2年ぶりとなるAブロックの舞台に早大ゴルフ部が帰ってきた。9月5,6日に行われた秋季リーグ戦(関東大学女子秋季対抗戦)にて、ルーキーの稲垣奈那子(スポ1=東京・共立二)や深谷琴乃(教3=東京・早実)らが健闘するなど、強豪校相手に躍動。結果は5位に終わり、チームとして目標としていた信夫杯(信夫杯争奪日本女子大学対抗戦)への出場はかなわなかったが、今後に向けて大きく期待を持てる内容を見せてくれた。
この試合でもトータルでチームトップのスコアをたたき出したのはルーキーの稲垣奈那子(スポ1=東京・共立女二)だった。8月30日に行われた個人戦の日本女子学生選手権(日本女子学生)では新人ながら堂々の4位入りを果たし、臨んだこの戦い。初日からスコア72といきなりパーで回り切り、2日目も73にまとめて堂々のトータル+1で2日間を終えた。しかし、本人は「アンダーを出せず悔しい」と決して現状に満足せず、さらなる高みを見据えていた。さらに深谷琴乃(教3=東京・早実)も2日間トータルで+2と結果を残した。しかしながら、2日目には前半のアウトでスコア32と抜群の成績をたたき出していただけに、より好成績が望めたことは間違いなかっただろう。
主将として背中からチームを引っ張る清水
さらに、ここまでの試合でなかなかスコアでチームを引っ張ることができずにいた主将の清水日奈(スポ4=栃木・宇都宮文星女)もこの試合では奮闘した。初日こそ、「打ちすぎてしまった」と振り返るようにスコア78と伸び悩んでしまうが、二日目に盛り返す。「ショットの調子は悪かった」中でも粘りのゴルフを展開。しっかりと+1にまとめて主将としての意地を見せた。また、柏木瑠美(スポ2=兵庫・滝川二)も初日の前半でー3を記録するなどしてチームを引っ張り、最終的にはトータル+2とまずまずの成績を残した。
※パーは72
2年生の柏木も奮闘した
この戦いを終えたのち、主将の清水はAブロックに関して「レベルの高い戦いのできる場所」であると改めて振り返った。その言葉通り、チーム全体としてスコアを大きく落としていたわけではないにもかかわらず、優勝した日大とは20打以上のストローク差がついてしまった。上位校のレベルの高さを思い知る結果となったことは事実だろう。それでも何とか最下位は回避し、来年の春季リーグ戦(関東女子大学春季対抗戦)も同様にAブロックで戦えることは確定している。選手個々のスキルも日に日に高まりを見せてきており、残りの個人戦を経て、来年以降の対抗戦で日大、東北福祉大をはじめとする上位校とどこまでしのぎを削ることができるのかに是非注目したい。
(記事 篠田雄大、写真 細井万里男)
結果
▽総合順位
順位 | 大学名 | 1日目 | 2日目 | 総合成績 |
優勝 | 日本大学 | 278 | 291 | 569 |
2位 | 東北福祉大学 | 289 | 292 | 581 |
3位 | 日本体育大学 | 296 | 290 | 586 |
4位 | 明治大学 | 298 | 292 | 590 |
5位 | 早稲田大学 | 298 | 294 | 592 |
6位 | 東京国際大学 | 303 | 306 | 609 |
▽個人成績
選手名 | 学部・学年 | 1日目 | 2日目 | 総合成績 | 総合スコア |
清水日奈 | スポ4 | 78 | 73 | 151 | +7 |
増田七海 | 創理4 | 記録なし | 85 | 記録なし | 記録なし |
深谷琴乃 | 教3 | 74 | 72 | 146 | +2 |
柏木瑠美 | スポ2 | 74 | 76 | 150 | +6 |
稲垣奈那子 | スポ1 | 72 | 73 | 145 | +1 |
堀田理沙子 | 人1 | 87 | 記録なし | 記録なし | 記録なし |
コメント
清水日奈主将(スポ4=栃木・宇都宮文星女)
――主将の立場から2日間のリーグ戦を振り返っていかがですか
11月の代交代から自分が主将として部活を引っ張ってきて、最後のリーグ戦ということで、春にせっかくAブロックに上がれたから信夫杯(信夫杯争奪日本女子大学対抗戦)に出場するということを目標に初日はやってきました。1日目の結果を見ると優勝は20打差あったので厳しかったのですが、2位までは9打差だったので全然追いつけると思って、2日目は入賞するかつ信夫杯に出場するということを目標に皆を引っ張りました。
――早慶戦から約1ヶ月間どのような調整をしましたか
リーグ戦会場で合宿を2回やりました。いつも通り皆で集まって練習して、士気を高めました。
――チームとして久々のAブロックでの戦いでしたが、これまでと違う点はありましたか
