『早大』背負う最後の舞台で奮闘

バドミントン

 全日本総合選手権が開幕し、大会初日は本戦への切符をつかむべく予選が行われた。4年生にとっては、早大の名を背負うファイナルマッチとなる。亀田楓女子主将(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・関川容子(社4=新潟青陵)組はコンビネーションがかみ合わず予選突破はかなわなかった。また、関川は嘉村昌俊(スポ4=熊本・八代東)とともに混合ダブルスに出場するも、悔しい敗戦となった。

 予選からは今季のインカレでは惜しくもベスト8に終わった亀田・関川組が登場した。相手は今季インカレ団体の2回戦で対戦した北翔大の本田・野村組。前回勝利した相手だけに善戦が期待された。だが試合は予想外の展開に――。序盤はネット前で勝負を繰り広げた早大が一歩リードする。しかし単調な攻めに相手も順応し、北翔大ペアに攻め込まれてしまう。ここで相手の勢いを断ち切りたい早大であったが「本調子ではなかった」(亀田)との言葉通り、連携プレーがうまく機能しない。第1セットをデュースの末落としてしまう。第2セットも流れを変えることができず、セットカウント0-2で敗北、有終の美を飾ることはできなかった。早大で4年間の年月を共にしてきた亀田・関川組。「終わってほっとしています」(関川)と語る通り、試合を終えた2人からは潔さと清々しさが感じられた。

ペアとして大学最後の試合となった亀田・関川組

 混合ダブルスは嘉村昌俊(スポ4=熊本・八代東)・関川ペアが早大での最後の舞台として一戦に臨んだ。序盤の5連続得点など上々な滑り出しの早大だったが、サーブミスを機に一転、主導権を相手ににぎられ第1セットを11-21と大差をつけられ折り返す。しかし第2セットでは意地を見せ、一進一退の攻防になり、デュースまでもつれ込む接戦となる。白熱のラリーで食らいつくもあと一歩が出ず。悔しい幕引きとなった。

ミックスで健闘を見せた嘉村・関川組

 3人にとってはきょうが大学生活最後の試合、並々ならぬ思いで臨んだことは言うまでもない。大学での競技生活も終わりを迎え、これからはそれぞれの道を歩むこととなる。4年にわたってペアを組んできた亀田と関川にも別れのときが訪れた。「良い思いも悔しい思いもいっぱいでした」(関川)。苦しいときは支え合い、嬉しいときはともに分かち合った4年間。活躍の場所は変わろうとも、早大バドミントン部の絆はどこまでも続いていくことだろう。

(記事 三上雄大、写真 芦川葉子、八木瑛莉佳)

★古賀は余裕の予選突破

 インカレではベスト8に届かず、今大会は予選からのスタートとなった古賀。日本ランキング10位と、現役大学生トップの順位を誇る古賀は社会人相手にも臆することなく果敢に攻める。2-0のストレートで勝利を収め、相手に一切隙を見せることなく本戦出場を決めた。

社会人相手に堂々の試合を見せた古賀

結果

▽女子ダブルス予選

亀田楓・関川容子●0-2本田恵利奈・野村有美(北翔大)

(20-22、16-21)

▽ミックスダブルス予選

嘉村昌俊・関川容子●0-2海野祐樹(日立情報通信エンジニアリング)・馬上愛実(北都銀行)

(11-21、19-21)

▽男子シングルス予選

古賀輝○2-0川口健太郎(熊本県立八代東高校教職員)

(21-15、21-9)

コメント

亀田楓女子主将(社4=宮城・聖ウルスラ学院英智)

――全日本学生選手権(インカレ)から1カ月半、どのような練習をしてきましたか

週3くらいのペースでした。気持ちと行動がなかなか一致しなくて、あまり練習できなかったです。でも練習に参加したら集中してできました。

――インカレが終わって気持ち的に一段落ついてしまう部分はありましたか

ありました。全日本総合に向けてというよりもインカレに向けてやってきた中で、インカレの結果がついて、そこで全日本総合に出られるという感じで。やはりインカレで一区切りついてしまいました。

――インカレ後から具体的に取り組んできた部分は

やっぱり前衛で抑えることができずどうしても(球が)抜けてしまっていたので、練習の時は前衛で触れるように意識してやっていました。

――第1セットの出だしはなかなか本調子ではなかったように見えました

ミスも多かったんですが引いてしまっていた部分があったので、どうしても相手に攻められてしまったのが、出だしに差がついてしまった原因だと思います。

――中盤にかけて追いついていけたのは

攻めていけるようになって前にいけたのが良かったですけど、点数的に大事な場面で相手に点数を3,4点連続してあげてしまっていたので、そこが第1セット駄目でしたね。

――第1セット終盤ではデュースになりました

デュースになったら1点先に取れた方が絶対に気持ちが楽というか、相手を追い込められるので取りたかったんですけど…。やっぱり日頃の練習の差というか、インカレが終わってからの練習不足がミスに表れたなって思いました。

――接戦の末に第1セットを落としてしまいましたが、第2セットに向けての切り替えは

とりあえず話し合って、レシーブができていなかったのでレシーブやロブなどの相手に対して上げる球をもっとしっかり後ろまで返そうと話して試合に臨みました。

――第2セットでは点差をつけられてしまいました

球を上げることはできたんですが、上げ過ぎてしまったかなと思います。相手に攻められるばかりで、自分たちがレシーブから攻撃にもっていけなかったです。心のどこかで引いてしまっていたんじゃないかなって、振り返ってみて改めて思います。

