投打かみ合い全勝優勝! 5試合連続完封の新宮が最優秀選手に

女子ソフトボール
07

秋季リーグ戦
日女体大  
早大 7×  
投手…○新宮-原田 ◇(二塁打)なし ◇(三塁打)小林 ◇(本塁打)松本
70

秋季リーグ戦
早大  
国士舘大  
投手…○新宮-原田 ◇(二塁打)高 ◇(三塁打)松本 ◇(本塁打)なし

 東京都大学連盟秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)は終盤を迎える。3連勝中の早大は日女体大、国士舘大と対戦。2試合ともに6回コールド勝ちを収め、11年秋以来、11年ぶりに秋季リーグ戦を制した。

 日女体大戦に先発した新宮怜美副将(スポ3=京都西山)は、序盤から緩い球を多投し、相手打線に的を絞らせない。6回を投げて被安打1、無失点の好投で役割を果たす。

この日も2試合を完封した新宮

 0ー0で迎えた6回、早大打線が猛攻を見せる。1死から高美優主将(スポ3=福岡中央)が四球で出塁すると、吉澤一花(人3=東京・桐朋女)の中前打、さらに敵失で1死満塁の好機を作る。原田理子副将(スポ3=千葉経大付)の打球は三ゴロとなり、三塁走者が本塁で封殺かと思われたが、捕手の足が離れ、思わぬかたちで1点を先制。さらに齊藤遥夏(スポ1=習志野)の二飛を二塁手が落球する間に2点目、小林千晃(スポ2=千葉経大付)が押し出しの四球を選び、3ー0とする。なおも2死満塁から松本日和(スポ3=東京・日大二)が右翼へ鋭い打球を放つと、右翼手がこれを捕球できず、ボールが外野を転がる間に松本も生還。ランニング本塁打となり、この回一挙7得点で、サヨナラコールド勝ちを収めた。

 最終戦の相手は国士舘大。2回、原田と齊藤の連打で無死一、二塁の好機を迎える。根井望(スポ3=東京・吉祥女)の打球は左翼の頭を超え、先制に成功。さらに1死二、三塁から松本の犠飛で2点を先行する。4回には、四球と安打で2死一、二塁とすると、松本の右中間を破る三塁打で二者が生還。続く河井の左前適時打、高の右翼の頭を超える二塁打でこの回4点を追加する。6回、失策と暴投で2死二塁から松本が右前打を放ち、7ー0とリードを広げた。

国士舘大戦では2安打4打点の活躍を見せた松本

 新宮はこの試合も6回無失点の内容で、リーグ戦5試合連続完封。7ー0で勝利し、秋季リーグ戦全勝優勝を飾った。

 ここまで打撃で苦しんでいた松本が2試合で8打点の大活躍。さらには高主将にも適時打が飛び出すなど、主軸に当たりが出たことは、2週間後に控えた関東大学選手権(関カレ)に向けて、明るい材料だろう。

 そして今大会の優勝は、やはり新宮をおいて考えられない。5試合33イニングを投げて失点は0。圧巻の投球で最優秀選手賞に輝いた。まさに敵なしという新宮だが、「一試合一試合すごく長くて苦しかった」と語るように、5試合を一人で投げ抜くのは簡単なことではなかった。そこで新宮を支えたのは、野手陣の固い守備、ベンチから絶えず聞こえる声掛けなど、チーム全体のサポートだろう。 投手中心のチームではあるものの、投手と野手がお互いに助け合いながら、試合を作っていく姿が印象的な秋季リーグ戦であった。

 次の舞台は関東大学選手権。関東の強豪校を相手に「チャレンジャー」の気持ちを胸に、勝利をつかみ取りたい。

優勝を決め、写真に収まる一同

(記事 矢彦沢壮真、写真 田中駿祐)

コメント

高美優主将(スポ3=福岡中央)

――優勝した現在のお気持ちを教えてください

 優勝というのはすごく嬉しいのですが、新チームになって、不安なこともたくさんありました。どこまでできるか自分も全然分からなかった状態でしっかり勝ち切ることができたのは、本当に一人一人が思い切りやれた成果だと思うので、すごく嬉しいです。

――今日の2試合を振り返っていかがでしたか

 日女体(大)戦は、なかなか点が入らなくて苦しい状態の中で、最後はコールドというかたちで勝ったのですが、相手のミスもあり、気づいたら勝っていたという感じになってしまいました。ですが、そこでも集中を切らさず、新宮中心に守備で0点で切れたのは、すごく大きかったなと思います。国士舘(大)戦は、「はやいうちから点が取れたらいいね」というのを、監督さん(長谷川誠監督、平5文卒=長野・松商学園)と話していたのですが、結果コールドになって、1年生が少しだけ出場できたのは良かったのかなと思っています。

