【連載】インカレ直前特集『Keep it Real』【第9回】國兼由妃乃×中島雄太

男子ソフトボール

 最終回を飾るのは、國兼由妃乃(文構3=東京・千早)と中島雄太(国教4=東京・暁星)の2人。選手たちを支えるマネジャーのお二方に一年間の振り返りや全日本大学選手権(インカレ)への想いを語っていただいた。

※この取材は8月23日に行われたものです。

――はじめにお互いの紹介をお願いします

中島 3年でマネジャーをしている國兼由妃乃です。マネジャーとして1年生のときからチームを支えてくれている存在で、チームの中では癒し系のキャラなのかなと思います。たまにでかい天然をかますときもあるけど、面倒見がすごく良くて特に後輩から慕われている、チームの太陽のような存在です。

國兼 4年生の中島雄太さんです。中島さんは物腰が柔らかく、接しやすい雰囲気を持っていて、周りの空気を和ます力があるのかなと思います。

――マネジャーのチーム内での役割を教えてください

國兼 仕事としては、選手たちが練習に取り組みやすいように道具の準備をしたり、タイムを計ったり、ビデオを撮ったりしています。

中島 試合のときは選手以上に率先してスコアを書いたり、プレー以外の面からチームに貢献するというのがマネジャーとしての仕事かなと思います。

――中島さんにお聞きします。いつマネジャーに転向されましたか

中島 昨年の11月に股関節をケガし、プレーを断念することになり、プレー以外でチームに貢献し続けることはないかなと考える中で、マネジャーに転向することになりました。

――選手からマネジャーへ活躍の場を移されましたが、マネジャーとしてチームを支える上で新たに発見したことはありますか

中島 早稲田のソフト部は学生主体というのがチームの文化のようなところがあり、それを強く感じました。選手のときは気づかなかったですが、マネジャーになりチームを外から見るようになって、マネジャーがいなくても大丈夫なくらいに選手が主体的に動けている感じがしました。そのためマネジャーとして何ができるかというのに悩みましたが、1年生にマネジャーが入ってきたという状況で、これを利用してマネジャーも自分の武器や個性を生かして仕事の幅を増やしてほしいと思っています。

「きついトレーニングがあったおかげで、春は勝てるようになった」(中島)

対談中のお二人

――昨秋のチームの戦いぶりはいかがでしたか

國兼 昨年の秋は新しいチームになりたてということもあり、不安定だったかなという印象です。

中島 最高学年としてそのときの戦いを見たときに、インカレが終わってから休みなく秋季リーグ(東京都大学連盟秋季リーグ戦)が始まったので、チームの色を定めきれず、戦い方が不安定だったと思います。

――今年度に入ってからはいかがですか

國兼 昨秋に比べると安定感が出てきていて、また、チームとしてどういう方法で勝ちにいくのかというのを詰めていき、それもあって勝ちが多くなってきたと思います。

中島 それの下地になったのが冬場のトレーニング期間で、昨秋にあまり勝てなかったというのを踏まえて、地力をつけるためにトレーニングで追い込みました。あのきついトレーニングがあったおかげで、春は勝てるようになったと感じています。

――印象に残っている試合はありますか

中島 春季リーグ(東京都大学連盟春季リーグ戦)の国士館大戦です。稲垣(拓朗、スポ3=群馬・新島学園)が要所を締めて完封し、打線はなかなかチャンスが作れない中で畠山(陸、スポ3=高知西)がソロ本塁打を打って、その1点を守り切ったという試合で、好投手相手に接戦をものにして勝ち切ったというチームの成長を感じた一戦でした。

國兼 関西遠征での環太平洋大との練習試合です。環太平洋大が主力を欠いていたということもありますが、昨年のインカレで負けた相手に遠征では勝つことができて、打線をつないでどんどん点を取っていくという理想的な勝ち方を実践できた試合だったと思います。

理想のマネジャー像とは

質問に答える中島

――マネジャーとしてどのようにモチベーションを保っていますか

國兼 昔から自分が何かしたことに対して「ありがとう」と言われるのが好きで、選手からの感謝の言葉や笑顔が私のモチベーションアップにつながっています。

中島 僕は選手としてやってきてケガなどを理由にマネジャーになったという経緯ですが、選手としてチームの目標に挑戦できないことに悔しさがありました。マネジャーになったのなら、新しい目標を見つけてそれを達成してやろうというのがモチベーションになっています。その一環としてチームのデータ分析に貢献できないかなということでプログラミングに挑戦したりしました。

