伝統の一戦、男女で明暗分かれる

ゴルフ

 伝統の一戦はエール交換から始まる。早慶両校が校歌を斉唱し、互いにエールを送りあう。そして、最後には両校それぞれが円陣を組み、「紺碧の空」、「若き血」を歌って早慶戦が始まる。ことしは残念ながら悪天候の影響により、ハーフホールで決着をつけることになった。それにもかかわらず、女子部は慶大に39打差の大差をつけ、5連覇を達成した。一方、男子部は12連覇がかかっていたが、まさかの6打差で敗北。男子と女子で明暗がくっきりとわかれる結果となった。

校歌を斉唱するゴルフ部一同

 「やはり連覇を途切れさせてしまったことか一番、悔しいのもそうですし、OBの方々にも申し訳ないなと思いますね」と岩周巧泰主将(社4=宮城・東北)は悔しそうに振り返った。絶対に負けられない一戦において先輩たちが重ねてきた11連覇という記録はチームに重くのしかかった。前山聖耶(教4=青森・弘前)は「勝たなくてはいけない試合と部員にも言っていましたし自分でも思っていましたので多少なりともプレッシャーはあったと思います」と語った。「技術面においてはあまり大差ないと思うんですけど、その気持ちだったり準備だったりとかが足りなかったと思っています」(岩周)と話すように、リーグ戦では格上になる早大。気持ちの足りなさや準備の不十分さが浮き彫りになってしまった。 

18番ホールでアプローチをする前山

 一方、女子部は圧巻の勝利。ハーフホールで39打差という偉業を成し遂げ、確実に5連覇を決めた。「すごく重みがあるので、今みでの先輩方が積み重ねてきた勝利なので、5連勝出来たというのはやはり嬉しいです」と小出真鈴(文構4=長野西)は喜びをかみしめていた。この日、チームを主将としてもスコアでも引っ張ったのが2アンダーでラウンドした鈴木ありさ(スポ4=東京・杉並学院)。自身の出来栄えに対し「チームに貢献することはすごくできたかなと思います」と振り返った。そして4年生にとって今回は最後の早慶戦。「最後に有終の美という形で早慶戦を終えられたので本当に嬉しいなと思います」(鈴木)と満足の行く結果を修められた。

9番ホールでの鈴木のパター

 早慶戦が終わり、次は関東(女子)秋季Aブロック対抗戦(リーグ戦)が待っている。歓喜に沸く女子部は「すごく良い勢いを今つけられていると思うので、この勢いを逃さずにしっかり関東で勝って次の日本一に向けてさらに勢いをつけたいと思います」(小出)とさらなる高みを目指す。そして残念ながら連覇を逃した男子部は「気を引き締め直して心機一転して次のリーグ戦臨んでいきたいと思います」(前山)それぞれの思いを胸に秋も活躍を誓う。

(記事 越智万里子、写真 比留田孟徳)

結果

▽総合順位(男子)

順位 大学名 総合成績
優勝 慶應義塾大学 262
2位 早稲田大学 268

▽個人成績(男子)

選手名 学部・学年 総合成績 総合スコア
国松耕佑 人4 43 +7
前山聖耶 教2 35 -1
宇都敬汰 スポ3 40 +4
長谷川和市 スポ2 42 +6
徳嶽太 スポ2 40 +4
山本雄太 教2 36 ±0
押田凌大郎 スポ1 37 +1
二村健人 社1 38 +2
※1ラウンド・パー72打、ハーフ・パー36打

▽総合順位(女子)

順位 大学名 総合成績
優勝 早稲田大学 179
2位 慶應義塾大学 218
▽個人成績(男子)

選手名 学部・学年 総合成績 総合スコア
鈴木ありさ スポ4 34 -2
小出真鈴 文構4 38 +2
堤なつき 教4 41 +5
新島有稀 スポ4 36 ±0
浜上佳奈 人4 35 -1
清水日奈 スポ1 36 ±0
※1ラウンド・パー72打、ハーフ・パー36打
コメント

岩周巧泰(社4=宮城・東北)

――きょうのふりかえりをお願いします

やはり連覇を途切れさせてしまったことか一番、悔しいもそうですし、OBの方々にも申し訳ないなと思いますね。

――エール交換の感想をお願いします

エール交換は一応練習したんですけど、エール交換というよりはエール交換からの紺碧の空の流れがあんまり良くなくて。慶大の方が先に応援歌をやっていたので、事前に全員に貸切だから大きい声で歌えよと言っていたんですけど声があまりにも小さくてそっちの方に気が入ってしまって、そしてコーチがしっかりやれよということを言ってくださって移る間に時間がかかってしまい、そこから負けに繋がっていたのかなというのはありますね。