――主将から見て、秋季リーグ戦優勝の要因はどういったところですか

 みんなが楽しくソフトボールができていたのが本当に良かったと思っています。みんなが笑顔でやってくれるのが本当にいいので、雰囲気作りを自分は意識していました。みんなが元気よく明るくやってくれたのが、結果として勝ちにつながったのかなと思います。

――先週の取材では、秋季リーグ戦の目標は優勝ではないというお話をされていましたが、高主将の中で、この優勝という結果は予想していましたか

 もう全く(優勝は)考えていなくて。最下位だったら2部のチームと入れ替え戦があるので、そこだけは避けたいね、2勝くらいできたらいいかなと話はしていました。先週勝っていたから今日の試合も勝ちにいこうではなくて、1つ1つのプレーを全力でやっていこうという感じでできたので、優勝しようという感じは全然なかったです(笑)。

――秋季リーグ戦5試合について、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 守備はサードをやらせてもらったのですが、練習もあまりできていなくて、少し不安もありながらでした。新宮がすごく良くて、簡単なボールしか飛んできていないので、それをしっかりさばけたのは良かったです。打撃については、思うように打てない打席が多くて、考えすぎても良くないと思いながらも、結果は出したいなという気持ちがありました。(2試合目の)最後の打席で、ランナー2塁で点差もあった状況でしたが、ベンチからすごく声が聞こえたのが自分の力にもなって、打席の中では自分の力だけでは打てないんだなと、しみじみ感じました(笑)。

――高主将が打撃で本調子ではない中でも、チームが勝利できたという点についてはいかがでしょうか

 学年関係なく、2年生もすごく活躍してくれましたし、3年生もインカレまではなかなか出場機会がなかった選手もいたのですが、それでも思い切りプレーしてくれたので、それがいい結果につながったのかなと思います。

――最後に、関カレに向けて意気込みをお願いします

 関カレの最初に立てた目標としては、自分たちの立ち位置を知るということです。結果にこだわりすぎず、内容を追求してやっていきたいと思います。バッテリー中心になると思うのですが、そこで野手が攻撃ではやく点が取れるように、残り2週間しかないですが、今日よりもいい試合ができるように、頑張っていきたいです。

新宮怜美副将(スポ3=京都西山)

――優勝を決め、最優秀選手賞を獲得した今の気持ちをお聞かせください

 まずこの試合で優勝という結果が残せたのは、野手がピンチでしっかりと守ってくれて、ここぞというチャンスの場面でしっかりと打ってくれたからなのかなと思います。最優秀選手賞は5試合完封ということで本当に光栄に思いますし、率直にうれしいです。

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日は2試合ありましたが、1試合目の日女体大は結構今までも競った緊張感のある試合が多く、今日もずっと0-0のすごく緊張感のある試合でしたが、6回に野手が7点取ってくれてコールドで終われたので次の試合にすごくつながる試合だったなと思います。国士舘大戦は最後これを勝ち切れば優勝だったので、この試合は勝って全員で優勝旗を掲げたいなという気持ちで戦いました。

――2試合投げるにあたり、捕手の原田選手とバッテリーとしてどのような対策を練りましたか

 まず1試合目の日女体大戦では変化球を織り交ぜて、要所要所で速球と前後の緩急で相手を揺さぶるというところと、2試合目は1試合目よりも速球系で押して打ち取ろうというようにしていました。

――リーグ戦では全5試合完封という圧巻の投球でしたが、ご自身のリーグ戦全体の投球を振り返っていかがですか

 やっと終わったという感じで、一試合一試合すごく長くて苦しかったですが、やっぱりベンチでもしっかりと盛り上がってくれたし野手もここぞというところで点を取ってくれたし守ってくれたので、5試合投げ抜くことができたのかなと思います。

――チームとしてリーグ戦を振り返っていかがですか

 このチームは秋リーグはチャレンジャーという気持ちで戦おうというようにしていましたが、やっぱり一試合一試合苦しい場面でも前向きで全員が「チャレンジャー」という気持ちを忘れず戦えたのがすごくよかったのかなと思います。

