第４回全日本学生ミックスダブルス選手権が開催され、ワセダからは３組が出場した。ベスト４に入ると全日本総合選手権（全日本総合）の本選、ベスト８に入ると同選手権の予選への出場権を獲得できる今大会。きょねんに引き続き、ワセダが全日本総合への切符を手にすることを期待された。ところが、富岡寿将（社３＝熊本・八代東）・我妻美沙紀（スポ４＝宮城・聖ウルスラ学院英智）組、中里裕貴（スポ３＝埼玉栄）・島田きらら女子主将（スポ４＝青森山田）組が続けて初戦で敗退。松本康平（スポ３＝埼玉栄）・中西貴映（スポ３＝埼玉・大宮東）組も初戦は突破するものの、３回戦では相手に勝利を譲ってしまった。
きょねんの同大会で３位の座についた富岡・我妻組は第１シードでの出場。「自分たちのかたちに持っていくことができないまま、相手に勢いでやられてしまった」（富岡）と振り返るように、第１ゲーム、第２ゲーム共に相手に連続得点を許し、そのまま追い付くことができない。ストレートで白星を献上するという悔しい結果に終わった。続く中里・島田組の第１ゲーム前半は競り合う展開となった。終盤も果敢にスマッシュを打ち込み積極的に仕掛けていったが、逆に相手に良いコースをつかれて落としてしまう。第２ゲームでは得点を巻き返すも、細かいミスが目立つ。自分たちの流れをつくれず、１６－２１で試合終了。この日勝利を収めることはできなかった。
後半相手にペースを奪われてしまった中里（左）・島田組
ストレートで相手を制して３回戦に進出した松本康・中西組は、昨年の全日本学生選手権男子シングルス２位の五十嵐（中大）と筑波大の安田ペアと激突。第１ゲームは両者互いに譲らない展開になる。２０点目を先取されるも、松本康がサーブレシーブで相手の体制を崩し、中西がネット際にシャトルを落として同点に並んだ。そのまま連続でポイントを重ねて第１ゲームを奪取。ワセダが幸先の良いスタートを切った。ところが、第２ゲームでは前半シーソーゲームになるも１２－１４から一気に突き放され、一時７点差をつけられる。反撃はかなわず、ファイナルゲームへもつれ込んでしまった。追いかける展開が続く中、マッチポイントを取られてからも粘りのプレーを見せた松本康・中西組。しかし最後は放ったシャトルがネットに阻まれ、１５－２１で涙をのんだ。
３回戦で強豪と対戦した松本康（左）・中西組
「特殊な動きをしなければならない」（中里）と振り返ったように、ミックスダブルスならではの難しさに苦戦。出場した全組が、全日本総合の挑戦権が得られるベスト８入りを前に敗れてしまった。しかし選手たちの気持ちは、約２週間後に迫った秋季リーグに向けてすでに切り替わっている。「シングルス、ダブルスともに全勝して優勝できるように頑張りたい」（我妻）。男子は５位、女子は４位という悔しい結果になった春季リーグの雪辱を果たすべく、まずは初戦を確実に勝ち取りたいところだ。
（記事 高橋里沙、橋本望、写真 大庭開）
結果
▼３回戦
松本康平（スポ３＝埼玉栄）・中西貴映（スポ３＝埼玉・大宮東）●１－２（２２－２０、１４－２１、１５－２１）
▼２回戦
松本康平（スポ３＝埼玉栄）・中西貴映（スポ３＝埼玉・大宮東）○２－０（２１－１２、２１－１２）
富岡寿将（社３＝熊本・八代東）・我妻美沙紀（スポ４＝宮城・聖ウルスラ学院英智）●０－２（１３－２１、１６－２１）
中里裕貴（スポ３＝埼玉栄）・島田きらら女子主将（スポ４＝青森山田）●（１４－２１、１６－２１）
コメント
中里裕貴（スポ３＝埼玉栄）、島田きらら女子主将（スポ４＝青森山田）
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
島田 やはりカベは厚かったです。悪くはなかったんですけど、所々でミスが出て、そこで相手に流れを持っていかれてしまいました。勝ちたかったですけど残念です。
中里 確かに悪くはなかったんですけど、これを言ったら言い訳になってしまうかもしれないですが、今合宿中で身体が休まっていなかったです。コンディションはあまり良くなかったですが、結局負けは負けなので、もしまた機会があれば次は頑張りたいです。
――何を目標に掲げてこの大会に臨まれましたか
島田 まずは、全日本総合選手権に出たかったのでベスト８に入ることが目標でした。
――このペアでは初の出場でしたが、コンビネーションがいかがでしたか
中里 良かったんじゃないですか（笑）。
島田 良いです。激アツです（笑）。
――前半競って後半ペースを奪われてしまう展開になってしまったと思うのですが、その原因は何だったと思いますか
中里 疲労ですかね。
島田 （中里は）声が大きいので、とりあえず二人で声を出してやっていこうと思っていたんですけど、途中でミスが出てしまってそこからなかなか修正できなかったです。
――普段のダブルスと違う難しさはありましたか
中里 男子ダブルスは速い展開で前衛後衛と分かれてやるんですけど、ミックスになると女子が（相手の球を）止めて男子が動いて、なおかつミスを少なくすることが求められます。特殊な動きをしなければならないので、そこが難しかったです。
島田 女子ダブルスだと私は後衛なのですがミックスだと前衛なのであまり得意ではないです。そんな中でうまく球を沈めて沈めていけるかに懸かっているのでそこが難しかったです。
