全日本総合選手権（全日本総合）の２日目は、各種目の本戦１回戦が行われた。男子単の学生王者・古賀穗主将（スポ４＝福島・富岡）と大林拓真（スポ１＝埼玉栄）、男子複の小野寺雅之（スポ２＝埼玉栄）・岡村洋輝（日本ユニシス）組は共に１回戦を突破し、あすの２回戦に駒を進めた。一方女子単は、昨年の今大会でベスト８だった鈴木ゆうき（社１＝宮城・聖ウルスラ学院英智）はケガの影響もあってかストレート負けを喫し１回戦敗退に。混合ダブルスに出場した吾妻咲弥（スポ２＝福島・富岡）・小倉由嵩（日大）組も大学生ペアに惜敗。「勝ちにこだわりたい（吾妻）」と言っていただけに、悔しさが残った。あす以降も早大の戦いは続く。
（記事 石名遥 以下、写真はすべて佐藤菜々）
★２名が共に２回戦へ！大林は辛勝/男子シングルス
大林は昨年敗退した１回戦を突破し２回戦へ
男子シングルスは早大からは２名が出場。最後のエンジで臨む大会となった古賀は、立ち上がりでやや苦戦するも昨年に引き続き２回戦進出を果たした。
大林は高校の後輩との対決となった本戦1回戦。大林の持ち味であるスマッシュが炸裂し、２１－１３でゲームを先取する。勢いそのままに試合は進むと思われたが、相手がスマッシュに対応し始め、焦りからかミスを連発してしまう。今度は大林が相手のスマッシュに苦しめられ、勝負はファイナルゲームへ。甘くなった返球を見逃さずにプッシュし、連続で攻め込み１１点目を奪いインターバルを迎える。「自分のプレーを出す」と振り返ったように、速いショットで攻め続け、得点を決めるとガッツポーズを見せた。最後は、ラリーで我慢しきれなかった相手がショットをネットにかけ、２回戦進出を決めた。あすは高校の先輩でもあり、現在日本ランキング２位の西本拳太（トナミ運輸）との対戦。格上の選手だが、「粘り強く諦めずに頑張りたい」と語るように、速いスマッシュとラリーで得点する大林らしいプレーを展開してほしい。
（記事 石名遥、山本小晴）
結果
▽男子シングルス本戦１回戦
古賀○２−０（21-15,21-10）西野勝志（筑波大）
大林○２−１（21-13,19-21,21-14）川本拓真（埼玉栄）
★ドライブ合戦制す！着実に白星挙げた/男子ダブルス
低空戦を得意とするプレースタイルだ
今年はシドニーインターナショナルで優勝するなど活躍を見せる小野寺・岡村ペアが全日本総合の舞台に降り立った。
相手の勢いあるショットに立ち上がりは手こずるも、小野寺が前に素早く出て押し込むプレーが光る。レシーブも確実に返し相手のミスを誘い点数を重ね、最後はドライブ合戦を制しストレートで勝利した。昨年のベスト８から躍進し、４入りを果たせるかに注目だ
（記事 石名遥）
結果
▽男子ダブルス本戦１回戦
小野寺・岡村（日本ユニシス）○２−０（21-18,21-18）西澤潤・宮嶋航太郎（ＪＴＥＫＴ）
★実業団選手に力及ばず１回戦敗退/女子シングルス
ライン側に精彩を欠いた
ストレート負けを喫したが、実業団選手を相手に互角のラリーを展開する場面も見られ、収穫のある試合だった。鈴木の４連続失点から始まった第１ゲーム。その後もミスが続きなかなか得点につながらない。ネット前のショットで相手を翻弄（ほんろう）するも、１５－２１でこのセットを落としてしまう。続く第２ゲームでは相手のサーブミスでポイントを先取すると、今度は相手のミスで得点を重ね、ラウンドからのショットをクロスに沈めて５－１とする。出だしは好調だった。しかし、相手は今年の全日本社会人バドミントン選手権大会でベスト４に入賞した実業団選手。そう簡単には決めさせてくれなかった。鈴木のミスから流れは相手に傾きイレブンを先取されると、サイドラインいっぱいのスマッシュに対応できず点差を広げられ、ゲームセット。鈴木の全日本総合はここで幕を下ろした。
（記事 山本小晴）
結果
▽女子シングルス本戦１回戦
鈴木ゆ●０−２（15-21,13-21）川上紗恵奈（北都銀行）
★スマッシュに苦戦し逆転負け喫す/混合ダブルス
夏ぶりのミックス出場となった
全日本学生ミックスダブルス選手権で３位に入賞し、全日本総合本戦の出場権を獲得した吾妻・小倉組。ともに同大会で３位の仁平・鈴木（明大）組との対戦となった。
