【連載】2018年度インカレ直前特集『克』第3回 落合未稀×綱島香依×川崎楽舞

男子ソフトボール

 威力抜群の打線を誇る早大。その破壊力の中心となっているのは、外野を守る3人だ。美しいスイングで広角に長打を量産する落合未稀(人4=栃木・大田原女子)、勝負強い打撃で得点を演出する綱島香依(国教4=東京・日出)、多くの試合で4番に座る打線の核・川崎楽舞(スポ3=千葉・木更津総合)。ここまでチームをけん引してきた彼女たちに、全日本大学選手権(インカレ)に向けての思いを伺った。

※この取材は8月3日に行われたものです。

「川崎は川崎のバッティングをすればいい」と言われたので、それを信じて(川崎)

順風満帆な1年ではなかったという川崎。試行錯誤のなかで得たものもあるという

――新体制になり、秋季リーグ戦から東日本大学選手権(東日本)までの戦いを振り返っていかがでしたか

落合 常に優勝は目指してやってきたんですけど、一度も優勝というタイトルを取ることができなかったので、そこは悔やまれる部分かなと思います。関カレ(関東大学選手権)も3位だったんですけど、上位に食い込んでそこから上にはまだ行けてないので。インカレでは、そこからもう一歩先へ進めるようにしたいです。

――個人の成績としては、どういった一年間でしたか

綱島 私の場合は、留学で1年間ブランクが空いて、そこから自分の代に復帰してという一年だったので。まず(期間が)空いていた分、身体がついていかないだとか、すごく葛藤がある中で冬を乗り越えて。春になって、段々自分でも動けるようになってきたり、結果も出るようになったことを実感として持っていたので。1年を通して考えると自分のベストを出してプレーができた時間はそれほど多くはないんですけど、夏は(状態をピークに)持ってこられていると思っているので、しっかりパワーアップできるように、あと一か月頑張りたいと思います。

落合 去年は主将の角頼さん(遼香、平30社卒=千葉経大付)が、外野手としてもリーダーとしてもずっと引っ張って下さって。そのリーダーシップに頼りすぎてしまった部分があって、自分が責任ある立場としてチームを引っ張ってこられなかったところがありました。その後先輩が(チームから)抜けた時に、自分がチームを引っ張っていかなきゃいけないという自覚と責任が出てきて。そこで、「自分が打たなきゃ、自分が守らなきゃ」と考えて、試合でも結果を出し続けなければいけないというところで(プレーしてきたことによって)、気持ちの面で強くなれたのかなと。そこが結果につながってきたのかなと思っています。

川崎 昨年自分は、東日本やインカレでは一番など良い打順を打たせてもらっていて。後輩は(自分のプレーを)やるだけなので、思い切ってやれたという部分で、去年は結果が出た年だったんですけど。今年は今振り返ってみれば、4番を打たせてもらっていたことを変に意識しすぎて、苦しい一年間でした。打率がすごく高かった時もなかったし、大きい当たりが出たこともそんなに無かったし、印象的にもあまり打つ4番じゃなかったのかなという反省は自分の中にあって。なので、4番に入れるかまだ分からないですけど、もし出られたらインカレでは去年みたいに打てるように頑張りたいです。

――川崎選手はいい当たりが野手の正面を突く場面も多く見られました

川崎 去年4番に入っていた山内さん(実咲、平30スポ卒=神奈川・向上)は、体格もキャラも『不動の4番』というか。本当に4番らしい4番だということは、みんなも先生も思っていました。それを目指さなきゃと思った時に、自分は体格も身長もそんなに大きくないし、大きい当たりが打てるわけでもなくて。「自分には何ができるんだろう」と模索しているうちに、今の時期になってしまった感じがあります。色々調べてみたり、人に話を聞いてみたりしたんですけど、ある時に先生(吉村正、昭44教卒=京都・平安)から「川崎は川崎のバッティングをすればいい」と言われたので、それを信じてやってみようと思います。

