新宮の粘投実らず　打線が沈黙し敗戦

　東日本大学選手権（東日本インカレ）が開催され、早大は東北福祉大との初戦に臨んだ。大会連覇がかかる今大会。しかし、３回に失策が絡んでピンチを招くと、適時打などで３点を先行される。直後の４回には高美優主将（スポ４＝福岡中央）の犠飛で１点を返すも、最後まで追いつくことはできず。１ー４で敗れ、２回戦敗退となった。

　早大の先発はエース・新宮怜美副将（スポ４＝京都西山）。約２カ月ぶりの実戦登板となったが、２回まで１人の走者も許さない完璧な立ち上がりを見せる。しかし、３回は先頭に右前打を許すと、犠打を処理した高主将の一塁送球が逸れて、無死一、三塁に。さらに四球で満塁とされる。ここで中前打を浴びて先制点を献上。１死後、中犠飛で２点目を奪われ、なおも２死二、三塁から新宮の暴投でこの回３点を失った。

先発の新宮

　直後の４回、先頭の河井なごみ（スポ３＝埼玉・伊奈学園総合）が左中間を破る二塁打を放つ。松本日和（スポ４＝東京・日大二）が中前打でつなぎ、無死一、三塁に。ここで高主将の右犠飛で１点を返す。さらに本塁への送球間に代走・矢口明歌梨（人３＝東京・新宿）が二塁を陥れる好走塁。この好機で追加点が欲しい早大だったが、原田理子副将（スポ４＝千葉経大付）は左飛、関綾乃（スポ３＝千葉経大付）は二飛に倒れた。

打席に立つ高。早大の得点は高の犠飛のみに終わった

　新宮は３回以降、毎回安打を許す苦しい投球に。４回には左前打を許すと、内野ゴロの間に進塁され、２死二塁とされる。このピンチで右中間に弾き返され、再び３点差に。５回は先頭に中前打を浴びる。続く打者の犠打は処理が遅れるも、捕球した原田は二塁へ送球。オーバーランを試みた走者をタッチアウトに。原田の好判断で粘投の新宮を盛り立てる。

　きっかけをつかみたい打線だったが、東北福祉大の投手陣の前に安打が生まれず。５回には吉澤一花（人４＝東京・桐朋女）の打球が一、二塁間を破るも、右ゴロに打ち取られる。最終回には１死から齋藤遥夏（スポ２＝千葉・習志野）が四球で出塁。続く吉澤の打球は中前に落ちず、飛び出した走者は一塁へ戻ることができなかった。

マウンドに集まる内野手たち

　新宮が久しぶりの実戦で粘投を見せるも、打線が援護できずに敗戦。守備では犠打の処理での失策が失点につながるなど、多くの課題が見つかった。全国の強豪は１つのミスを見逃してくれない。この敗戦から多くの教訓を得て、９月に控える全日本大学選手権（インカレ）に挑みたい。

(記事　矢彦沢壮真、齋藤汰朗、写真　帖佐梨帆、近藤翔太)

コメント

高美優主将（スポ４＝福岡中央）

――試合を振り返って今の心境を教えてください

　やっぱり悔しいです。全員が全員万全の状態ではなかったというのもあるのですが、自分たちの100パーセントのプレーができなかったので、結果的にも負けてしまってすごい悔しい気持ちがあります。

――連覇が懸かっているというプレッシャーもありましたか

　チームとしては連覇のことは考えず、１試合１試合楽しんでやっていこうという感じだったので、プレッシャーというよりもうまくいかなかったことのほうが残念という感じです。

――試合全体を振り返って反省点を教えてください

　バッティングが今の時期でもっと打てたり戦略的なことができたりすれば良かったと思うのですが、個人の調子もありますし、全体的に相手のバッターのほうが上回っていたかなと思います。これからの練習でその技術を磨いていけたらなと思います。

――守備の面を振り返るといかがですか

　自分もエラーをしてしまって、その他にも連携のミスなど見えていないミスもたくさんあったので、そこをしっかり夏までに潰していければなと思います。

――個人としては４回に犠飛を放ち１点を返しましたが、あの打席を振り返るといかがですか

　あそこは長打を打ちたかったので、結果的に１点は入って最低限の仕事はできたかなと思うのですが、自分自身でもあの打席でもう少しいい結果が出せればチームにも波を作れたのかなと思います。

――最後にインカレへ向けて意気込みをお願いします

　４年生にとってはインカレが最後の試合になるので、４年生だけではなくチーム全員でしっかり練習してインカレまでに１個でも２個でもレベルアップしたチームを作り上げていきたいなと思います。

新宮怜美副将（スポ４＝京都西山）

――試合を振り返って今の心境を教えてください

　率直に悔しいという思いはあるのですが、それと同時に今日の自分のコンディションの中での精一杯は出せたと思います。大会前に60日くらいピッチングができない時間が空いてしまって、１週間の調整で東日本インカレを迎えたので、その中では自分の精一杯の調整ができたし、今日のコンディションの中で最高のものが出せたと思います。

――３回に３点を先制されましたが、あの回の投球を振り返っていかがですか

　私自身の失投で、いつもだったら決めきれるところを投げ切れない、例えば２ストライクだったら最後にボール球を振らせて三振というかたちでポンポンとリズム良くアウトを取れたのですが、自分のベストコンディションではなかったので、２ストライクを取ってから投げ込めないということが失点に関わったのかなと思います。

――制球に苦しみながらも粘投しましたが、意識していたことはありますか

　今日は自分で三振を取るというよりは、打たせてアウトを取って１回１回を０点で抑えてその積み重ねで７回を０点で抑えられればいいなと思っていました。しかし、自分の力で三振を取りにいってしまい、結果的に甘く入って打たれたというのもあったので、そこは自分としてはできた部分とできなかった部分がはっきりしたのかなと思います。

――最後にインカレへ向けて意気込みをお願いします

　今日で割といい感覚はつかめたので、インカレまで今日の試合をチームとしても個人としてもしっかりと振り返って、いいところは伸ばしていくし、問題点はしっかり直して、インカレで優勝できるように頑張ってきたいです。