12得点の圧勝 関カレの初戦をコールド勝ちで飾る

男子ソフトボール
関東大学選手権
東国大      
早大       12
投手…佐藤慶、川崎-山崎 ◇(二塁打)稲垣 ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし

 今年最後の大会となる関東大学選手権(関カレ)。2019年大会以来の優勝を目指す早大はこの日、東国大との1回戦に臨んだ。早大は2回、稲垣拓朗(スポ2=群馬・新島学園)の適時打などで4点を先制。続く3回には打者14人の猛攻で一挙8点を追加する。投げては佐藤慶弥副将(スポ3=静岡・飛龍)、川崎晴(スポ3=東京・早稲田)が東国大打線相手に2失点で抑え、代替わり後初となるコールド勝ちで初戦突破を決めた。

 試合が最初に動いたのは0-0で迎えた2回だった。早大は2死から齋藤向陽(社2=群馬・新島学園)の四球、田中宏二(人2=大分舞鶴)の安打、小出拓実(人2=東京・杉並)の四球で満塁までこぎ着ける。ここで2番・畠山陸(スポ2=高知西)が押し出しとなる四球を選ぶと、続く稲垣が中堅へ走者一掃の適時打を放つ。早大はこの回、4点の先制に成功した。

2回、適時打を放つ稲垣

 3回にも早大の攻勢は続く。先頭の服部耕太郎(スポ2=東京・本郷)を皮切りに、早大はこの回8個の四球を選ぶ。5個の押し出し四球だけでなく、齋藤、田中宏に適時打が飛び出すなど、効果的に加点した早大は一挙8点を奪い、大きくリードを広げた。

3回、この日2本目の安打となる適時打を放つ田中宏

 大量の援護を得た投手陣は先発の佐藤慶が圧巻の投球を見せる。「今まで練習してきたのが実った」というドロップが冴え渡り、3回で6三振を奪い、完全投球で先発の役割を全うした。12点リードとなった4回には川崎が登板。3安打を浴び、2点を奪われるも、持ち前の打たせて取る投球でそれ以上の失点を許さず、早大は代替わり後初となるコールド勝ちを飾った。

力投する佐藤慶

 秋季リーグ戦から始まった荒川健祐主将(スポ3=神奈川・柏陽)率いる新生早稲田大学男子ソフトボール部。公式戦6試合目にして初のコールド勝ちを収めたが、「正直相手に助けられたところはある」と佐藤慶は振り返ったように、打線が爆発して勝ち取ったコールドではない。それでも主軸としての活躍を期待されながら、秋季リーグ戦では無安打の絶不調に陥った齋藤、田中宏に安打が出たということにこの試合の大きな価値があるだろう。新たに小出が切り込み隊長として台頭し、経験豊富な稲垣、畠山がけん引する打線にとってポイントゲッターとなる齋藤、田中宏の復調は大きな起爆剤となるだろう。明日の第1戦で対戦するのは昨年の全日本大学選手権で3位に入った強豪・国際武道大だ。エンジンがかかり始めた稲穂打線の強力な援護に期待したい。

(記事、写真 星野有哉)

コメント

佐藤慶弥副将(スポ3=静岡・飛龍)

――今日の投球を振り返って

 コースの投げ分けを意識していました。少しボールが指に貼り付きすぎて行き過ぎてしまうところがありました。それを修正しながら投げれたというのは良い点かなと思います。

――ストライク先行の投球でしたが

 初球がボールになってしまうことが多かったので、ストライク先行ではあったのですが、その点が良くなかったかなと思います。

――3回で6三振を奪いました

 三振に関してはドロップのキレがよかったのかなと感じています。今まで練習してきたのが実ったのかなと思います。

――代替わり後初のコールド勝ちとなりました

 正直相手に助けられたところはあるのですが、(好機で)一本出たというところで流れをつかめてコールドまで持ってこれたのは良かったと思います。

――チーム全体で15四球を選びました

 真ん中だけを意識して振っていこうというところで、みんなそれができたので四球を取れたと思います。

――明日の国際武道大戦への意気込みをお願いします

 国際武道大戦もコースを意識して一人一人を抑えていく中で、無失点で切り抜けられたらなと思います。

田中宏二(人2=大分舞鶴)

――1打席目の安打を振り返って

 フルカウントだったので、真ん中に目を付けて、厳しい球はカットという意識でした。ちょうど真ん中低めに来たので打てたという感じです。

――2打席目の安打を振り返って

 2打席目は結構向陽と自分の時にストライクが入ることが多かったので、初球を見逃してその次の球を打とうというのを決めていました。詰まってはいたのですが、良いところに飛んでくれました。

――代替わり後自身初安打となりました

 秋季リーグ戦の後半あたりから変なプレッシャーがかかることが多かったので、1本出てほっとしています。また、(地元の)大分から父が来ていたので、いいところを見せることができてよかったです。関カレではチームに貢献できるように頑張ります。

――秋季リーグ戦から打順が下がりましたが

 打順が下がったことで逆に開き直って余計なことを考えなくなったので良かったのかなと思いました。明日以降打順がどうなるかはわかりませんが、今日の良いイメージを持って頑張れたらと思います。

――秋季リーグ戦終了以降どのような練習をされていましたか

 チームとしてライズ(ボール)系に弱いという課題があったので、ライズボールを打つ練習をしていました。監督さん(高杉聡監督、平10人卒=群馬・前橋育英)にライズボールを打ち上げているということを言われていたので、ボールの上を叩くように練習していました。

――その成果が出たという形ですか

 今日は実際フライを上げず、ライナーかゴロという打球だったので、明日以降も継続していきたいと思います。

――明日の国際武道大戦への意気込みをお願いします

 今日より投手のランクもチームのランクもだいぶ上がると思うのですが、全員でつなぐ気持ちを持って頑張りたいと思います。