――主将としてどうチームを支えましたか

早慶戦もリーグ戦同様、一番レベルの高い試合として重きを置いているので早慶戦当日のみというよりは事前にどれだけ緊張感であったり準備が出来るかということをしてきたつもりだったんですけど、やはりそれが足りなかったのかなとは思います。

――連覇が途切れましたが、考えられる要因などはありますか

今までやってきた基本的なことや基礎的な部分が全体的に出来てなかったのかな、それまでの準備にしろ、まだまだ未熟だったというところですね。技術面においてはあまり大差ないと思うんですけど、その気持ちだったり準備だったりとかが足りなかったと思っています。

――秋には関東秋季Aブロック対抗戦が残っています。意気込みをお願いします

勝つしかないというのが現状なので部活動として置いている目的だったり目標を達成出来るように一人一人が何をしなくてはいけないのかというのを、私に言われるのではなくて全員が心の底から思ったり仲間を信頼しあうことが勝ちにつながるのではないかと思っています。

前山聖耶(教4=青森・弘前)

――きょうのふりかえりをお願いします

きょうはチームが負けてしまったということで自己評価としては0点になります。個人としてはきょねんレギュラーとして出られず応援組としてやってきて悔しさも味わって、でもその分応援組のありがたみというか、そういうのを肌で実感した大会だったので、そこで1年間思いをぶつけられた結果か今回のMVPという形になったのだと思います。

――12連覇がかかっていた中で、チームにプレッシャーはありましたか

そうですね、やはり勝たなくてはいけない試合と部員にも言っていましたし自分でも思っていましたので多少なりともプレッシャーはあったと思います。

――MVPを取りましたが

早慶戦の思いが結果と繋がった面ではすごい良いことだと思うんですけれども、やはりチームとしては絶対勝つという風に臨んだ試合だったので正直悔しいです。

――今回の早慶戦は悔しさが大きいですか

そうですね、非常に悔しい思いというか、先輩から続いてきた記録を途切れさせてしまったのは自分たちだったのでその借りをリーグ戦(関東秋季Aブロック対抗戦)で返せるように気を引き締め直して心機一転して次のリーグ戦臨んでいきたいと思います。

鈴木ありさ(スポ4=東京・杉並学院)

――早慶戦の振り返りをお願いします

絶対に勝たなくてはならない一戦ということで、みんな気合が入りながらやっていた中で、39打差、チームでも1アンダーということで勝てたので、本当に嬉しいなと思います。

――ご自身の調子はいかがでしたか

そうですね、悪くない中で戦うことができて自分自身2アンダーで上がれたのでチームに貢献することはすごくできたかなと思います。

――主将から見てチームの調子はいかがでしたか

やはりチーム力で戦うというところだったり、天候によって9ホールだったりすることがあるということでスタートダッシュは切っていこうということで前半9ホールが勝負だねという話をしていた中で、みんながいい状態で前を走っていたりして、早稲田の場が作れていたのでこういった結果になったんじゃないかと思います。

――今回が最後の早慶戦になりました

本当に4年間あっという間だったというのもありますし、最後に有終の美という形で早慶戦を終えられたので本当に嬉しいなと思います

――関東女子秋季Aブロック対抗戦への意気込みを

この早慶戦を終えて優勝出来たということですごくいい形で、この状態から合宿に臨むわけなんですけど、すごく今いい形でチームがあるのでこれからまださらにパワーアップ出来るようにチーム力固めてリーグ戦優勝出来るように頑張りたいと思います。

小出真鈴(文構4=長野・長野西)

――きょうのふりかえりをお願いします

きょうはすごく気合いを入れて臨んだ1日だったんですけど、最初朝はすごく緊張してしまってそれがすこし空回りしたかなというところもあったんですけど、最初の緊張が過ぎてからはバーディもあったりして最後の早慶戦しっかりやりきれたかなと思います。

――雨で中止になりましたが、その点は予想されていましたか

始まる前も雨で中止になるかもしれないという話はあったので。この間の全日本でも途中で中止になって悔しい思いをしたので、そこからずっとスタートダッシュをチームで意識していて、最初の9ホールから勢つけていこうっていう話をしていたので今までの練習の成果がしっかり出たかなと思うので良かったと思います。

――5連覇を決めましたね

そうですね、すごく重みがあるので、今みでの先輩方が積み重ねてきた勝利なので、5連勝出来たというのはやはり嬉しいです。後輩も頑張って欲しいなと思います。

――関東女子秋季Aブロック対抗戦への意気込みをお願いします

すごく良い勢いを今つけられていると思うので、この勢いを逃さずにしっかり関東で勝って次の日本一に向けてさらに勢いをつけたいと思います。