A、B二つのブロックに分かれ、個人の熱い戦いが繰り広げられる関東学生選手権。この日開幕した男子シングルスには、ワセダから15名の選手が出場した。1回戦からトーナメントを勝ち上がった富岡寿将(社3=熊本・八代東)、渡辺俊和(スポ1=埼玉栄)と、シードで2回戦から登場した松本康平(スポ3=埼玉栄)、古賀穂(スポ2=福島・富岡)の計4名の選手が5回戦進出を決めた。
1、2回戦を勝ち上がった江藤怜央(スポ3=神奈川・生田)は、3回戦の第1ゲームで開始早々5連続ポイントを許してしまう。ところが一気に巻き返し、シーソーゲームに持ち込むと、ゲームスコア17-17で並んだ。このまま追い返すかと思われたものの相手に勢いを奪われ、再び突き放される。そのままこのゲームを取りこぼしてしまった。第2ゲームはシャトルの行方をしっかり見極め、着実に自分のポイントを積み重ねていく。11点目を先取し、リードで折り返した。互いに気迫のこもったプレーを展開し、時には床に倒れ込みながらも必死に食らいつく。ゲームスコア16-19から相手を揺さぶり、ネット際の駆け引きでもその技術を発揮して何とか追いついた。しかし、ここでスマッシュを続けて決められ、惜しくも涙をのむ結果となった江藤。3回戦でコートを後にした。
3回戦で激闘を繰り広げた江藤
4回戦に登場した富岡はなかなか流れをつかむことができず、第1ゲームを12-21と大差をつけられて落としてしまう。しかしこのままでは終われない。「第2、3ゲームは自分に自信を持ってやれた」(富岡)と振り返ったように第2ゲームを奪い返し、ゲームカウント1-1で並んだ。雌雄を決する最終ゲームは、幸先の良いスタートを切り、一度も逆転を許さずにゲームスコア20-14まで持ち込む。このまま白星を勝ち取るかと思われた場面で、相手の攻撃のコース取りがさえる。4点を盛り返されたものの、最後は相手のミスを誘って決勝点を手にし、ベスト16入りを果たした。
逆転し、ベスト16入りを決めた富岡
全日本学生選手権(インカレ)への挑戦権が懸かっている今大会。「ベスト4からインカレに出られるので、そこを目指したい」(富岡)。学生日本一を決める大会に向け、選手の思いもひとしおだ。ベスト8決定戦以上は、らいしゅうに持ち越される。ワセダから何人の選手が全国に羽ばたけるか。戦いはまだ始まったばかりだ。
(記事 橋本望、写真 本田京太郎)
結果
▽Aブロック男子シングルス
▼4回戦
松本康平(スポ3=埼玉栄)○2-0(21-13、21-18)
富岡寿将(社3=熊本・八代東)○2-1(12-21、21-16、21-14)
古賀穂(スポ2=福島・富岡)○2-0(21-15、21-17)
渡辺俊和(スポ1=埼玉栄)○2-0(21-9、21-12)
▼3回戦
松本康平(スポ3=埼玉栄)○2-0(21-10、21-19)
江藤怜央(スポ3=神奈川・生田)●0-2(17-21、19-21)
富岡寿将(社3=熊本・八代東)○2-1(21-19、13-21、21-18)
古賀穂(スポ2=福島・富岡)○2-0(21-6、21-14)
渡辺俊和(スポ1=埼玉栄)○2-0(21-17、21-10)
吉村徳仁(スポ1=富山・高岡第一)●0-2(12-21、15-21)
コメント
富岡寿将(社3=熊本・八代東)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
練習でもいつもやっても1試合なので、きょうは4試合あるということで最後まで動けるかなと思っていました。でも一試合目からしっかり動けていて、自分のペースで最後まで試合ができたので、勝てたのだと思います。
――4試合ありましたが、体力や疲れの面ではいかがでしたか
前日にやりすぎると試合の日にだめになってしまうので、しっかりと自分で調整してきょう臨んだら、良い感じにできました。もう一試合やっても多分いけると思います(笑)。
――4回戦では、第1ゲームを奪われた後に逆転しましたが、それは要領を得たということでしょうか
三試合目で(自分の)ピークまではきていたんですけど、第2ゲームで相手の球とか配球を見て、第3ゲームでそれをつぶせたので、第2、3ゲームは自分に自信を持ってやれたと思います。
――この大会におけるシングルス、ダブルスの目標をそれぞれ教えてください
ベスト4からインカレ(全日本学生選手権)に出られるので、そこを目指したいです。シングルスは特に、(インカレの選考がある)東日本学生選手権に自分は他の試合があって出ないので、シングルスでインカレに出るならこの試合で勝たなければいけません。ダブルスはもう(出場が)決まっているんですけど。もしかしたらワセダの渡辺俊和(スポ1=埼玉栄)と対戦することになるかもしれないんですけど、ベスト4目指して頑張りたいです。