――東日本では2位という好成績を収めました。大会の手応えはいかがでしたか

落合 東日本に入る前に、もっと練習試合を組みたかったとみんなが話していて。大会の前に1回だけ遠征で山梨学院大と対戦して、そこで2勝して、少し勢いに乗れたんだと思います。でも、ハングリー精神というか、「試合したい!」みたいな気持ちになっていたので、それ(練習試合が少なかったこと)が逆に良かったところもあるんですけど。インカレ前は、実業団も練習試合を組んでくださったりしたので、たくさん試合をして、しっかり結果を出したいと思います。

――1番神樹里乃選手(スポ3=北海道・とわの森三愛)、2番落合選手という打順で東日本には臨まれていました。お二人の存在感を、打線の中ではどう感じていらっしゃいましたか

綱島 ワセダの1,2番は小技とかではなく、自分で打って(塁に)出て、そこで勢いをつくってくれる存在だと思っていて。特に落合は、春リーグから東日本にかけて勢いがすごくあったので、そこで打線全体を引っ張ってくれたという意味で、ワセダが打ち勝つ雰囲気をつくってくれたんじゃないかと思います。

川崎 神は3月の遠征頃から、未稀さん(落合)は春ごろから爆発的に打つようになって。なんかもう、「何を食べたらそんなに打てるようになるんだろう」って考えるくらいで(笑)。自分は去年は1番に入っていたので、「フォアボールでもなんでもいいから(塁に)出よう」って思っていたんですけど。神も落合さんも打って出てくれるので、後ろを打つバッターとしては本当にありがたいというか、去年そういう1,2番に恵まれていたらなということも考えました。なので、本当に(今の上位打線は)頼れる1,2番だと思います。

――落合選手は、今の1,2番コンビについてはどのように考えていますか

落合 春リーグのときは神が1番、私が3番で、間に2番が入っていたので、神が出て2番が送って私が還すっていう風に考えていたんですけど。吉村先生が、私も出るか、私で返すかっていうことを言ってくださって、それからは、そういう打線の組み方もあるなと思うようになりました。1,2番が出てそこで終わるんじゃなくて、今のワセダなら3,4番で還せる打順なので、安心してフルスイングできるというか。自分も結果が出せるし、他のみんなも信じてくれているから(打線が)つながるという好循環が、(今の打線のなかでは)生まれていると思います。

――東日本は強豪相手に勝利を収めての2位でした。勝ち上がることが出来た要因は何だったと思いますか

川崎 去年富士大に負けたときは、ライズピッチャーにやられて打線がつながらなかったんですけど、チームに分析がすごくできる子がいまして。河野友里(スポ3=東京・鷗友学園)っていうんですけど、本当に徹底的に調べてくれて、それをみんなで共有して。試合前にライズボールをどうやったら打てるかみんなで考えた結果、思い切って振れるようになったので。そういう人の力もあって勝てた試合だったのかなと思います。

――河野選手はチーム内における頭脳派なのですね

落合 頭脳っていうか、ウィキペディアみたい。

綱島 ユリペディアって呼ばれてるんですけど(笑)。でもウィキペディアは信憑性に欠けるかもしれないって言われてるじゃないですか。だから(ユリペディアも)たまに突っ走っちゃう(笑)。

――東日本でのベンチの雰囲気はいかがでしたか

川崎 ベリーグッドですよね?

綱島 うん。インカレでしか歌わない『紺碧の空』を、東日本でも歌っちゃおうっていう。

落合 とにかく勝ちたくて。勝つためにはベンチの雰囲気って大事じゃないですか。『紺碧の空』とか歌ったら絶対盛り上がると思って。点を取って、『紺碧の空』を歌えばまた(安打が)もう一本出る雰囲気がベンチでつくれると思ったので。インカレでは、応援歌も歌おうと考えていて。

川崎 昨日も夜遅くまで考えてました。

綱島 楽しみだね。

――試合前のルーティンはありますか

川崎 私はスパイクは右から履く。でも練習もそうだしなあ。

綱島 私は……日焼け止め(笑)。

一同 (笑)。

川崎 すごいんですよ、この二人の気合の入り方!ファンデーションと二重にして(笑)

綱島 あんまりこういうのはよくないか(笑)。あとは、お米を食べる。パンじゃなくて。小麦にしない。

――今年の早大投手陣の印象はいかがですか

落合 増田(侑希、スポ1=香川・高松南)が入ってきてから本当に安定して。後ろに増田がいることで前の2人も投げやすいと思いますし、増田が出てきたら絶対に0点で抑えてくれるので、守りやすいです。

