伝統の一戦アベック優勝飾る

ゴルフ

 雌雄を決する一戦がゴルフにもある。伝統の早慶戦が千葉カントリークラブ梅郷コースで行われた。戦略性に富んだ難易度の高いコースであり、早慶だけに用意された特別な舞台で選手たちは全力のプレーを見せた。普段の試合より多い1.5ラウンドを回り、男子はエントリー選手8人のうち上位7人、女子は6人のうち上位5人の合計スコアで勝敗が決まる。結果は男子が784ストローク、女子が576ストロークと男女ともに慶大に大差をつけアベック優勝を飾った。

1年生ながらチームを引っ張った石毛

 春の関東大学Bブロック対抗戦(リーグ戦)を制し、全国の舞台を経験した男子部。勢いに乗るショットは宿敵との一戦でもさえわたる。公式戦から存在感を示す石毛巧(スポ1=埼玉栄)がチームトップの109ストロークにまとめると、ほかの選手もそれに続く。早大はトータル784ストロークで大勝し、地力の差を見せつけた。今回が最後の早慶戦となる木﨑亮太主将(スポ4=茨城・水城)は「主将として迎えたということもあり思い入れがあった。勝ちたい気持ちが強く、特別なもの」と振り返り、勝利の喜びを噛みしめた。また、照沼恭平(社1=東京・早実)や前山聖耶(商1=青森・弘前)などのルーキーも好スコアを出すなど、チームの一体感や層の厚さもうかがえた。

 再発足して4年目であることからまだ歴史が浅い女子部の一戦。慶大は早大と同じBブロックに所属しており、普段からしのぎを削り合う仲である。白熱した戦いが予想される中、勝敗の行方を決めたのはルーキーたちの活躍とチーム力だった。トータル110と突出したスコアを叩きだした鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)は「気合いの入った試合で良い緊張感を持ちながら楽しくできた」と初めての早慶戦で充実感をにじませた。きょねんは1打差で辛勝した早大だったが、ことしは65打差をつけての圧勝。安藤英里女子部主将(国教4=東京・江戸川女子)は「ことしは笑顔で勝つことができました。良いチームができたと思います」と主将として部の大きな成長に胸を張った。

アイアンショットを放つ安藤

 ラウンドを回る最中には笑顔が見られ、最終ホールを終えると握手を交わし健闘を讃え合う姿があった。「早慶の結びつきの強さを感じることができた」と安藤女子部主将が語るように、両校の絆は一層深まったようだ。また、エントリーはされていないが普段から部を支える4年生もともにラウンドを回り、チームの団結を再認識する形となったに違いない。チームとしては目標としている秋季リーグ戦が近づいている。木﨑主将は「常に上を目指す王道を行くということで、今後とも練習や普段の生活から余念のない取り組みをしていきたい」と気を引き締める。男女ともにことしが飛躍の年となっていることは確かだ。上昇気流に乗った早大ゴルフ部はさらなる高みへと突き進む。

(記事 依田萌 写真 辛嶋寛文、山辺剛士)

笑顔を見せる早大ゴルフ部

結果

▽男子部

 

木﨑亮太(スポ4=茨城・水城)40・35・39=114

鈴木豪(国教3=・愛知・南山国際)42・39・40=121

青野憲太郎(スポ2=京都学園)37・38・37=112

滝雅志(スポ2=茨城・水城)40・40・33=113

山城奏介(先進2=沖縄・開邦)37・38・36=111

石毛巧(スポ1=埼玉栄)36・35・38=109

照沼恭平(社1=東京・早実)39・36・38=113

前山聖耶(商1=青森・弘前)35・40・37=112

▽女子部

 

園田麻里加(文7=福岡・東筑紫学園)41・41・38=120

小出真鈴(文構1=長野西)37・38・41=116

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)38・34・38=110

堤なつき(教1=東京・早実)39・39・40=118

新島有稀(スポ1=神奈川・多摩)36・42・41=119

浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)38・36・39=113

コメント

木崎亮太(スポ4=茨城・水城)

