2点リードから一時同点に追い付かれるも本保の劇的決勝弾で勝利

ア式蹴球男子
試合結果

JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦

2024年10月6日(日) 14:00 Kickoff vs 日本体育大学 @早稲田大学東伏見サッカー場

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 0 3 3
日本体育大学 0 2 2

得点者

後半

48分 駒沢直哉

51分 駒沢直哉

76分 日本体育大学

84分 日本体育大学

88分 本保奏希

 関東大学サッカーリーグ戦(リーグ戦)は第16節。前節、山学大を相手に5ー0で勝利し、リーグ戦で久しぶりの勝ち点3を獲得したア式蹴球部(ア式)。1部昇格に向けて勝ち続けるしかないア式は、今節、試合前2位につけていた日体大と対戦。第2節で4失点を喫した相手との再戦となった。

味方に指示を出す石川

 立ち上がりからお互いにボールを握り合う展開が続き、なかなか決定機を作ることができない。16分にはMF柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース)のコーナーキックにDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)が頭で合わせるも、シュートはキーパーの正面に飛んでしまう。31分にはDF石井玲於奈(商3=FC東京U18)が怪我により途中交代というアクシデントも発生。前半終盤は攻め込む場面があったものの、ゴールを脅かすことはできず、前半を0―0で折り返す。

得点をあげて味方の声に応える駒沢

 後半の立ち上がりに試合が動く。48分、相手陣地でルーズボールを拾ったMF成定真生也副将(スポ4=神奈川・日大藤沢)が前方のスペースへパス。裏に抜け出したFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)がゴールを決め、ア式が先制する。さらに3分後、相手のビルドアップのミスを拾った駒沢が追加点を決める。その後もア式は相手ゴールへ迫るも、追加点を奪うことができない。相手は身長190センチを超える選手を二人投入し、パワープレーでの突破を狙った。ア式もDF神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)を中心に粘り強く対応したが、75分にコーナーキックを長身の選手に合わせられて1点を返されると、84分にもクロスから同じ選手に得点を許し、同点に追い付かれてしまう。引き分けだと昇格が難しくなるア式だったが、88分、右サイドからのDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)のアーリークロスをMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)がうまく収めて左足を振り抜き、終了間際に劇的な勝ち越し点を奪った。その後はうまく時計を進めて試合終了。難しい試合展開となったが、勝利をつかみ昇格への希望を残した。

勝ち越し点を決めた本保

 なかなか浮上のきっかけがつかめなかった前半から始まり、2点リードから最終盤に同点に追い付かれるという厳しい試合となったが、勝ち点3を獲得できたことで次に繋げることができた。昇格・降格ともにプレーオフまでは勝ち点差がわずかに3。まだまだ読めないリーグ戦の結末だが、ア式ができることは残り6試合を全て勝ち続けることのみ。次の神大戦に向けて最大限の準備をして、勝利を掴み取ってほしい。

(記事 和田昇也、写真 熊谷桃花、取材 荒川聡吾)

長身の相手と競り合う神橋

メンバー情報

早稲田大学 メンバー

スタメン

ポジション 選手名 背番号
GK ヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西) 1
DF 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) 2
DF 神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18) 4
DF 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) 5
DF 石井玲於奈(商3=FC東京U18) 19
MF 谷村峻(スポ3=FC東京U18) 6
MF 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) 11
MF 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) 15
MF 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) 20
MF 柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース) 28
FW 駒沢直哉(スポ4=ツエーゲン金沢U18) 9

【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

サブ

ポジション 選手名 背番号
GK 北村公平(文構4=神奈川・桐光学園) 16
DF 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) 3
DF 笹木大史(商3=東京・早大学院) 13
MF 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) 8
MF 森田大智(スポ3=熊本・大津) 14
MF 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) 24
MF 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) 26
MF 森山絢太(スポ4=兵庫・三田学園) 30
FW 瀧澤暖(スポ2=ガンバ大阪ユース) 23

交代出場

時間 In Out
31分 増田健昇 石井玲於奈
68分 東廉 松尾倫太郎
80分 森田大智 成定真生也
90分 笹木大史 佐々木奈琉
90+3分 高橋作和 本保奏希

