チーム力で大勝!伝統の一戦制す

女子ソフトボール
TEAM
慶  大
早  大 × 18
○廣瀬、伊藤、坂、隈元、神、落合、加藤―川崎
◇(二塁打)丹野、山羽 (三塁打)川崎 (本塁打)丹野、増子

 「各々が力を発揮していい雰囲気の中勝つことができた」(加藤女子主将、スポ3=愛知・星城)。年に一度の伝統の一戦。マネージャーを含め多くの選手が試合に出場し、躍動した。14安打の猛攻で東京都大学連盟1部の力を見せつけ、18−1で大勝。チームの団結力をより一層深め、早慶戦を制した。

 初回、1死から2番・丹野ちさき(人1=岩手・一関一)が三塁線を破る二塁打を放つと、続く河野友里(スポ2=東京・鷗友学園)も左前打で好機を広げる。4番・加藤が打席に立つと、投じられた2球目のボールを相手捕手が捕逸。思いもよらぬかたちで先制点を挙げる。なおも1死三塁。加藤が得点機を逃さず中堅まで犠飛を放ち、2点目を追加した。2回には敵失などが絡んで打者全員がホームに生還。9点を奪い、一気に慶大を突き放す。さらには3回に丹野、6回に増子奈保(スポ2=東京・日出)がそれぞれランニング本塁打を記録。公式戦ではベンチをあたためる機会が多い控え選手の活躍が目立った。また、「出るぞと言われた時はすごく焦った」というマネージャー・山羽沙季(スポ2=愛知淑徳)も試合に出場。しかし、3安打2打点と申し分のない結果を出し、チームの勝利に貢献した。

中前適時打を放つ山羽

 投げては7人の継投で慶大打線を封じ込める。3回までは早大の誇る廣瀬夏季(スポ2=北海道・とわの森三愛)ら盤石な投手陣の継投で付け入る隙を与えない。4回以降、普段は野手として活躍する4選手がマウンドに上がった。4回に登板した隈元愛子(スポ1=千葉・木更津総合)は制球に苦しみ、2死満塁のピンチを招いてしまう。次打者への初球を暴投し、自らの失策で1点を献上。苦い表情を浮かべていた隈元だったが、ミスを引きずることなくその打者を二ゴロに打ち取り、最低限の失点で4回を切り抜ける。5回には1死三塁の場面で放たれた右犠飛を、右翼手・丹野がレーザービームで本塁を死守する好守備を見せた。最終回のマウンドを任されたのは主将の加藤。先頭打者に四球を許したものの、後続を凡打に打ち取り早大の勝利を決めた。

敢闘賞を受賞した丹野

 投打がかみ合い、慶大を圧倒した。敢闘賞は、攻守にわたって活躍を見せた丹野が受賞。試合後のインタビューでは、「伝統ある試合でチームの勝利に貢献できたことを光栄に思う」と丹野は照れながら笑みをこぼした。試合後には懇親会が開かれ、両校の選手が交流し健闘をたたえあう。プレーから外れたところでも、この早慶戦の重要な伝統をうかがえた。

(記事 中澤紅里、写真 望月優樹、守屋郁宏)

コメント

加藤千陽(スポ3=愛知・星城)

――きょうの試合全体を振り返っての率直な感想はいかがですか。

きょうは全員が出場して、各々が力を発揮していい雰囲気の中勝つことができたので良かったかなと思います。

――新体制で挑んだ今秋の公式戦でしたが、手応えはいかがでしたか。

新チームになってからバットをたくさん振る、ボールをたくさん捕るというふたつのことをやってきて、正面を突いてしまったりして出塁につながらない打球であっても、打球の質がどんどん良くなっていったということは思っていました。守備面でも、新チームが始まったころだったら抜けてしまっていた打球であっても、日々のノックを重ねていく中で守備範囲が広くなって「無理かな」と思った打球が捕れたりしたので、新チームになってからよくなっている部分があると自分は感じました。なので、それをこの冬場も続けて、今よりももっと進化していかなきゃいけないと思います。

――収穫が多く実りのある秋だったということでしょうか。

はい。そうです。

――この冬に改善して来年の春につなげていきたい反省点などはありましたか。

打球の質はいいのですけど野手の間を抜けなかったり、出塁はするのだけどここで一本ほしいというときにその一本が出なかったり、勝負どころというものがまだまだだと思います。勝つためには甘さを無くして、練習でも一人一人が勝負する機会をつくって試合でいかに勝負所を活かせるかっていうことを意識してやっていきたいと思います。

――来年の春に向けての意気込みをお願いします。

私が一年のころの春に全勝優勝していて、それ以来それがないので、最後の年に優勝したいですし、ただ優勝するだけではなくて試合の内容にもしっかりこだわって、インカレに向けて試合一つ一つでレベルアップし、春からいい流れをつくっていきたいです。

山羽沙季(スポ2=愛知淑徳)

――出場する準備はできていましたか

そういう予感はしてなかったので、全く準備できていませんでした。出るぞと言われた時は、すごく焦りました。

――きょうの試合を振り返ってみてどうでしか

1打席目は満塁の場面で凡退してしまったので、それ以降の打席は気を引き締めようと思って打席に入りました。集中して、ミートすることを心掛けました。それがきょうの成績にうまく結びついてくれました。

――3安打2打点と活躍されました

いえ、活躍とまではいきません。でも、守備でもエラーなく、いい結果を残せたので良かったです。

――チームとしては今季最終戦でした

最終戦ということで、みんな楽しくプレーしようというのを目標にしていました。その点では、これまであまり出場機会がなかったメンバーが活躍できたので、目標は達成できたと思います。

――来季はどんなシーズンにしたいですか

まずは春リーグ優勝。私は試合には出ませんが、選手が勝てるように練習からサポートしていきたいです。

――最後に意気込みを教えてください

ベンチワークでチームを鼓舞して、優勝への力になれるように頑張ります。

丹野ちさき(人1=岩手・一関一)

――きょうの早慶戦を振り返ってみていかがですか

早慶戦という伝統があって意味のある試合の中でチームの勝利に貢献できたことを光栄に思います。

――敢闘賞を受賞されたことをどう受け止めていますか

嬉しいです(笑)。

――5回のレーザービームを振り返ってみていかがでしょうか

試合の一球のために練習で何球もやってきて、それがきょうの試合で出せたので良かったです。

――新チームになった今季を振り返ってみていかがですか

個人的には、試合に出れるチャンスが少ない中でどうチャンスを生かせるかというのが課題だと思いました。なので、冬を通してチャンスを生かせる選手になりたいと思っています。

――これから来季に向けて、冬場の練習が重要になってくると思いますが、意気込みをお願いします

自分の長所を伸ばすことを意識していきたいです。大会とかは特にないのですが、常に目標を持って、意味のある練習をしていきたいです。