川崎 廣瀬とかはゲームメイクが得意で、自分で盛り上げてくれるし、自らタイムとかとっちゃうし(笑)。ゲームキャプテン的な存在ですし、貴世美(伊藤貴世美、スポ2=千葉経大付)も左なので、来る打球が予想しやすいですね。

――増田投手は入学直後の春季リーグ戦でいきなり最優秀防御率を獲得しました。初めて見たときの印象はいかがでしたか

落合 最初見たときなんですけど、速いだけでコントロールは悪いんじゃないかと思って。

川崎 私も(ボールを)受けたんですけど、ブルペンでもあまりコントロールは良くなくて。でも「マウンドで整えるタイプなんです」って言われて、「あ、そうなんだ」って思ってたら本当にコントロールが良くて。

落合 インコースも思い切って投げてくるし、すごくびっくりしました。

――今季のMVPを挙げるとしたら誰だと思いますか

落合 私は神だと思います。去年は(試合に)出ている人も打順もあまり定まらなくて、どういう打線でどうやって点を取ったらいいのかがあまり見えてこなかったんですけど、今年は神がずっと結果を出し続けてくれて。一番が固まるとその後も固まってくるので、打順は4年生が考えて先生に提案しているんですけど、(考える側として打順を)組みやすかったです。(打線を)イメージしやすくて。

綱島 私はやっぱり、落合だと思います。

落合 そういうのいいから!

一同 (笑)。

綱島 照れてる。すぐ照れるから。

川崎 素直に受け取りましょう!

綱島 えっと、結果を出してくれたのももちろんそうなんですけど、やっぱりチームの中で一番しっかり(意見が)言える。引き締める役割を本人も意識していたと思いますし、周りから見ていてもそういう一言を言える存在だったなと思います。

川崎 私も未稀さん。やっぱり未稀さんの打力で勝った試合がたくさんあったので。本当は「未稀さんが4番に入った方がいいのかも」って思うこともあったんですけど、でも本当に爆発的に打ってくれたので。その得点力のお陰で勝ったことが多かったと思います。

――今季は長打で得点を重ねる場面も多かったですが、冬の間などはどのような練習を行っていたのですか

落合 去年もやっていたんですけど、打球を55度に上げて打つ練習をしました。去年は先生の言葉の意味がよく理解できていなかったんですけど、今年は違う言葉で教えてくださって。それを自分の中で上手く消化して、結果に結びつけられたんじゃないかなと思います。ティー台の上にボールを置いて、フェンスを越えるように打つっていう。その練習で、フルスイングしながらミートする力がついたんじゃないかと思います

川崎 私はあれだと思います。遠征の時の。

綱島 ああ、そうなんです。素振りにすごい集中するようになったんです。

川崎 素振りにすごくこだわったんですよね。二人一組になって、一人がコースを設定して、そこから目を離さずに振るっていう。当たり前に見えるんですけど、結構疲れて。それをやってから打てるようになった気がします。

――ここまでの戦いの中で見えたご自身の課題はありますか

綱島 ここぞというときに、しっかりボールを捉える。打つべきところ、チャンスで回ってきたときに、その一球を捉えるっていうことが、あと残りが本当に少ない期間の中で自分が突き詰めるべきことだと思っています。

落合 自分も同じなんですけど、やっぱりバッティングで(チームを)引っ張っていきたい気持ちがあるので。インカレで勝ち上がっていくにつれてピッチャーのレベルも上がってきて、甘い球を一球で仕留めるっていうことが大事になると思うので、その一球を見逃さず捉えないと優勝はできないと思います。なので、そこはあと二十数日でもっと(精度を)上げていかなきゃいけないと思います。

川崎 自分は思い切りの良さを買われていると、自分の中で思っているので。結果が出ないと慎重になったり、細かいところが気になってしまって、逆にまた結果が出なくなってしまうことが今までの失敗の中であるので。私はとにかく、思い切りの良さだけは忘れないようにしようと思っています。

チームのことを話す機会は、春くらいからしっかり持つことを意識して(綱島)

