春季リーグからの成長見せる

バドミントン

 大会7日目はAブロック女子シングルスの4回戦までが行われた。亀田女子主将(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)ら4選手が3回戦で敗退するも、ベテランの安定感を見せた上田真帆(スポ3=埼玉栄)、1年生ながら堂々の試合を見せた我妻美沙紀(スポ1=宮城・聖ウルスラ学院英智)ら2選手が4回戦を勝ち抜き、29日に行われる5回戦に進出した。

シャトルを見つめる上田

 盤石の勝利で順当に5回戦への切符をつかんだのは上田である。2回戦目は立ち上がりこそ拮抗した展開だったが、イレブンからの9連続ポイントが決まるなど逆転勝利を収める。迎えた3回戦では19-19からは1点を争う競り合いになるが、「相手がどこに打ってくるか考えながらやった」と丁寧な攻めで26-24と第1ゲームを奪い、その勢いのままに第2ゲームも相手を抑え勝利した。続く4回戦でも「やりやすい相手だった」と強気の姿勢で挑み、クロスのスマッシュが冴えわたるなど相手を圧倒、3戦連続ストレートでの勝利となった。

 5月の関東大学春季リーグ戦(春季リーグ)では、最後の砦となる第3シングルスを任されることが多かった上田。「今まで団体戦ではみんなのために戦えたが、個人戦では頑張りきることができていなかった。今季は実力が拮抗した相手と競ったときも冷静に対応できている」と、メンタル面での確かな成長を実感した。

粘りのプレーでラリーをつなぐ我妻

 上田と同じく春季リーグからのレベルアップを見せたのは我妻。2、3回戦と順調に勝ち進み、迎えた4回戦。「春季リーグ後からいかにラリー中のミスを減らすか意識してきた」と話す通り、確実かつ厳しい配給で第1ゲームを先取する。しかし第2ゲームの終盤でスコア19-16になると「あと2点で決めようと思ってしまった」と自分のミスで足元をすくわれミスを連発、5失点で第2ゲームを落としてしまう。「平常心を意識した」という第3ゲームは持ち前のミスが少ないプレーで勢いに乗り、21-9と大差をつけて勝利、上田選手と並び5回戦進出を果たした。

 清水恵(スポ2=宮城・聖ウルスラ学院英智)ら5選手は3回戦までで敗退し、8月の東日本学生選手権にインカレ出場のチャンスを残した。

(記事 芦川葉子、写真 北田ゆず)

結果

▽女子シングルス

▼5回戦進出

上田真帆
我妻美沙紀

▼3回戦進出

亀田楓女子主将
関川容子(社4=新潟青陵)
清水恵
島田きらら(スポ1=青森山田)

▼2回戦進出

渡辺梨沙(スポ3=北海道・札幌静修)

▼1回戦進出

金森望(スポ1=福岡・九州国際大附属)

結果

上田真帆(スポ3=埼玉栄)

——2回戦(初戦)では9連続ポイントでの逆転などが見られました

リーグ戦なのでファイナルまでやるときついなと思っていました。相手もミスが出てくる選手だったのでラリーしていれば勝てると思ってラリーを続けました。

——相手の選手をご存知だったのですか

いえ、知らない相手だったのですが試合をしているうちにミスが多いなと。

——3回戦では1ゲーム目を19オールから競り合いの末、26―24で取りました

この1ゲームを落とした方が負けだと思いながらやりました。相手がどこに打ってくるかがわかってきたのでそこを張って、1本違う球を打てばどうなるかなと考えながらですね。

——2ゲーム目は1ゲーム目を取った勢いのまま取れた

そうですね。

——4回戦は圧勝でした

やりやすい相手だったので、疲れない程度にという感じです。

——シングルス、3戦しての手応えは

いままで実力が拮抗(きっこう)する相手には、個人戦だと負けていたんです。でも今大会は、そういう相手と競ったときも冷静にできていて、メンタル面で成長したように思います。

——その成長のきっかけは

いま渡辺(梨沙、スポ3=北海道・札幌静修)とダブルスに出ているのですが、そのダブルスが毎回前半リードされて後半追い上げて勝つんです。それで、前半ダメでも後半追い上げればいいんだとわかったことがメンタル面での余裕につながったのかなと。

——春のリーグ戦で第3シングルスが勝たなければ二部落ちという試合に勝ったりと上田選手はメンタルが強いイメージがありましたが

私は団体戦と個人戦で違うんです。団体はみんなのために頑張らなきゃいけないと思うのですが、個人戦になると自分のためだけには頑張れませんでした。でもここまで戦ってきて、個人戦でも頑張れるようになったかなと。

——上田選手のダブルスはあまり見たことがなかったように思います

いままでは監督とコーチが話し合って、私はシングルスしかできないと思われていたのか、シングルスに専念させたいみたいな感じで、ダブルスには出させてもらえませんでした。でもことし、渡辺と組んで新人戦に出て3位になったことでちょっと認めてもらえたのかなと。

——ではいままでも実はダブルスで出場したかった

そうですね、ダブルスやりたかったです(笑)。

——課題はありますか

大事なところや決め球でのミスがあるので、そこで確実に1本取れるようにしたいです。

——ダブルスもシングルスも勝ち残っています。今大会の目標は

ダブルスで、あと2回勝てばインカレの出場権が取れるので、出場権を取りたいです。シングルスは次の相手があまり勝ったことがない相手なので、まずは1ゲーム取れるように。いい試合ができるようにしたいです。

我妻美沙紀(スポ1=宮城・聖ウルスラ学院英智)

——2回戦を不戦勝で上がれたということで、体力的には有利だったのでしょうか

すごくラッキーでした。4回戦の対戦相手は1回戦からファイナルセットまで試合をやっていた みたいなので、厳しい試合を経て3戦目の相手よりもまだ2戦目のわたしのほうが体力という点では有利だったと思います。

——体力に関して、春季リーグの際に不安な点だと伺いましたが

意識してトレーニングしてきたわけではなかったのですが、大学に入ってから練習を重ねてきたなかで徐々に体力はついてきたかなと思います。高校で引退してから大学に入るまで、自分で練習していなかったので。それが体力が落ちてしまっていた原因だと思います。もともとは体力があったほうだったので、練習していくうちにだんだん戻ってきました。

——春季リーグから1ヶ月半、体力面の他に意識して取り組んできたことはありますか

大学生のバドミントンはミスしたら負け、という風に感じていたので、練習中はいかにミスをしないでラリーを続けられるかということを意識しているだけでかなり変わってきました。

——ミスを減らすことに取り組んできたという点では、4回戦の試合はその成果が現れていたように見えましたが

自分のプレーは、持ち球で決めたりどんどん攻めたりするタイプではなく、ラリーを続けるなかで相手が嫌になってミスするのを誘うというタイプなので、その意味では4回戦は自分のプレーができたと思います。

——1ゲーム目と2ゲーム目の途中までは順調に点を重ねていましたが、2ゲーム目終盤でミスが 増えてしまった原因は

19-21となって、あと2点で決めようと思ってしまって、それがミスにつながってしまったのかなと思います。

——3ゲーム目に入るときに意識したことは

勝とうと意識すると力んでしまうので、感情的にならず、自分がミスをしてもあまり落ち込まないようにと平常心で戦うように意識しました。勝ち負けじゃなくて、自分のプレーをすることを心がけていました。

——シングルス5.6回戦に向けた意気込みを

相手は年上の方ばかりだと 思いますが、わたしは1年生として向かっていくという気持ちだけで何にもプレッシャーは無いので、自分の力を出し切ってどこまでいけるのかというのを試せたらと思います。