『早大らしい』プレーで頂点へ駆け上がれ!/インカレ展望

女子ソフトボール

 8月25~27日にかけて、愛知県安城市を舞台に全日本大学選手権(インカレ)が開催される。4年生にとってはこの大会が泣いても笑っても最後の大会。昨秋から高美優主将(スポ4=福岡中央)率いる現在のチームになり、この1年間、インカレ優勝を目標に練習を重ねてきた。東京都大学連盟秋季リーグ戦を制し、順調な滑り出しを見せたものの、関東大学選手権では初戦負け。東京都大学連盟春季リーグ戦、全日本総合選手権大会東京都予選会はともに宿敵・日体大に惜敗し、東日本大学選手権でも2回戦で姿を消すなど、ここまで悔しい敗戦が続いている。インカレでは初優勝となった2006年以来17年ぶりの全国制覇へ。『早大らしい』プレーで悲願の優勝を目指す。

 守備から流れを作るべく重要なのは、やはりバッテリーだろう。バッテリーは新宮怜美副将(スポ4=京都西山)と原田理子副将(スポ4=千葉経大付)の副将コンビ。新宮は昨年のインカレでも田中彩絵(令5スポ卒)と二枚看板の1人として、初戦の先発マウンドに上がるなど、誰しもが認める早大のエースだ。右腕からうなりを上げ投じられる剛速球と、「早稲田のエースとして全試合完投して無失点で」と意気込む負けん気で、相手打線を圧倒する。扇の要を担う原田は勝負強い打撃と、新宮の良さを引き出す巧みなリードが持ち味。「新宮が思いっきり投げて無失点で終われるリードを」(原田)、「自分を第一に配球を組んでくれて、視野が広い司令塔」(新宮)と大黒柱と女房役の信頼関係は抜群だ。また、センターラインの一角を担う根井望(スポ4=東京・吉祥女)は「守備の要として、怜美が『これが早稲田だ』と言える守備陣を作りたい」と花形・遊撃手からバッテリーを盛り立てる。

早大のエースとして最後のインカレに挑む新宮

 打線を引っ張るのは、やはり高。高は持ち前の打撃センスと高いミート力を武器にここまで活躍をしてきた。加えて、全総東京都予選会では本塁打を放つなど、一発を狙える力強さも備える。「一打席、ワンチャンスをものにできるように」とポイントゲッターとして期待が懸かる。頼れる中軸に回すべく、チャンスメーカーの松本日和(スポ4=東京・日大二)の働きも重要になってくる。「足を活かした走塁が武器」と松本が話すように、常に先の塁を狙い好機を作る。松本を「早稲田の周東」と表現する吉澤一花(人4=東京・桐朋女)は「インカレでホームランを打ちたい」と大舞台での一発を狙う。春季リーグ戦でも中堅手の頭上を越える弾丸アーチを放っており、やはり期待は大きい。また、中村真緒(基理4=千葉・長生)にも期待が懸かる。「みんなの声援に応えられるよう、きれいなヒットを打てるように」と4年間の思いを打席でぶつける。

インカレ優勝を目標に1年間、主将としてチームをけん引してきた高

 トーナメントを勝ち上がるためには初戦の同志社大が重要となる。練習試合でも対戦経験のある同志社大に対し、「1回戦を大事にして、そこを勝ち切ればその後は勢いでいけるのではないか」(高)と語るように、まずはしっかりと1回戦を勝ち切りたい。また、2回戦では難敵・中京大との対戦が予想される。中京大は現4年生が1、3年時にインカレで対戦し、どちらも接戦ながら敗れたライバルだ。お互いに勝ち上がれば4年生にとっては3度目の対戦となるが、やはり一戦必勝で目の前の相手に勝利を重ねていきたい。

副将として新宮の女房役として覚悟を持ってインカレに臨む原田

 「インカレ優勝」。いかなる時も選手たちはこの目標に対して、気持ちを揺らすことなく努力をしてきた。そして、選手たちは頻繁にチームの一体感である『早大らしさ』を口にしてきた。「試合に出る9人だけが必要なわけではなく、サポートする人がいるから戦える」(中村)、「早稲田は全員で相手に向かっていくチーム」(原田)、「チーム一丸となって一つ一つ戦い抜ければ」(高)。インカレという大舞台で女子部の全員が勝利のヒロインに。日本一長い夏を迎えるために、『早大らしさ』で頂点へ駆け上がる。

試合前に円陣を組む女子部。チーム一丸となってインカレ優勝を目指す

(記事 近藤翔太、写真 矢彦沢壮真、小島大典、近藤翔太)