全日本大学選手権(インカレ)が開幕し、男子部は広経大との初戦を迎えた。最大の目標としてこの大会の連覇を掲げてきたワセダ。打撃力の強化に努めてきた成果が初回から現れる。吉田享平(スポ3=群馬・中央中教校)が2点本塁打を放つと、その後も連打などで一挙7得点。2回以降も毎回得点し、広経大を突き放した。投げては西村直晟(スポ4=大阪・清風南海)と古川恵士(人4=長崎・佐世保西)のリレーで完封。11−0で4回コールド勝ちを収め、好スタートを切った。
序盤から圧倒的な力を見せつけた。初回、捕逸で1点を先制し、なおも1死三塁の場面。ざわめく観衆の中、打席に立つ吉田は落ち着いていた。直後の一球をしっかりと捉え、打球は右翼手の頭上を越える2点本塁打に。以降も打線がつながり順調に得点を重ね、この回7安打7得点。打者11人の猛攻を見せた。3回にも溝口聖(人2=長崎・佐世保西)の2点適時打などで追加点を奪い、勝利をより確実なものとした。
全打席で出塁し好機を演出した兼子
奮闘する打線に応え、投手陣も好投を見せる。先発の西村は3回を投げ、安打を1本も許さない完璧な投球を披露。丁寧にコースを突く投球で着実にアウトを重ねた。4回には西村に代わって古川がマウンドに上がり、こちらも圧巻の投球。今季、けがに苦しんだ左のエースが5月以来の公式戦登板で復調を印象づけた。
約3か月ぶりの公式戦登板した古川
持ち前の破壊力を存分に発揮した打撃陣。相手打線を完全に沈黙させた投手陣。それぞれの良さが生き、終始ワセダペースで試合が進んだ。きょう全ての打席で出塁し、勝利に貢献した兼子修治(スポ3=群馬・新島学園)は、「自分たちのプレーができた」と語る。それぞれが自らの役割をしっかりと果たし、連覇に向けて理想的な一歩目を踏み出したワセダナイン。その目に映るのは、優勝の二文字だけだ。
(記事 芦沢仁美、写真 盛岡信太郎)
結果
早大 11-0 広経大(4回コールド)
コメント
兼子修治(スポ3=群馬・新島学園)
――初戦突破となりましたが、試合を振り返っていかがですか
いつも通りやれれば勝てると思っていたんですけど、それができたので。自分たちのプレーができました。
――1番として全打席出塁しました
僕が塁に出れば勝てるとみんなにも言われていたので、自分はとにかくそれだけしか考えていませんでした。それができてよかったです。
――この大会に向けて特に鍛えてきた部分はありますか
バントだったり、小技を磨いてきました。
――二回戦に向けての抱負をお願いします
どんな相手だとしても自分のやることは変わらないので、またきょうのように自分のプレーをしたいです。