全日本大学選手権(インカレ) 「感謝しかない」(反町主将)/監督・4年生試合後コメント集

女子ソフトボール

 

長谷川誠監督(平5文卒=長野・松商学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 ミスはあったのですが、強い相手にあの回(5回)以外は、うまく抑えていました。例えば、(今年の)春、去年の秋だと、もっと傷口が広がって、結果6ー0とか、そうなってしまったと思います。3点だけで抑えた、そこは成長したかなというところですね。あとは残念だったというところでいくと、春のリーグ戦(東京都大学連盟春季リーグ戦)だとか、全日本総合の関東予選(全日本総合選手権大会関東地区予選会)の時も、バント処理で暴投というミスがありました。あれが今日出てしまった。あのミスを受けて以降、課題リストに、いつまでに克服するんだということで練習をやってきて、それ以降の練習試合では(あのミスは)ほぼ出ていませんでした。ですが、今日の試合で出てしまった、そこが少し残念なところです。平常心、いつもと同じようにやろうと言っても、やはりインカレ(全日本大学選手権)ということで、多少気持ちのところで、ミスにつながるような気持ちのあり方みたいなものがあったのかなと推測はします。

――先発の新宮(怜美、スポ3=京都西山)投手の投球は、監督からはどう見えていましたか

 結果としては抑えていたので、良かったと思います。(インカレが)始まる前に、対戦相手の情報を学生たちは持っていました。動画などで研究をしながら、相手の打者の特徴などを捉えていたということなので、その辺のところは学生たちなりに捉えて、それなりに対処をして。あの(5回の)3点は痛かったですが、それ以外は対処をした通り、やってくれたのではないかと思います。

――6回から田中(彩絵、スポ4=福岡・三潴)投手への継投でしたが、予定通りの継投でしたか

 いや、予定通りではないですね。前提でいくと、新宮が3点取られて、悪かったから変えたのではありません。ではなぜ変えたかというと、7回に向けて、いい雰囲気を作りたかったということが一つあります。いい雰囲気を作るためのアイディアとして、投手を変えました。

――先発を新宮投手に託したのは、監督の中でどういったお考えがありましたか

 1回戦を超えるのはすごく大変なことですし、相手が強豪だというのはわかっていました。そういったところで、(田中と新宮の)ダブルエースなのですが、今日は1試合だけでしたので。夏の途中までは田中が投げて、新宮が継投するパターンでした。あれが大体1日2試合で、田中が100球、新宮が150球で、継投でそれぞれ、というのを試していました。ですが、そこから田中も新宮も体力がついて、最近の練習試合は(田中)1人が投げる、(新宮)1人が投げるというかたちでした。継投するパターンのメリットは、二巡目に対して本人が投げなくてよくなるので、打者からすると目先が変えられる、結果打たれないということがあります。最近の試合で(1人の投手に)1試合トータルで投げさせていたのは、そもそもスタミナをというのと、二巡目、三巡目となると、一巡目とは違う配球やバリエーション、投球の幅を考えなければなりません。それがまたさらなる成長につながるなということがありました。それをやりながら、1試合丸々投げられる力をつけてきました。今日は1試合だけなので、(中京大戦は)新宮ということになりました。

――打撃面について伺います。試合を迎える前にチームとして意識していたこと、アドバイスされたことはありますか

 (相手は)ライズ(ボール)系、浮き上がる球で、高めは全てボールなので高めは打たない、低めだけ絞ってそれを打とう、テクニカルな話で言うと、そこですかね。あとは随分前から中京大と当たるとなって、選手たちは平日の練習で、ライズを打つための対策をしていたというので、「そこは練習通り発揮してやろうね」という。具体的なテクニカルな話は、そこまでしなかったですね。

――早大の各打者は、打席の中で粘りを見せていました。監督からはどう見えていましたか

 本当にその通りだと思います。ソフトボールは、例えばライズボールだと、浮き上がるので、多少(ボールが通る)道のりが長くなる分、普通に振ってしまうと、振った後にボールが来るという感じになります。ずっと徹底してやっていたのは、引きつけて引きつけて打つという。それをやることによって、引きつけてライズも打てますし、ドロップも打てるようになる、チェンジアップなどの遅い球もどうにか逃げられる、そんなことをやっていました。結果はヒットが出なかったですが、四球を取ったというのも、そこかなと思いますね。

