TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
日女体大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
早 大 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | × | 4 | |
○泉、常盤、宮川―大内 ◇(本塁打)山内 ◇(三塁打)大内 ◇(二塁打)高橋 |
長かった冬が終わり、ようやくこの日を迎えた。春季リーグ戦(リーグ戦)開幕。その初戦で、ワセダは日女体大と対戦した。先発の泉花穂(スポ4=香川・高松南)は変化球を巧みに操り、相手打線に全く隙を見せない。4回まで1人の走者も許さない完璧な投球を披露し、試合の主導権を日女体大に渡さなかった。この日は打線も好調。2回、松本彩絵(社4=鳥取城北)の適時打などで3点を奪取。4回には山内実咲(スポ2=神奈川・向上)から本塁打が飛び出しさらに1点を追加した。重要なリーグ初戦で見事に快勝。冬季練習の成果が各所に見られる結果となった。
この日の先発は泉。冬の間に練習してきたというライズボールをうまく操り、相手打線を翻弄(ほんろう)する。好調だったのは変化球ばかりではない。コースを突いた投球で見逃し三振を奪い、そして内野ゴロの山を築く。「手応えはあった」(泉)と自らが語るように、抜群の内容で4回を完璧に抑えた。続いてマウンドに上がったのは常盤紫文(スポ3=千葉・木更津総合)。1死一、二塁から重盗を許したものの、後続2人を空振り三振に打ち取り、自らの力でこの試合最大の危機を脱した。3番手の宮川眞子(スポ2=福島・帝京安積)も落ち着いた投球で2回を難なく投げ切る。登板した投手全員が昨季よりもさらに向上した安定感を見せつけるかたちとなった。
4回を完璧に抑える好投を見せた泉
投手陣の好投に打線も応える。2回に先頭の大内佳那(スポ3=千葉・木更津総合)が右中間に三塁打を放つと、相手投手の暴投で先制点を獲得。その後四球、犠打で1死二塁とすると、打席には松本。カウント0-2と追い込まれていたが、高めに浮いた球を思い切り叩いた。ライナー性の当たりは中前へ落ち、この間に走者が本塁に生還。この後も大庭由乃(スポ2=千葉・木更津総合)の内野安打で1点を追加し、ワセダはこの回3点を獲得。冬の練習は、個の力も大きく成長させていた。4回、先頭の山内は空振り、ファールで瞬く間に追い込まれてしまう。しかし、続く3球目。インコース低めに来た球を、軽く振り抜いた。右中間に飛んだ打球は外野手の目線の先、フェンスの向こうへと吸い込まれていく。「まさか入るとは」と打った本人も驚いた様子だったが、自覚している以上に実力が付いていたということだろう。
本塁打を放った山内
投打がかみ合い、リーグ初戦という重要な一戦に快勝したワセダ。チーム全員が冬の間にいかに大きく成長してきたかが分かるような試合内容だったが、課題はまだ残されている。今回の日女体大戦では、無死や1死の場面で出た走者を帰せない場面がいくつかあった。残塁の多さは、リーグ戦開幕前の練習試合でも課題になっている。「全日本大学選手権(インカレ)につながる大事な公式戦」(松本)と語るように、このリーグ戦はチーム最大の目標・インカレ優勝への重要なステップだ。勝利はもちろんだが、一方で課題を丁寧につぶしていくことが求められる。リーグ戦はあと4試合。はるか先の夢を見つめながら、ワセダは1歩ずつ確実に進んでいく。
(記事 土屋佳織、写真 藤川友実子)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません。
コメント
松本彩絵(社4=鳥取城北)
――春季リーグ戦(リーグ戦)の初戦に無事勝つことができましたが、いまの心境は
4年生なので今回が最後のリーグ戦ですし、全日本大学選手権(インカレ)につながる大事な公式戦なので、絶対に勝っていいスタートが切れたらいいなと思っていました。それがとりあえず達成できたことにほっとしています。
――2回の適時打について、手応えはいかがでしたか
ノーボール2ストライクまで追い込まれていたので、打ち気でボールをしとめることしか考えていませんでした。結果的に思い切り振ったのが(中前へ)抜けたのでよかったです。
――チーム全体の打力が向上した印象を受けましたが、冬の間にどのような練習をされたのでしょうか
チームの方針としては、バットを振ることを意識しました。みんなが長打を打てるチームを目指してバットを振ることを徹底してきたので、それがだいぶ身に付いてきたのかなと思います。
――投手の方が実際に投げた球を打つ練習をされたとうかがいましたが、その練習は今回の試合に生かされましたか
はい、そうですね。ピッチャーがどんどん成長してくれたおかげで、バッターもいい練習ができています。ピッチャーとたくさん対戦したことがいい結果につながっています。
――打線がつながらず走者を帰せない場面もありました
最近の練習試合でも残塁が課題になっていました。打線がなかなかつながらないことはやはり課題ですね。
――リーグ戦での個人目標はありますか
やっぱりホームランを打ちたいです!
