タイブレークの末サヨナラ勝ち！　２連勝で準決勝に進出

　小雨が降る中行われた全日本総合選手権（全総）東京都予選会の１回戦は、東京都大学連盟の同リーグに所属する中大との対戦に。初回、齋藤向陽（社３＝群馬・新島学園）と稲井宏平副将（法４＝埼玉・早大本庄）の連続適時打で先制する。その後も佐藤慶弥副将（スポ４＝静岡・飛龍）と田中雄輔（スポ２＝東京・筑波大付）に本塁打が飛び出すなど、毎回の11得点で４回コールド勝ちを収め、危なげなく初戦突破を決めた。続く２回戦も同リーグに所属する日大。４回に佐藤玲弥（社２＝静岡・飛龍）と齋藤の連続適時打で２点を先制するが、７回に同点本塁打を浴び土壇場で追いつかれる。タイブレークとなった８回に齋藤向のサヨナラ適時打でなんとか勝利。翌日の準決勝に駒を進めた。

　１回戦の相手は、先日行われた東京都大学連盟春季リーグ戦（春季リーグ戦）で16得点を挙げ、３回コールドと快勝した中大だ。この日も初回から打線がつながった。２番・服部耕太郎（スポ３＝東京・本郷）が四球で出塁すると、４番・齋藤向がセンターへ二塁打を放つ。一塁走者の服部が一気にホームインし、先制適時打となった。続く稲井も中前に運ぶ連続適時打となり、幸先よく２点を獲得。２回にも服部の適時打で２点を追加する。先発の佐藤慶は３回表に無死一、二塁のピンチを迎えるも、遊併打と投ゴロに打ち取り無失点で切り抜ける。その裏、四球と田中雄、中内俊太郎（スポ３＝東京・筑波大付）の連打で追加点を奪い、なおもチャンスで続く佐藤慶が一塁線を破る強烈な打球を放つ。これが自らを援護し、試合を決定づけるランニング本塁打となった。４回には田中雄が右中間のフェンスを越える３点本塁打を放ち、規定により４回コールド勝ち。春季リーグ戦に引き続き、中大を圧倒した。

中大戦で本塁打を放った田中雄

　続く２回戦は日大との対戦となった。こちらも春季リーグ戦では、二桁得点でコールド勝利を収めた相手だ。この試合も先発した佐藤慶は、４回まで無安打投球を見せ、味方の援護を待つ。３回まで完ぺきに抑えられていた早大打線は、先頭の畠山陸（スポ３＝高知西）が四球でチーム初めての出塁となる。一死二塁とし、三番・佐藤玲弥がレフトへ先制の安打を放ち、齋藤向も右前に運ぶ適時打で２点を先制する。５回からマウンドに上がった佐藤玲は２イニングで４三振を奪う投球を披露し、２点リードのまま最終回へ。

日大戦で先制点を挙げた佐藤玲

　７回を託されたのは川崎晴（スポ４＝東京・早稲田）。先頭打者を空振り三振で打ち取ったものの、相手の４番に二塁打を打たれ一死二塁となる。続く５番に投じた５球目が左中間のフェンスを越え、同点本塁打に。あと２アウトというところで試合は振り出しになってしまう。７回で試合の決着がつかず、延長の８回からは無死二塁から攻撃が始まるタイブレーク制が適用された。７回途中から再びマウンドに上がっていた佐藤慶は、「安打を打たれない」ことを意識し「低め低めに投げ切った」と、二つの三振と内野ゴロという最高の無失点投球で流れを呼び込む。８回裏、先頭が四球で出塁し無死一、二塁の場面で、「初球から狙っていこう」と齋藤向は見事に初球を左前へ持っていき、これがサヨナラ適時打に。思わぬ苦戦を強いられたが、最後は４番のバットで勝ち切った。

タイブレークで素晴らしい投球を見せた佐藤慶

　早大は２連勝で準決勝に進み、日体大に立ち向かう。去年の全総では決勝で敗れ、関東予選への道を閉ざされた相手だ。春季リーグ戦でも強力な打線に打ち込まれ、コールド負けを喫している。また、２試合とも終始雨に見舞われるコンディションの影響で、身体が疲弊しているのは想像に難くない。しかし、日大戦で勝ち切ったように粘りを見せてなんとか絶対王者にくらいついていきたい。

（記事　沼澤泰平、写真　沼澤泰平、星野有哉）

コメント

佐藤慶弥副将（スポ４＝静岡・飛龍）

――１戦目のご自身の投球を振り返って

少し球数は多くなりましたが、安打をあまり浴びることがなかったので、その点は良かったのかなと思います。

――ランニング本塁打を放ちましたが打撃の調子は

調子は少しずつ上がってきていて、一本捉えるというところを意識して結果を出せました。

――チームとして２戦目を振り返って

初回に点を取りたかったのですが、取れずなくてずるずるといってしまって。しかし、自分がしっかりゼロで抑えて流れを作れて、途中で２点も取れたのと、その後２点取られましたけど、最後打って勝ち切れたので良かったです。

――タイブレークではどのようなことを意識して投げましたか

安打を打たれないというところを意識して、低め低めに投げ切ったという感じです。

――明日への意気込みをお願いします

完封目指して勝ち切りたいと思います。

齋藤向陽（社３＝群馬・新島学園）

――今日の２試合を振り返って

１試合目はいいかたちで序盤に先制して勝つことができたのですが、２試合目は序盤に点を取ることができなくて、結果的に苦しい試合になってしまったという印象です。

――２試合目のサヨナラ適時打を振り返って

バントはしなくていいという指示だったので、初球から狙っていこうと思って、打ちに行ったのが良かったです。

――２試合を通じた齋藤向選手自身のプレーを振り返って

今日は２試合とも打撃ではいい当たりを打つことはできました。とは言っても、詰めなきゃいけない部分、例えば打撃で無駄なアウトはまだあったので、そこを明日の日体大戦でなくして、しっかり複数打席でヒットを打てるように頑張っていきたいです。

――春季リーグ戦が終わって３週間が経ちましたが、打撃の調子はいかがでしたか

ゴールデンウィークの練習試合で全然打てなかったのですが、自分なりに終わって考えを整理して、今日臨みました。それで結果が出たので、まあひとまずよかったなと思っています。

――明日の日体大との準決勝への意気込みをお願いします

そうですね、全総は僕たちとしては、そんなに重きを置いている大会ではないのですが、相手が日体大ってことで、自分たちの雰囲気も引き締まるので、しっかり勝てるように頑張っていきたいと思います。