副務としてもチームを支えている綱島。その周囲には笑顔が絶えない。

――ここからは個人に関する質問をさせていただきます。お二人にとって、綱島選手はどのような人物ですか

川崎 先輩なのにいじられる(笑)。

落合 日出高校出身がチームに三人いるんですけど、その中の長女という感じで。次女と三女にいじられるっていう。

綱島 高校時代は『真面目で寡黙な綱島さん』だったんですけどね。大学に入ってから変わっちゃった。

――落合選手は、お二人から見てどんな方ですか

川崎 お姉ちゃんって感じ。

綱島 ふざけている3年生とかを温かく見守ってくれる。「私はそこには入らないよ」って感じなんですけど、でもすごい笑う。

落合 3年生がすごく面白いんですよ。にぎやかで可愛くて。それを見て癒されてます。私はそこには入らないですけどね(笑)。

川崎 でも私も未稀さんの崩れたところを見たいので。綱島さんと私と、あと隈元(愛子、スポ2=千葉・木更津総合)っていう良いキャラしてるのがいるんですけど、その3人が集まった時は未稀さんもボケなきゃいけないので(笑)。そこが揃った時は、もうずっと笑ってます。

――川崎選手はどのような方ですか

綱島 なんだろう。あんまり褒めたくはないんですけど(笑)、周りを明るくするものを持っているんじゃないかと思います。楽舞(川崎)と喋っている人はみんな笑ってるイメージがありますね。

――川崎選手は、綱島選手や落合選手のようなお姉さんがいたらどうですか

川崎 もう、大好き。

――お二方は、川崎さんのような妹がいたらどうですか

落合 う~ん、ちょっとうるさい。

一同 (爆笑)。

落合 でも本当に明るくて、落ち込んでいるのをあまり見たことがないというか。みんなでいる時はいつも輪の中心だし、太陽みたいな存在です。

綱島 うん。絶対みんなが集まっているときは、楽舞はその真ん中にいるんですよ。

――4年生同士で集まって話をすることなどはあるのでしょうか

綱島 練習のこととかチームのことを話す機会は、春くらいからしっかり持つことを意識してやってきました。

――キャラクターが部内で個性的な選手を教えてください

川崎 増子(奈保、スポ3=東京・日出)は身体を張らなくても面白いんですよ。

綱島 分かる。3文字とかで人を笑わせる。

川崎 ん~、でもやっぱり自分はこよさん(綱島)推しです。

落合 やっぱりそうなるよね。

川崎 なんかもう、居るだけで笑っちゃうというか、立ってるだけで面白いんですよ。

落合 本当に面白い。

――プレーの面ですごいと思う選手は誰ですか

落合 自分は増田です。いつもふわふわしてるのに、マウンドに立ったら本当に速くてコントロールも良いし、チェンジアップもすごくブレーキかかってるし。いつも対戦するときは気合入れてバッターボックスに入るんですけど、打ち取られてます。

川崎 みんなそう(打ち取られる)ですよね。本当にすごい。

綱島 私は……神かな。気迫を感じることが多々あって。

川崎 ファイターですよね。

落合 うん。二重人格なんじゃないかってくらい、普段とプレーしてる時の目が全然違くって。そこは私も凄いなと思います。

川崎 二人が今言った増田と神も凄いと思うんですけど、自分は廣瀬(夏季、スポ3=北海道・とわの森三愛)を挙げておきます。廣瀬はもう、「自分自分自分!」っていう感じで、ああいうピッチャーはなかなかいないと思います。漫画に出てくるみたいに、自分で投げて自分で奮い立たせて、打たれたら誰もが分かるくらい落ち込むし。もう、こういう感じなので(手を上下に動かして大きな波をつくる動作)。見ていて本当に凄いな、出来ないなと思います。

――川崎選手は、4年生との思い出で印象に残っていることはありますか

川崎 個人的な思い出になってしまうんですけど、主将の加藤さん(千陽、スポ4=愛知・星城)とはご飯に連れて行ってもらったりとか、一緒に飲んだりすることが多くて。買い物にも行ったりとか、思い出がたくさんあります。手塚さん(麻菜美、スポ4=北海道・とわの森三愛)は、ソフトボールの話を本当に細かくしてくれるので、そこからすごく学ばせてもらったりだとか。あとは柔軟剤が好きなので、「これいいよね」みたいな話をしたり。

