団体戦は敗するも、個人の活躍光る

自動車

 冬の青空が広がる中、慶大日吉キャンパス・自動車部練習場にて早慶対抗ジムカーナ定期戦(早慶戦)が開催された。早大自動車部からは4年生5人、3年生4人、2年生4人、1年生6人が出場した。今大会は4年生にとっては学生最後の大会、1年生にとっては入部以来、早稲田を背負う初の大会となった。1本目から上級生は慶大にリードを許したものの、1年生の部では早大がリード。2本目では多くの選手がタイムアップを決めるも、団体戦は慶大に惜しくも競り負けた。

神林崇亮(人4=埼玉・早大本庄)主将

 今年度の早慶ジムカーナは、全選手が午前と午後に1本ずつ走行し、各学年上位2人ずつの計8人の合計タイムで争われた。また1年生は難易度の異なる別のコースが使用された。レースは4年生からスタートした。中野龍太(法4=東京・小石川中教校)がキレのある走りを見せ、全体順位で3番手の位置につけたものの、1、2番手は慶大に占められてしまう。3年生では、今年度全日本学生自動車連盟年間総合杯(全日本総合杯)女子個人部門で優勝を成し遂げた小林眞緒(創理3=福岡雙葉)が安定した走りを見せ、好タイムを記録したが、慶大に上位3位を独占されてしまい2本目の走行に期待が持ち越された。続く2年生はミスコースが相次ぎ、1人しかタイムを記録できず団体順位が残らない苦しい展開になる。上級生と比べジムカーナの経験が浅い1年生の部では、慶大の最高タイムが35秒台前半である中、園田陽大(基理1=神奈川・法政二)が34秒25の好タイムを記録し好調な滑り出しを決め、1年生の上位3位を早大が独占した。団体では慶大優位のまま午前の走行は終了した。

古林望(商4=東京・早実)副将

 天候が変化し曇りがちになった午後の部も4年生から出走が開始された。午前はパイロンタッチに泣いた神林崇亮主将(人4=埼玉・早大本庄)が主将としての意地を見せ、個人3位となる結果を残した。3年生では小林が約1秒のタイムアップを決め、個人女子の部で優勝を果たした。次期主将を務める近藤怜(先理3=岐阜)は1本目の走行でパイロンを巻き込んでしまい、午後の走りに期待されたがパイロンタッチによるペナルティとなり「パイロンタッチがなかったら優勝だったので、つめの甘さが出ているなと感じた」と振り返った。1本目は苦しい状況であった2年生は全員がしっかりと走りきり記録を残した。2年生ながら今年度の全日本戦全てに出場した実力者、大矢根洋(文2=東京・和光)は2年生の部2位となる好タイムを記録した。1年生は多くの選手がタイムアップを決め、松崎泰心(創理1=東京・日本学園)が1年生の部で1位という好成績を記録した。午後の部では多くの選手がタイムアップしたものの、早大の合計タイムが308秒56に対して、慶大の合計タイムが304秒74となり慶大が団体優勝という結果で早慶戦は幕を閉じた。

松崎泰心(創理1=東京・日本学園)

1年間熱い戦いを繰り広げた早大自動車部と慶大自動車部

 主将である神林は今大会を「1年生の部で上位3人を早大が独占でき、女子の部では小林が好成績を残し、来年に向けてジムカーナの選手層の厚さを感じて嬉しい部分だった」と振り返った。今大会をもって4年生は引退となる。今季の早大自動車部の強さの根底には4年生の力があったと言っても過言ではないだろう。「強い」4年生が抜け来季から新しいチームとなるが、今大会で下級生の強さが十分に示された。今年度全日本総合杯を獲得した早大自動車部は、来年度も日本一を目指して突き進んでいく。

「強い」自動車部を支えた両校の4年生

※パイロンタッチ…コース上に設置されたパイロンに接触すること。ペナルティとして走行タイムにプラス5秒課せられる

(記事・写真 堀内まさみ、大西由雅)

※掲載が遅くなり、申し訳ございません。

結果

▽団体の部

準優勝 早大

▽個人の部

▽4年生の部 ()内は2~4年生総合順位

準優勝(3位) 神林崇亮主将(人4=埼玉・早大本庄) 38秒43
7位(12位) 中野龍太主務(法4=東京・小石川中教校) 39秒92
8位(15位) 請川開(基理4=埼玉・川越) 40秒39
9位(17位) 古林望副将(商4=東京・早実) 40秒73
10位(25位) 大塚宙(文4=愛媛・愛光学園) 42秒03

▽3年生の部 ()内は2~4年生総合順位

5位(16位) 小林眞緒(創理3=福岡雙葉) 40秒46
6位(21位) 柳内滉洋(基理3=東京・早大学院) 41秒61
7位(24位) 石山萌乃(文構3=神奈川・日女大付) 41秒87
10位(28位) 近藤怜(先理3=岐阜) 38秒08 パイロンタッチ

▽2年生の部 ()内は2~4年生総合順位

準優勝(4位) 大矢根洋(文2=東京・和光) 38秒91
4位(18位) 岩澤秀造(スポ2=東京・早稲田) 40秒79
8位(23位) 平石大智(基幹2=群馬・太田) 41秒83
9位(29位) 斎藤迅太朗(スポ2=埼玉・開智) 43秒66

▽1年生の部

優勝 松崎泰心(創理1=東京・日本学園) 34秒19
準優勝 園田陽大(基理1=神奈川・法政二) 34秒25
3位 吉田太郎(人1=大阪・早稲田摂陵) 34秒47
9位 ルゥアンドリュー(日本語教育センター※=アメリカ・ジェームスローガン高) 36秒33
10位 宮崎拓郎(法2=富山・高岡) 36秒85
11位 梶谷亘(法1=大阪・清風) 37秒79

▽女子の部

優勝 小林
3位 石山

※日本語教育センター…早稲田大学在学中あるいは進学を目指す外国人学生などを対象に日本語教育を行っている