――今日で4年生5人は引退となります。4年生にはどんな言葉をかけてあげたいですか

 自分は2シーズン目なので、ずっとやっていらっしゃる吉村先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)が「学生の力は無限だ」とおっしゃっているように、それを実感しました。反町体制は1年間一緒にいることができたので、去年新体制が始まってから今日まで、本当に成長したなと思っています。技術的なところもそうですし、人間的な成長とか、チームとしての一体感を醸成するとか、そういったところで成長して、すごくいいチームになったなと思います。そういう意味では、本当にありがとうと伝えたいですね。自分は自分で成長を見させてもらって、指導者として嬉しかったなと思います。

――1年間チームを引っ張ってきた反町主将にはどんな言葉をかけたいですか

 昨日の夜、ミーティングで4年生に決意を話してもらったのですが、その時に反町が言っていたのは、「まさか自分がキャプテンになるとは思わなかった」という言い方をして。そんなキャプテンでも、みんなが支えてくれて、ということを言っていたので、このチームがうまくいったのは、反町のキャラクターというか、反町の人柄の良さ、あるいは真面目にコツコツ努力する姿だとか、そういったことで、チームが一つになれたんじゃないかなと思います。そういう意味では、「ありがとう、よく頑張りました」と言いたいですね。

――次の代のチームに期待することをお願いします

 今回の4年生5人は、まさに主力でした。その主力が抜けてしまうので、全体としてのチーム力は落ちるかもしれないですが、投手は新宮が残っています。秋から来年の夏までは段階があると思うのですが、最初のうちは、投手の新宮が中心、打者では高(美優、スポ3=福岡中央)が残ってはいるのですが、基本的には投手中心のチームというのが、秋から、もしかしたら(来年の)春くらいまでそうなってしまうかもしれないですが、春以降は、打撃も追いついて、来年の一年後には、投打のバランスが取れたチームになるといいなと思います。そういう意味では、もちろん新宮のさらなる成長、あとは打撃、野手陣が追いつく、それをやってねという風には期待しますね。あとはさっき新宮にも話をしたのですが、自分が成長することと併せて、二番手投手、佐藤(晴、人2=大阪女学院)というのがいるのですが、佐藤をちゃんと指導して育てて、今年田中と新宮となったように、新宮と佐藤となるように、佐藤の指導もよろしくねという、そんなところですかね。

 

反町結佳(スポ4=愛知・瑞陵)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 全体的に楽しく明るく試合ができたのは本当に良かったと思うので、それに尽きるかなとは思います。点の取られ方とかいろいろあったのですが、みんなが盛り上げて楽しく、試合を作ってくれたというところが本当に良かったなと思います。

――みんなで盛り上げるという部分で、最後の試合で早稲田らしいソフトボールはできたでしょうか

 そうですね。なかなか走者が出られない中でも、こっちの方が圧倒的に雰囲気は良かったのかなと思うので、そういう中で、四球で出塁したりとか、そういう粘り強い攻撃が、ああいう盛り上がり方が生まれたのかなと思うので、そこは早稲田らしさが出せたかなと思います。

――先発の新宮投手のもとへ行って、声かけをする場面が多く見られました。どんな声かけをしていましたか

 そんなに特別なことは言ってないのですが、いいボールを投げていたので、「ナイスピッチ」だったりとか、ヒットを打たれたときも、いい球はいっていたので、気にせず攻めていこうという話を、声をかけたりしていました。

――同期の4年生はどんな仲間でしょうか

 私が主将でいいのかというくらい、本当に頼りになって、信頼できる4人だったので、本当に感謝しかないです。私が主将としてできたのは、その4人がいたおかげで、その4人のサポートがあったからこそ、私が主将をできたと言っても過言ではありません。本当にもう4年間感謝しかないという気持ちでいっぱいです。