綱島 手塚はすごいよね。柔軟剤変えたらすぐバレる。

川崎 そうなんですよね。「はい変えた~!」みたいな(笑)。こよさん(綱島)とはいつも笑ってるんですけど、一年生の時に1回帰りの電車が一緒になって。留学の前だったんですけど、その時に真剣な話をしてくれて。「楽舞は頑張れば結果がついてくると思うよ」「好きなことをやればいいよ」みたいな言葉をかけてもらった時からすごくいい先輩だなと思っていて、それが香依さんのイメージだったんですけど。留学から帰ってきてからは、なんか面白い感じになっちゃって(笑)。

落合 はじけちゃった感あるよね。

川崎 うん。はじけちゃった感。あと、未稀さんとは真剣な話もするんですけど、私は人を笑わせようとした時に相手が笑ってくれないことが多くて。でも未稀さんだけは笑ってくれるんですよ。それがいつも助かってます。

とにかく悔いの残らない戦いをして、優勝したい(落合)

競技人生の集大成となるインカレに、すべての思いをぶつける

――昨年のインカレを今振り返って、いかがでしたか

川崎 う~ん、なんだろう。「準備はたくさんしたけど」っていうっ感じですかね。

落合 東日本と同じところ(富士大)に負けて。出し切ったという感覚もなくて、負けて抜け殻のような。個人的にも(力を)出し切れなかったし、チームとしてもあっという間に終わってしまった感じがしました。

――ことしのインカレに向けて、特に力を入れて練習していることはありますか

綱島 実戦練習が夏休みに入ってからは(多いです)。練習時間も延びて集まる人数も増えて、授業期間にはなかなかできない練習もあったので。ピッチャーが3人いて、投げてもらった球を打つっていう実戦の時間が確保できているので。

――みなさんにとってインカレとは、どのような位置づけの大会なのですか

落合 一年間そこに向かって、そこだけを考えてやってきた場所です。他の大会で結果を出すのもそうなんですけど、それが全部インカレにつながっていかなきゃいけないという風に考えていたので。結果を残すだけじゃなくて、得たことをインカレにつなげていこうという気持ちはあります。

綱島 飛びぬけて価値があるというか。一年間でたくさんの大会がありましたし、関カレも東日本も重要で、みんな気持ちを入れて入るんですけど。対比できないくらい重要であるし、みんなが気持ちを懸けているというか。大学の一年間の大会のなかでも、インカレが一番大きいのかなと思います。

川崎 二人と一緒で集大成というか、一番いい状態で臨む、一番ビッグな大会だと思います。

――川崎さんから、最後の大会に臨む4年生に向けての思いなどはありますか

川崎  もう、好きなように振る舞ってくださいという、それだけです。思う存分、出し惜しみしないで力を発揮してほしいです。

落合 それは私たちも思ってるよね(笑)。

川崎 うん、やった方がいいと思います。

落合 好きなようにはっちゃけて。私たちも後輩にそう思っていいるし、後輩も私たちにそう思ってくれているので。

――後輩に伝えておきたいことなどはありますか

落合 私は下級生のときに、結果を出そうとしすぎてしまって。試合に出られない時期もかなりあって、そこで「結果を出さなきゃ、出さなきゃ」と思いすぎてしまっていて、自分の思い切ったプレーを出来なかったので。試合では結果を気にせずにどんどんトライしてほしいなと思います。あと練習では、どんどん発言してほしいなと思っていて。私は先輩がいたときは、自分から発言しようっていうことはあまりなくて、一番上の学年になってからそういう場での一言を大事にしていたので。積極的にチームに関われば関わるほど自分も成長できると思うので、そこは大事にしてほしいなと思います。

綱島 試合でも練習でも、思い切ってやったかどうかで後に残るものが違くて、その積み重ねが今となって自分の中にどう残っているかだと思うので。それを自分の中に積み上げてってほしいと思うのと、もう一つは、『考える』こと。このチームはしっかりしている人が多いから、考えなくても進んでいくことってできてしまうと思うんですけど。そこで大変だけど、批判を浴びるかもしれないけど、自分で考えてそれを発信することによって得るものも多いし、後に残るものも多いので。面倒くさくても、考えて考えてやっていくのがいいんじゃないかと思います。

