チーム力で慶大制す

ゴルフ

 快晴の下、第48回オール早慶ゴルフ定期戦が埼玉・武蔵カントリークラブで行われた。ゴルフの早慶戦は毎年早慶のOB・OGと現役とが同じ舞台でプレーする伝統ある一戦。男子は現役出場選手8人のうち上位7人、女子は6人のうち上位5位の合計スコアがより少ないチームが勝者となる。早大はことしも男女ともに安定したゴルフを見せ、男子は36打、女子は20打もの大差をつけ、見事慶大を制した。

 「AブロックとCブロックの戦いということで絶対に勝たなければいけない試合」(鈴木豪主将、国教4=愛知・南山国際)と語るように関東大学春期Aブロック対抗戦でAブロックに残留を果たした男子部にとって慶大は負けられない相手。そのような緊張感の中、昨年チームトップの成績を残した石毛巧(スポ2=埼玉栄)や期待のルーキーである長谷川和市(スポ1=兵庫・滝川二)が活躍した。2人を中心に好スコアを叩き出した早大はトータル523と慶大に36打という圧倒的な差をつけ、余裕のある勝利を飾った。全体を71打でまとめあげ、全体で唯一のアンダーバーをたたき出しチームトップに輝いた長谷川も「自分はまだ1年生という立場で後輩もいない状況で、先輩の背中を見て自分自身が成長していく時期」と謙虚な姿勢でさらなる成長を誓う。

チームを引っ張った長谷川

 先日の関東学生選手権競技を4人の2年生が突破し日本学生選手権競技への出場が決定し、低学年主力で若い力に勢いがある女子部。「ゴルフは個人戦に見えて実は一人ひとりがチームのために思っていないと団体戦で力を発揮できないスポーツ」と女子部主将の楢松芽衣(政経4=埼玉・浦和明の星女)が語るように女子部が目指すのは一体感のあるチームだ。普段の練習で『自分の一打がチームの一打』というスローガンを達成できているか、団体戦ではその成果が問われる。この早慶戦は全国レベルが揃う2年生の背中を1年生が追うという高いチーム力が見られる一戦となった。鈴木ありさ(スポ2=東京・杉並学院)が76打をマークし女子トップで回りきると、早大トータル401と慶大に20打引き離し、見事勝利。「一打一打を大切に」(鈴木)と後輩もチームの方針を理解し、全員が同じ方向を向いてゴルフに取り組んでいる様子が試合を通して見受けられた。

安定したショットを見せる鈴木

 この早慶戦は公式戦ではないが、「それぞれがいつ如何なるときも諦めずにプレーした結果がきょうの結果に結びついているのではないかと思う」(楢松)と今回はチーム力を再確認する良い機会になったのではないか。8月に日本学生選手権競技を控える選手が4人と現在の早大ゴルフ部は逸材を揃えている。個人で戦う全国大会も『自分の一打がチームの一打』というスローガンを忘れずにプレーしてほしい。

(記事 小森順子、写真 辛嶋寛文 杉田隆也)

※掲載が遅れて申し訳ありません

結果

▽男子部
鈴木豪(国教4=愛知・南山国際)40・40=80
青野憲太郎(スポ3=京都学園)38・37=75
滝雅志(スポ3=茨城・水城)37・36=73
山城泰介(先進3=沖縄・開邦)37・38=75
石毛巧(スポ2=埼玉栄)37・36=73
照沼恭平(社2=東京・早実)39・40=79
前山聖耶(商2=青森・弘前)39・38=77
長谷川和市(スポ1=兵庫・滝川二)36・35=71
▽女子部
小出真鈴(文構2=長野西)39・42=81
鈴木ありさ(スポ2=東京・杉並学院)38・38=76
堤なつき(教2=東京・早実)42・38=80
浜上佳奈(人2=長野・佐久長聖)43・41=84
深澤みなみ(人1=東京・小金井北)39・44=83
乗富舞(国教1=東京・早実)38・43=81

