吾妻が3位入賞!夏合宿へ弾みをつける

バドミントン

 今年で6回目となる全日本学生ミックスダブルス選手権が2日間にわたって開催され、学生日本一の男女ペアを決める戦いが繰り広げられた。この大会は11月末から行われる全日本総合選手権(全日本総合)の出場選考も兼ねている。12日から行われる夏合宿前の最後の大会となるため、いい流れで夏の追い込み、そしてその後の東日本につなげたいところだ。

★準決勝で惜敗するも、全日本総合の出場権を獲得!/小倉(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)組

男子選手のスマッシュにも対応する吾妻

 小倉由嵩(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)組は初戦から危なげなく勝ち進み、2日目の5回戦に駒を進めた。迎えた5回戦、第1ゲーム序盤からドライブの打ち合いが繰り広げられるが低空戦を制し、一度もリードを許すことなくこのゲームを奪う。しかし、相手のドロップショットに苦戦を強いられ、第2ゲームを落とす。ファイナルゲームでは、相手の揺さぶりにも対応し、攻め急ぐことなく得点を重ねて勝利。準決勝進出を決めた。続く準決勝では、「きょうはサーブ周りに集中して、自分のできることをやろうと思った」と吾妻が振り返るように、サービスレシーブから攻めの形をつくり、ポイントを連取。その後も、相手にスマッシュを打たせ、レシーブから攻撃に転じ、徐々に点差を広げ、21―12でゲームを先取する。このままの流れでいきたい小倉・吾妻組だったが、ペースを上げた相手に押され、ミスを連発。勝負の行方はファイナルゲームへ。相手に有利な形をつくらせてしまい、イレブンを先取される。4―11の場面で吾妻が甘く上がった球に対して下がりながら飛びついてスマッシュ。長身を活かしたプレーを見せる。これをきっかけに流れが変わり、2点差にまで追いつくが、その2点差をなかなか埋められず、マッチポイントを握られてしまう。スマッシュをしのぎ、我慢強くラリーを展開すると相手選手にミス。試合はジュースに持ち込まれる。相手ペアは積極的に前に出て攻め込み、最後は緒方(日大)の鋭いスマッシュを小倉がレシーブできず、再び相手にマッチポイントをとられる。粘りを見せたかったが、吾妻の返球が浮いてしまい、プッシュされゲームセット。決勝進出はかなわなかったが、学生3位に輝き、全日本総合の出場権を得た。小倉・吾妻組の戦いはまだ終わらない。

(記事 山本小晴、写真 鈴木隆太郎)

★1年・4年ペア、初戦勝つも3回戦止まり/友金利玖斗(スポ1=兵庫・村野工)・中村幸(スポ4=富山国際大付)組

笑顔でプレーする友金と中村

 初戦を危なげなく勝ち進み、3回戦に臨んだ友金利玖斗(スポ1=兵庫・村野工)・中村幸(スポ4=富山国際大付)組。相手は法大の主将ペア。序盤から、スマッシュは決まらないもののコースをつく好プレーで点を重ねる。しかし、「相手の方が断然スピードが速かった」と中村が語ったように、相手の素早いスマッシュに対応できず法大主体でゲームを進められ、14−21で第1ゲームを落とす。続く第2ゲームもスマッシュに対応できず、ミスもあり12−21でゲームセット。試合後「結果にこだわると言うよりは楽しくやろう」(中村)との言葉通り試合には負けたものの、声を掛け合いリラックスして試合を行うことができた。次の目標であるインカレに向けて練習の日々が始まる。

(記事 田中香帆、写真 佐藤菜々)

★あと一歩及ばず2回戦敗退/日野滋斗(日大)・鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院英智)組

