9月も中盤、秋の涼しさが感じられる中行われた関東大学Bブロック対抗戦(秋季リーグ戦)。今年度最後の団体戦は2015年以来3年ぶりに、午前にシングルス(6ポイント)、午後にダブルス(4ポイント)の合計12ポイント、各18ホールマッチプレーで行われた。早大は初日に神奈川大に勝利を決め、準決勝に勝ち進むも、2日目に今大会準優勝となった法大相手に残念ながら敗戦。気持ちを切り替え臨んだ最終日で、慶大に1ポイントの差をつけ勝利し、第3位という結果で今大会を終えた。
早大が来年春のリーグ戦でAブロックで戦うためには、今大会で優勝するか、2位でAブロック7位校との入れ替え戦に参加する権利を得るかしかなく、負けた時点で優勝への道は閉ざされてしまう。負けたら終わりの初戦、相手は神奈川大。午前のシングルスで1ポイントリードされ、午後のダブルスで逆転を狙う展開となるが、早大勢は焦らなかった。そして最後の場面、神奈川大がバーディーパットを外し、その瞬間早大の準決勝進出が決まった。迎えた2日目の準決勝では、優勝候補でもあった法大相手に最後まで粘り強さを見せるも、惜しくも競り負ける。それでも「格上だったんですけど本当に最後のパターまで入っていれば勝てるくらいに食らいついて行けた」と加藤政和主将(商4=東京・早実)はポジティブに振り返り、この一戦は選手たちの成長を感じさせるものとなった。
ガッツポーズを決める二村
2日目までを1勝1敗で終えた早大。トーナメント方式のため、2大学の一騎打ちとなるが、早大が今年度を締めくくる団体戦の相手は、8月の早慶戦で惜しくも敗れたライバル慶大であった。すでに今年2度も戦っている早大と慶大は、早大が優勝した今年の春季リーグ戦では慶大が2位、早慶戦では現在慶大が3連覇中と、お互いに絶対に負けられないという思いで最終日に臨んだ。午前の時点で、早大は慶大に1ポイントの差をつけるが油断はできない。どちらが勝ってもおかしくない状況で、早大の勝利を決めたのは二村健人(社3=東京・早実)だ。最終ホールでバーディーを決めたその瞬間、二村は思わずガッツポーズ。早慶戦ではわずか1ポイントで負けを許した相手に、今度は1ポイント差で勝利し、リベンジを果たした早大勢は歓喜した。
試合後握手を交わす早大と慶大の選手たち
昨年、まさかのCブロック降格を経験した男子ゴルフ部だが、春季リーグ戦ではBブロック昇格を決め、着実にAブロックの舞台へと近づいている。今回は目標としていた優勝には届かなかったが、現体制最後の団体戦を勝ちで締めくくったことは、選手たちにとっても大きな自信となったのではないだろうか。また、「来年に活かせる形になった」(加藤主将)、「チームの来年につながる新しい形が見えてきた」(山本雄太、教4=栃木・作新学院)と、2人の4年生は今回の結果をプラスに捉え、来年の後輩たちのさらなる飛躍に期待を寄せた。新体制となる来シーズン、今まで以上のチーム力で春季リーグ戦を制し、その期待に応えたい。
(記事、写真 島形桜)
結果
第3位
▽1回戦
○早大 6,5—5,5 神奈川大
▽2回戦
●早大 3,5—8,5 法大
▽3位決定戦
○早大 6,5―5,5 慶大
コメント
加藤政和主将(商4=東京・早実)
――今回の第3位という結果について感想をお願いします
優勝を目指していたので、3位という結果は残念でしたけど、8月にあった早慶戦は今回の逆で1ポイント差でマッチプレーで負けたので、最後まで耐えてもらってよかった。自分では全く活躍してなくて、その分後輩に活躍してもらって、来年に活かせる形になったんじゃないかなと思うので、素直に嬉しいです。
――この3日間のチームは主将から見てどうでしたか
昨年はなかった粘り強さが見えてきたので、昨年は結構大差で負けることが多かったんですが、昨日の法政戦では、(法大は)格上だったんですけど本当に最後のパターまで入っていれば勝てるくらいに食らいついて行けたというのはこの1年でやってきた成果だなと思っています。
――どのような気持ちで慶大戦に臨まれましたか
今年は珍しくすでに3回早慶戦をやっていてちょうど1勝1敗だったので、このリベンジ戦に最後の締めとして勝てたことは素直に嬉しいです。ケイオーさんが自分たちの相手になってくれたことは自分たちのモチベーションに繋がったと思います。この間の早慶戦でやっぱり悔しい思いをしているので、それが最後の後輩たちの粘りにもつながっていたのかなと感じます。
――今年はどのような1年でしたか
本当にあっという間の4年間だったんですけど、最後には3位という形で終わることができて、また4年生は2人しかいないので、それに後輩たちがついてきてくれたのはすごく嬉しいです。今年は結構雰囲気を変えて、チーム作りをしてきたんですが、その中で結果を残し、自分たちのやってきたことは間違いじゃなかったと分かりましたし、次につながる良い1年だったと思います。
――後輩の皆さんに向けて一言お願いします
自分たちより全然できる後輩たちなので、しっかり今まで受け継いできたことをやってもらえば自ずとAブロックに上がれると思うので頑張ってください。
山本雄太(教4=栃木・作新学院)
――今日の結果について感想をお願いします
3位という結果自体は悔いが残るんですけど、昨日今日とやって、すごくチームの来年につながる新しい形が見えてきたので、そういう意味では納得のいく結果かなと思っています。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
やっぱりパターで決めきれなかったことが多かったんですけど、それでも自分は安定感が売りで、そういったところで相手にプレッシャーをかけてポイントを徐々に重ねていくということができたので、4年生としてポイントを取る役目は果たせたかなと思います。
――どのような気持ちで慶大戦に臨まれましたか
本当は決勝で戦いたかったんですけど、結果的に3位決定戦でケイオーと当たることになって、3位4位決定戦とはいえ早慶戦の形で、気が全く抜けない状況でした。昨日散々悔しい思いをしている部員がたくさんいたので、部員にはその鬱憤などを全部ぶつけてこいという形で、もう壁にぶつかるような強い覚悟を持って臨むように言いました。
――3日間で印象に残っているシーンはありますか
大きく2つあります。まずは初日、神奈川大との戦いで、本当に最後の最後で相手がバーディーパットを入れればうちの負けだったんですけど、それが外れてうちが勝ち進んだというシーンと、あとはやっぱり今日の最後の1メートル弱のバーディーパットを、3年の二村が決めて勝ちが決まったという瞬間は、一生忘れないシーンだったと思います。
――この1年間を振り返ってみてどうでしたか
今年は部活として体制が大きく変わった年で、すごくめまぐるしい変化の中で、部活動をやらなくてはいけなかったんですけど、その中でも後輩たちが根気強く、自分たち4年生を信じて、ついてきてくれました。そういった意味で後輩たちの成長も含めて、後輩たちには感謝しかないですし、それを引っ張ってくれたキャプテンにもありがとうと伝えたいです。
――後輩の皆さんに向けて一言お願いします
とにかく、今年は来年につながる形で終えることができたので、来年は私は完璧に見る立場なので、プレッシャーをかける意味で期待してますと言いたいです。