自分が2年生の秋まではAブロックで戦って、1年半Bブロックで戦いました。Bブロックだと上と下のレベルが全然違くて、層が違うという感じがしました。みんな優勝したいのはもちろんなのですがそれでも実力差はあるので、残留を狙っているところもあれば優勝を目指すといったように、目標の違いや気持ちの違いを感じて、やっぱりAブロックだと全員が優勝を目指して、高いレベルの試合ができる場所だなと思いました。
――上位校との差をしいてあげるとすれば何でしょうか
チーム力はどこよりも早稲田の方が高いので、やっぱりゴルフの実力差です。
――清水選手の個人結果に関してはいかがですか
初日は打ちすぎてしまってチームに迷惑を掛けてしまったのですが、2日目は午前中も1アンダーで上がれて、後半少し取り乱しながらも、ショットの調子が悪くてもきょうは1オーバーでまとめられたので、みんなに主将としての姿を見せられたかなと思います。
――印象的なホールはありますか
最終ホールです。みんな目立つところで見守ってくれて、しっかりバーディー取ってやるぞという気持ちでできました。
――今後のチームとしての目標、個人としての目標をそれぞれお願いします
チームとしては今回出場できなかった信夫杯を目指してほしいと思いますし、またAで戦える機会が春あるので、そこでは全日(全国女子大学対抗戦)を目指してやってもらえるように指導したいと思います。個人としての目標は、9月末に個人戦があるのでその予選でしっかりと打って、10月の朝日杯(朝日杯争奪日本女子学生選手権)に出場したいと思います。
深谷琴乃(教3=東京・早実)、稲垣奈那子(スポ1=東京・共立女二)、柏木瑠美(スポ2=兵庫・滝川二)
――2日間のリーグ戦を振り返っていかがですか
深谷 昨年も同じ会場で試合があったのですが、その時は72-72というスコアだったので、今年は2日間ともアンダーで回りたいなという思いはありました。初日に2オーバー打ってしまったので今日は少なくとも60台で回ろうと思っていたんですけれど、結果は後半打ってしまって、後悔が残っています。
稲垣 信夫杯(信夫杯争奪日本女子大学対抗戦)に出場することが一番の目標だったので、そのために一打でも少なくできるように、初めの目標は2日間で60台というのを思っていました。初日にパットの調子とかも見て、2日目はアンダーが出せればいいかなと思っていたんですけれどそれができなかったので、私も悔しい思いがあります。
柏木 私は初めてのAブロックでメンバーが揃った中でのAブロックだったので、私も信夫杯に行くことを目標に頑張っていたんですけれど、1日目の前半は3アンダーで私が一番スタートが良くて、皆さんを引っ張ることができたのかなと思いました。でも後半はすごく打ってしまって、2日目もトータル4オーバーで打ってしまったので私も悔しい思いでいっぱいです。
――先日、深谷選手と稲垣選手は日本女子学生選手権(日本女子学生)に出場されましたが、いかがだったでしょうか
深谷 トップ10入りを目標にしていたのですが初日にボギーを打ってしまって、初日終わった時点だと3日目まで行けないラインにいたので、絶対に2日目はスコアを出して最低3日目まで残るというのを目標にして、ギリギリ3日目まで進めました。最終日はアンダーで回りたいなと思ったのですが、今ショットの調子があまり良くなくてそれが原因でスコアを出さずに終わってしまって、悔しい思いがあります。
稲垣 私もトップ10に入りたいと思ってやっていて、結果的に4位タイという結果だったのですが、朝日杯(朝日杯争奪日本女子学生選手権)のシードが5人なのですが、私は4位タイでも7番目なので、行くことができなくて、最終的には悔しい思いでいっぱいなんですけれど、全体のゴルフとしてみればもうちょっとパットが入ればスコアは全然伸ばせるくらいのショットの良さだったので、今後の課題が見つかったと思えばいいんですけれど、試合の結果としては悔しいです。
――最後に皆さんの今後の目標をお願いします
深谷 年内まだもう少し個人戦があるんですけど、今この大会が終わった時点では来年春の団体戦で全国(全国女子大学対抗戦)に行きたいというのが自分の中での目標です。
稲垣 私も(笑)。チーム全体としても春のリーグ戦でいい順位というのはあると思うのですが、1位の日大と東北福祉大とかなり差が開いているので、それをちょっとでも縮められるように、年内の個人戦も含めて私自身がレベルアップしないとなと思っています。なのでそれが目標です。
柏木 今年は最後に朝日杯があって、まずはそこの予選を通って文部科学大臣杯(文部科学大臣杯争奪日本女子学生王座決定戦)に通りたいなというのと、あと皆さんがおっしゃっていたように来年の春のリーグ戦で深谷さんと木村さん率いる新しいチームで全国に行きたいです。あとは、個人的にMVPを取りたいです。