――試合を通してお二人の得意の攻撃の形に持っていけなかったのが敗因でしょうか

インカレの団体戦の時には勝てた相手だったのですが、きょうは自分たちの良いところが出し切れずに終わってしまった感じでした。そこは悔しいというか、自分が情けないなって思いました。

――インカレで戦った時との違いはありましたか

声の出し方や試合への入り方が違ってしまって、相手がどうってよりも自分たちがいつも通りの元気な入り方ができなかったと思います。場に負けてしまったというか。そこは相手にとって前戦った時よりもやりやすくさせてしまった部分だと思いました。

――実業団の選手が多くいる中で、試合を見ていて収穫はありましたか

実業団の選手たちは日頃の練習から意識が高いと思うので、ミスも少ないし全ての技において一つ上をいっているので、自分もこれからしっかり練習していかなければいけないなって改めて実感しました。

――大学での試合を終え、活躍の舞台を実業団に移されます。これからに向けて意気込みをお願いします

実業団に入ったらもっと厳しい世界になると思うので、今までもそれなりに頑張ってきましたが、これからは自分にアメをあげずムチをちょっと多めに打ち続けて頑張りたいと思います。

関川容子(社4=新潟・青陵)

――まず女子ダブルスを振り返っていかがですか

今回の相手は、インカレで当たった相手でした。会場の雰囲気などインカレの時とはまた違い環境にも慣れていなかったのでその影響があったのと、練習不足が目立ってしまい自分たちの思うようなプレーができなかったのが悔しかったです。

――ゲームプランはありましたか

インカレも今回も二人で攻めていくことを話していましたが、勝ちたかったです。

――相手のペースに乱されてしまいましたが

二人で攻める回数が多かったのですが、最後まで攻め切ることができませんでした。その点が敗因だと思います。

――亀田選手と組む最後のダブルスでしたが

3年半くらい一緒に組んできていい思いも悔しい思いもいっぱいしたのですが、日本の中で最も大きな大会に予選からでも出場できたことが一番良かったかなと思いました。終わってほっとしています(笑)。

< p>――次にミックスダブルスについて。きょうの試合を振り返っていかがですか

練習もしてみたのですが、学生と練習するのと大会で実業団選手を相手にするのとではテンポも違いスピード感も全然違いました。1ゲーム目はスピードで慣れていなくてできなかったのですが、2ゲーム目に自分たちのプレーもところどころできるようになりました。読みも当たるようになったので、楽しかったです。

――練習はどのくらいされたのですか

ミックスは全然できなかったです。1試合だけ学校でやりました。

――通常は亀田選手と組んでいますが、ミックスダブルスで慣れないことはありましたか

ミックスは女の人がすぐ前に入って前衛で止めていけば良いので、まだその分練習していなくても分かりやすかったです。ただもうスピードが速くてびっくりしました。

――今大会では学生だけでなく実業団の選手も多く出場していますが、何か刺激になったことはありますか

卒業後は和歌山国体のために和歌山に行くのですが実業団ではないので、気持ちの持ちようが実業団選手のほうが意識が高いなというのを試合を見て感じました。

――大学生活で最後の試合となりましたが、大学での競技生活を振り返っていかがですか

早稲田大学のバドミントン部に入れて、1、2年目は周りがみんな強くて先輩たちも有名な方ばかりだったので、どうしようと思って練習に行きたくない日もありました。3年生、4年生になり結果が出てきてからチームのために頑張らなくてはいけないというのがあったので、振り返ると辛い部分と嬉しい部分が半々くらいです。自分の糧(かて)になりました。

――卒業後も競技を続けられますが、意気込みをお願いします

国体のためといっても仕事を両立しながら毎日練習するので、最もこれからの生活の中で自分との戦いだと思います。大変だと思いますが、国体で結果を残すことを最終目標にして、自分できっちりこつこつやりたいです。

――後輩へ伝えたいことはありますか

4年間を振り返ってみるとバドミントン部は他の大学よりも男女問わず仲が良くて、上下関係もしっかりしていながらも仲良く、一番良い部活だと思っています。だから全力でバドミントンと部員との遊びをやって欲しいです!

嘉村昌俊(スポ4=熊本・八代東)

――きょうの試合を振り返って

練習を二人で全然やってなかったので、とりあえずは全力で行こうということを話して試合に臨みました。序盤は相手の速いリズムについていけずに1ゲーム目はどんどん点を取られてしまったっていう感じですね。2ゲーム目は少し速さに慣れてきて自分たちの形もつくれてきたんですけど、スイッチが入るのが遅すぎました。

――普段とは違ってミックスでの試合でしたが

関川さんと組むダブルスは、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。

――ダブルスでは前衛でのプレーが多いですが、きょうは後衛で支えていましたね

自分はだいたい前衛型なので今後どちらでもプレーできることが求められてくると思うので、後衛でもしっかり打てるように頑張りたいです。

――先日は実業団の大会で内定先のチームの大会でプレーされてましたね

最低条件である勝ち越すことができたのはまあよかったですけど、勝てる試合をまだ落としているので、もっと努力していかないと思います。

――実業団チームでの試合は大学とは違いましたか

球が重いっていうのが一番ですね。慣れれば取れないことはないと思うので頑張っていきたいと思います。

――4年間の大学生活を振り返って

楽しかったですね。そんなに思い出という思い出はありませんが、なによりも楽しくできたことが良かったです。

――後輩に一言お願いします

とにかく練習をしろって言いたいです(笑)。