――チームの目標は
インカレ優勝が一番の目標で、その過程でリーグ戦があるので、ここでどんどんチームの調子を上げていけたらいいなと思います。
――次戦は東女体大が相手ですが、意気込みをお聞かせください
(相手投手が)速い球で少し変化もあるピッチャーなので、そこをイメージしながら打てるようにやっていきたいと思います。
泉花穂(スポ4=香川・高松南)
――4回までパーフェクトの好投でした。ご自身の評価としてはいかがですか
ありがとうございます。良かったと思います。
――具体的にはどのような部分が良かったのでしょうか
ライズボールを使いたくて。ライズを使って空振り三振を取ることができたので、手応えはあったかなと思います。
――お話にもありましたが、今回は三振が多い印象でした。コントロールの面ではいかがでしたか
コントロールはあまり良くなかったのですが、ボールを動かすことをきょうは意識をしていました。
――冬季はどのような練習をしましたか
ライズを中心に(ボールを)動かすことを練習しました。あとは球のスピードを上げようかなと思っていました。ライズをたくさん投げて、腕の振りを速くして球を速くする練習が多かったかなと思います。
――リーグ戦が開幕しました。このリーグ戦ではどのような投球をしたいですか
最後のリーグ戦なので緊張せず、楽しくみんなと一緒に勝てれば良いかなと思っています。
――チームとしての目標は何でしょうか
勝つことですね。楽しく勝てたら良いなと思います。
――次は強豪・東女体大との対戦です。意気込みをお願いします
いろいろなボールを使って頑張りたいと思います。
山内実咲(スポ2=神奈川・向上)
――リーグ初戦に勝利したいまの心境は
初戦がやっぱり大事だと思ったので、チームのためになるように自分はバッティングで貢献しようと思っていました。
――4回の本塁打について、打ったのはどのような球でしたか
インコースの低めに来たボールでした。
――バットを軽く振っていたように見えましたが
力が入っていない方が練習でも打てていたので、きょうは力まないようにしてスイングしました。
――手応えはいかがでしたか
ミートした感覚はあったんですけど、打球が低かったのでまさか入るとは思いませんでした。
――打撃の調子はいかがですか
ピッチャーが投げて打つ練習をこの冬の間やってきたので、前から来るボールに対応する力はこの冬で付いたと思います。
――きょうの打撃について、ご自身の評価は
(相手投手は)他のチームの投手に比べて球速が落ちるので、引き付けることは意識していました。それが出せて良かったです。
――冬の間はどのような練習をされましたか
私はライト方向に引っ張るバッティングをしてしまって、ファールでカウントを苦しくしてしまっていたので、(ボールを)引き付けてラインの中に入れることを意識してトスバッティングもピッチャーに投げてもらう練習もやっていました。
――リーグ戦での個人目標は
東京都大学リーグは全国の中でもレベルが高いので、出場機会があればそこで1本打てるように頑張りたいと思います。
――チームとしての目標は
打線をつなぐことが目標です。個々で打ってはいるんですけど点につながらないことが練習試合でいくつかあったんですけど、みんなバッティングの調子は上がっているので、(打線を)つなげていけたらいいなと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
チームの一員として、出場機会がなくてもみんなで勝ちに向かっていく練習をしていきたいと思います。