Bブロック優勝!全国への切符つかむ

ゴルフ

 部員たちの夢が現実となった。ついに、Aブロック昇格、そして全国大学ゴルフ対抗戦への出場権を得たのだ。昨季降格してきた駒大との接戦を制し見事優勝を果たした。あと一歩のところで逃してきた優勝だけに選手たちの笑顔がはじけた。早大のAブロック昇格は22年以来、2年ぶりの快挙となる。また、滝雅志(スポ2=茨城・水城)は今大会の最優秀選手に選出された。

 ゴルフは個人戦という印象が強い。しかし、関東学生ゴルフ春季ブロックは出場する8人の選手たちのうち上位7人のスコアの合計を計算。試合は二日間に分かれており、二日間の合計を競う。より少ないスコアでコースを回ったチームが勝者となる。よって、ワンストローク、ワンストロークがチームの得点となるため、極めて緊張感のある試合となる。チームの結束力が試されるのだ。

早大を引っ張る木崎主将

 1日目は思うようにスコアが伸ばせなかった。大会の緊張感なのか選手たちの多くがショットに正確性に欠く。しかし、多くの選手が苦しんでいる中、奮闘したのは滝だ。滝はハイスコアの要因を「ショートゲームが良くて、ショットのミスをリカバリーできたのが一番大きかった」と語る。練習からのコンディションの悪さをカバーする粘りのゴルフでチームを助けた。また、木崎亮太主将(スポ4=茨城・水城)はドライバーを封印し勝ちを優先。自らの気持ちを抑え、正確性を高めることでチームを支えた。初日を終えてスコアは541と駒大と同スコアで暫定1位。降格1季目でのAブロック昇格を目指す駒大との一歩も譲らない戦いが始まる。

チップインイーグルを決め喜ぶ石毛

 一打のミスが駒大との差を生む、大きなプレッシャーを感じて迎えた最終日。早大の選手たちは昨日のミスを挽回する活躍を見せる。一日目のスコア合計541から21打縮める520でラウンドを回ることに成功。選手一人一人がチームのために戦った結果がスコアに現れた。特に際立った活躍を見せたのは石毛巧(スポ1=埼玉栄)だ。高校時代に輝かしい成績を収めて早大に入学した石毛は初日5オーバーと本来の実力を示せずにいた。しかし、最終日、18番ホールでその才能の一部を見せる。早大の選手としては最後にホールアウト予定だった石毛の戦況を全部員が見守っていた。その目の前で打ったパー4、2打目。放たれたボールはグリーンを捉え、一直線にカップに転がる。早大の選手たちの「入れー!」という叫び声と共にボールはカップに吸い込まれた。接戦でのチップインイーグルにエンジの歓声がコースに響いた。石毛の活躍もあり、2日目は駒大を3打離し勝利。2年ぶりの優勝を決めた。

 優勝後に話しを聞くと木崎主将は今回のMVPを「応援も含めた男子部22人」と話した。部としてのチームワークを武器に全国の舞台でも実力を示してくれることだろう。全国大学ゴルフ対抗戦の舞台は1ヶ月後の北海道。そこで勝ち抜けば世界の舞台が見える。「今回の優勝は自分たちの目標であるものへの序章にすぎない」(木崎)。団結力を高めた早大が、ことしの学生ゴルフ界を沸かせる。

(記事 辛嶋寛文、写真 山辺剛士、辛嶋寛文)

若い力が躍動

 今大会は若い力がチームの力になった。期待の新人、石毛はもちろん3人もの新人が出場した。また、早大のレギュラー10人のうち7人が1,2年生。大幅な若返りを見せている。最優秀選手に輝いた滝もまだ2年生ながら、1日目を2アンダー、2日目を1オーバーと安定感のある実力を示した。ことしの早大の活躍が楽しみでならない。

最優秀選手に選出された滝

Bブロック優勝を喜ぶ部員一同

結果

▽総合順位
1位 早大541・520=1061
2位 駒大541・523=1064
3位 富士大 547・537=1084
4位 法大 550・537=1087
5位 日体大 558・540=1098
6位 東海大 559・555=1114

▽個人成績
木崎 亮太(スポ4=茨城・水城) 74・72=146
青野憲太郎(スポ2=京都学園)  81・75=155
滝  雅志(スポ2=茨城・水城) 70・73=143
山城 泰介(先進2=沖縄・開邦) 78・75=153
石毛  巧(スポ1=埼玉栄)   77・70=147
照沼 恭平(社1=東京・早実)  79・78=157
前山 聖耶(商1=青森・弘前)  82・77=159