両者拮抗(きっこう)する展開となった

 鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院英智)が日野滋斗(日大)とペアを組み2回戦から登場した。第1ゲーム前半は拮抗(きっこう)した試合運びとなる。しかしインターバル後、相手の厳しい速球による猛攻を受け何度か連続得点を許し、このゲームを13ー21で終える。第2ゲームでも接戦を繰り広げるが、15点目以降にサイドラインギリギリを狙う精密なシャトルコントロールを見せ長いラリーをものにし、21ー19で最後の第3ゲームへとつなぐ。鈴木はゲーム前にパートナーと声を掛け合い、笑顔を見せてコートへ向かった。第3ゲームも今までのゲームと同様五分五分の試合展開が続き、互いに攻撃の手を緩めない。積極的にネット前へ出て健闘するが惜しくも及ばず、19ー21という僅かな点差で2回戦敗退に終わった。パートナーの日野と目標にしていた2回戦突破を叶えることはできなかったが、「ミックスだけでなくシングルスもダブルスもこれからいろんな大会があるので一つ一つ大事に頑張っていきたいと思います。」と鈴木は意気込む。これからのシングルスやダブルスでどれだけ輝き、勝利の笑顔を見せてくれるのか期待したい。鈴木のワセダでのバドミントンはまだまだ続く。

(記事 北崎麗、写真 佐藤菜々)

★ミスが目立ち悔しい結果に/河野匠真(日体大)・平野紗妃(スポ1=福岡・九州国際大付)組

1ゲーム目を先取した

 ルーキー平野紗紀(スポ1=福岡・九州国際大付)は河野匠真(日体大)とペアを組み2回戦から出場した。静かに始まった1ゲーム目は、相手のミスもあり順調に点を重ね先取する。「1ゲーム目をとれたのは二人とも大きくて、2ゲーム目油断しないようにと話していた」という平野。しかしその後の2ゲームでは相手のミスが減り、逆に平野・河野ペアのミスが目立ち始め、最後はラインぎりぎりのショットを決められ、初戦敗退となった。今回は悔しい結果となったが、これから4年間早大でプレーする平野は今後ダブルス、シングルスどちらでも活躍できる選手になりたいと話す。彼女がこれからどのような選手になっていくのかが楽しみだ。

(記事 福井香樹、写真 石名遥)

結果

▼準決勝

小倉由嵩(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)●1−2(21−12、18−21、20−22)

▼5回戦

小倉由嵩(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)○2−1(21−19、19−21、21−17)

▼4回戦

小倉由嵩(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)○2−0(21−15、21−18)

▼3回戦

小倉由嵩(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)〇2-0(21-13、21―12)

友金利玖斗(スポ1=兵庫・村野工)・中村幸女子主将(スポ4=富山国際大付)●0-2(14−21、12−21)

▼2回戦

小倉由嵩(日大)・吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)〇2-0(21-11、21―15)

友金利玖斗(スポ1=兵庫・村野工)・中村幸女子主将(スポ4=富山国際大付)〇2-0(21-13、21―16)

日野滋斗(日大)・鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院英智)●1−2(13−21、21−19、18−21)

河野匠真(日体大)・平野紗妃(スポ1=福岡・九州国際大付)●1-2(21−19、20−22、13−21)

コメント

中村幸女子主将(スポ4=富山国際大付)

――友金さんから誘われて出場という経緯だそうですね

はい、そうです。

――ミックスに向けての練習はどのくらいしたのでしょうか

全然していなくて。1、2回しかしていなくて、ほぼぶっつけみたいな感じでした。他大と組む人が多いので、結構みんなぶっつけだと思います。

――友金さんとのペアはどうでしたか

わたしにとっては最後のミックスなので、結果にこだわるというよりは、楽しくやろうっていう。それが初戦も3回戦でもできたので、まあよかったかなと思います。

――ミックスは男子の球も受けることが特徴ですが、それについては

速いですね。普段そんな速い球を受けることがないので、慣れなかったです。

――法大ペアと当たった3回戦は、スマッシュが決められる場面が多く見られました

相手の方が断然スピードが速かったので、そういう展開になるだろうなとは思っていました。予想通りだったというか、やっぱり速かったという印象です。

――きょうの収穫は

収穫というか、わたしはもうあと2ヶ月ちょっとで引退で、出られる試合が限られているなかで、ミックスっていう普段やらない種目にこうやって最後出させてもらって。貴重な経験をさせてもらったなと思います。

