リーグ戦開幕!大量得点で白星発進

男子ソフトボール
TEAM
東京学芸大
早  大 10 15
(4回コールド)
○杖子、吉田―実重
◇(二塁打)川上 ◇(三塁打)鳥岡、前多 ◇(本塁打)塩沼、前多

 鍛錬の冬を越し、ついに春がやってきた。東京都大学連盟春季リーグ戦(リーグ戦)が開幕し、早大は東京学芸大と対戦した。初回、打者16人の猛攻で10得点を挙げると、3回にも2本の本塁打で5点を追加。大勝で幸先の良いスタートを切ることに成功した。

 雨の影響で試合開始が遅延し、グラウンドの状態も万全ではない中で始まった試合だったが、先発の杖子量哉(スポ3=岡山・新見)が初回を三者凡退に抑えると、その裏の攻撃で打線が爆発した。先頭の増形俊輔(社4=千葉敬愛)がセーフティーバントで出塁し、続く萩野谷知大(人4=茨城・水戸第一)が四球を選んで無死1、2塁の好機を迎える。すると、3番の川上卓也(スポ2=岡山・新見)が左翼線を破る走者一掃の二塁打を放ち、先制に成功。これで勢いに乗った早大打線は、初回だけで8安打を記録し、一挙に10点を奪った。ただ、直後の守備で杖子が先頭打者に安打を許し、四球と犠打で無死2、3塁のピンチを背負うと、続く打者に2点適時打を浴びてしまう。後続こそ断ち切ったものの、試合運びには課題を残すこととなった。

初回の猛攻を呼び込んだ一方、課題も残した杖子

 わずかに漂った嫌な空気を振り払い、再びワンサイドゲームの流れへと引き戻したのは、塩沼泰成主将(スポ4=福島・安積)の強烈な一打だった。3回、先頭で打席に入ると、その5球目だった。「バッター有利のカウントだったので、思い切って強振した」と力強く引っ張った打球は、相手の右翼手の頭上を軽々と超え、柵越えの本塁打となる。さらに直後、無死満塁の好機を作り、打席には8番の前多悠登(人3=東京・小山台)。甘く入った速球を捉え、「打った瞬間に入ったなと思った」と振り返る会心の一発を放った。5点を追加してダメを押し、リーグ戦の初戦をコールド勝ちで飾った。

前多は6打点の活躍で勝利に大きく貢献した

 ポジション争いでチームが活性化している。上位打線だけでなく下位打線も好調ぶりを示し、11安打を放った。守備面で課題は残したが、「自分たちのやることをしっかりやれれば、良い試合ができるようなチームになってきた」(塩沼主将)と一定の手応えも感じている。あすには、近年苦戦を強いられている国士舘大とのゲームが控える。全日本大学選手権で3年ぶりの王座奪還を狙うチームにとって、最初の試金石となるだろう。

(記事 守屋郁宏、写真 本田京太郎)

コメント

塩沼泰成主将(スポ4=福島・安積)

――冬場に取り組んできたことを教えてください

冬の間は体づくりであったり、振り込むことであったり、守備の基礎的な部分であったり、土台を強くするような練習がとても多くて、2月末から3月にかけて試合が始まりました。それまで積み上げてきたベースの部分を試合でどう活かしていこうかっていうところをこの1ヶ月はやってきて、順調には来ているのかなと感じています。

――チームの状況はいかがでしょうか

みんなにも競争の意識は持ってもらうように、練習試合ではいろんな人を出したり、きょうも点差は付いた場面だったんですけど代打を使ったりと、まだまだインカレに向けて試合もたくさんあるわけなので、競争意識はいつも持ちながら、どんどんレベルアップしてもらいたいなと思っています。

――きょうの試合についてですが、試合の入りは非常に良かったのではないかと思います

(早大は)後攻で、グラウンド状況とか、試合時間が1時間ずれたりしたんですけど、その中でも杖子がしっかり3人で抑えてくれました。その守備の流れからバッティングというところで、1、2番が良い形で出塁してくれて、3、4番でしっかり返すことができて、あそこで3、4点入ったことが流れを作って、早稲田のペースで試合ができたのかなと思います。

――ただ、その後は少し苦労していたように思います

1回に10点取って、みんなの中でちょっとホッとしたというか、気持ちの面で抜けた部分があったと思うんですけど、デッドボールやヒットも絡みながら2失点して、その次の攻撃で新しいピッチャーに変わったところでゼロに切られてというところで、ちょっとそこは課題かなと思いました。杖子には「点取られた次の回はしっかり抑えよう」、「先頭バッターからひとりひとり抑えていこう」と言っているんですけど、ああいうところで少し弱さが出て相手にペースをやってしまったというのは、反省としてあります。

――その嫌な流れの中、ご自身の本塁打で追加点を挙げました。あの打席を振り返ってください

あのピッチャーは何度か対戦したことがあって、癖とかもある程度分かっていて、カウントも3-1とバッター有利のカウントだったので、思い切って強振したことが良い結果につながったのかなと思います。

――あすはダブルヘッダーとなります。意気込みをお願いします

どの試合も負けられない試合で、一戦必勝で戦っていくことはもちろんなんですけど、特に国士舘には僕らのチームになってから勝てていないんですが、自分たちのやることをしっかりやれれば良い試合ができるようなチームになってきたと思うので、自分の役割を見失わずに徹底するということはあすの試合も継続して、勝てればいいなと思います。

前多悠登(人3=東京・小山台)

――初戦ということで、試合前から意識していたことはありますか

3月から結果を残せてきたと思っているので、打席でしっかり振ることと、守備はできるだけ低い体勢でさばけるようにと、心掛けていました。打撃面では逆方向に強い打球を打てるように、というチームの方針もありましたね。

――まず、本日の満塁本塁打を打った打席についてお伺いします。感触はいかがでしたか

少し身体の開きが早かったのですが、打った瞬間に入ったな、と思いました。気持ち良かったですね(笑)。

――打った球種は

真ん中にきたライズボールだったと思います。ライズボールを軸に組み立てているピッチャーだったので、そこを狙っていました。甘く入ったら、振り抜いてやろうと。

――攻撃前は必ずベンチの前で選手全員が相手の投球練習を観察していました。それは今季からですか

そうですね。打席に入る前から投手を観察して、狙いを絞って打っていこうという意図です。

――打撃面では6打点の活躍でした。好調の要因は

冬場に振り込めたおかげで、好調なのかなと思います。連続で40スイングを6セット、ティーバッティングや素振り。とにかく振りました。

――今シーズンの目標は

まだまだアピールしていく立場なので、一打席一打席を大事にして、自分の打撃をしていきたいです。それができた上で、結果がついてきてくれれば良いと思っています。

――明日以降への意気込みを教えてください

きょうだけではダメだと思うので、明日以降も調子に乗らずに、結果を出せるように一打席一打席を集中していきたいです。