絶対王者・日体大を撃破! 3年ぶりのベスト4進出

男子ソフトボール
全日本大学選手権
日体大
早大 2X
投手…○稲垣-尾松 ◇(二塁打)なし ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)齋藤
全日本大学選手権
神戸学院大
早大 X
投手…○稲垣-尾松 ◇(二塁打)駒谷 ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)荒川

 インカレ2日目となるこの日、早大は2回戦でインカレ6連覇を目指す日体大、準々決勝で関西学生リーグ3連覇中の神戸学院大の東西の強豪校と対戦した。日体大戦では初回、いきなり2点を先行されるも、打線が食らいつき、接戦に持ち込む。1点を追う最終回、齋藤向陽(社2=群馬・新島学園)に逆転サヨナラ2点本塁打が飛び出し、宿敵・日体大に2019年東京都大学連盟春季リーグ戦以来、3年ぶりの勝利を挙げた。続く神戸学院大戦では初回、荒川健祐(スポ3=神奈川・柏陽)の2点本塁打で先制。2試合連続の完投となった稲垣がこの2点を守り抜き、早大は3年ぶりの準決勝進出を決めた。

日体大戦で逆転サヨナラ2点本塁打を放つ齋藤

 前日の初戦を大勝で飾り、勢いに乗る早大が2回戦に迎えたのは、インカレ5連覇中の絶対王者・日体大。早大は2019年東京都大学連盟春季リーグ戦で勝利して以来、公式戦では9連敗中である。先発した稲垣は初回、相手の4番・西本奈生(4年)に2点本塁打を浴び、先制を許す。しかし、その後は立ち直り、バックの攻守に助けられながら、凡打の山を築く。稲垣は2回以降、日体大打線を2安打1失点に抑え、味方打線の反撃を待った。

ピンチをしのぎ、雄たけびを上げる稲垣

 打線は3回、死球と安打で1死一、二塁の好機を作ると、尾松大輝主将(政経4=大阪・清風南海)が中前に適時打を放ち、1点を返す。6回には先頭の代打・岡本元喜(商4=早稲田渋谷シンガポール校)の安打を足掛かりに作った1死一、二塁の好機で畠山に適時打が飛び出し、1点差に詰め寄る。そして2点を追う最終回、先頭の荒川が安打で出塁する。1死後、齋藤が2球目をフルスイングすると、高く舞い上がった打球は左翼後方へ。そのままフェンスを越えた打球は日体大のインカレ6連覇を阻む逆転サヨナラ2点本塁打となり、劇的な勝利で早大は準々決勝へと駒を進めた。

日体大戦で適時打を放ち、ガッツポーズを見せる畠山

興奮が覚めやらぬ中行われた準々決勝の相手はU23日本代表の大川竜志(4年)を擁する神戸学院大。早大は初回、荒川健祐(スポ3=神奈川・柏陽)の中越え本塁打で2点の先制に成功する。徳島大から3試合連続の先発となった稲垣は5者連続を含む11奪三振の好投を見せ、6回までスコアボードに0を並べる。7回、先頭の大川に本塁打を浴び、1点を失うも、後続を打ち取り、2試合連続の完投でリードを守り抜き、早大は準優勝した2019年以来となる準決勝進出を決めた。

神戸学院大戦で先制本塁打を放つ荒川

 現在のチームが発足時から打線が課題とされ続けていた早大。好機で効果的に長打を放つ日体大の後塵を拝し続け、粘投する投手陣を見殺しにすることも少なくなかった。しかし、この日の2試合では少ないチャンスを適時打や本塁打でつかみ、接戦をものにした。日体大、神戸学院大という強豪を連続して撃破したこの日の試合は早大打線に大きな自信となっただろう。明日対峙する環太平洋大は好投手・景山蓮(3年)を擁し、投手戦が予想される。覚醒した早大打線の連日の援護に期待したい。

日体大戦で齋藤の本塁打に沸く早大ナイン

(記事 星野有哉、写真 玉置理沙子)

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コメント

荒川健祐(スポ3=神奈川・柏陽)

――神戸学院大戦の本塁打を振り返って

日体大戦で最後の打席でいいかたちでライト前が出たのでそのいいイメージを持って打席に入れたのがよかったかなと思います。感触的には少し微妙だったんですが、入ってくれと思いながら走っていました。

