エンジの戦士たちは戦いを終え、失意の中でありながらもどこか清々しい表情であった。秋風を感じる爽やかな気候の中行われた関東女子大学秋季Aブロック対抗戦(秋季リーグ戦)。早大は1日目で大きく出遅れ、2日目はさらにスコアを伸ばす上位校に追いつくことができず。最終結果は第6位で、Bブロックへの降格が決まった。
春のリーグ戦から厳しい戦いを強いられてきた早大。部員の半数が初心者という状況においてAブロックで戦うのは、そう簡単なことではない。初日は出場6校中4校の選手全員が70台というハイレベルな戦いとなった。他大がトータルスコアを200台でまとめる中、早大は323。「これが実力だと思います」と深澤みなみ女子主将(人4=東京・小金井北)は冷静に受け止めていた。そんな主将自身も初心者スタートでありながら、唯一の4年生としてこの1年間主将を務めあげてきた。最後の団体戦となるこの大会で、人生で初めて70台を2日連続で出すことができたという。4年間を振り返り「今回残念な結果でしたけれども、すごく良い団体だったというか、色んな方に感謝したい4年間です」と少し言葉を詰まらせながら語った。
最後の団体戦となった深澤
初心者スタートの選手たちの中で、唯一のスポーツ推薦入学の選手がいる。それが清水日奈(スポ2=栃木・宇都宮文星女子)だ。「自分がスポーツ推薦なのでスコアで貢献したい気持ちも大きい中で、2日間ともに貢献できなくて悔しい内容」と、トータルスコアは主将の深澤に次ぐ153。2週間前の日本女子学生選手権での奮闘ぶりからすれば、実力を発揮しきれなかったと言えるであろう。深澤の語った通り、初心者と経験者がスコアで支えあうことが、今後団体戦で戦う上でカギになってくるに違いない。
最終ホールでの清水のパター
女子部がBブロックで戦うのは、2013年の秋のリーグ戦ぶりとなる。今の部員の中にBブロックを経験した者はいない。もう一度Aブロックに返り咲くまで、決して簡単な道のりではないだろう。それでもこの冬を乗り越え、再び必ず訪れる春まで歩み続けるのだ。
(記事、写真 石塚ひなの)
結果
▽総合順位
順位 | 大学名 | 1日目 | 2日目 | 総合成績 |
優勝 | 日本大学 | 289 | 287 | 576 |
2位 | 東北福祉大学 | 283 | 295 | 578 |
3位 | 明治大学 | 295 | 287 | 582 |
4位 | 中央学院大学 | 289 | 294 | 583 |
5位 | 法政大学 | 295 | 295 | 590 |
6位 | 早稲田大学 | 323 | 326 | 649 |
※各大学出場5人中上位4人のスコアを採用 |
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▽個人成績
選手名 | 学部・学年 | 1日目 | 2日目 | 総合成績 | 総合スコア |
深澤みなみ | 人4 | 77 | 79 | 156 | +12 |
川下有咲 | 政経3 | 記録なし | 89 | 89 | +17 |
川口さらら | 政経3 | 88 | 記録なし | 88 | +16 |
清水日奈 | スポ2 | 79 | 78 | 157 | +13 |
増田七海 | 創理2 | 84 | 89 | 173 | +29 |
深谷琴乃 | 教1 | 83 | 80 | 163 | +19 |
※1ラウンド・パー72打 |
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コメント
深澤みなみ(人4=東京・小金井北)
――きょうの結果を受けて率直な感想をお聞かせください
きょうの結果を受け止めて率直に悔しいと思います。ただ、これが実力だと思いますので、真摯に受け止めてもう一度春のリーグ戦(関東女子大学春季リーグ戦)まで練習して戦っていきたいと思います。
――この2日間を振り返ってまずは部としてはいかがでしたか
部全体としては、少し重く受け止めてしまって、出すところで出ない、スコアを伸ばすところで伸ばせないということでスコアが伸び悩んだのかなと思います。
――ご自身についてはいかがですか
個人としては、恥ずかしい話なんですけども人生で初めて70台が2日連続で出て、いろいろ4年間であったり今のチームのことであったりを思いながらラウンドできました。そういったことで自分としても強くいられたので、チームの仲間には感謝しています。
――春のリーグ戦の際に「初心者の育成であったり、経験者を伸ばしきれなかった」とおっしゃっていましたが
正直に申し上げますと、私たちの春の実力から、特に初心者は平均的に80台を出すことができるようになって、本当によく成長して、また監督・コーチであったり先輩のお話をよく聞いて練習してくれたなと思います。ただ、今回も少し経験者のスコアが伸び悩んだというところで、プレッシャーを感じて出場してしまうこともあったので、初心者・経験者かかわらず全体でスコアを支えあえるようなそういったチームを作ることが今後の課題だと思います。
――これで最後の団体戦になると思いますが、今まで4年間の団体戦を振り返っていかがでしたか
本当に私は幸せなことに4年間Aブロックで戦い続けました。最後はBブロック降格というかたちになってしまったんですけど、本当にこうした1番上のブロックで、特に私は初心者入部だったので、そのような中でもしかしたら将来プロに行くかも知れない選手たちとラウンドできたのは本当に幸せなことだと思います。今回残念な結果でしたけれども、すごく良い団体だったというか、色んな方に感謝したい4年間です。
――後輩たちに向けて最後に一言お願いします
次の春(のリーグ戦)はBブロック優勝というのが目標になるので、まだまだ実力不足で今回の結果を受けてもBブロックでもなかなか戦うのが難しいことになると思います。まむチームの編成も変わってくると思いますが、しっかり初心者・経験者共に実力をつけて、春の舞台で思い切りプレーしてほしいと思います。
清水日奈(スポ2=栃木・宇都宮文星女子)
――きょうの結果を受けていかがですか
きょうの結果を受けて、自分のプレーとしてはすごく納得いかない点がありすごく悔しい内容ではあったんですけど、チーム全員が一丸となって春のリーグ戦から備えをしてきて、全員が優勝を目指してできたということが今後の糧になるリーグ戦になったと感じています。
――個人的に悔しいというのは具体的に何でしょうか
このチームが、大学からゴルフを始めた人が半数なので、自分がスポーツ推薦なのでスコアで貢献したい気持ちも大きい中で、2日間ともに貢献できなくて悔しい内容だなと思います。
――団体戦はこれで最後になったと思いますが、この1年を振り返っていかがでしたか
昨年は(当時)4年生の先輩が経験者の方がすごく多くて、Aブロックで優勝できたり、僅差での戦いだったので、(4年生が抜けて)Bブロック降格というのもすごく感じていたんですけど、今回は本当に半数が初心者というチーム編成で、挑戦している1年だったと感じます。
――深澤みなみ女子主将はどのような主将でしたか
4年生一人の深澤さんなんですけど、チームを思いやる気持ちがすごい強い方で、本当に一人一人に目を向けてくれていて、本当に頼りがいのあるキャプテンでした。
――今後に向けて意気込みをお願いします
今回の結果を踏まえて自分たちはBブロックに降格するかたちにはなるのですが、今度春のリーグ戦があるので、そこで絶対に優勝して、またMVPも取りたいなと思います。