――新宮投手をはじめ、今日の試合でも後輩の皆さんの活躍が目立ちました。後輩たちにはどんな言葉をかけたいですか

 後輩は4年生のためにインカレ勝ちたいというのを、すごく言ってくれていました。ここからは私たちが引退して、4年生の代になると思います。私たちにとっても頼れる後輩だったので、自分たちの代になっても、来月から秋リーグ(東京都大学連盟秋季リーグ戦)も始まると思いますし、この状態でいけば、どんどんいいチームになっていくのではないかなと思うので、次のチームには期待しかないというか。いい子たちが集まっているので、頑張ってほしいという思いです。

――主将に就任されてからの1年間を振り返っていかがですか

 最初主将に選ばれた時は「なんで私が」というのが正直なところではあったのですが、昨日所沢でのラスト練習を終えて、今日の試合を終えて、私を主将にしてくれてありがとう、という気持ちになりました。そう思わせてくれたのは、後輩であったり、同期のおかげかなと思っています。大変なことや悩んだことの方が多かったのですが、今も悔いがないかと言われたら、そうではないのですが、一年間周りのおかげで今主将で良かったと思えているのは、とてもありがたいなと思います。

――女子部に入部されてからの4年間を振り返っていかがですか

 私が入部した時は、本当に偉大な先輩ばかりで、まず、私はここに入って試合に出られるのかと思ったのが一つと、とにかく練習についていくしかないという気持ちで入りました。私が1年生の時の4年生の先輩が引退して、秋リーグから試合に出ることになって、先輩方にもたくさん迷惑をかけました。2年、3年はコロナというのもあって、あまり練習できない期間とかもあって、大会に出る時も、あまり準備できないまま大会に臨んでという感じで、結構難しい年が去年までは続いたなという感じでした。ですが、今年私たちの代になって、コロナは収束していないですが、やっとちゃんと練習が去年よりはできるようになったというところで、 自分が中心になってチームをまとめていく立場になると思っていなかったので、今自分がこうやっているのは驚きではあるのですが、コロナも明けて、結構ソフトに集中できるようになってという状態で、主将としてこのチームをまとめられたのは、すごく良かったかなと思います。なので、1年生の時の心情と今は全く違うというか、(女子部に)入って良かったなという風に今は感じています。

――次の代へ期待することをお願いします

 私たちの代でも、試合に出ていた人がたくさんいる1から3年生だと思うので、とにかく自分たちに自信を持って、この1年間高を中心に頑張ってほしいという風に思います。私たちも後輩が盛り上げてくれたおかげで、インカレまで来られたと思うので、いい雰囲気を保ちつつ、全員で頑張ってほしいです。

井田菜摘副将(スポ4=群馬・高崎健康福祉大高崎)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 最初から最後までとにかく楽しかったというのが一番あって、やり切れたかなと思います。

――チーム唯一の安打を放ちましたが、その打席を振り返るとどうですか

 正直ボールも見えていたので行けるなという気はしていたのですが、相手の守備も絡んでありがたいことにチームで一本ということで、良かったなとホッとしています。

――ピンチの時には内野陣で集まる場面がありましたが、どんな話をされていたのですか

 「想定内、想定内」だとか「大丈夫だよ」みたいなお互いを信じてやるしかないよねみたいな。切羽詰まった表情をしている選手も場面によってはちらほらいたので、そういう場面でいかにプラスに持っていって楽しめるかというのを考えた上での声かけをしていました。

――ビハインドでも笑顔でプレーする姿が印象的でした。どんな気持ちでプレーしていたのですか

 もう楽しむということを一番のテーマにしていたところがあったので、どんな場面でも早稲田なら追いつけるといった気持ちを持っていたので、ピンチというか大丈夫だよねという感じでお互い信じていたのでみんな笑顔だったのかなと思います。

――大学4年間の競技人生を振り返ってみて、今どんな心境でしょうか

 良くない思い出もいっぱいあるんですけど、最後の締めくくりを早稲田のソフト部で終われたことが何よりも幸せだなと思っていて、楽しく終われたのが本当にうれしいというか、あとは先輩たちにも見守られながら試合ができたので、すごい幸せだなと思いました。

――早大ソフトボール部に入ったからこそできた経験や、良かったと思うことはありますか

 指導者の方、先輩方、後輩、同期、仲間も全部が素敵すぎて、全員尊敬というか。今まで自分がスポーツメインの高校だったりでやってきたのとは違った経験、社会的に物事を見るだとか、文武両道だったり、ソフトボール以外での学びがソフトボールにつながったのが多かったなと思います。