――きょうのラウンドの率直な感想を

ここ最近あまりショットが良くなくて、きょうも結局一日を通してショットの安定性に欠けていました。今回は初めて1.5ラウンドしたのですけれど、アウトコースが2回あり、その2回で大叩きをしてしまったという結果に終わりました。インコースの方ではアンダーパーで上がれたのですけれども、結果としてはグリーンを外してからのリカバリーがそのハーフで冴えていたから結果が良かったというだけで、結局終始ショットには見放されていた一日でした。

――お話にあったように、最近ショットの調子が良くないとおっしゃっていましたが、きょうはそれをどのように克服しようと思っていましたか

基本的に左をまっすぐ飛ばしてしまって、左にトラブルをしてしまうということが一番多い傾向でした。どういう球で打っていくかということをあまり明確にしてアドレスにはまることができなかったので、どういった球を打とうかということで、左から右に曲げるフェードボールで打っていこうと決めて、それでコース戦略をしていこうというような頭を持ってきょうは臨みました。

――4年生として最後の早慶戦でしたが、いままでと違う点はありましたか

やっぱり主将として向かえているということもあって一番思い入れが強かったですね。早慶戦というものはワセダもしくはケイオーのゴルフ部の一員でないと経験することができないということで、いままでの3年間は一番上に立って、というよりは一選手として戦っていたということもあったので、あまりそういう深い強い思い入れということありませんでした。でもいざことしの早慶戦入る前のリーグ戦で優勝した際にも優勝したときの喜びというのは、1年生で優勝したときよりも非常に大きかったですし、そういったものをまた今回4年生で主将という立場で向かえて、やっぱり勝ちたい気持ちはすごく強かったので、特別なものでした。

――きょうの結果はチームとしてどのように思いますか

チームとしては、悪くはない、いやむしろ良かったと思います。こういった名門のゴルフ場ではなかなかラウンドする機会もないので、そういった中で初めてラウンドしている選手もいたのですけれど、その中でも自分の平均スコアくらいではまわってきていますし、コースのマネジメントとかそういったことはしっかりできていて、今後のリーグ戦や個人戦に向けての対策がしっかりできているなと思いました。

――きょうは4年生の同期の方々もまわってらっしゃいましたが、どのように思われますか

やっぱり1年生として入ってきたときからずっとここまで一緒に切磋琢磨しあいながらやってきている同期なので、裏ラウンドということで選手としての参加ではなかったにしても、同じ土俵で同じところでゴルフしているということでは常に一体感を持ってやれたのではないかなと感じます。

――最後に、秋季リーグ戦への意気込みをお願いします

毎回同じことを言うようなのですけれど、ことしはAブロック4位以内、そして信夫杯に出場する、これを念頭に、自分たちワセダ男子ゴルフ部は取り組んでいきたいと思っています。常に上を目指す王道を行くということで、今後とも練習やそういった普段の私生活からも余念のない取り組みをしていきたいなと思っています。

石毛巧(スポ1=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返って

きょうの千葉CC梅郷コースはキャディーをさせて頂いていて、ホームコースでの早慶戦ということで自分の役割として1.5ランドでアンダーを出すということを目標にやりました。最初の1ラウンド目まではハーフが36で後半のハーフが1アンダーで上がることができたのですが、1.5ラウンド目のハーフで2オーバーを打ってしまってトータルが1オーバーでした。まぁまぁ良かったですが目標としていたアンダーが達成できなかったので少し残念でした。

――印象に残ったショットやホールはありますか

あまり無かったですね。だいたい真ん中に打ってグリーンに乗ってという繰り返しだったので、そこまで印象に残る一打というのはなくて毎ショット真剣にやっていたのであまり思い出せないですね。

――それだけ集中していたということですか

そうですね。目の前の一打に集中していました。

――普段キャディーを務められているということでこのコースには詳しいですか

そうですね。詳しいです。2年前にここで開催されたダイヤモンドカップにも出場させて頂いたのでこのゴルフ場のことはほとんど知っていました。

――最近調子を落とされていました

そうですね。先日の関東学生選手権もあと1打で落ちてしまって、あれから自分の足りなかった点などを見直しました。まだ改良中ではあるのですが今回早慶戦である程度いい結果が残せたのでこれからのリーグ戦に向けてはすごくいい調子で上がってきているのではないかなと思います。

