大勢の観客に見守られる中、準決勝が行われた。ここまでの試合では終盤の勝負強さを見せつけ、勝利してきた古賀輝。この日はディフェンディングチャンピオンである佐々木翔(トナミ運輸)との初対戦となった。日本ランキング3位、ロンドン五輪ではベスト8入りという強豪を前に後塵を拝するのみー。決勝進出はかなわなかった。
2回戦では前年度この大会で3位に入った常山幹太(トナミ運輸)、準々決勝では早大OBでもある上田拓馬(平23スポ卒=現日本ユニシス)を下す快進撃を続けてきた。そんな古賀輝を待ち受けるのは、昨年度7年ぶりに内閣総理大臣杯を手にしたベテラン・佐々木。序盤から相手にゲームメークされ、なかなかポイントを取ることができない。最初のインターバルは7-11の4点差で折り返す。コースを突いた相手のスマッシュが決まり、連続失点を許した。相手の強打をうまくリターンし応戦するも、10-21でゲームを奪われる。
昨年度覇者の佐々木翔(トナミ運輸)とは初対決となった古賀輝
古賀輝も負けてはいなかった。続く第2ゲームの序盤、「連続ポイントを取れる自信になった」(古賀輝)との言葉通り、逆を突いたプレーやライン際を狙ったショットが決まり、相手からリードを奪う。しかし相手も簡単に引き下がりはしない。一打で流れを引き戻す圧巻の試合運びを展開され、またもやイレブンを先取される。我慢強いラリーを展開しながらも、得点に結びつかない。左右に鋭いスマッシュを打ち込まれマッチポイントを与えてしまった。そこから粘りを見せた古賀輝だったが、最後のポイントは相手に逆を突かれ足が追い付かず。早大勢として、大学生として、今大会一番長くコートに立ち続けた古賀の戦いが静かに幕を閉じた。
試合終了時には悔しい表情を浮かべた
試合後、「(良かった点より)課題のほうが多い」と振り返った古賀輝。ワセダとして出場するのはこれが最後となったが、卒業後もNTT東日本で競技を続ける。「シングルスかダブルスか一本に絞らずやっていきたい」(古賀輝)と今後へ意欲を見せた。シングルス、ダブルス、ミックスダブルスとすべての種目で結果を残してきたオールラウンダーは、新天地へ確かな一歩を踏み出した。
(記事 佐藤亜利紗、写真 八木瑛莉佳)
結果
▽準決勝
▼男子シングルス 3位
古賀輝(スポ4=埼玉栄)●0-2佐々木翔(トナミ運輸)
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コメント
古賀輝(スポ4=埼玉栄) ※囲み取材より抜粋
――どのような戦い方をしようと思って臨まれましたか
サーブもレシーブもいい相手だったので、自分が良いセーブするとしたら低い球かなと思っていたんですが、そういうところは読まれていて。ラケット立ててやってたんですけど、そこから決めよう決めよう、と焦ってしまいしました。
――公式戦では初対戦でしょうか
初ですね。
――自分の中で良かった点はありますか
2ゲーム目の出だしは8-2くらいまでいけて、連続ポイントを取れる自信にはなりました。それが相手のミスなどで、自分でラリーして勝ったというのがあまりありませんでした。良い点というのはそこまでなくて、課題のほうが多いのかなと思います。
――きのうシングルスのベスト4に関して驚きがあるということでしたが、どのような気持ちで臨まれましたか
ディフェンディングチャンピオンということで、みんな佐々木翔さん(トナミ運輸)を目指してやっていると思います。ベスト4には入れた達成感はありますが、そこで喜んでいるばかりでなく、切り替えはしようかなと思います。
――大会全体を振り返って得た収穫はありますか
3種目ミックス社会人と高校生に負けて不甲斐ない試合でした。その分、シングルス一つになった時に、それだけに集中できるようになりました。ここまでパフォーマンスを上げれることができたのかなという大会でした。
――らいねんはどんな年にしていきたいですか
ナショナルチームに入ることができたんですが、ダブルスは今回不甲斐ない結果に終わってしまったので、ランクアップしていきたいなと思います。