――改めて、ご自身にとって4年生の同期はどんな存在ですか

 私はそれこそ運営とかそっちの面はできないので、完全に主務だったりそういった役割分担が任せっきりになってしまっていたけれど、任せているという認識がないくらい頼りになる同期だなというのがあります。それぞれの役割をしっかり果たしてそのおかげで自分もソフトボールに集中できたかなというのがあるので本当に感謝しかないです。

――副将を務めた約1年間を振り返るとどうですか

 怖すぎました(笑)。もちろん主将がいるんですけど、本当にチームを自分が動かすので、一緒にチームをどうにかいい方向に持っていこうであったり、そういうのを考えている部分で苦しんだのもあったけど、やっぱり成長につながっていたし、それが楽しさでもあったので、割と副将が自分に合っているポジションだったかなと思います。成長させてくれたので、副将を与えてくれて、役割を分担した上で主務や主将などを完全に他に任せて、自分が副将に努められたのは、すごいありがたかったかなといろいろな意味で思います。

――後輩へかける言葉や後輩に期待することなどをお聞かせください

 期待しています。楽しみですね。来年だけじゃなくずっとこれからも早稲田が楽しみだなと思えるような後輩たちだったので、応援とかはもちろん行きますし、手伝いだったりは今までの恩返しとして全力でやらせてもらいますし、頑張ってほしいなというただそれだけです。

 

鈴木茉菜(スポ4=東京・鷗友学園女)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 「楽しかったな」というのが、終わってみての感想というか。(試合を)やってる最中も楽しかったなというのがあります。今までやったことのあるミスが全部出たみたいなところがあるので、悔しいというのはなくはないのですが、それよりも楽しかったなという感じです。

――打撃では、粘って出塁する打席がありました。打席の中で意識していたことを教えてください

 とにかくどこにボールが来ても、どんな球でも流す意識を持っていました。三遊間打ちをいままでは意識していたのですが、それも考えずに、ただ自分の見える方向に打つというのを意識して打席に立っていた結果、四球になったかなという感じです。

――早大の各打者は、打席の中で粘りを見せていたと思います。チームとして意識していたことはありますか

 チームとしては、ボールの見極めという部分と、呼び込んで打つというのをやっていました。結果的に、呼び込む分、逆方向に打ちやすいというところで、粘ることができたというのはあります。ですが、私は呼び込むのではなく、こっち(中堅から左方向)に飛ばすというイメージだったので、そこがチームの意識と似ているけれども、少し違うところだったかなと思います。

――5回のピンチで内野陣が集合する場面では、笑顔も見られました。どんな声かけをしていたのですか

 ピンチでしたが、いままでの大会や練習試合で、追いかける(展開)という方は、早稲田として得意でした。「点取られたけど、ここから試合始まるくらいの気持ちでいこう」という話だったり、ミスをしたからといって、「暗い雰囲気にしないで笑顔でいこう」というのは自分たちでも言っていました。

――暗い雰囲気ではなく笑顔でというところで、最後の試合で早稲田らしいソフトボールはできましたか

 はい。追いかけるのを得意としていた中で、結局追いつくことができず、という部分があったのですが、攻め方や守り方は、早稲田らしさが出たのかなと思います。

――同期の4年生は、どんな仲間たちでしょうか

 一人一人がすごく個性が強いというのがあるのですが、だからこそ、四学年でまとまるとなったときに、とけこみやすい同期だったかなと思います。

――女子部に入部されてからの4年間を振り返っていかがですか

 一年生の時は、さっきOGの先輩とも話していたのですが、一塁で普通に先発のメンバーとして試合に出ると思っていませんでした。入った当初は投手メインで、一応野手もやっておくくらいの感じだったので、最終的にどうなるか分からないというのをすごく実感しました。コロナでできなかった期間がありましたが、それがあったからこそ、チームとしてまとまれたというのも、早稲田の強みだったのかなというのを、最後の大会が終わってすごく感じています。周りの人にすごく恵まれた4年間だったなと思います。

