際に戦ってみてどうでしたか
岡村 あんまりいいパフォーマンスができなくて本当に悔しいですね。慣れない雰囲気や格上の相手ということもあって、縮こまってしまったのかなという感じです。
小野寺 負けても勝ってもお互いの力を出し切って悔いの残らないようにしようと思っていたのですが、初めての準決勝という舞台で観客も前と違って多くて、そういった雰囲気でやるのはあまりなかったので飲まれてしまって。思ったプレーができなかったと思います。その原因は自分たちの経験が少ないことだと思いました。次からはそういう舞台で活躍できるように頑張っていきたいです。
――第1ゲームについてお聞きします。大差をつけられてしまいました
岡村 1ゲーム目の最後の方はもう何も考えられなくて。雑になっていたところはありました。
小野寺 雰囲気に飲まれてしまって何もできませんでしたね。
――第1ゲームと第2ゲームの間に何を話しましたか
岡村 もう足が全然動いていなくて手だけになってしまっていたので、それはやめようという感じでした。
小野寺 戦術的なことはもう効かないと思ったので、勢いで持っていこうという話をしました。最初はいけたと思いましたが、相手は強いのですぐ対応されてしまって。自分たちもその対応力をつけていきたいですね。
、
――ベスト4という結果をどのように受け止めていますか
岡村 うれしいですが、4つ角の選手(井上金子ペア)が負けてしまってそことはやっていないので、ラッキーと言ったらあれですけど。それで満足しないようにしたいです。
小野寺 目標にしていたベスト4だったので正直嬉しい気持ちもあったのですが、A代表に入っていくためにはA代表と試合をしたときにどれだけいいパフォーマンスができるかだと思います。きょうはうれしい気持ちですけど、あすからまた上に選手に食らいついていけるように二人で練習して頑張っていきたいです。
――来年の抱負は
岡村 ナショナルチームに入ったら海外で結果を出していきたいですし、国内の大会でもまだ結果が出せていないのでランキングサーキットとかで優勝して結果を出していきたいです。
小野寺 ランキングサーキットであまりいい結果が出せていなかったり、海外でもまだ成績も残せていないので、国内外で結果を出していきたいです。
――この総合を振り返って
岡村 今回は結果だけで言ったらいい結果だったのかなと思います。1、2回戦とかは結構いい感じで、ダメなところから変化をつけたりして勝てたのでそこは良かったかと思います。今後はA代表ともっと対等に戦えるように頑張ります。
小野寺 結果的には目標としていたベスト4に入れてうれしかったですが、課題もたくさんあったのでそこはまた二人で話し合って改善していきたいです。まだまだフィジカルが上の選手の比にならないくらい弱いので、そういうところを頑張っていきたいですね。頑張ります!