――関カレに向けての意気込みをお願いします

 まずこの大会で優勝という結果を残せましたが、ここで慢心せずにもう一度初心に帰って基礎練からしっかりとやり直して、関カレでも優勝できるように頑張りたいと思います。

原田理子副将(スポ3=千葉経大付)

――優勝を決めた今の気持ちをお聞かせください

 率直にうれしい気持ちがありますがまだまだ課題があるなと試合の中で感じたので、その部分は関カレに向けて全員で高めていきたいと改めて感じました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

 私たちは投手を中心に投内連携、投外連携という形でバッテリーを中心に試合を進めていくチームだと思っているので、その点では今日は投内連携、投外連携がうまくいって打撃もすごい乗って、勝てたのかなと思います。

――今日は盗塁を一つ刺しましたが、その点はどのように感じていますか

 今までの試合で全部盗塁を刺せておらず自分も何とかしたいという気持ちがあって練習してきたので、その結果が出せてすごくうれしいです。

――チームの優勝の要因はどのような点だと思いますか

 新チームが始まるときに挑戦する心を大事にしてきて、その点ではミスしても明るくみんなで「ナイストライ」という声掛けが全体に広がっていたので、その点でチーム全員が前向きに取り組めていたことが勝った要因かなと思います。

――全試合無失点で抑えましたが、リード面ではどのようなことを意識していましたか

 新宮の持ち味である変化球をうまく使っていきたいなとこの試合に臨むときに思っていて、その中でチェンジアップが一番よかったかなと思いました。自分も新チームで初めて主でマスクをかぶることになってまだまだ慣れていない点があるので、そこはもっと高めていきたいです。

――ご自身のリーグ戦全体のプレーを振り返っていかがですか

 まだまだ新宮にリードをしてもらっている部分が多くあるので、その点は自分もキャッチャーとしてしっかりとリードしていけるようにやっていきたいなと思うと同時に、打撃面で全然結果が出せていなかったので、バッティングも強化して関カレに向けてもっと高めていきたいなと思いました。

――関カレに向けての意気込みをお願いします

 優勝は決めましたがまだまだ課題があるチームだと思うので、残り関カレまで少ない時間ですがチーム全員で高めていって、いい形で終われるように練習していきたいなと思います。

松本日和(スポ3=東京・日大二)

――優勝を決めた現在のお気持ちを教えてください

 率直にすごく嬉しいです。新チームになってから、結果にこだわってきたわけではなく、まず一戦一戦自分たちができることをやろうという。「チャレンジ」がチームテーマなので、それを一人一人が意識して臨めた大会かなと思います。

――今日の2試合を振り返っていかがですか

 先週3勝して臨んだ試合だったのですが、先週のことは特に考えずに、一戦一戦戦っていこうという気持ちで臨みました。個人的には、先週打撃の方が全然駄目だったので、今週は切り替えて、自信を持って臨もうと思って、いろんなことを意識しながら打席に入りました。

――1試合のランニング本塁打を振り返っていかがですか

 呼び込んで打つことを意識して、2ストライク入ってからバスターを使っての打撃でした。結果的にはランニングホームランだったのですが、まずは1点取ろうという気持ちで、走者を返せる打撃ができたらいいなと思っていました。

――2試合目も2安打4打点の活躍でした。2試合目の打撃面はどう評価されますか

 1試合目とほぼ意識することは変えずに、右中間に飛ばそうということを意識して臨んでいました。左投手ということもあって、かなり自分の中でも得意だったので、ボールが良く見えて、いい感じで打撃ができたのかなと思います。

――不調だった先週から今日の試合に向けて、どんな準備をしてきましたか

 全体練習が雨でできなかったので、すごく練習できたわけではないのですが、先週できなかったことを切り替えて、自分のスイングが今日できるように、イメージトレーニングでプラスに考えながら、プレーしていました。

――優勝は目指していなかったというお話でしたが、その中でも優勝できた要因はどんなところでしょうか

 4年生5人が抜けて、すごく大きな存在が抜けた感じだったのですが、それを埋めるように下級生が思い切ってプレーしてくれました。秋から出始めた選手も自信を持って、一戦一戦プレーしていたと思うので、そういったフレッシュさとチャレンジ精神を持って戦えた結果が(優勝に)つながったのかなと思います。

――関カレに向けて意気込みをお願いします

 吉村先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)のお話にもあったのですが、秋リーグからステップアップして臨んでいきたいと思っています。新チームとして少しずつステップアップしていけるように、チームの課題を一個一個つぶせるように頑張りたいと思います。