強豪を次々と撃破、全種目でベスト4入り

バドミントン

  ベスト4入りが一人のみだった昨年から一転、早大勢が躍動した。全日本学生選手権(インカレ)もついに残すことあと二日。この日は個人戦各種目の4、5回戦が行われた。男子シングルスの小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)が4回戦で黒星を喫したものの、男女単複全てで早大から準決勝進出者を輩出。同時に、全日本総合選手権本選への出場権も獲得した。

  中里裕貴副将(スポ4=埼玉栄)・小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)組は4回戦で昨年2位の川端・大関組(中大)と対戦。2ゲームとも21-16でつかみ、ストレートで下した。5回戦では、今年度西日本学生選手権で頂点に立った本田・中島組(龍谷大)と激突。第1ゲームは序盤から追う展開になり、そのまま覆せなかった。しかし第2ゲームでは、一時12点差をつける猛攻で主導権を握る。そしてファイナルゲームへと突入した。2点ビハインドで折り返したが、二人の強力なスマッシュやコンビネーションのよいフットワークで逆転。ついに決勝点をつかみ取った。小野寺はシングルスにも登場。4回戦で、ダブルスで下した大関と対戦し、フルゲームの末に敗れた。一方、昨年3位の古賀はここまで1ゲームも落とさず、順調な勝ち上がり。大会最終日、自身にとって2度目の準決勝へ挑む。

中里(左)・小野寺組はフルゲームの激闘を制した

 女子ダブルス4回戦、ゲームカウント0-1で迎えた第2ゲームはシーソーゲームになる。19-19の場面で前後に揺さぶられ、20点目を献上。しかし、「ここだけは何としても負けない」(中西)と強い気持ちを保った。中西がサーブレシーブで相手コート前方大きく右側にシャトルを落として並ぶと、さらに一点追加してマッチポイントを握る。最後は中西のスマッシュで相手をねじ伏せた。5回戦の相手は、ディフェンディングチャンピオンの宮浦・勝俣組(法大)。関東学生春季リーグ戦ではゲームカウント1-2で敗れていた。しかし、早大ペアの作戦が功を奏する。吾妻のスマッシュで仕留めて第1ゲームを手にすると、その後も二人の勢いは止まらない。緩急をうまく使い分け、21-13で第2ゲームも奪って白星。さらに中西は、シングルスでもその強さを見せつけた。5回戦、13-15から怒涛(どとう)の連続得点で一気に20点目までこぎ着けると、相手を右後方から左前方に大きく揺さぶり、ミスを誘ってゲームセット。単複ともにベスト8だった昨年を超え、最終日まで勝ち残った。

シングルスでもベスト4入し、中西は渾身のガッツポーズを見せた

 ここまで、男子シングルスの五十嵐(中大)が4回戦で敗退するなど、波乱の展開であるインカレ。大会最終日は、個人戦の準決勝と決勝が行われる。早大からは各種目一組ずつがベスト4入り、そして全日本総合選手権への切符を手にした。早大の個人戦タイトル総なめも、夢ではない。

(記事 橋本望、写真 橋本望、佐藤菜々)

結果

▽男子シングルス

5回戦

古賀穂(スポ3=福島・富岡)◯2-0(21-17、21-11)

4回戦

古賀◯2-0(21-14、21-3)

小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)●1-2(11-21、21-15、13-21)

▽女子シングルス

5回戦

中西貴映女子主将(スポ4=埼玉・大宮東)◯2-0(21-15、21-15)

4回戦

中西◯2-0(21-16、21-18)

▽男子ダブルス

5回戦

中里裕貴(スポ4=埼玉栄)、小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)◯2-1(16-21、21-14、21-17)

4回戦

中里、小野寺◯2-0(21-16、21-16)

▽女子ダブルス

5回戦

中西貴映女子主将(スポ4=埼玉・大宮東)、吾妻咲弥(スポ1=福島・富岡)◯2-0(21-13、22-20)

4回戦

中西、吾妻◯2-0(21-18、21-13)

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コメント

中西貴映女子主将(スポ4=埼玉・大宮東)、吾妻咲弥(スポ1=福島・富岡)

