辛くもAブロック残留をつかむ

ゴルフ

 厳しい戦いであった。新たに2人の新入生を加え新体制で迎えた関東女子大学春季Aブロック対抗戦(リーグ戦)。1日目で第6位の専大とはわずか2打差の第5位となった早大は、2日目に巻き返しを図るも専大の追い上げを受け、最終スコアは642と並ばれてしまう。大会ルールにより辛くも第5位を守り切りAブロック残留を果たしたが、秋季リーグ戦へ課題の残る結果となった。

 現在部員の数は7人。唯一の4年生である深澤みなみ主将(人4=東京・小金井北)は、2日間通して前半より後半という「尻上がりのゴルフ」(深澤)を見せ、最高学年としての意地でチームの辛勝に貢献した。そんな深澤を抑えチームワン・ツーの成績を収めたのが、期待のルーキーから不動のエースへと進化を遂げた清水日奈(スポ2=栃木・宇都宮文星女)と、競技歴8年目を迎える新1年生深谷琴乃(教1=東京・早実)であった。清水は「個人的には調子があまり良くない中での試合だった」としつつも、初日にチームトップのスコア72をマーク。Aブロック残留が懸かる2日目は「チームのために頑張りたいという気持ちが大きくなって、空回りした1日でした」と、前日より7打多い79で試合を終えた。それでも最終スコアはチームトップの151、エースの地力を見せた結果となった。

チームトップのスコアとなった清水

 そんな清水が2日目のチームトップを譲った相手が、深谷である。1年生ながらも、1日目を83、2日目は74とまとめ上々の滑り出しを見せた。深谷は早大を背負った初めてのリーグ戦を「初日は結構緊張してしまったんですけど2日目はもうやるしかないと思って思い切った感じです」と振り返った。小学校5年生から競技を始めたというその実力を、これからいかに伸ばしていけるかが今後の女子部のカギを握るであろう。

期待の新入生深谷

 「部員の数もAブロックの登録人数ギリギリで半分が初心者という本当に厳しい状況」と深澤は率直に部の現状を語った。春季リーグ戦が第5位に終わったことで6月の全国大学ゴルフ対抗戦への切符を逃し、9月の秋季リーグ戦まで団体で戦う機会はなくなった。毎年全国の舞台を経験していた部員たちにとっては、長い4か月になるかもしれない。しかし、ここからいかに未経験者を育て経験者の力を伸ばすかで、リーグ戦優勝という目標の現実味が帯びてくる。人数の少なさは、チーム力で戦う早大女子部にとって強みになる。今年こそ、選手たちのそしてチームの真価が試されるときなのだ。

(記事 石塚ひなの、写真 石塚ひなの、新開滉倫)

結果

▽総合順位

順位 大学名 1日目 2日目 総合成績
優勝 中央学院大学 288 288 576
2位 東北福祉大学 291 292 583
3位 法政大学 300 292 592
4位 明治大学 298 314 612
5位 早稲田大学 323 319 642
6位 専修大学 325 317 642
※各大学出場5人中上位4人のスコアを採用

▽個人成績

選手名 学部・学年 1日目 2日目 総合成績 総合スコア
深澤みなみ 人4 80 80 160 +16
川口さらら 政経3 88 86 174 +30
川下有咲 政経3 記録なし 99 99 +27
清水日奈 スポ2 72 79 151 +7
増田七海 創理2 98 記録なし 98 +26
深谷琴乃 教1 83 74 157 +13
※1ラウンド・パー72打
コメント

深澤みなみ主将(人4=東京・小金井北)

――まずはチームとしてこの2日間いかがでしたか

1日目2日目共に、良かった部員と悪かった部員とがお互い助け合ってできたので、正直なところ、私達は初心者の部員が半分ということもありAブロックの中で戦うのが厳しい状況であったんですけど、何とかチーム力で乗り越えて最後の最後で勝てたという結果になって良かったと思います。

――ご自身のプレーについてはいかがでしたか

結果としてすごく良いスコアとは言い難いのですが、最後の最後で踏ん張って前半よりも後半を良くしていけたので、尻上がりのゴルフができたという点では良かったかなと思います。

――この大会にはどのような位置付けで臨まれましたか

私の一つ上の先輩方が本当に全国トップレベルの方々で、私に受け継がれてきたのですが、今は部員の数もAブロックの登録人数ギリギリで半分が初心者という本当に厳しい状況で…でもどうしてもAブロック残留というところは先輩方が残して下さったものを引き継ぎたいと思っていましたので、もちろん目指すところは日本一ではありますが、まずは残留というところを達成できて良かったと思います。

