男女混合で行われるミックスダブルスの国内レベル向上のため、昨年度に新設された全日本学生ミックスダブルス選手権。2013年度の全日本大学選手権(インカレ)ダブルスベスト32に進出したペアに出場権が与えられ、早大からは2組が出場した。うち古賀輝(スポ3=埼玉栄)・清水恵(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)ペアはベスト4で大会を終え、全日本総合選手権(全日本)本選への出場権を獲得した。
2回戦から登場したのは齋藤太一(スポ3= 福島・富岡)・島田きらら(スポ2=青森山田)ペア。齋藤は古賀と共に7月24日から29日にわたりスペインで開催されていた世界学生選手権へ参加していたため、十分に準備期間を経ることなく試合に臨んだという。相手のミスを誘い第1ゲームを先取するが、今度は逆に敵に翻弄(ほんろう)され第2ゲーム開始序盤から得点を奪われる。「度重なるミスで相手を勢いに乗せてしまった」と島田が語ったように流れを取り戻せず、そのまま第2、第3ゲームを相次いで落とし手痛い敗戦となった。
2回戦敗退となった齋藤・島田(左)ペア
古賀・清水ペアも同じく2回戦から出場。初戦ではファイナルゲームまでもつれ、苦しい戦いを強いられた。だがファイナルゲームのイレブン以降からは「思い切ってやろう(と清水に声を掛けた)」と古賀が話した通り、攻めの姿勢を貫き6連続得点で驚異的な追い上げを見せる。21-13で相手を撃破すると、勢いそのまま3連勝。ベスト4入りを果たし、翌日の準決勝へ駒を進めた。迎えた大会2日目は日体大のペアと対戦。「相手が練習してきている様子で圧倒されてしまった」と清水が振り返ったように、終始試合の主導権を相手に握られてしまう。度重なるスマッシュの応酬に返球し切れず、攻撃のチャンスをつくり出すことができなくなりゲームカウント0-2と完封負けを喫した。しかしベスト4に終わり全日本本選という大舞台への挑戦権を勝ち取った。
全日本本選出場を決めた古賀(左)・清水ペア
今大会に大きく照準を合わせているわけではなかったにもかかわらず、ベスト4という結果を残せたことは早大にとって良い影響をもたらすはずだろう。古賀・清水ペアは全日本へ向けて、さらなるレベルアップが期待される。またチームとしては最大の目標であるインカレを10月に控えている。悲願の団体優勝へ向けて――。鍛錬の夏を経て、いかに成長できるかがカギとなる。
(記事 八木瑛莉佳、写真 三田侑実、八木瑛莉佳)
結果
▽ベスト4
古賀輝(スポ3=埼玉栄)・清水恵(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)
▽2回戦敗退
齋藤太一(スポ3=福島・富岡)・島田きらら(スポ2=青森山田)
コメント
古賀輝(スポ3=埼玉栄)
――初日の試合を振り返ってみていかがでしたか
きのうの1試合目は1ゲームを取られて、あまり練習していなかったので焦る部分もあったんですけど、どうにか勝てて良かったです。
――2回戦の第3ゲーム目から攻撃的に試合を進めていましたが、要因は何だと思われますか
思い切ってやろうかなって感じで、落として攻める形を作ったことです。
――試合中にたくさん相談されていましたがどのようなことを話していましたか
打った後に構えたりとか、基本的なことを「こうしていこう」と話し合っていました。
――きょうのの試合を振り返ってみていかがでしたか
きょうは相手も相当練習していて、男子も打ったら早いし女子も詰めるのが早かったりで、(ミックスダブルスの)かたちがものすごくできていたので、完敗でしたね。
――この試合への意気込みやゲームプランなどはありましたか
目標はまずベスト4でそこから勝っていこうと思ったのですけど、やっぱり強かったのでやられちゃいましたね。
――練習期間はどのくらいでしたか
練習期間は、スペインから帰ってきて1日くらいしかできなかったので、もっと練習していけたら良いなと思います。
――きのうの試合と比較すると、やや攻撃的ではありませんでしたが
きのうは1試合目がだめで、やっぱりきょうも1試合目がだめだったので、もっとアップをしっかりしていけばキレが出ていたかなと思います。
――全日本総合選手権(全日本)の出場権を獲得されましたが、ミックスダブルスとしての今後の課題や意気込みをお願いします