――まずダブルスの初戦を振り返っていかがですか

中西 まず初戦は絶対に勝って、全日本総合選手権(全日本総合)の出場権をつかもうという話を試合前にしました。ここだけは何としても負けないという気持ちでした。その気持ちが、最後第2ゲームで競ったときに効いたのだと思います。自分たちの方が強気で攻められて、勝てたのかなと思います。

吾妻 全日本総合に行きたいという気持ちは本当に強かったです。第2ゲームの後半自分がミスしてしまったことがあったのですが、最後は気持ちで勝てたのかなと思います。

――ダブルスの2戦目は昨年のチャンピオンが相手でしたが、振り返っていかがでしたか

中西 間違いなく相手の方がプレッシャーはあったと思いますし、自分たちは全日本総合出場が決まったことでいい感じで力が抜けていました。ただ向かっていくだけでした。相手は3年生と4年生のペアなのですが、4年生の方がすごく緊張しているのがこちらにも伝わってきていました。なのでそちらに球を集めて、とにかく自分たちが攻めるようにしました。その作戦がうまくいったと思います。対戦するのは2回目なのですが、前回は負けてしまっていたので、今回勝てて良かったです。

吾妻 向かっていくしかないと思っていたので、緊張はありませんでした。前回負けていたので、簡単には勝てないということは分かっていました。ラリーでしっかり我慢して、我慢し続けた結果が勝利につながったと思います。

――勝利して抱き合った瞬間は、どんな気持ちでしたか

中西 すごくうれしかったです。正直そんなに簡単に勝てるとは思っていなかったので。

吾妻 本当にうれしかったです。

――中西選手、シングルスは振り返っていかがですか

中西 気持ちのみ、という感じでした。相手よりも勝ちたいという気持ちが強かったから、勝てたのだと思います。ダブルスで勝てたことが気持ちの面でもプラスに働いて、シングルスでもいいかたちで勝てたと思います。

――あすに向けて意気込みをお願いします

中西 あすダブルスは、準決勝が筑波大の加藤・柏原組で強いです。でもきょうのようにしっかりと作戦を立てて、向かっていくことができれば、相手も緊張していると思いますし勝てる可能性はあると思います。シングルスに関しても、残った選手を見る限り十分優勝の可能性はあると思います。自分にとっては最後のインカレ(全日本学生選手権)なので、何としても勝つという気持ちで、あしたは頑張ります。

吾妻 二人で最後まで悔いなくやり切りたいです。結果よりも、最後までチャレンジし続けて、それが目標としている優勝につながればいいなと思います。

中里裕貴副将(スポ4=埼玉栄)、小野寺雅之(スポ1=埼玉栄)

――きょうの初戦は第1シードの相手との戦いになりましたが、何か意識されたりしましたか

中里 相手も決して弱くないし、絶対強いと思っていました。なので、体を動かして強気な姿勢でいきました。

小野寺 前回の全日本学生選手権で2位だったペアなので、自分たちは挑戦者の気持ちでいきました。相手は勝たなければいけないというプレッシャーもあったと思うので、こっちが気持ちで勝てたかなという感じです。

――準々決勝のファイルゲームではイレブンを先取されてしまいましたが、インターバルの間にお互いにどのような声かけをしましたか

中里 ファイナルゲームで先に11点目を取られて、少し緊張とかもあったんですが小野寺と落ち着いていつもの練習通りやれば大丈夫だと話しました。試合途中もしっかり声出して点を取り合いながらしっかり攻めることができたので、気持ちで勝てたかなと思います。

小野寺 同じです。

――きょうの2試合、ともに勝てた要因はなんだと思いますか

中里 最後の方負けてた場面でもしっかり気持ちをもってやっていけたことが勝因なのではないかと思います。

小野寺 自分は技術しかないので、声出して気持ちを上げていきました。相手より声出して、引かずにやっていけたことが勝因だとおもいます。

――あすの試合に向けて一言お願いします

中里 あしたは勝っても負けても最後なので、しっかり勝って2冠できるように頑張ります。

小野寺 優勝は目指してますが、一戦一戦確実に勝てるように頑張っていきたいです。