――大会の組み合わせを見たときの率直な感想はいかがですか

落合 気は抜けないんですけど、上のヤマに比べれば……。

川崎 ずっと決勝戦みたいですもんね。

――勝ち上がっていけば、準決勝で日体大と当たります

落合 やっぱり日体に勝ちたいという思いが個人的にも強いし、このチームは日体に負けて優勝を逃してきたことが多いので。最後日体を潰したいという思いはあります。

――最後の大会を前に、同期に向けて送りたい言葉はありますか

落合 最初は綱島がいなくて、途中から入ってきたんですけど。綱島が入ってきてくれて、自分たちの学年がうまくまとまったと思っていて。私たちの学年はあまりお互いに関与する感じではなくて、個々人が自由というか。でもその中でしっかり役割が分かれていて、お互いに信頼しているので。集まって騒ぐ感じの学年ではなくて、鎌田(彩花、文4=神奈川・平塚江南)もすごく家が遠い中で練習にきてくれたり、裏方の仕事もしてくれていて。一人一人がすごく信頼し合っているので、「この学年で良かったな」とはすごく思っています。

綱島 個々人がいい意味で自分を持っていて、だからこそ干渉しあうこともあまりなかったんですけど、お互いが直接思いを伝えることを恥ずかしがりがちな学年だなと思っていて。一緒に(ソフトボールが)できるのも少しですけど、信頼もしていますし、「ありがとう」という思いもあるので。それを伝えるか伝えないかは別なんですけど(笑)、最後は気持ちを一つにして臨んで、笑って終わりたいなと思います。

――最後に、大会に向けての意気込みをお願いします

川崎 細かいことは自分の中で結構あるんですけど、もう気持ち的には優勝だけを見て。でも優勝に目をくらませずに1戦1戦を戦い抜いて、思い切りを忘れないでやります。

綱島 私も細かいことではないんですけど、気持ちを強く持って、思い切りをもつということと。最後に4年生として、チームがちゃんと盛り上がって笑顔で戦えるように、私がそれを支えたいです。

落合 そうですね。13年間続けてきたソフトボールがあと1か月で終わると考えると、もう本当に最後なんだという実感があって。これから一日一日を大切にしていきたいと思いますし、最後に……。ソフトボールを通じてたくさんの指導者の方や親にも支えられて、たくさんのライバルに出会って、たくさんの仲間に支えられて自分が成長できたと思うので。最後の一年は自分のために頑張りたいと思っていたんですけど、インカレではそういう人たちに少しでも恩返しがしたいと思っているので。とにかく悔いが残らないように、優勝したいですね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 望月優樹 写真 金澤真由)

◆落合未稀(おちあい・みき)(※写真右)
1996(平8)年12月16日生まれのA型。160センチ。栃木・大田原女子高出身。人間科学部4年。外野手。右投右打。『今期のチーム内MVPは』という質問で、最多得票だった落合選手。登場曲を設定できるとしたら、という質問にはファンキーモンキーベイビーズの『あとひとつ』と答えてくださいました。13年間のソフトボール人生、その最後の大会となるインカレで、自慢の打棒を爆発させます!

◆綱島香依(つなしま・こより)(※写真中央)
1996(平8)年11月25日生まれのB型。163.5センチ。東京・日出高出身。国際教養学部4年。外野手。右投右打。甘いものが好きだという綱島選手。東日本大学選手権の際、お菓子の『ルマンド』に熱中するあまり地震に気づかなかったエピソードを教えてくださいました。留学経験もある国際派が、勝負を決める一打を放ちます!

◆川崎楽舞(かわさき・らぶ)(※写真左)
1997(平9)年4月30日生まれのO型。156センチ。千葉・木更津総合高出身。スポーツ科学部3年。外野手。右投右打。明るく取材に応じてくださった川崎選手。部内でも積極的に発言をするなど、チームの中心としての役割を担っているそうです。登場曲を設定できるとしたら、という質問にはソナーポケットの『ネバギバ!』と答えてくださいました。曲名のとおり、最後まで諦めない打撃でインカレ優勝を手繰り寄せます!