――もうすぐ合宿が始まりますが、この夏の抱負は

合宿が終われば東日本インカレがすぐあって、それがインカレに向けた大事な試合になります。合宿は、まずは直近の東日本に向けてというのと、それ以降の秋リーグや最終目標のインカレにつなげていけられるようにしていきたいです。

吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)

――今大会を振り返ってみていかがですか

ミックスっていうのはダブルスとシングルスに比べたらありえないくらい練習してなくて。競技として自分たちも捉えているかすらわからなくて(笑)。他の大学は分からないですけど、ワセダはテスト休みがすごく長くて。自分自身バドミントンの練習をあまり出来てない中で、かつ全然練習が出来ない他大の選手と組むってことだったので、本当に予想も出来ないような大会でした。とりあえずお互いの力を出して、その上で、2人で考えて相手を攻略していった結果だったのかなって思います。

――この結果には満足されていますか

いやあ。最後準決勝やってみて、まだ物足りなさとか、まだできるな、とか。自分男子の球に対応出来始めたところだったので、もっとできるかなという気持ちでした。

――昨日のコンディションはいかがでしたか

2回くらいしか練習してなくて(笑)。ただやるって感じでした。学校が違うので練習場所が違って。私が2日前くらいに日大にお世話になって練習したくらいで、練習をとりあえずしてなかったので。ケガはないのですが、バドミントンって結構感覚が大事なので、それが微妙で。不安要素ばっかりだったので、もうちょっと練習しておけば良かったなと思いました。

――きょうはどうでしたか

きのうの最終戦(4回戦)の相手はどっちも高校の後輩でした。その試合のときに、すごいサーブの調子が悪くて、自分すごく迷惑をかけたっていうのがあって。他の選手の試合も見て、きょうはサーブ周りに集中して、自分のできることをやろうと思ったきっかけがあって、ちょっと触れるようになったし、少し球も見えるようになったかなと思います。

――高校の後輩と戦うときの心境は

高校のときにずっとやってきて、しかも、2人とも(高校の)後輩で、すごく複雑だったのもあるのですが、他の大学の人よりもプレースタイルを少し分かっていたというのがありました。さすがに後輩に負けたくないって思って、試合の前にパートナーに負けたくないって言って(笑)。一番ムキになっちゃったんですけど、パートナーがすごく冷静だったので、抑えてくれました(笑)。

――きのうの試合ではネット前で前衛としてプレーすることが多かったですが、気をつけていたことはありますか

きのうの選手は相手の男の人がどういうプレーをしてくるか分からなかったので、自分が男子の球にあまり対応できてなかったっていうのが一番(ネット前に)落とす戦略に入ったきっかけです。相手の女子よりも先にタッチすることを考えたんですけど、風の影響とか体育館がいつもと違うとかっていうのもあって、少し思うようにできなかったっていうのはあります。

――会場の風が強かったように思います

結構強いですよね(笑)。シャトルが軽いので、1日目はめっちゃシャトルが伸びて、相手のスマッシュがすごく流れてきちゃうんですよ。すごく食い込まれるのでいつものポジションとは全然違うところで取らなきゃいけなくなるので、そこは難しかったです。きょうはある程度男の人と女の人のプレースタイルが分かっていて、どれくらいの球が来るっていうのが予想できていたので、きのうとは逆にあんまり風を気にせず出来ていたのかなっていうのがあります。