コメント

木崎亮太主将(スポ4=茨城・水城)
――Aブロック昇格が決まりましたが今のお気持ちは
率直にうれしいです。
――自信が主将になられてからの優勝でしたがチームの雰囲気は
そうですね。前の代の高瀬主将(高瀬大和、24卒)の流れを上手く引き継ぐことができた結果、こういう形になりました。なので、それを途絶えさせないためにも、より良くするためにも自分はどうしたら良いか考えながら部をやってきていて、この結果が出て、部の良い雰囲気が作れてきているのかなと安心しています。
――主将から見た今回のMVPは
やっぱり、石毛(石毛巧、スポ1=埼玉栄)の最終ホールのイーグルが結果的には光りましたね(笑)。ただ、団体戦なのでみんなが一打一打つなげてきた結果なので、全員。一人挙げるなら石毛ですけど、応援も含めた男子部22人で勝ち取った結果だと思います。
――ご自身のプレーは
自分はアイアンを得意としているのですが、アイアンに関しては緊張感のある試合の中でも冴えていた方なので、バーディーをつなげるには全く問題ありませんでした。ただ、それ以上にティーショットが曲がってしまい、それをどれだけ抑えるかを考えた結果、昨秋同様ドライバーを封印して2日間回りました。自分個人としての納得したゴルフはできていませんが、勝つことを優先した結果だったので今回に関しては良かったです。
――シーズンが始まりましたがこれからの目標は
今回の結果で全日本大学ゴルフ対抗戦への出場が決まりました。出るからには上位に入る。あわよくば7位以内に入ってTOPYカップに出て世界大学の対抗戦に出場できるので、そこを目指していきたいと思います。
――4年生でラストイヤーなわけですが個人としての目標は
日本学生選手権と朝日杯という二つの大会で優勝することです。
――最後に今後の意気込みをお願いします
今回の優勝は自分たちの目標であるものへの序章にすぎないので、今回は今回として。最終目標の信夫杯に出て入賞というものへ向けて、部員一同気合いを入れて練習に励んでいきたいと思います。

青野憲太郎(スポ2=京都学園)
――Aブロック昇格の感想は
きょねん両方とも2位だったので、3度目の正直という感じで。きょねんの秋季ブロックが終わった時点から次のリーグに向けてということで、木崎主将(木崎亮太、スポ4=茨城・水城)から話しがあって、みんなでこの日のために努力してきたので、報われてうれしいです。
――個人の成績としては
きのうはあまり良くなかったので、良く修正できたかなと思います。コーチなどにアドバイスをいただいて調子を戻すことができました。初日はどうしても思うようにパターが上手くいかなかった分足を引っ張ってしまいました。初日が上手くいかなかった分チームに貢献したいという気持ちで。結果、最後は良いスコアが出たのできょうは良かったです。
――勝因というのはどこにあると思いますか
やはり、個人としてではなく、チームとして団結したことですかね。応援組もサポートに全力を尽くしてくれたり、選手も応援している人の分も頑張るという良い関係が今までの部活動で築けたことが勝因かなと思います。
――ご自身の目標と今後の意気込みをお願いします
今月末にある関西アマまでに良い成績を残すこと。そして日本アマに行けるようにすること。あとは今回全日本学生ゴルフ対抗戦への出場が決まったので、そこで上位に進出します。

滝雅志(スポ2=茨城・水城)
――今の率直な感想を教えてください
部員全員でAブロック昇格が最終的な目標ではありませんが、みんなで目指していたものだったので、嬉しいです。
――最優秀選手賞も獲得しましたね
嬉しいですね。最後まであきらめずに、一打に集中したのがこういう結果に繋がったのだと思います。
――きのうはチーム1位のスコアで回りましたね
リーグ戦の前の試合から調子が良くなかったです。きのうもミスを押さえながらのラウンドだったので、万全の状態で回ったというよりは我慢のゴルフという感じでした。結果的にはよいスコアで上がれましたが、嬉しいというよりは疲れたという感じでした。
――その状態の中でよいスコアで回れた要因は何だったのでしょうか
ショートゲームが良くて、ショットのミスをリカバリーできたのが一番大きかったと思います。パーを拾っていけて、その中でチャンスをものにできました。
――今日はスコアを落としてしましましたが
前半がだいぶ荒れてましたね。ショートゲームで我慢し切れない部分がかなりあり、崩れてしました。後半はなんとか持ち直すことができました。パーオン率が高く、昨日と比べてショットのほうがかなり良くなっていたので、スコアをまとめ上げることができたと思います。きのうとは対照的な出来になってしまいました。
――今季、実力ある新人が入部しましたが、チーム内に新たな刺激などはありましたか
今までは、合宿などでも張り合うとなると2、3人に絞られてきてしまうことが多かったです。しかし今回、1年生が入ってきたことによって、緊張感というか、合宿の時でも、常に試合のような雰囲気でプレーしているように感じます。自分だけではなく、部員全員によい刺激になっていると思います。チーム力の底上げにも繋がっているのではないでしょうか。
――今後の試合に向けてお願いします
今季最初の試合を落としてしまったので、これから始まる関東学生などで、よい成績を残せていければいいかなと思います。