コメント

鈴木豪(国教4=愛知・南山国際)

――きょうの早慶戦を振り返っていかがでしたか

AブロックとCブロックの戦いということで絶対に勝たなければいけない試合だったのですがなんとか全員が力を合わせて勝つことができて良かったと思います。

――きょうのご自身のブレーを振り返っていかがでしたか

私はスコアでは貢献できなかったです。粘り強くパーを拾ったゴルフがなかなかできず、短いバーディーパットも決めることができなかったのでスコアにつなげることができませんでした。

――チームとしてはいかがでしたか

チームとしては良い雰囲気だったのではないかと思います。全員が緊張感を持って頑張っていたと思います。

――ことしのチームの様子は

ことしはスポーツ推薦の選手がおらず私が主将を引き受けることになったのですが、その中でチーム一丸となってプレーするということを全員が目指せていると思います。

山城泰介(先理3=沖縄・開邦)

――きょうの早慶戦を振り返っていかがですか

チームが勝つことが絶対成しなければならない目標だったのでそこを成できたことはよかったです。

――きょうのプレーについてはいかがですか

最初、ショットの切り返し上半身と下半身の動きでちょっと変えた分があって、そこがきのうはよかったのですが、コースに出てしっくりこなくて、うまくスコアにつなげることができませんでした。タイミングが合わずショットの質が落ちてしまいました。

――関東学生選手権競技(関東学生)ではきょねんに引き続き、日本学生選手権競技(日本学生)への出場権を手にしましたがそのことについてはいかがですか

関東学生に出る以上はきょねんが35位とかで、それ以上を目指して一日一日取り組んでいました。きょねんは3日目に崩れてしまいましたが今回は大崩れすることがなく、よかったです。

――関東学生では16位タイということできょねんを大きく上回りましたが、うまくいった要因はどのようなところだと思いますか

そのときはパッティングについてプロの試合とかをながら研究していて、自分なりに腹筋とか背筋とかの大きい筋で支えてパットすることを意識した結果安定しました。それが4日間の安定感につながったと思います。

――日本学生に出るにあたっての目標はいかがですか

きょねんは47位だったのでそれを超えることは達成したいです。きょねんは調子の幅が大きくて、71で回れる日もあれば78叩く日もあるということでことしの関東学生のように三日安定したスコアをマークできるようにしていきたいです。これからショットとパットの調整をしていきたいと思います。

――これからの試合に向けての意気みをおいします

チームとしての目標は関東大学秋季Aブロック対抗戦で3位に入ることなので、日本学生、合宿等々こなして調子のピークをそこに持っていきたいなと思います。

長谷川和市(スポ1=兵庫・滝川第二)

――今日は71打でまとめあげ、全体で唯一のアンダーパーで試合を終えました。今日の合を振り返っていかかでしょうか

今日は初めての早慶戦で、常に伝統を感じてプレーをして、一打一打の重みをラウンド中感じました。

――その早慶戦のいつもとは違う独特な雰囲気の中で、印象に残ったプレーはありますか

10番ホールで今日初めてのバーディーをロングパットで決めることができて、そこで勢いに乗れたのかなと思います。

――今日はチームで1番のスコアを出して、これからはより大きな期待がかかると思います

自分はまだ1年生という立場で後輩もいない状況で、まずは先輩の背中を見て自分が成長していく時期だと思います。なので、チームのいい雰囲気づくりに貢献できればなと思っています。

――最後にリーグ戦に向けて一言お願いします

チームとしてリーグ戦Aブロック3位という目標を達成できるように、秋のリーグ戦はもう近いですけれど今から練習をしていきたいと思います。

楢松芽衣(政経4=埼玉・浦和明の星女子)

――きょうの早慶戦を振り返っていかがでしたか

女子部がAブロックに残留して準優勝してからの初めての早慶戦ということで、夏合宿の成果を生かし発揮するということとともに、課題であるチーム力というがどれだけ高まっているのかということを再確認しようとこの早慶戦に挑みました。