――きょうの試合では小倉選手がネット前でプレーして吾妻選手がスマッシュを打つという形も見られましたが、後衛のときに意識していたことはありますか

自分があげたとか、後ろに行くときは、多分自分が男子の球に対して自信があったときなんですよ。男子の球を自分がとれる自信があったので男子に向かってロビングあげたので、そこがきっかけだったんですけど。やっぱパートナーも連戦で、男と女全然動く量が違うので、疲れていた部分もあって、多分前に入ったんだと思います。パートナーが動いたら自分が後ろっていう感じでそんなに意識したところはなかったです。

――最後に全日本総合選手権への意気込みを教えてください

まず、去年すごく悔しい負け方をして負けちゃったので、ミックスで総合の権利がとれたのがすごく嬉しくて。今年は本戦からスタートなので、今回よりももっと練習して、少しでも自分が男子の球に対応できるようになって、なるべく後ろで動かしすぎず、自分もレシーブでゲームメイクしていけるようなラリー展開をしていきたいです。それはミックスだけじゃなくて女子ダブルスにもつながることだと思うので、そこを意識して頑張っていきたいと思います。

鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――相手ペアがスマッシュなどの速球を使って攻めの姿勢を多く見せてきた印象があったのですが、鈴木選手ご自身振り返ってみてどのように思われますか

ミックスはあまりやったことなくて初めてのミックスの公式戦でした。結構自分はネット前が苦手な中で、良いところもあったけれど、あまりうまくいかなかったことの方が多くて良い試合とは言えなかったと思うんですが、パートナーと思いきってできたのでよかったなと思います。

――パートナーとお二人で今大会に向けて何か話し合われたことはありますか

一回戦は勝ちたいなということを話し合っていて、あと、楽しくやろうと言いました。

――今大会はミックスダブルスの大会ということでご自身では相手ペアの速球に対してどのように対処していこうと考えていましたか

その場で考えるようにしていました。相手の男子選手のスマッシュだからといって下がったりすることなく自分からついていけたらなと思っていました。

――第1セットを落としてしまった後に第2セットへ向けてどのように相手ペアを攻略していこうと考えていましたか

やることはとりあえず変わらず、ミスを減らしていこうということを二人で話し合いました。

――今大会でご自身のなかで見つかった課題はありますか

サーブですね。

――今後へ向けて意気込みを一言お願いします

ミックスだけでなくシングルスもダブルスもこれからいろんな大会があるので一つ一つ大事に頑張っていきたいと思います。

平野紗紀(スポ1=福岡・九州国際大学付)

――今回ミックスダブルスということで、日本体育大学の河野さんと組まれたと思うのですが、ペアを組んだきっかけは何ですか

監督さんからの紹介で、組みました。

――1ゲーム目が相手のミスも多く、テンポよく点が取れていた、という印象だったのですがご自身で振り返ってみていかがですか

そうですね。初めての試合でお互い緊張していたのですが、1ゲーム目がとれたのは2人とも大きくて、2ゲーム目油断しないように、と言っていたんですけど、点数を取られちゃったのが原因でした。

――次に、2ゲーム目と3ゲーム目が1ゲーム目と比較して相手のミスが減ったこともあり、ミスが目立ってきた印象だったのですが、2ゲーム目、3ゲーム目を振り返ってみてどのように思いますか

そうですね。その通りだと思います。

――次に、1年生ということで、早稲田大学を選んだ理由は何ですか

先輩が行っていて、自分も行きたいと思ったのがきっかけです。

――今回の試合の反省点と今後につなげたい点は

ミックスダブルスは女が前が基本なんですけど、前衛は女子ダブルスでも大事なことだと思うので、前衛の沈める球だったり、前張っていくのを早くしていくところを改善していけたらいいと思います。

――最後に、早稲田大学でプレーする4年間でどのような選手になりたいですか

今はダブルスメインでやっているんですけど、もちろん上になっていくとシングルもやっていかないと、と思っているので、両方できる選手になっていけたらと思っています。