圧倒的な力を見せつけBブロック優勝

ゴルフ

 今季の集大成となる大会。関東女子大学秋季Bブロック対抗戦(秋季リーグ戦)が行われた。また、4年生にとっての最後の団体戦である。負けるわけにはいかない試合で早大は圧倒的な実力を見せつけた。早大は1日目から他校を寄せ付けないゴルフを見せ、首位を独走。そして、2日目もスコアを更に伸ばし続け、2位の駒大に33打もの大差を付け優勝を決めた。部員ゼロの時期を乗り越え、安藤英里女子部主将(国教4=東京・江戸川女)たった一人で再始動した女子部。関東最高峰の舞台までわずか4年でたどり着いた。早大のAブロック出場は15年前までさかのぼる。

勝利に大きく貢献した小出

 秋季リーグ戦は2日間に渡って行われる。エントリーメンバー5人のうち、毎日各チームで4人の出場選手を選抜。上位3人のスコア合計で勝敗を争う。優勝校はAブロック昇格となる。早大は今季、高校時代に素晴らしい成績を収めた大型新人を多数獲得。しかし、関東女子大学春季Bブロック対抗戦(春季リーグ戦)では明大に敗れAブロック昇格はならなかった。今季は個人の力に頼らないゴルフ。「レギュラーと控え全員で勝つ」(安藤)という強い気持ちでAブロック昇格に挑んだ。

 雨が降り注いだ一日目。悪天候にも関わらず早大のショットは乱れない。特に大きな活躍を見せたのは浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)。自身も納得のゴルフで全体一位の71打という好スコアをたたき出した。大活躍の浜上に負けまいと残りの一年生も躍動。小出真鈴(文構1=長野西)、鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学園)は73打とパープレーで一日目を終える。最後の団体戦ということで勝利に貢献したかった園田麻里加(文7=福岡・東筑紫学園)は85打と調子を落としたものの、ルーキーたちの大きな活躍で2位に15打差。堂々とトップに躍り出た。

正確なアプローチを見せた鈴木

 このまま首位を独走したい早大は最終日により輝きを増す。一日目に突出した活躍を見せた浜上は4つスコアを落とすも、小出、鈴木がさらにスコアを伸ばす。「合宿含めても一番良いスコアだった」(小出)と納得のゴルフでチームをけん引。両選手ともスリーアンダーで回り、二人そろっての最優秀選手賞受賞を決めた。2日間トータルで432打。2位駒大に33打の大差を付け、悲願の優勝を果たした。

 今回の勝因について小出は「応援してくれている仲間の力も大きかった」と語る。まさかの敗北となった春季リーグ戦から半年、早大はチーム力で優勝をつかみ取ったのだ。そして、今大会も主力として活躍したのは一年生。来年の成績もこの黄金世代に懸っている。また、試合後に同期を意識したことを語ることからはライバルの存在が闘志の源になっているようだ。身近に強敵がいることでとどまることを知らない向上心は来年も早大の原動力となるに違いない。部の目標である信夫杯争奪日本女子大学対抗戦出場を果たすため、来年は勝負の年となる。4年生から継承したチーム力を武器に、これからも早大は上昇気流を突き進む。

(記事、写真 辛嶋寛文)

Aブロック昇格を決めた女子部

結果

▽団体成績

優勝 早大 217・215=432

 

園田麻里加(文7=福岡・東筑紫学園)85・0=85

小出真鈴(文構1=長野西)73・70=143

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)73・70=143

堤なつき(教1=東京・早実)0・78=78

浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)71・75=146

※0は出場なしのこと

コメント

安藤英里女子部主将(国教4=東京・江戸川女)

――Bブロック優勝しました。結果についてはいかがですか

大満足です。関東大学春季Bブロック対抗戦では最優秀選手がいるのにも関わらず、明大に負けました。そこで、最優秀選手がいるのに早大が負けたのは個人の力ではなくチーム力の差だと痛感しました。やはりリーグ戦はチーム力というのを考え直して、合宿にも励んできて。レギュラーと控え全員で勝つという気持ちで頑張ってきました。それが結びついた結果だったかなと思います。

――実力があるのにも関わらず安定した結果を残せなかった一年生たちがそろって活躍できた要因はどのようなところにあると思いますか

個人の力もそうですが、チームのためにという意識。合宿でスコアだけではなく、普段の生活面での教育をしてきたので、そういったところから安定した結果が得られたかなと思います。