――試合中もベンチでも大きな声を出していましたね
島田 ミックスはノリが大事だと思っているので（笑）。流れがきた瞬間に試合が大きく動くので、とにかく大きな声を出して流れを持ってこようとしました。
――秋季リーグに向けて意気込みをお願いします
中里 初戦なかなか勝てないことが多いのですが、初戦を勝てば勢いもつくと思うので、しっかり初戦を勝ってチームに流れを引き寄せたいです。
島田 同じく初戦をいつも勝てていないので、まず筑波大と当たる初戦をどんなかたちでも勝って、勢いをつけて、絶対優勝できるように頑張ります。
富岡寿将（社３＝熊本・八代東）、我妻美沙紀（スポ４＝宮城・聖ウルスラ学院英智）
――きょうの試合を振り返っていかがですか
我妻 きょねんは初めてでとても気楽に楽しくできましたが、ことしは第１シードということで変に意識してしまいました。自分たちの力を発揮できなかったので、悔しい気持ちです。
富岡 自分もやはりきょねんと比べると変に力が入っていた部分があって、思い切りの良さというかそういったことがきょうはうまく出せなかったかなと思います
――昨年３位だったことのプレッシャーはありましたか
我妻 はい、ありました。
富岡 そうですね。
――コンビネーションはいかがでしたか
我妻 初戦ということで身体があまり動かないままどんどん試合が進んでいってしまって、自分たちのプレーがあまり出せなかったです。
富岡 自分たちはいつも出だしが悪くて、きょうも良くありませんでした。きょうは最後まで自分たちの決める球というか、自分たちのかたちに持っていくことができないまま、相手に勢いでやられてしまったという感じでした。
――今大会での収穫があれば教えて下さい
我妻 きょねん結果を出していたことで、今回は先を見過ぎてしまっていた部分がありました。今後の試合では１試合１試合、目の前の試合を大事に戦っていきたいなと思います。
富岡 自分は初戦の強い相手に対してどう試合に入っていくのかというところと、来年はもし出られるとしたら他の女子の選手と組んで出るので、我妻さんと２年間組んだ経験を生かして頑張りたいと思います。
――最後に秋季リーグへの意気込みをお願いします
我妻 最後のリーグになるのでシングルス、ダブルスともに全勝して優勝できるように頑張りたいです。
富岡 男子が春は５位でぎりぎりの戦いをしていたので、秋は優勝を目指せるようにみんなで頑張っていきたいです。
松本康平（スポ３＝埼玉栄）、中西貴映（スポ３＝埼玉・大宮東）
――きょうの試合を振り返って
中西 あまりミックスは経験がないので探り探りで練習してきたのですが、あまり良いところが出せずに負けてしまったところがあります。出し切って負けるのならしょうがないのですがそこが悔しいです。
松本 練習不足、の一言です。
――この大会での目標は
中西 ベスト８に入ることが目標でした。
松本 優勝でした（笑）。
――普段のダブルスと違う点、難しい点はどこですか
中西 普段と違って基本的に前にいることが多くて、そこで女子が球を浴びさせるようにつくっていかなければいけないのですが、それがすごく難しかったです。女子ダブルスだと簡単にそういうことができるのですが、男子がいることでスピードが違い、いろいろと変わったところがありました。
松本 自分は普段のダブルスの時も後衛で、男子のダブルスのパートナーも左利きなので組みにくいという意識もなくとてもやりやすかったです。動き自体は球を出すところが違って難しかったので、来年に向けて練習していきたいです。
――第二試合目は第１ゲームを先取してから逆転されましたが、その理由はどこにあると思いますか
中西 すごく体育館に風が吹いていて、第２ゲームのコートはシャトルが飛ばなくて甘くなってしまって相手が思い切り打ってくるかたちで引いてしまいました。それと、中盤までリードしていたのですがそこでもう１点取れていればまた変わったと思います。そこで１点取れなかったことで相手に完全に流れがいってしまったのかなと思います。
松本 個人的なのですが、いま合宿中なので途中から疲労が見えたかなと思います。
――第３ゲームでネットミスに苦しむ場面があったと思うのですが
中西 お互い球が浮いてしまうと相手から厳しい球がくるのでそれできれいに入れようとしすぎてしまって、ネットにかかるミスが多くなってしまいました。風もあって自信をもっていろいろな球を打てなくなってしまって、ネットへのミスが増えてしまったと思います。
松本 疲労とかで足がだんだん動かなくなっていって、足が出ずに手打ちになってネットにかかったという部分と、あとは、力が入りすぎてネットにかかってしまったというところがあったと思います。
――秋季リーグへの意気込みをよろしくお願いします
中西 春は個人的には８勝２敗、チームとしては２勝３敗とあまりチームの勝ちにつなげることができませんでした。秋はきっと単複で試合に出させていただくと思うので、自分が勝ちを取れるという信頼をつけて、もう少しチームの人たちも自分もあとひとつ、となってゲームをとりやすくなるようにしたいです。個人的には負けてはいけない立場だと思うので、しっかり勝っていけるように頑張りたいと思います。
松本 初戦で勝って勢いに乗りたいと思っていて、特にシングルスが先なので、シングルスでチームに勢いをつくることができればなと思います。