――2戦合計で8打席6出塁4安打ですが調子はいかがですか

昨日がふがいなさすぎて、本当に申し訳なかったんですけど、今日はその分挽回できて調子も上がってきたのでいい状態だと思います。

――入学後初の日体大撃破となりましたが

やっぱり日体大は他の相手とは違う独特の緊張感のある相手で、かつインカレというところですごい緊張した部分はありました。でも今日はベンチの盛り上がりなど、チームとしてすごい雰囲気が良くて、そのお陰でのびのびプレーできたことがよかったのかなと思います。

――明日への意気込みをお願いします

まずは目の前の準決勝をしっかり勝って、最終的に優勝して日本一を取れるように、自分自身頑張っていきますし、チーム全体として優勝に向けて頑張っていきたいと思います。

稲垣拓朗(スポ2=群馬・新島学園)

――日体大戦を振り返って

初回に2点本塁打を打たれて正直やばいと思いました。でも、その後はしっかり点を取った後を抑えたり、最終回を3人で抑えたりして、結果的には3安打しか打たれていないですし、冷静に投げることができて、チームの攻撃につながる守備かできたと思います。

――神戸学院大戦を振り返って

初めて対戦する相手だったので、自信のあるツーシームとライズボールで勝負して、冷静に投げることができました。先頭を出した後も、野手を信じてゴロで打ち取れましたし、適時打と打たれていないので、最終回までは0で抑えられたという点では昨年のインカレの福岡大戦からは成長できたと思います。

――大川選手との対決を振り返って

大川さんとは代表の選考会で一緒になって仲良くなったということで対戦するとなった時はやはり意識しました。工夫したことといえば、ベルト付近の甘い球を投げないということです。最後は甘い球がいって打たれてしまったのですが、シンプルに甘い球を投げない、ゾーンに投げきると考えることができたことで打ち取れたかなと思います。

――野手の攻守にも助けられました

僕の配球を伝えていて準備してくれていたのもそうですし、尾松さんと野手を信じて投球しようという話をしていたので、信じる気持ちがああいうプレーにつながったのかなと思います。彼らも自分のエラーがチームの負けにつながったという経験もありましたし、そこから成長していって、失敗が成功につながったのかなと思います。

――神戸学院大戦は稲垣選手らしい三振を奪う投球でした

相手が1巡目に全然振ってこなくて、2巡目に何か仕掛けてくるのかなと思ったのですが、単純に良い球がいっていたみたいで、振り返ってみると、ライズボールやツーシームでカウントを取れる自信があったので、強気でストライクゾーンで勝負できたかなと思います。

――明日への意気込みをお願いします

まずは準決勝が環太平洋大ということで、優勝候補ですし、対戦したこともないので、単純に楽しみです。2回戦の日体大などの山場がある中で、チームとして目標としていたのは一球一球に集中して楽しんでいこうということだったので、そこは明日も継続して、悔いのないプレーをしていけたらなと思います。

齋藤向陽(社2=群馬・新島学園)

――日体大戦のサヨナラ本塁打の打席はどのような気持ちで立ちましたか

とりあえず1点差で先頭の荒川さんが出てくれたので、自分で決めると思っていた訳ではないですが、とりあえず強い打球を打とうと思っていました。

――本塁打を振り返って

初球はファーストが下がっていたのでバントをするという選択肢もあって迷って見逃したのですが、2球目は打とうと思って1球目と同じ球を張ってフルスイングしました。打った感覚としてはいったかなと思いました。

――安打が続いていますが調子はいかがですか

インカレまで練習でもあまりヒットがなくて不安な気持ちだったんですが、徳島大戦でヒットが出て、日体大戦の二打席目でライトにヒットを打ってから、自分の中で感覚が良くなってきているので、明日もいい感じでいけるかなと思います。

――内野陣の好プレーが続いていますがご自身ではどのように見ていますか

去年のインカレで僕がバンドを刺せなくて失点に繋がったこともあって、個人的にも守備は頑張ってきました。みんな練習した成果が出ていて、いい流れだと思います。

――明日への意気込みをお願いします

去年は最終日まで来られなくて最終日は初めてなので、しっかり楽しみたいと思います。