――新入生を迎えてチームの雰囲気はいかがですか

今年はまず最初に1人入って、4日前くらいの本当に直前にもう1人増えたというかたちなんですけれど、今年の1年生はチームの雰囲気に慣れるのも飲み込みも早いですね。1年生の方からチームの一員になりたいという意思を見せてくれるので、私自身もカベを作らずに接しています。チーム編成をしてから1ヶ月間ほどしか経っていないのですが、良くできたチームとして戦えているなと思います。

――最後に今後に向けて意気込みをお願いします

やはり秋のリーグ戦に向けて、まだまだ課題はあって、もちろん初心者の育成というところもそうですし、経験者が伸ばしきれなかった部分もあるので、そういったところを一つ一つ改善していって秋のリーグ戦では優勝を狙えるように頑張っていきたいと思います。

清水日奈(スポ2=栃木・宇都宮文星女)

――2日間のご自身のプレーを振り返っていかがですか

個人的には調子があまり良くない中での試合だったんですけど、初日はスコアをまとめることが出来ました。ただ、きょうはプレッシャーのかかる中でのプレーだったので、チームのために頑張りたいという気持ちが大きくなって、空回りした1日でした。

―今回の大会へ向けて意識して練習してきた部分などはありますか

旧体制は4年生の力が凄い大きかったんですけど、新体制になって人数がすごく少なくなって、チーム力というところで先輩方が抜けて技術力がAブロックだと現状厳しい部分はあったんですけど、それをチーム力で補いたいということでみんなが一致団結して同じ方向を向いてAブロックを優勝したいと心がけて毎回練習や合宿に取り組んできました。

――新入生も入部しましたが、ご自身のなかで変わった部分などはありますか

後輩指導をするにあたって、自分ができていなければ後輩指導は出来ないので、後輩指導することで自分の行動を振り返ることが出来て、自分が1年生のときよりも一回り成長できたかなと思う部分はあります。

――試合の話に戻りますが、1日目はチームトップスコアでしたが、良かったと思う部分は具体的にどこでしょうか

全体的に何が良かった、悪かったっていうのはないんですが、初日にチームのために頑張りたいという気持ちが自分の中で大きくて、連続でダブルボギーを打ってしまって、自分のなかでチームの足を引っ張ってしまうって思って、挽回しなきゃ、挽回しなきゃって、ピンを積極的に狙っていったのが、初日は挽回できた理由かなと思います。

――ただ、それが2日目は空回りしてしまったのですね

そうですね。

――その部分は今後の課題になってきますね

そうですね。

――チーム全体としては5位でしたが、どのように受け止めていますか

Aブロックで優勝することが目標としてこの大会に望んだので、優勝までは届かなかったんですが、Aブロックに残留できたということは秋のリーグ戦(関東女子大学秋季対抗戦)でAブロックで戦えるので、それも自分たちにチャンスを与えてくれたのかなと思います。リーグ戦で上位に行くと信夫杯(信夫杯争奪日本大学対抗戦)という全国大会にいけるので、そこを目指して日本一になるということを心がけていきたいと思います。

――今後へ向けて意気込みをお願いします

自分たちの課題を明確にすることが出来たので、個人の課題もチームの課題も秋のリーグ戦へ向けて克服して、秋のリーグ戦でいい成績が残せるように頑張りたいと思います。

深谷琴乃(教1=東京・早実)

――2日間を振り返っていかがでしたか

初めてのリーグ戦だったんですけども、先輩方から、1年生は何も知らない状況で変に緊張もなくのびのびプレーできると思うので全力でやってきてほしいと言われていました。本当におっしゃっていた通り自分はまだあまりわからない身なので、初日は結構緊張してしまったんですけど2日目はもうやるしかないと思って思い切った感じです。

――この大会にはどのような意気込みで臨まれましたか

部の目標がリーグ戦(関東女子大学対抗戦)優勝なので、私もリーグ戦優勝を目指して取り組みました。

――ゴルフ経験はありましたか

小学校5年生の終わり頃から始めました。

――大学入学後初めてのリーグ戦でしたが高校までとの違いはありましたか

高校のときも団体戦はあったんですけど、そのときよりチームで動きますし、チームというのを意識してやっているなと感じました。

――やはり緊張は大きかったですか

そうですね。自分の1打がチームに響いてくるので責任は重いなと思いました。

――実際に入ってみて部の雰囲気はいかがですか

部活中は緊張感がある感じなんですけど、一歩部を離れれば先輩ともすごく仲良く良い雰囲気でやらせて頂いています。

―この大会で得た収穫や見つかった課題などありましたか

これから緊張感とかも感じてくるようになると思うので、そういった重圧の中でもしっかりとプレーできるように精神的な面を鍛えていかなければならないと感じました。

――今後に向けて抱負をお願いします

リーグ戦優勝できるように私一人ではなく部みんなで成し遂げられるようにチーム力を高めていければなと思います。