ブレイクダウンで苦戦するも、慶大Cに49ー31で勝利

ラグビー男子

秋季オープン戦 9月29日 対慶大C 早大・上井草グラウンド

 9月も終わりに差し掛かり、過ごしやすい気温の中、早大・上井草グラウンドにて早大Cと慶大Cによる一戦が行われた。前半は互いに点の取り合いになり、21ー19で折り返す。後半に入ると、早大Cが3連続でトライを奪い、慶大Cを突き放す。その後、慶大Cに2トライを返されるが、最後に早大Cがダメ押しの追加点。49ー31で勝利を収めた。

力強いゲインを見せるCTB守屋

 前半4分、まずチャンスを作ったのは慶大Cだった。慶大の選手の蹴った低弾道のボールが50ー22となり、一気にピンチを迎えた。鋭いタックルで守るもトライラインを越えられてしまう。先制を許した早大Cは7分に、FB高栁壮史(創理3=東京・早大学院)が力強いランでゲイン。そこを起点にボールを展開し、CTB守屋大誠(政経4=東京・早実)がスペースを見つけて走り込み、WTB山下一吹(教3=東京・早実)へパス。そのまま走り切ってトライ。SO田中大斗(教1=東京・早実)がコンバージョンも決めて逆転した。ここから両者一進一退の攻防が続く。11分には早大Cの果敢な守備を跳ね返す。慶大Cがフェーズを重ねてトライ。再び5点のリードを譲る。しかし13分、早大Cボールのラインアウトを確保し、ボールを展開すると相手がペナルティーを侵す。SH宮尾昌典(スポ4=京都成章)はクイックで仕掛け、強気なアタックでさらなる反則を誘発する。最後は宮尾からパスを受け取ったPR勝矢紘史(スポ3=長崎北陽台)がインゴールに飛び込んだ。相手ディフェンスを押しのけて、トライを奪った。続いて28分。マイボールスクラムを確実にキープ。フェーズを数回重ねたところで相手の左サイドにスペースが生まれる。これを見逃さなかった守屋がグラバーキックを蹴り込み、そのボールを追いかけていたWTB三浦哲(文構4=東京・早実)の胸にすっぽりと収まってトライ。スペースを上手く使った早大らしいアタックが光った。その後慶大Cが1トライを返し、21ー19で試合を折り返した。

好キックでチャンスを演出したSO田中大

 後半開始早々、仕掛けたのは早大Cだった。華麗なステップから抜け出した山下がフォローに回っていた宮尾へパス。後ろから追ってきた相手ディフェンスの頭上を通すパスを高栁が受け、中央へトライした。さらに4分。ハイパントをキャッチした相手が地面に倒れるとすかさず、FL野島信太郎(教2=東海大大阪仰星)がボールに絡み、相手のノットリリースザボールを誘った。田中大の素晴らしいキックで敵陣の奥深くで早大Cボールのラインアウトを獲得。これを確保し、守屋が田中大へパス。トライゾーンへ飛び込んだ。その後しばらく膠着状態が続いたが、後半26分。敵陣深く攻め込んだ早大は田中大がディフェンスラインの裏のスペースを見つけ、柔らかいキックをあげる。これを交代で入ったNO・8龍康之助(文構1=東京・早大学院)がキャッチしてトライ。42ー19と点差が開いた。このまま勝負は決するかと思われたが、34分、39分に慶大Cがトライをあげ、怒涛の追い上げを見せる。この嫌な流れを壊したのはまたしてもキックパスだった。41分、トライライン手前で数的有利な状態を作り出した早大はCTB丸橋怜央(商2=埼玉・早大本庄)が右の空いているスペースへボールを蹴った。少し長くなり、タッチを割るかと思ったボールをWTB溝井颯太朗(スポ4=北海道・函館ラサール)がタッチライン間際でキャッチ。ボールを押さえて、ダメ押しのトライを奪い、49ー31で早大Cが勝利を収めた。

途中出場で1トライを挙げたNO・8龍

 早大Cの今試合のコンセプトは「まず、勝つこと」(宮尾)とシンプルなものだった。ゲームを振り返ると前半・後半ともに先制を許すもすぐに逆転。最後も手を緩めることなく、ダメ押しのトライを奪った。キックを多用する戦術で着実にエリアを奪うという、勝ちにこだわった戦い方だったと言えるだろう。一方、課題も残る。ブレイクダウンでは慶大Cの圧力に押され、苦戦するシーンも見られた。今回、接点で強いインパクトを残した野島は「タックラーと2人目の仕事が被ってしまった」と振り返った。今試合で出た課題を修正し、チーム全体のレベルはさらに高まっていくことだろう。早大のスタンダードを押し上げる選手たちの成長に期待が高まる。

(記事 高木颯人、写真 西川龍佑、堀内遥寿)

コメント

SH宮尾昌典(スポ4=京都成章)ゲームキャプテン
ーー今回の試合のコンセプトを教えてください
 まず、勝つことです。相手の特徴を踏まえた上で自分たちがこだわってアタックしてディフェンスしてっていうのをいかに試合中に対応していけるかっていうところを司令塔として意識してプレーしました。個人としては50ー22を狙ってたんですけど、ブレイクダウンの圧が強くて、あまりスペースに蹴ることができませんでした。
ーー今回の試合で見えたチームの課題があれば教えてください
 下がってプレッシャーを受けながらのアタックが上手くいかなかったところがあるのでそこをどうやってやるのかをプレー中にもっと対応していくべきだと思いました。
ーー次の試合に向けて意気込みをお願いします
 チーム全体としてレベルアップできるように全ての局面でもっといいゲーム、もっといいチームになるように意識していきます。

FL野島信太郎(教2=東海大大阪仰星) 
ーー今日の個人のコンセプトを教えてください
 コミュニケーション、連携のところを意識していました。また、前試合の帝京大戦の時と同じで1対1で負けないということを意識していました。
ーーブレイクダウンでの苦戦が見られましたが、どんな課題点が挙げられますか
 タックラーと2人目のプレイヤーの仕事が被ってしまったことです。2枚目の仕事をきちんとできていなかったことが課題だと思います。
ーーチームのディフェンスを振り返って、課題点などはありますか
 タックルという基礎の部分、そしてブレイクダウンのプレッシャーに行くタイミングです。前半の最初は受けてしまったので良くなかったかなと思います。
ーー自身のプレーを振り返って、収穫などはありますか
 タックルの部分ではよくできたとは思うのですが、2人目としてジャッカルやターンオーバーを狙う動きができなかったかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
 今日の勝利でまた一段と勢いをつけて、これからの練習試合を全勝したいです。

SO田中大斗(教1=東京・早実)
ーー今回の試合ではキックからのトライもありましたが、キックの使い分けはいかがでしたか
 キック自体が自分の武器でもあるのでそこで試合を作っていこうと思ったんですけど、ボールを動かしながら蹴るというより、止まった状態からのキックが増えて相手にとってわかりやすいキックになってしまったので次以降は動かしながらスペースをつくキックをしていきたいです。
ーー今日の試合で課題があれば教えてください
 キックを使うところとボールを展開してアタックするとこの使い分けが課題です。
ーー次の試合に向けた意気込みをお願いします
 今週1週間、宮尾さんと練習できて色々アドバイスもらって成長できた点がたくさんあるので来週も一日一日成長できるように頑張ります。

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