――次の代へ期待することをお願いします

 今年の時点で、私たちが一番上の時に、(後輩たちは)すごくいろんな経験をしていると思います。その経験を生かして、全員が満足したかたちで大学ソフトを終えられるような。成長することや大会の結果もそうなのですが、最後楽しかったねって終われるような雰囲気で今後もやっていってほしいなと思います。

田中彩絵(スポ4=福岡・三潴)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日は初戦で最初から新宮が行くというのは分かっていたので、チームとしてはこれまでビデオを見たりたくさん準備をしてきて、どんどんチームも盛り上がってきていたので、まずは勝とうというチーム一体となって今までで一番いい雰囲気で試合に入れたのかなとは思います。個人的には明日の2回戦に向けて準備をするということを監督とは話をしていたのですが、状況を見ながら投げるのもあるなと思って、しっかり自分の中で準備をして臨めたので、最後6回に投げさせてもらって楽しく悔いなく終われたので良かったと思います。

――憧れていたインカレのマウンドはいかがでしたか

 周りに人も今までで一番いっぱいいたし、雰囲気も最後ってなると違うところがあって鳥肌がすごい立ったんですけど、全然どうしようという気持ちが全くなくて、自分でもびっくりするぐらい落ち着いて入れて、すごい楽しかったです。

――結果的に1イニングを無失点に抑えました。内容を振り返っていかがですか

 今まで得意球としてきたライズを主体に投げて、ドロップも東日本(東日本大学選手権)が終わってからいっぱい練習していたんですけど、残念ながらこの1回では納得のいくドロップを投げることはできませんでした。でも今までやってきたライズとチェンジアップの自分の自信のある2つのボールでしっかりボールを動かせながら3人で打ち取れて良かったなと思います。

――打席にも立ちましたが、感想を教えてください

 本当に出られなくて悔しくて申し訳ないという気持ちがいっぱいなんですけど、そうやってチャンスをくれて最後打席に立ててすごく感謝しています。打ててれば一番良かったんですけど、最後に打席にも立たせてもらって良かったです。

――試合の序盤はベンチでどんな声かけをしていましたか

 打席に立って打てなかったりしても、みんなポジティブな声かけをして、アウトになっても「ナイスミート」だったり、また同期だからこそ声かけたら力になるところがあるのかなと思ったので同期には積極的に褒めたりだとか、新宮とは自分は投げていないものの、2人で試合を投げていない時も投げているようなものなので、たくさんポジティブな声かけをしながらベンチではいました。

――大学4年間の競技人生を振り返ってみて、今どんな心境でしょうか

 最初ピッチャーで入ったんですけど、途中で野手になったりがあって、もうピッチャーはないなあと思ったりして、正直やめたい時もあったんですけど、最後はピッチャーとして迎えられたこともそうですし、4年間続けられたのも同期のおかげなので、その同期たちとソフトボールを楽しめてすごいいい4年間だったなと思います。

――ご自身にとって4年生の同期はどんな存在ですか

 この4年間だけでいったら家族よりも一緒にいたので、家族みたいな感じで、それがきつい時もうまくいっている時も一緒にいてくれたので、これからも一生付き合っていくだろうなと思います。

――早大ソフトボール部に入ったからこそできた経験や、良かったと思うことはありますか

 いろいろなことを経験させてもらえたのは、早稲田のソフト部に来たからだなと思っていて、野手に挑戦させてもらったというのは、他の大学に行っていたらピッチャーを続けるか、もう無理だったら競技自体をやめるというのを選んでいたと思うのですが、早稲田だったから野手にも挑戦したと思います。あとは主務もさせてもらってチーム運営にも携わらせてもらったのは早稲田に来たからだと思っているので、早稲田のソフト部で、ピッチャーだけじゃなく、野手も打者も運営も経験できたのはすごい良かったなと思います。

――後輩へ向けてメッセージをお願いします

 すごいかわいい後輩たちで、「4年生のために」と言ってやってくれたので、ぜひ秋リーグからは優勝目指して頑張ってほしいなと思うし、一緒に投げてきた新宮も来年は私たちの思いを晴らしてぜひ優勝してほしいなと思います。

――最後に言い残したことなどがあればお願いします

 ソフトボール人生最後を早稲田で迎えられて本当にいいソフトボール人生だったなと思います。ありがとうございました。

渡邉佳子(スポ4=東京・学習院女)