――初めての早慶戦はご入学前のイメージと違いましたか

早慶戦というと格式の高いものだろうなと想像していたのですがその通りで、OB、OGの方々や慶応のみなさんと触れ合いながら戦えたということですごく楽しかったです。

――慶応の印象は

Cブロックで格下ということだったのですが途中までいいプレーをされていて本当にCブロックなのかなと思うくらいでした。

――今後の目標を教えてください

まず一番近い目標としてリーグ戦がありますがそこでAブロック残留して最下位にならないようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。

安藤英里主将(国教4=東京・江戸川女)

――早慶戦を終えていかがですか

毎年違うのですが、わたしが初めて参加してから4回目の大会ということで。一番最初は慶大に何百打差つけられて負けて、2回目は何十打差つけられ負けて。きょねんは1打差でなんとか勝って、ことしは何十打つけて勝てた。きょねんはうれし泣きだったのですが、ことしは笑顔で勝つことができました。早慶戦ということで早大と慶大の結びつきの強さというものを感じましたし、早慶戦の深さを感じました。

――現役最後の早慶戦ということでしたが、そのことについてはいかがですか

やはりキャプテンとして、チームを作っていくという面では良いチームができたなと思います。最後は楽しかったです。

――きょうの試合を通して主将として感じたことはどうですか

わたしたち女子ゴルフ部ははじまってから間もない部で、1~4年生が初めて全員揃った時点での主将というのはまだ誰も経験したことがなくて。きょねんは留学でいなかったのですが、それ以外はずっと主将として早慶戦に出させていただいてきたのですが、ことしは全学年揃うということで、体育会の部活の重みを感じた大会でした。

――関東女子学生ゴルフBブロック対抗戦で2位。日本女子学生ゴルフ選手権に3人出場と今までにない好成績を残していますが、チーム状況についてはいかがですか

やはり、主力は1年生。ゴルフの面ではとてもうれしいことなのですが、早大の選手として試合に出るからには、ゴルフだけではダメで。早大の学生であることを誇りに思えるような、皆の手本になれるゴルファーにしたいと思っていて。部に入るからには、ゴルフはスコアを伸ばすことはもちろんで、部に入る意味としては4年間で人間的に成長できるチーム作りをしたいと思っています。そこを今一番チームとして強化している点で。チームとしてはリーグ戦(関東女子学生ゴルフBブロック対抗戦)優勝、早慶戦優勝と団体戦なので。一年生が主力なだけに団結力をより強化していかないチームだなと思いますね。

――今後の目標についてはいかがですか

9月のリーグ戦では優勝。来年の春、わたしたちは抜けますが、Aブロックで好成績をのこして、全国大学ゴルフ対抗戦に出場できるように。そういったチームを作っていきたいです。秋の目標はBブロック優勝です。

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)

――きょうの試合を振り返って

きょうはアンダーで回れればいいなと思っていたのですが前半ではなかなかバーディーが来ずパッドが19パッドだったので後半切り替えなきゃなと思いました。そして後半が2アンダーで上がることができてパッドも良く入ってきたので良かったなと思います。

――そのなかで印象に残ったショットやホールはありますか

後半の4番か5番でバーディーが取れた時が良かったです。あとは後半の最初のホールで気持ちを切り替えてセカンドショットがOKバーディーくらいに寄せられたのでそれがキーポイントだったかなと思います。

――初めての早慶戦でした

そうですね。先輩方からもOB、OGの方々がたくさん来て盛り上がる試合だけどスコアは出していかないといけない気合いの入った試合だと聞いていました。なので緊張した中で回ることができたかなと思います。

――ご入学前のイメージとは違いましたか

早慶戦というと野球などのイメージが強いですが入学前からゴルフでも早慶戦があると言われていてもっと厳粛な感じかなと思っていました。でも実際はOB、OGの方々もフレンドリーに優しくしていただいたのでいい緊張感もありながら楽しくできたかなと思います。

――来週に控えている全日本学生選手権への意気込みを教えてください

この早慶戦からいい流れで全日本にも行けると思っているので、優勝目指して頑張りたいと思います。