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合全体振り返っていかがでしたか
前半ファウルだったり、スローインだったりで、ちょっとゲームの流れがあまりなかったなというゲームで、難しいゲームになってしまったところからハーフタイムで、流れ切れるゲームでは隙を出さないというところは再確認した中で、城西戦でも後半立ち上がりやられてるので、そこは全員が意識してしっかりと引き締まった後半になったかなっていうとこですけど、2ー0になった後相手が沈んでる時に、3点目取るだけの力をもっとつけていかないといけないですし、あの時間帯でゲーム終わらせられて、もっと楽にボール動かしたりもできたのかなとは思います。いい時間帯が長かっただけにすごいもったいなかったですね。セットプレー含めて、一発の怖さは今回のゲームでしっかりと学んでくれればというところと、勝ってる時のゲームの運び方、時計の進め方はもう一度全員で共有しながら、けどあくまで自分たちは自分たちが求めてるサッカーを追求する必要もあるので、当然勝利にこだわるっていうところは最優先にしながらも、あそこでどういう風に試合を進めるのか。3点目をしっかり取ってそのままクローズさせるところだったり、流れが自分たちで作れないんだったら、しっかりと0で抑えながら相手の隙を待つ我慢もあると思うので、また今日の反省からまた来週に活かしていきたいなっていう風に思います。

ーー2ー0になった後のチームの動きに何か変化はありましたか
慢心させないように外からはしっかりとこういう時にサボるなっていうところはずっと伝えてたので、そういう部分ではボールの動かし方含めて全然サボりはそんなには見えなかったんですけど、ただいつか点取れるだろうみたいな雰囲気にちょっとなっちゃったところで、セットプレーからドンっていう感じでやられてしまって。向こうがパワープレーで2人(長身のFW)元々入れてるのはあのメンバー表からだったり、分析のとこでわかってたので、あの展開になった時に5バックに思い切ってこっちがするのかも考えたんですけど、今の流れの方がいいかなっていう風に思って変えなかった中で、やっぱりいい流れの時にそれをつかめない。2点でちょっと緩んだ雰囲気になってしまったところは正直あったので、そこは僕も含めて厳しいことをしっかりと指摘する。中にいる選手たち、交代した選手が自分たちで雰囲気を作り直すのは改めて大事かなっていう風に思います。

ーー来週に向けて改善していきたい部分だったり、継続したい部分はどういう部分になりますか
前半シュートが少なかったので、ゲーム展開で正直あれだけファウルで切られたりとか、外に出る機会が多くて、難しい部分であったかなと思うんですけど、そういう中でも一発で仕留められる力だったり、セットプレー多く取れたので、セットプレーでの変化をデザインするのも、改めてこう考えないといけないかなっていう風に思いました。

ーー来週以降に向けてコメントお願いします
次の神大が1番大事になってきます。結局目の前の試合に勝たない限り、うちはもう道がなくなる中で、まず2つは取れたっていうところ、あと6つをどうやって一歩一歩進めるかで、もうほんとに神大戦の1試合にフルフォーカスして、全員で勝ち点3を取るための最善の手段と行動を積み重ねていきたいなっていう風に思います。

 

成定真生也副将(スポ4=神奈川・日大藤沢)
ーー前期負けている相手との一戦でした。どういったところを意識してましたか
まずチームとしては絶対勝たないといけない状況の中で、前節5-0という大差の勝利でチームの隙が生まれないようにしようと全員で意識して取り組んできました。

ーー昇格を目指すチーム全体の雰囲気としてはどういった風に感じていますか
試合前からほんとにチームで1つになって戦おうという意識ができていて。出る選手だけではなくて、ベンチメンバーも含め応援選手も含めても、勝利するためにチーム全体で戦おうという意識がすごく感じられます。

ーー個人の役割としては、トップ下のポジションでどういった役割が求められてましたか
前線からのハイプレスだったり運動量というところと、守備から限定をしていくことも役割だと思いましたし、 攻撃のところでは自分がディフェンスとミッドフィルダーの間のバイタルエリアでしっかり前を向いてプレーをするというところを意識して取り組みました。

ーーアシストしたプレーはどのようなことをイメージしていましたか
ボールがこぼれたところを自分がいち早く反応できましたし、あとは駒沢がすごく良い抜け出しをしてくれたので、自分もうまくいって良かったと感じます。

ーー副将という立場もあります。チーム全体を引っ張っていく立場としては、どういったところを意識していますか
今日もほんとに2-0になった時に、2-0が1番危ないぞというところをチーム全体に伝えたりとか、 チームが1つになろうとしている時にいい雰囲気を作る声がけみたいなところを意識して取り組んでます。

ーーここから残り試合も限られてきます。次戦への意気込みをお願いします
昨シーズンはラスト1分で失点して追いつかれるという試合もあったので、残りの試合はそういった最後まで隙を見せずに全部勝ち切って終わりたいなと思います。

 