山城泰介(先理1=沖縄・開邦)
――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちをお聞かせください
個人的には悪かった方なのですがチームが優勝したので結果的には嬉しいです。
――きょうのラウンドを振り返って
全体的にはうまくスコアをまとめられたと思いますが、前半の2番でOBを打って10番で短いパーパットからスリーパットになってしまうなど、もったいないミスが二日間を通してありました。
――大会を通しての反省点は
この試合に入る前は結構ショットが良くて自信をもって入ったのですが、試合になるといつもの調子が出せないというか、ショットが荒れたりまとめるのが大変だったのでそこが反省点ですね
――逆に良かった点は
大きいミスをした後にミスを引きずらないでうまく耐えられたというのが今回良かったと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
今回ショットが良くなかったので、ショットをきちんと修正して、今回良かった耐える部分というのは次にも生かして次はちゃんと貢献したいと思います。

石毛巧(スポ1=埼玉栄)
――優勝の感想は
すごいうれしいですね。入学したてでそんなに長い間この部にいた訳ではありませんが、大会前の期間で一致団結してプレーできました。みんなの願いがAブロック昇格だったのでそれに貢献できて非常にうれしいです。
――ご自身の成績としては
一日目は全然納得できていませんでした。上がりが本当に勿体ない形でチームに迷惑をかけてしまいました。それで、きょうに臨んだ結果、最後にチップインイーグルを決めることができて、良かったです。二日間通してはチームに貢献できたかなと思います。
――イーグルを決めたときの気持ちは
打ったら、ラインに乗っているのは感じたのですが、入るまでは歓声でしか分かりませんでしたね(笑)。さいごにみんなが「入れー」って叫んでるのを聞いて入ったんだなと実感しました。
――全日本パブリックアマチュアゴルフ選手権2位タイという素晴らしい実績を残してワセダに来られたわけですが、プレッシャーは感じますか
いや。あまりそういうものは考えないようにしています。淡々と自分のやれることに集中してやってきましたね。
――入部して間もないですがワセダの印象は
チームワークがとても良くて、絆の強いチームだなと思います。団結力の強いチームだなと感じます。
――最後に今後の目標と意気込みを
まずは北海道の全国の舞台でみんなで入賞すること。関東アマの決勝、日本アマもあるので個人戦もがんばっていきたいと思います!

照沼恭平(社1=東京・早実)
――Aブロック昇格おめでとうございます
今回、絶対Aブロックに上がろうと思って、みんなで一致団結してやってきたので、今回このような結果が出て本当に嬉しいです。
――2日間の成績を振り返っていかがですか
自分は全然良くなかったのですが、他の仲間がカバーしてくれました。
――具体的に今日のプレーで反省するポイントは
前半で41ストロークも打ってしまいました。後半巻き返そうと思ったのですが、後半も最後で3パットしてしまって自分のせいで2位に落ちたらどうしようと思っていました。最後には決めてくれてよかったです。

前山聖耶(商1=青森・弘前)
――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちをお聞かせください
嬉しいです。自分は今回あまり良くなかったですけれどチームメイトや先輩方に助けられて優勝できたのでとても嬉しく思っております。
――きょうのラウンドを振り返って
きのうかなり悪かったので今日は一打でも縮められるところは縮めようと思っていました。ミスも結構あったのですがその後のリカバリーなどを一生懸命できたのでスコアは良くなかったですけれど自分が出せる実力は出せたつもりでいます。
――きょうの反省点は
アプローチがあまり良くなかったかなと思います。それと12番ホールでセカンドOBを打ってしまったのでそれが反省です。
――ご自身の調子はいかがですか
あまり良くはないのですが先輩方にいろいろと教わりながらコーチや監督にも指導して頂いて少しずつ調子も上がってきているところです。
――次戦の目標は
次の試合では自分がチームを引っ張っていけるような存在になりたいです。