――きょうのご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

私自身粘りのゴルフになってしまったため、拾わなければいけない場面でミスをするなど悔しい部分多かったが、出し切れたので悔いはないです。

――チームとしてはいかがですか

ゴルフは個人戦に見えて実は一人ひとりがチームのために思っていないと団体戦で力を発揮できないスポーツですが、自分の一打がチームの一打というのをチームスローガンとしてそれぞれがいつ如何なるときも諦めずにプレーした結果がきょうの結果に結びついているのではないかと思います。

――代替わりしてことしのチームの様子は

私は初心者からゴルフを始めたのに対して後輩は経験者が多いという低学年が主力のチームになっていますが、技術の善し悪しがゴルフ部の上下関係ではなく、年功序列であるというゴルフ部の方針をきちんと理解して行動することを大切にしてきました。私自身技術は後輩から学ぶことが多いのですが、すごくついてきてくれているし、チームが同じ方向に向かってリーグ戦で優勝したいという気持ちを持ってやっているのではないかと思います。

――秋のリーグ戦に向けての意気込みは

秋は前回準優勝したということで今回は絶対に優勝したいと思っています。日頃私たちが部活動できるのも支えてくださるOB・OGの方々がいらっしゃるからであり、現役だけではない多くの方々の支えあってだと思っています。そういった方々への思いを結果で返したいと思っています。

鈴木ありさ(スポ2=東京・杉並学院)

――今日は女子1位というで試合を終えました。今日の試合を振りっていかかでしょうか

慶應に勝つという目標を持ち、一打一打大切にしながら76打という結果だったんですが、チームとしては勝てたのですごくかったと思います。

――チームとしても、個人としてもいい結果を残せた中で個人的によかったプレーなどはありますか

出だしの1番から3打目がカップから1メートルくらいに寄って、バーディー発進をすることができてすごい勢いづいたので、1番ホールは大きなポイントだったと思います。

――次の日本学生ゴルフ選手権競技に向けて調整する部分はありますか

あと1週間くらいなんですが、ショットのぶれだったり細かいところがまだまだミスが多かったりするので、そこを修正できるようにしていきたいなと思います。

――最後に今後に向けての目標をお願いします

9月には秋季リーグ戦があるのでチーム一丸となって優勝を目指していきたいと思います。

堤なつき(教2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

団体戦ということで緊張がありましたし、待っている人の分も頑張りたいなと考えていました。ただ、後半のラウンドで粘り切れず、スコアを落としてしまったことは問題だったと感じています。皆が張ってるから自分も負けずにという気持ちはありましたが、うまくいきませんでした。

――前半と後半でスコアに差が出てしまった要因であったりはどのように捉えていますか

セカンドショットの精度が低かったことは問題だったと感じていまして、アプローチがうまくいかず、パーがとれないゴルフでした。ショートコースの良し悪しもかなり影響したように感じます。

――ことしは関東女子学生選手権競技を通過し、日本女子学生選手権競技(日本学生)に出場が決まりましたがそのことについてはいかがですか

きょねんは予選から出られなかった日本学生に出場できたということで、きょねんの分も頑張ろうという気持ちでした。自分としてはメインは関東女子大学秋季Aブロック対抗戦(秋季リーグ戦)ですので、そちらにもつながるようにがんばっていきたいと思います

――日本学生での目標はどのように考えていますか

まずは初めての舞台なので、3日間全力でプレーしたいです。3日目に残りたいという気持ちも大きいですが、自分として悔いの残らない大会にしたいと思います。今日はプレッシャーでなかなかいいスコアを出すことができなかったのでメンタルでもっと強くなりたいと思います。

―ーこれからの試合に向けての意気込みをお願いします

秋季リーグ戦で少しでもチームに貢献できるように夏の間に更に成長していきたいと思います