我妻・中西組、初の全日本総合本選出場を決める!

バドミントン

 ことしも日本一を懸けた戦いが幕を開けた。全国から精鋭たちが集う、全日本総合選手権(全日本総合)。この日は予選が行われ、早大からは女子ダブルスに我妻美沙紀(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・中西貴映女子主将(スポ3=埼玉・大宮東)組、女子シングルスに中西が出場。共に初戦から実業団でプレーしている選手に当たり、厳しい戦いになった。中西のシングルスはあと一歩のところで相手の背中をとらえることができず1回戦敗退となったが、ダブルスは逆転勝利し、初の本選出場を決めた。

 女子シングルス1回戦で早々に3連続得点を決めた中西。幸先のよいスタートを切ったと思われたが、ネットミスを誘われ失点し、並ばれると、徐々に相手ペースになる。相手が放つ緩急ある球に、なかなか攻撃のチャンスを見出すことができない。サイドラインぎりぎりを狙った鋭いショットに対して今度は中西が連続得点を許してしまい、14-21で第1ゲームを落としてしまった。第2ゲームは一時3点差をつけられるが、サーブレシーブから積極的に攻め、10-10で並ぶ。ところがイレブンを先取されると、再び流れが変わってしまった。一気に5点ビハインドまで追い込まれたが、スマッシュやコースの良いショットで少しずつ点を重ね、2点差まで迫る。ファイナルゲームまで持ち込めるかと思われたが、中西が打ち返したシャトルはネットを越えなかった。「すごく悔しい」(中西)。中西の全日本総合シングルス初挑戦は、ここまでとなった。

身体を大きく使ってシャトルを追いかける中西

 昨年は予選2回戦で敗退し、本選出場を目前にコートを後にした我妻・中西組。第1ゲームは先にイレブンを奪うが、14-14で並んだところから5連続得点を許してしまった。相手のネットミスを誘うなどして挽回したが紙一重の差で及ばず、このゲームを取りこぼしてしまう。しかし、第2ゲームからは流れを変えた。長いラリーに突入する前に次々と攻撃を仕掛けていき、着実に得点を積み重ねていく。序盤につかんだリードをそのまま手放さず、相手を突き放すようにしてこのゲームをものにした。続くファイナルゲームもこの二人の勢いは止まらない。鋭いコースへのショットに加え、相手が放ったシャトルの行方もしっかりと見極め、優勢でゲームを折り返す。気迫のこもったプレーで点差を広げていき、最後は相手のミスで21点目を手にした。初めての本選出場が決まった瞬間、二人は満面の笑顔で喜びを表現した。

初の本選出場を決めた我妻(奥)・中西組

 本選1回戦で我妻・中西が対するのは、2年前のこの大会で優勝し、昨年も2位に輝いた強豪ペア。厳しい戦いが予想されるが、我妻、中西がこのペアで出場するのはこの大会が最後になる。「楽しめたらいいな」(我妻)と語ったように、二人らしい息のあったプレーに注目したい。一方男子シングルスには、全日本学生選手権で3位になった古賀穂(スポ2=福島・富岡)も出場する。古賀も、今大会出場者の中で最もランキングが高い選手との一戦になるが、自分らしいプレーでの番狂わせに期待したい。

(記事 橋本望、写真 橋本望、佐藤亜利紗)

結果

▽女子シングルス予選1回戦

中西貴映(スポ3=埼玉・大宮東)●0-2(14-21、18-21)

▽女子ダブルス予選2回戦

我妻美沙紀(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)、中西○2-1(18―21、21-13、21-13)

コメント

中西貴映女子主将(スポ3=埼玉・大宮東)

――本選出場おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか

ありがとうございます。とりあえずダブルスは我妻さんと出る最後の試合なので、できるだけ長くコートに立ちたいって思って臨みました。なので良かったと思います。

――ダブルスのプレーを振り返っていかがですか

第1ゲームは少しリードしていたところから逆転されて、取られてしまいました。そこはあまり良くなかったんですけど、第2、第3ゲームは二人でどういう風に攻めようとかどういう風に守ろうとか話しをして、それを実践することができました。ラリーがすごく長くなることも多かったんですけど、そこで私たちが我慢して点数をしっかり取ることができていたので、それがきょうの勝因かなと思います。

――シングルスは振り返っていかがですか

シングルスは風の影響がすごくあって、それに対応するのに時間が掛かってしまいました。自分の思うようなプレーが少しも出せなかったので、すごく悔しいです。でも初めて立った舞台だったので、来年また自分が頑張ればまたチャンスを得られるので、これをいい経験と捉えてまた頑張っていきたいです。

――ダブルス本選に向けて、意気込みをお願いします

あしたは格上と当たると思うんですけど、きょうみたいに二人でいろいろと話しながら楽しくやって、1回あした勝てたらいいなと思います。頑張ります。

我妻美沙紀(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――予選突破おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください

インカレ(全日本学生選手権)が終わってこの大会の本戦に出ることを目標にやってきたので、達成できて良かったです。

――去年は予選敗退でした

そうですね、去年はここで負けちゃったので。一年間いろんな大会に中西(貴映、スポ3=埼玉・大宮東)と組んで出てきて、ステップアップできたので良かったと思います。

――きょうの対戦相手の印象はいかがでしたか

実業団の選手で、片方が高校の先輩でした。緊張したのですが、向かっていく気持ちでできたので特にやりづらさはなかったですね。

――第1ゲームは相手の追い上げもあり落とす展開でしたが、振り返ってみていかがですか

相手のレシーブがうまくて、こっちが無理やり攻めていたという感じでした。中西と話し合って、無理に攻めず大きい展開でやろうということになって。第2ゲームからは流れをつかむことができていたので良かったです。

――では第2ゲームとファイナルゲームで大きい展開で攻めていけたところが勝因でしょうか

そうですね。自分たちもミスが減ってきて、その分相手がミスし始めてくれました。我慢してラリーして、点数を取ることもできたので、そこが勝てたポイントかなと思います。

――2年間ペアを組んできた中西選手との最後の大会でもありますね

やっぱり最後なので緊張もするんですけど、一番は楽しくやれればいいかなと思っているので。きょうは楽しくできましたし、あしたも楽しめたらいいなと思います。頑張ります。