序盤は低空戦を制し、相手のネットミスを誘う。小倉のスマッシュや吾妻のプッシュも決まり、流れをつかむと第１ゲームを先取する。しかしここから打点の高い仁平のスマッシュに苦戦を余儀なくされ、相手に翻弄（ほんろう）されてしまう。左右に振られ、隙に押し込まれてしまう場面が多々見られた。迎えたファイナルでは、先行するも中盤から精彩を欠き逆転されてしまう。ラストもスマッシュを決められ１８−２１で敗北。惜しくも１回戦敗退に終わった。
（記事 石名遥）
結果
▽混合ダブルス本戦１回戦
小倉（日大）・吾妻●１−２（21-16,21-13,21-18）仁平澄也・上杉夏美（明大）
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コメント
大林拓真（スポ１＝埼玉栄）
―― 序盤から落ち着いてプレーしているように見えましたが、実際のコンディションはいかがでしたか
インカレはシングルス２位で、ダブルス１位で団体も優勝して、まだナショナルＢもまだ残っているのに（インカレが）終わってすぐに、良かったと安心して気が抜けていた部分がありました。コンディションとしてはあんまり良くなかったのですが、今思うとちゃんと練習とか切り替えてできなかったのが今回のファイナルに繋がったと思います。インカレで２位になってランキングも１６位になってシードももらったのに、きょうはファイナルゲームにいってしまって。一つ一つ、と思っていて、とりあえずきょうは勝ったので、切り替えて明日につなげていけたらと思います。
――インカレでは肉離れをしているとおっしゃっていましたが、ケガの状態は
肉離れは治りました。ナショナル合宿とかきついので、腰をケガしてしまって、今少し腰痛が再発しているのですが、もう試合は始まっているので、自己管理ができていなかったということかなと思います。言い訳とかはなしで、ケガしていないと思って頑張ります。
――きょうの相手は高校の後輩でした。意識していたことやプレッシャーはありましたか
相手が誰であっても、全日本総合になると弱い選手なんていないと思っています。１回戦で高校生と当たるって分かって、しかも後輩で、そこも気が抜けていた要因だと思います。終わったから言えるのですが、そこが全然ダメでした。１ゲーム目を簡単に取ったら２ゲーム目は大変になるっていうのは今までの経験で分かっていたにもかかわらず、出だしをもっていかれて、それで２ゲーム目取られてしまって。その点はすごく良くなかったところです。悪いところばっかりの試合でした。
――１ゲーム目はスマッシュがよく決まっていました
１ゲーム目は、相手も自分が先輩っていうことで思い切ってやろうって思っていたかもしれないのですが、日本総合になると桃田選手（賢斗、ＮＴＴ東日本）とか西本選手でも緊張すると思うし、高校生なら絶対緊張すると思います。相手が緊張しているうちに自分の持ち味のスマッシュで点数を取れればと思っていました。逆にそれが思うようにいきすぎて２ゲーム目以降は自分が決められなくなって、焦って、ファイナルでは自分が苦しめられることになったのかなと思います。
――２ゲーム目を取られたのはスマッシュに対応されたことと１ゲーム目がうまくいきすぎたことが原因ということでしょうか
そうですね、ちょっと気を抜いてしまいました。
――全体的にアウトなどのミスが多い印象を受けました
バックアウトのコントロールをするのが苦手で、ナショナルとかでも練習してきたんですけど。シャトルとか会場とかに対応する練習も必要だと感じました。
―― ３ゲーム目を取り返した要因は
２ゲーム目はスマッシュを決められて、出だしをもっていかれて、逆に自分のスマッシュは決まらなくなって。スマッシュで決められていたので、自分がどうしたらいいかが分かってきて、スマッシュを打たせないようにするとか、ラリーをするとか、対策をしたから３ゲーム目を取れたのかなと思います。でも、対策をしても、競った展開になってしまったので、これから考えていかなきゃいけないと思います。
――勝負所で声を出したりガッツポーズをしたりしたのは意識的なものですか
相手が後輩とか、自分がナショナルとかそういうのは関係なしに、自分のプレーを出すっていうのが勝ち負けよりも一番大事だと思うので。声出したり、ラリーしたり、基本的なことからやろうと考えていました。
――あすの対戦相手は西本選手です。意気込みは
今度は逆に埼玉栄の先輩なので、しっかり声出して、先輩なので礼儀正しく、シャトル返して、しっかり挨拶もして。格上の選手なので、しっかり粘り強く諦めずに頑張りたいと思います。