――部復活からの主将としての4年間を振り返っていかがですか

ずっとラストスパートみたいな4年間でしたね。一年の頃からエンジン全開でやってきました。4年間で未加盟からAブロックまで登りつめるのはなかなかないと思います。私は一人でゴルフ部に入って、一人で部員を増やして、リーグ加盟してCブロック優勝してBブロック優勝できました。ここまでがむしゃらにやってきて、4年間終わったという感覚がないくらいの怒涛の4年間でした。

――4年間で一番印象に残っていることはいかがですか

一番は今年の春のBブロック対抗戦ですね。スコアや実力としてはうちの一年生は飛びぬけていました。というのも、日本女子学生選手権に3人とも行ってますし、技術は申し分ない。絶対勝てると思って臨んだのにも関わらず負けてしまいました。そこで、部として出る試合はやはりチーム力なんだと痛感しました。そこが部のターニングポイントにもなったかなと思います。

――後輩たちに達成して欲しい目標はありますか

やはり日本一。ですが、それだけではなく伝統のある常連校になって欲しい。早大は常にAブロック。「ワセダっていつもAブロックいるよね」みたいに言われる存在。そういう部になって欲しいです。

――最後にここまで引っ張ってきた後輩たちへの思いを教えてください

今まで散々厳しいことも、ひどいことも言ってきました。でも、たくさん厳しいことを言ってきましたが、それが結果に結びついている。そこは自分の貢献できた面だと思います。ただ、これからは優しい先輩になりたいですね(笑)。きっと今はみんなに嫌われていると思いますけど(笑)。後輩たちには部を復活させた現4年生、監督コーチが部を強くしようと頑張ってきた思いを継承していって、より素晴らしいチームを作って欲しいです。

園田麻里加(文7=福岡・東筑紫学園)

――Aブロック昇格を決めた感想をお願いします

一日目、自分が出場して結果を残せず、チームに貢献できませんでした。ただ、誰が出ても勝てるように合宿をしてきて。応援組もレギュラー組を支えて。個人の力で勝ったのではなく、12人全員の力を合わせて勝ったので。素直にうれしいです。

――ここまでBブロックで戦ってきたわけですが、Bブロックの印象はいかがでしたか

Bブロックにはジュニアからゴルフをやってきた選手だけではなく、大学から始める選手も多く在籍しています。自分はジュニアからの経験がありますが奢らせないようなガッツのあるプレーを見せてくれたり、とても刺激になります。また、伝統校も多いのでそういった学校と試合ができ、うれしく思いました。

――4年間の部全体を振り返っていかがですか

みなさん言われますが、4年間はあっという間で。つらいこと、きついことがありましたが、本当にBブロック優勝までできてその辛さは吹っ飛びました(笑)。本当に濃い4年間を過ごせたと思います。これは私一人では無理でした。監督、OB、OGの方々、ゴルフ場の方、何よりも部員に感謝しています。

――ここまで残されてきた結果には満足していますか

女子部は男子部と違って復活4年目。本当に駆け足でAブロックまで上がってきたので、これからが真価の問われる部分だと思います。Aブロックにはジュニアからゴルフをやってきたうまい選手しかいません。早大はうまいだけではなく、人間力。エチケットだったりマナーの面では負けないように戦っていけるように指導してきたので、それを継承して、Aにずっと残れるように頑張って欲しいです。

――これからの後輩に期待することを教えてください

もちろん競技成績としては信夫杯出場を目指して欲しいです。ただ、大事なのは早大の看板を背負って戦っていくことを自覚すること。大学終わった後の人生の方が長いので、立派な一社会人になれるように精進していって欲しいです。

小出真鈴(文構1=長野西)

――2日間を振り返っていかがでしたか

一日目の最初のハーフは緊張があって、パットが入らず、ツーオーバー。後半からはアンダーで回ることができ、良かった2日間でした。合宿含めても一番良いスコアだったので。