――理想のマネジャー像はありますか

國兼 何でもテキパキとこなして選手を支えるだけではなく、しっかり役割を持って選手たちに混ざっていけるマネジャーに憧れています。というのも私は結構人見知りでたまに距離を感じてしまうことがあるので、距離を作らず精神面から選手を支えたり、選手たちと一体となって動けるようになりたいと思います。

中島 僕は4年生で最後の大会が近づいているという状況もあって、引退するときにお前がいてよかったと、言ってくれるようなマネジャーが理想像ですね。

――今年度力を入れていることはありますか

國兼 後輩の育成に力を入れています。育成する必要もないほど優秀な子が入ってくれたので、苦労することはありませんが、チームのカラーやルールを伝えていくことに力を入れています。

中島 チームに貢献できる方法を出来るだけ広い視野で考えていました。その中で成果にはあまりなりませんでしたが、プログラミングなどでチームに貢献できないかというのを模索していました。

「どんどん仲の良いチームになってきていて、チームのカラーも定まってきている」(國兼)

笑顔で質問に答える國兼

――インカレまで3週間を切りましたが、現在のチームの雰囲気はいかがですか

國兼 1年生がたくさん入ってきてくれて、先輩と後輩の関わりが密接になり、どんどん仲の良いチームになってきていて、チームのカラーも定まってきていると思います。

――昨年度のチームから大きく変わったと感じるところはありますか

國兼 今年の方が盛り上がりが大きいと思います。昨年は人数的な部分や声が通らないという問題がありましたが、今年はベンチの人数も増えて応援も大きくなったところが変わったところだと思います。

中島 主将のカラーも変わったなとおもいます。尾松さん(尾松大輝前主将、令5政経卒)は常に冷静で理論的にチームを勝利に導く方法を考えていく主将で、荒川(健祐主将、スポ4=神奈川・柏陽)はチームを盛り上げるのが得意で、勢いで引っ張っていける力を持っている主将です。そういう意味で、結構勢いのあるチームになって、1年生もたくさん入ってくれたので、チームの盛り上がりに大きな影響があったと思います。

――今年度のチームを一言で表すならば、どう表現しますか

國兼 「にぎやか」ですかね。先輩と後輩の関わりが多く、雰囲気が良いのでその分にぎやかになっていると思います。

中島 「勢い」かなと思います。試合に多く出ている3年生はにぎやかな人が多くて、チーム全体もそれにつられて乗ったら止められないというくらいの勢いを持っているので、マネジャーとしてもそういうところをうまくサポートできたらと思います。

――チーム内の注目選手はいますか

國兼 佐藤玲弥(社2=静岡・飛龍)です。今まで投手でしたが今年から捕手に転向していて、稲垣とバッテリーを組んでいます。彼は性格も相まって盛り上げるのが上手で、内野や外野に積極的に声をかけるタイプの選手なので、その分チームの雰囲気も上げてくれるんじゃないかと思います。

中島 やはり同期の6人ですかね。その中でも稲井(宏平副将、法4=埼玉・早大本庄)に注目しています。下級生のころから試合に出て活躍している3年生とは違って、新チームになって試合に多く出るようになったメンバーの一人で、アイツがチャンスの場面で一本打ったりしたらチームに勢いがつくと思うので、キーマンになると思い注目しています。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします。

國兼 今年の4年生の皆さんは3年間関わってきた方々なので、その方たちの最後を飾れるように、表にも出てサポートしていきたいと思います。

中島 僕はプレーする立場ではないですが、最高学年で最後の大会なので4年生の6人には活躍してほしいですし、僕自身としても後悔がないように、チームとしていいかたちで終われるように全力でサポートしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 沼澤泰平)

インカレではマネジャーのお二方の活躍にも注目です!

◆國兼由妃乃(くにかね・ゆきの)(写真右)

2001(平13)年12月17日生まれ。東京・竹早高出身。文化構想学部3年。英語が得意だという國兼マネジャー。共通テストでは英語で満点を取ったことがあるそうです!

◆中島雄太(なかじま・ゆうた)

2000(平12)年6月14日生まれ。東京・暁星高出身。国際教養学部4年。1年間韓国に留学していたという中島マネジャー。韓国語能力試験で最上級の6級を取得し、通訳ができるレベルの韓国語の腕前だそうです!