２連覇ならず。課題の自覚とさらなる進化へ

　春季リーグ戦女子部も最終局面となった。強い風と小雨がぱらつくこの日、ここまで２勝２敗の早大は対戦相手に東女体大を迎えた。先日の２勝の勢いのままにという訳にはいかず、早大打線は相手の投手を攻めあぐねなかなか快音が響かない。守備面では２本の本塁打を浴びた常盤紫文（スポ４＝千葉・木更津総合）が４点を失い敗北。春季リーグ戦を、悔しさが残る２勝３敗という戦績で終えることとなった。

　先発の常盤は、初回を３人で抑える上々の立ち上がり。しかし２回裏、２死から守備の乱れで走者が出ると、次の打者に高めのボール球を弾き返され左越えの２点本塁打で先制される。そのまま崩れるかと危ぶまれたが、落ち着いた投球で後続を断ちエースの貫禄を見せた。３回、５回にも点を失い合計４失点という結果だったものの、被安打はわずかの５。投球のテンポも良く四球も無しと、決して悪い内容では無かった。

タイム時には励ましの言葉をもらった

　一方の打撃面はあと１本が出ない不調に喘ぐ。初回から得点圏に走者を進めるも、続く打者が好機を生かせず凡退。３回表、常盤が被弾した直後の回にようやく打線が奮起する。角頼遼香（社３＝千葉経大附）が左前安打で出塁。なかなか制球の定まらない相手投手から武内有紀（スポ４＝埼玉・星野）が四球を選ぶと、先日の日女体戦から４番に座っている山内美咲（スポ３＝神奈川・向上）が二塁適時打を放ち１点を返した。しかし、反撃はそこで終了。その後も得点圏に走者を出すものの、差を縮めることはできずに１ー４で試合を終えた。

打撃は好機は作るもののあと一本を出すことができなかった

　春季リーグ最終戦が黒星となり、４位という結果となった早大。２連覇は叶わなかったが、ことしから導入された特別ページシステム（※）の試合に向けたメンバーの表情は明るい。「失点についてはほとんど防げる」、「打撃面においても自分たちのやるべきことが明確に見えた」（大内佳那女子主将、スポ４=千葉・木更津総合）。敗北も冷静に見つめて自分たちの成長段階に組み込み、次なるステージへ、そして悲願の全日本大学選手権（インカレ）優勝へ。早大ソフトボール女子部は常に前を向き続ける。

※特別ページシステム・・・リーグ戦終了後、その順位に応じてトーナメントが組まれ試合が行われる。特別ページシステムでの結果、上位５チームが全日本大学選手権への出場権を獲得する。

（記事　三浦遥、写真 本田京太郎）

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

コメント

大内佳那女子主将（スポ４＝千葉・木更津総合）

――きょうを振り返って

そうですね。まあ防げる失点だったのかなと感じていて、まあそこが課題かなと思っています。

――チームの打撃面については

相手投手はボール球が多かったと思うのですが、得点機会を作れたのはこのリーグ戦５試合の中で一番良かったと感じていて、その先の一本というのが課題です。でも、そこは今後の課題といいますか、その一本を出せる可能性をまだまだ持っているチームだと思います。

――リーグ戦を振り返ってみていかがでした

ことしの春季リーグ戦は新体制ってのもあって、なかなかいつも通りのようなリーグ戦みたいにはならなかったです。試合を行うにつれて、長谷川監督（平５文卒＝長野・松商学園）とも息が合ってきたり、長谷川監督と吉村先生（昭４４教卒＝京都・平安）の息が合ってきたりして、私たちも次第に慣れていきました。新チームは試合を重ねるにつれ、しっかりと機能するようになったのかなと思いますね。

――このリーグ戦を通して見えた課題は

失点についてはほとんど防げるなと感じていて、なのでその失点を減らすことができれば自分たちにもチャンスがあるのかなと思います。打撃面においても、自分たちのやるべきことが明確に見えました。ライズ系やドロップ系への対応です。ライズ系であれば叩きつけてゴロを打つ、ドロップ系であれば極端にフライを上げるイメージ。その極端さをこれから強化できれば、打撃面においては輝いてくるのかなと思います。

――次の特別ページシステムでの戦い方は

失点というところはすぐにでも減らせるところではあるので、２週間という短い期間ではありますが失点を極力抑えて、少ないチャンスを確実に得点につなげていく。これが特別ページシステムでの早稲田の戦い方になると思います。

――特別ページシステムへの意気込みを

春リーグは特別ページシステムに進むための順位決定であるので、本番は特別ページシステムです。そこでいかに良い順位をとって、全日本学生選手権（インカレ）につなげるかなので。そこで勝たなければ目標であるインカレ優勝は見えてきません。残り４カ月、チーム全員で日本一を取れるようにやっていければいいなと思います。

常盤紫文（スポ４＝千葉・木更津総合）

ーーきょうのピッチング内容はご自分でいかがでしたか

ボール的には良い球がいっていたんですけど、やっぱり配球とかポジショニングとか、もっと自分でもできることをしていけば良かったかなと。

ーー２回のホームランについて

外ライズで高さだけボール球というサインだったんですけど、相手チームも私がライズ系の球を投げるとわかっていたので思い切り上から（バットを）出されて打たれてしまいました。

ーー打たれた後に長谷川（誠、平５文卒＝長野・松商学園）監督と話されていましたが

あ、あれは普通にもう、励ましてもらいました（笑）

ーー春季リーグ戦、課題は見つかりましたか

やっぱり、同じタイミングのボールしか試合で投げていないので、緩急使ったピッチングがこれからの課題になるのかなと思いました。

ーー去年より成長したと思われるところはありますか

ランナーがいるときでも落ち着いて投げられることだとか、コントロールが安定してきたかなと思います。