――今回このような素晴らしい結果をつかめた要因はどこにあると思いますか

リーグ戦というのは一番大切にしている大会ですし、自分たちだけではなく、応援してくれている仲間の力も大きかったように感じます。

――チームとしての大会は終わりましたが、早大での一年を振り返っていかがですか

はじめての事だらけで大変だったのですが、自分としても成長することができたと思いますし、だからこその最優秀選手獲得だと思うので。まだまだパットも外しますし、改善点があります。まだ1年なので、これからさらに精進し、4年生のようなゴルファーになれるよう頑張りたいです。

――最優秀選手賞を取りましたがいかがですか

同期の鈴木(ありさ、スポ1=東京・杉並学園)と浜上(佳奈、人1=長野・佐久長聖)には日本女子学生選手権競技(日本女子学生)でも負けてて、なかなか勝てなくて。二人に勝つことを目標にしてきて頑張ってきたので、鈴木とは同スコアで満足とはいかないですが、次につながる結果でした。

――来年以降達成したい目標はいかがですか

ことしの日本女子学生では予選落ちだったので、ことしの悔しさを晴らすこと。そしてリーグ戦ではAブロックで勝って団体で全国大会に出場したいです。

――来シーズンへの意気込みをお願いします

Aブロックはレベルが高いですが、そこから落ちないように。目標である全国優勝に一歩でも近づけるように頑張りたいと思います。

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)

――2日間を振り返っていかがですか

1日目はいろいろと問題があり、前半3オーバーだったのですが、後半がんばってイーブンに戻せました。 今日は勝負の日だったのですが、トータル3アンダーで回れて良かったですし、チームとしてもアンダーで回れたので良かったと思います。

――今回最優秀選手賞を取られたということですがいかがですか

春も取れたので2回連続でした。今回も狙っていたので、取れてうれしいです。

――今シーズンを振り返っていかがですか

そうですね。個人としては日本女子学生にも出場できましたし、リーグ戦でもAブロックに昇格することができました。良いシーズンだったと思います。

――自身の残した結果についてはどのように考えていますか

チームの一員として貢献できたと思うので良かったと思います。

――来年以降の目標は何ですか

来年は2年生として同期と後輩と協力して先輩方を支え、Aブロック優勝目指して頑張りたいと思います。

――先ほど小出さんが鈴木さんに勝ちたかったとおっしゃっていましたが、同期のライバルたちについてはいかがですか

近くにライバルがいるというのは自分にも刺激になっています。自分も絶対に負けたくないので来シーズンも切磋琢磨していきたいと思います。

――来シーズンへの意気込みをお願いします

来シーズンはAブロックで戦うことができるので、信夫杯争奪日本大学対抗戦出場を目指し、また、Aブロック優勝を目指して頑張りたいです。

浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)

――優勝でAブロック昇格を決めました。今のお気持ちをお願いします

一年生が多かったのですが、レギュラーメンバーがみんな力を発揮でき、チーム力が向上したことが結果に表れたかなと思います。同期の二人のようなスコアは出せなかったので悔しいけれど、チームとして優勝でき、とても嬉しく思います

――2日間を振り返っていかがですか

初日はベタピンにつけることができて、すべてではないですが、わりと簡単にバーディーを取ることができました。悪くてもパーみたいに淡々とゴルフができました。ただ、きょうはグリーンを外してアプローチしてパーみたいなキツキツなゴルフで。本当に悔しいです。同期の二人に負けたことが一番悔しいです(笑)。来年はAブロックでプレーできるので、二日間ともアンダーで回れるようにしたいです。

――今回良い結果を出せた要因はどこにあると思いますか

夏合宿でたくさんのラウンドを回ることができ、成長できました。また、夏合宿を通してチームとして団結することができ、チーム力につながったかなと思います。合宿のおかげで今回の大会にうまくコンディションを合わせてこれました。

――ことしの団体戦を振り返っていかがですか

私は団体戦が苦手で(笑)。プレッシャーに強い方ではないので。ただ、普段個人でプレーしているので新鮮でしたし、今回の優勝で達成感も団体の方が大きいなと感じました。

――ことし自分の残した結果についてはいかがですか

初年度としてはまあまあかなとは思いますが、もっと上に行きたいので(笑)。来年は日本女子学生でも上位を目指して、Aブロックも優勝争いができるようなプレーがしたいです。

――来年に向けて意気込みをお願いします

これからはオフシーズンに入思りますが、来年もっと上に行けるように練習から頑張っていきたいといます。