もっとパワーつけて、攻めていても上がってきて決められなかったら意味がないので、ミスしないようにしながら攻め切ることをしていきたいです。
――世界学生選手権についてですが、個人・団体を振り返っていかがでしたか
団体戦で、リーグ戦はスイス、スリランカ、ロシアと当たって、準々決勝ではマレーシアと当たって2-2で回ってきました。それもミックス(での出場)でしたけど、全然歯が立たなかったので、申し訳なかったなという感じです。
――東日本学生選手権(東日本インカレ)や関東大学秋季リーグ戦(秋季リーグ)などの今後に向けての課題をお願いします
まず東日本(インカレ)があり、きょねんは団体戦が2位だったので今回はリベンジも兼ねての優勝を目指すのと、個人戦では東日本(インカレ)では勝ててないので勝ちたいです。(秋季)リーグでは春に日体大に負けて黒星スタートだったので全勝優勝していきたいです。インカレでは団体がまだ優勝したこと無いので優勝してみたいし、ダブルスは今2連覇しているので頑張って3連覇して、シングルスでも上位に食い込めたら良いなと思います。
清水恵(スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)
――きのうの試合を振り返っていかがですか
初戦がファイナルゲームまでいって負けそうできつかったです。自分がかなり緊張していたのですけど古賀(輝、スポ3=埼玉栄)がカバーしてくれました。古賀のおかげで勝てましたね。
――初戦のゲーム後半から調子が上がったような印象でしたが
お互い動きが分かったからですね。いままでそんなに練習ができていなかったので。
――試合中も相談されているような印象を受けました
相談というよりは古賀からアドバイスを受けていました(笑)。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
相手が結構練習してきている様子で、圧倒されてしまいました。
――今大会に向けてのミックスでの練習期間はどのくらいありましたか
(古賀が世界学生選手権へ出場していたため)おととい1回練習しただけです(笑)。
――今回の結果を受けて全日本の本選への出場権を獲得されましたが、抱負をお願いします
今回は全然練習していなかったので、次はちゃんと練習して恥をかかないような試合にできるよう頑張ります(笑)。
――東日本インカレに向けてのチームの状態はいかがですか
いまはちょうど気が引き締まっている感じですね。
――夏の練習はどのようにされていますか
福岡で合宿があって、それが終わってちょっと練習したらもう東日本インカレです。なので合宿で追い込んで、という感じです。
――秋は大会が多く続きますが、抱負をお願いします
まず団体でインカレ優勝を目指して、個人でも入賞できるようにしたいです。
島田きらら(スポ2=青森山田)
――きょうの試合を振り返って
きょう初めて、齋藤さん(太一、スポ3=福島・富岡)とペアを組みました。そのせいか少しぎくしゃくしたプレーになってしまいました。
――どのくらいの練習期間を経て、試合に臨みましたか
一度も練習できていないです。いきなり本番に臨んだという感じですね。
――今大会へ向けての意気込みはありましたか
2回勝って、全日本に出たいという気持ちで出場しました。
――お二人のきょうの調子はいかがでしたか
齋藤さんは素晴らしかったです。ただ、私が前衛ができないこともあり、足を引っ張ってしまい申し訳なかったです。
――ファイナルゲームまでもつれる接戦でした
1ゲーム目を先取できたので、この流れのまま勝てると思っていました。しかし2ゲーム目の序盤でミスを連発してしまいました。度重なるミスで、相手を勢いに乗せてしまいました。ミスが続かなければ勝てていたのかなという思いはありますね。残念です。
――ご自身初めてのミックスですが、難しかった点などはありましたか
ミックスでは、女子が前衛をやらないといけないという点で難しさを感じました。私はもともと前衛が苦手で、今回は齋藤さんに任せっきりになってしまい、前衛としての役割がうまく果たせませんでした。
――今後の課題などあればお願いいたします
(ミックスとしては)前衛を頑張ります。(東日本インカレに向けては)清水さん(恵、スポ3=宮城・聖ウルスラ学院英智)と組むダブルス中心になると思います。私たちの武器である勢いを生かして、相手を打ち負かすようなプレーをしたいと思います。