――今日の試合全体を振り返っていかがですか

 私はこのインカレが競技人生最後というのもあったんですけど、変に気負わずに楽しんでできたかなと思います。

――今日は新宮投手から田中投手への継投となりましたが、捕手として、リード面はどんな点を意識していましたか

 やはり中京大は強豪ということでバッティングのいい打者が多かったので、いかに相手のタイミングをずらして打ち取るかというところを新宮と話しながらやっていました。すくってくるバッターも多かったので、新宮の得意なライズボールと速い球に頼らずに緩い球やドロップボールもうまく使って相手打者の攻撃をかわすことはできたのではないかと思います。途中で田中に代わって、田中の持ち味の動くボールを存分に発揮することができたので、しっかり抑えられたのではないかと思います。

――新宮、田中両投手とバッテリーを組むのはこれで最後になると思いますが、おふたりにどんな声を掛けましたか、またどんな声を掛けたいですか

 今年1年ずっと2人とバッテリーを組んできて、最初はなかなかうまくいかないことも多かったんですけど、段々息が合ってきて、今お互い何を投げたいだとか、こういうふうに打ち取りたいよねというのを話さずとも意思疎通できるようになってきたのが、私自身とてもうれしくて、試合をやっていて呼吸が合ってバッテリー組めているなというのはすごく感じていたので、素敵なピッチャーと出会えて、最後にこんな素晴らしいピッチャーとバッテリーを組むことができて、すごい幸せでした。

――打撃について伺います。6回の2死一、三塁の場面で走者も交えて輪になって話をされている場面があり、そこでは笑顔も見られましたが、どんなことを話されていたのでしょうか

 特にこれということは話していなくて、「もういけ!」みたいなことをチームメートに声を掛けてもらったので、私自身もおそらくこれが最後のチャンスになるなと思って臨んだんですけど、特に緊張することもなく、最後の打席を楽しめてできたかなと思います。やはり最後だったので、しっかり打って点につなげたかったんですけど、それができなかったのも実力なのかなと思って、最後の打席自分らしく思い切り振ることができたので後悔はないです。

――一体感というのが強みのチームだと思うのですが、それは発揮できましたか

 何度もピンチの場面があったのですが、そのピンチの場面になるたびに野手が集まったりしてお互いに声掛けをして、ポジションにつくと距離が離れてしまうので、距離を感じないくらい常に仲間がそばにいて、みんな本当に一丸となって戦えたなと思っています。最後のインカレまでチームの持ち味であった一体感を出せて良かったなと思います。

――ご自身にとって同期の4年生はどんな存在ですか

 お互いしっかり自分の考えを持っていて、お互いに主張し合ったり、逆に主張せずに他の人の意見を尊重し合える仲間だったなと思います。やはりこの5人だったからこそここまでやってくることができたんじゃないかなと思います。

――大学4年間の競技人生を振り返ってみて、今どんな心境でしょうか

 最初入った時は先輩たちのレベルもすごい高くて、本当にこの中でやっていけるのかなという不安もあったんですけど、素晴らしい先輩方や後輩に恵まれて、私自身たくさん先輩に教わってここまで成長することができましたし、先輩方だけじゃなく、指導者の方も私の考えを尊重しながらどうやったらそこを伸ばしていけるかというのを一緒になって考えてくださる方に出会えたので、すごいいい人たちに巡り合えたからこそ私はこの4年間楽しんでのびのびとソフトボールをしながら一人の人間としても成長することができたのかなと思います。

――最後の質問になりますが、次の代へ期待することを教えてください

 本当に素晴らしい後輩たちで、練習中も試合中も後輩から盛り上げてくれるチームなので、何も心配することはなくて、私たちは5人しかいなくて、半分以上の守備位置を後輩が守ってくれているという状況で、後輩のところに飛んだら心配だなというのは一切なくてすごい頼もしい後輩たちなので、秋リーグからも1~3年生が一体となってこの素晴らしい早稲田らしさを引き継いで、いいチームで戦ってくれるんじゃないかと思います。

(編集 齋藤汰朗、矢彦沢壮真 写真 齋藤汰朗)