神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)
ーー試合を振り返っていかがですか
前半はちょっと入りが固くなってしまったかなという印象はありますけど、後半(駒沢)直哉が点を取ってくれたところはすごく良かったかなと思いますけど、やっぱり林総監督のおっしゃるように、2点差が一番精神的にも難しいっていうところで、そこがほんとに大きく出たなってところで、自分たちもどこかしらに、隙というか心の余裕みたいなのが出てしまって2点取られたっていうところは、去年の後期のホームでやった時と同じような展開で。そういう展開になってしまったっていうのは、最終ラインの自分からしたらすごい責任を感じてますけど、去年と違ったのは、最後3点目を取れたってところは、自分たちの今年の強みかなとすごい思うので、そこの得点力を継続するってところと、2点取った後の試合運び、試合の締め方を突き詰めなきゃいけないなと思います。

ーー2ー0になってからプレーの内容変わったなって思う部分はありましたか
自分は2点取ってそんなに余裕はなかったですし、もちろん相手の交代含めて長身の選手が2枚出てきたってところで、より引き締めなきゃなというところは自分は感じてたので、そういうところも含めて気の緩みはそこまでなかったかなと思いますけど、ピッチの中でもやることは変えずに行こうっていう話はあったのでそれは少し遂行できたかなと思います。

ーー長身の選手に対しては、どういう意識でディフェンスされてましたか
間違いなく武器が重なるっていうところで、空中戦の部分はすごい勝負の分かれ道になるかなと思ってたんですけど、セットプレーから失点したところとクロスから失点してしまった二つ、特にクロス対応の部分は自分たちの守備の課題として常に上がってる部分なので、そこはまた大きく浮き彫りになったなってところはすごい感じますし、今までずっとクロス対応の練習してきた中で、クロス対応から失点してしまうところが自分たちの大きな課題です。もっと突き詰めなければ、もっと強い能力の高い選手に対しては簡単に失点してしまうと思うので、そこはもうディフェンスリーダーである自分から発信するところと伝えるところもはっきりやりたいと思います。

ーーここからの試合に向けて改善していきたいとこや、継続していきたい部分はありますか
最近2試合は前半の入りがすごい良かったってところは自分たちのすごいいい収穫ですし、シーズン当初からちょっと課題には感じていた部分なので、そこはすごい良かったなと思います。ただ今日は前半に点取れなかったっていうところは課題に上がった部分であるので、自分たちの時間帯の時に点を取るってところと、自分たちが2点取った後の試合の運び方、締め方ってところは新しくもう1個課題ができたのかなと思います。

ーー次戦以降に向けて最後コメントをお願いします
自分たちは勝つことでしか前進できないですし、自分たちの目標としてる一部昇格ってところにはもう一個一個勝っていかないといけないと思うので、過去の話とかも次の試合とかも考えずに、もうその目の前の試合に対してどれだけ熱を高く持っていけるかっていうところだと思うので、しっかりとワンチームになって戦っていきたいなと思います。

本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島)
ーーどういう準備をして試合に臨まれましたか
自分たちの状況的にも勝ちしか前に進むことができないという中でまずは勝利することだけを考えて、チーム全体でワンチームとなってやることを心がけてやりました。

ーー試合全体を振り返っていかがでしたか
後半のところで2点決めて上手くリードすることができた中で、勝ってる試合の終わらせ方っていうところでは自分たちの課題が見つかったのかなっていう印象です。

ーー2失点目の追いつかれたシーンはどのようなことを考えていましたか
勝ちに行こう、点を取りに行こうというなかで自分のところでは必ずどこかでチャンスが来るなっていうのは意識していたので最後決めれて良かったです。

ーーご自身の得点シーンは振り返っていかがですか
前半から決めれるチャンスがありながらも決めきれずに、3点目を奪えず2-2まで追いつかれてしまって、最後自分が決めて勝つことができたのは良かったです。

ーー前節に引き続きの得点だと思いますが、そこについてはいかがですか
自分の得点でチームを勝たせるというのは常に意識してやってるところで、まだまだ決められるところはあったので課題はありますけど、まずは決めて勝たせられたというところは良かったと思います。

ーー最後に次節以降に向けて意気込みをお願いします。
次の試合も勝利して勝ち点を積み上げることが1部リーグに昇格するということに繋がると思うので、また本当にワンチームになって練習から日々積み上げていきたいです。

関東大学サッカーリーグ戦 2部 順位表

順位 チーム 勝点 試合 総得点 総失点 得失差
1 慶大 31 16 9 4 3 40 23 17
2 日体大 27 16 8 3 5 29 23 6
3 法大 26 16 8 2 6 29 19 10
4 順大 26 16 7 5 4 23 21 2
5 立正大 25 16 7 4 5 22 23 -1
6 早大 23 16 6 5 5 31 27 4
7 神大 22 16 6 4 6 17 16 1
8 拓大 20 16 6 2 8 25 26 -1
9 産能大 20 16 5 5 6 20 24 -4
10 立教大 18 16 5 3 8 21 25 -4
11 山学大 18 16 5 3 8 24 31 -7
12 城西大 11 16 3 2 11 21 44 -23
10/06現在