平川が3位と健闘 団体は振るわず

自動車

 全関東学生ジムカーナ選手権が静岡・富士スピードウェイにて行われた。昨年、個人・団体のダブル優勝に輝いた早大。しかしことしは藤谷航(政経4=静岡・浜松西)のミスコースで出遅れると、午後は激しい雨の影響でタイムを伸ばせず。平川慶一主将(創理4=神奈川・光陵)が個人3位に輝くも、団体は22チーム中7位と悔しさの残る大会となった。 また女子の部には城越明日香(商3=福井・藤島)が出場。9人中の5位で大会を終えた。

 午後から雨が降ることが予想され、午前の1本目から攻めの走りが要求される中、第1走者藤谷が登場。走り出しは順調であったが、「自分でも信じられなかった」と途中でパイロンタッチをしてしまう。そのままパイロンを引きずってしまうとミスコースと判定され、まさかの記録なしに。早大はいきなり劣勢での試合運びを強いられた。この重い雰囲気の中、登場したのは第2走者川上優(商3=徳島市立)。初の公式戦であったが「自分としてはやり切った」と1分0秒66にまとめる。そして雨が降り始める中、第3走者平川が出走。「路面の傾斜や状況をつかみ切れず(ハンドルを)回し過ぎてしまった」と平川は悔しさを口にしたが、57秒5と1分を切る好タイムをマークし折り返した。

個人3位と意地を見せた平川

 予報通り激しい雨の中で、迎えた2本目。滑りやすいコース状態で藤谷は「大きなトラブルがないように気を付けた」と記録を残すことを意識し、1分14秒2でフィニッシュした。続く川上は惜しくもタイム更新とはならなかったが、雨の中あまり記録を落とさずに1分10秒で走り切る。これは午後のタイムだけで見れば2番目の好記録であった。また全体の最後の走者となった平川は1分10秒9でゴールした。この結果、見事平川が個人3位に輝いたものの、団体では7位と振るわず。悪天候の中奮闘したが、納得のいくレースとはならなかった。

サイドターンを決める城越

 一方女子の部個人には城越が出場。「周りからは成長する大会にしろと言われていたけど、自分では勝ちを狙っていた」と強い気持ちで今大会に挑んだ。しかし1本目は大きなミスこそなかったものの、「単純に準備不足」と車体のコントロールが乱れる場面があり1分10秒03を記録する。続く2本目は1分24秒。記録更新よりも、なるべくスピンをせずにサイドターンを確実に決める走り方を意識した。悪条件でありながらも「今の実力の70%くらいは出せた」と城越は2本目を振り返る。結果は9人中5位。優勝を目指していただけに、こちらも悔しさの残るレースとなった。

 去年の圧倒的な強さから一転、ことしはミスや悪天候に苦しみ自分たち本来の走りができなかった早大。選手たちは「悔しい」と口をそろえた。今大会は直前に、ブレーキを踏んだときやハンドルを切ったときに車が跳ねる軌道をしてしまうトラブルに見舞われ、車、ドライバーの調整が遅れてしまったことも大きな痛手であった。しかし、この悔しさをこの時期に経験できたことはチームにとっても、個人にとってもプラスであるだろう。来月には全関東学生ダートトライアル選手権が待っている。全日本学生自動車連盟年間総合杯(全日総合杯)優勝に向けて厳しい船出となっているが、「ことしは去年より遅くなったと思われないように、去年と同じような結果を残せるように頑張りたい」と平川はダートトライアルでの再起を誓う。この悔しさをバネに――。自動車部の全日総合杯優勝への挑戦はまだまだ終わらない。

(記事 永池隼人、写真 村上萌々子、伊東穂高)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子団体の部

7位 早大 3分12秒

▽男子個人の部

3位  平川 57秒5(1回目)

12位 川上 1分0秒66(1回目)

56位 藤谷 1分14秒2(2回目)

▽男子オープンの部

緑川 59秒8(1回目)

▽女子個人の部

5位 城越 1分10秒03(1回目)

コメント

平川慶一主将(創理4=神奈川・光陵)

――きょうの結果を振り返っていかがですか

午後雨が降ってきちゃって午前勝負ということは予測できていたんですけど、タイムを残したい中でいろいろミスをしてしまって。急きょ車を仕上げたからセッティングを詰められなかったというのもありますし、自分のちょっとした判断ミスもあって。そういうのもあって結局トップと4秒くらい差をつけられてしまいました。でも他の人も1本でタイムを残せていなかったので、結果的には3位ですけど、悔しいというか素直に喜べない感じですね。

――車の調整不足の話がありましたが具体的にはどのような問題が起こってしまったのですか

まだ原因が究明できていないんですけど、ブレーキを踏んだりハンドルを切ったときに車が跳ねるような軌道をしてしまって。それで他の大学と比べてグリップが効かないのでうまく曲がることができなくて。しかも抑えなきゃいけないので苦戦してます。

――きょうまでのどのようなご準備をされてきましたか

個人では部の練習会もそうですし、自分の車で積極的に練習に行きました。部の車ことに限っていうと、この車は去年のダートの車なんですけど、ジムカーナで使おうとしていた車が故障してしまって、急きょ全部移植してなんとか出れるようになった感じです。あまり調整はできませんでした。

――1本目は振り返っていかがですか

ちょっと雨が降り始めていて、前に走っていた慶應の人がコンパウンドの柔らかいタイヤを使っていて。僕らは硬いほうを使ったんですけど(慶應は)速いタイムを出していてチョイスミスがあったのかなと。自分のミスと車のセッティング不足も大きく出ました。

――ミスはやはりコーナリングでしょうか

そうですね、サイドターンのときに路面の傾斜とか状況でどれくらい滑るのか変わってくるんですけど、それをつかみ切れてなくて回し過ぎてしまったところがありました。

――2本目は全体の最後の出走となりましたが振り返っていかがですか

2本目は誰もタイムを更新しないことが目に見えていたので、逆に気楽で。練習試合じゃないですけど気楽に走ることができました。

――団体7位という結果はいかがですか

順当にコンディションがイコールコンディションだったらもう少し上の順位も狙えたと思うんですけど、こういうこともあるので、1本目からタイムを残せるような練習をしていきたいと思います。

――最後に今後の目標をお願いします

これからダートシーズンが始まるので、去年ダートシーズンはうちが強かったと他の大学も思っていると思うので、ことしは去年より遅くなったと思われないように、去年と同じような結果を残せるように頑張りたいと思います。

川上優(商3=徳島市立)

――きょうの試合を振り返って

初めての公式戦だったので、自分の実力を最大限に出すというよりは今持ってるものを出し切ることが重要だと思って挑みました

――今大会までのどのようなご準備をされてきましたか

イメージトレーニングですね。ハンドルを正確に回す競技なので、忙しくなってくるとハンドルを正しく回せなくなってしまうんですが、それを正しく回せるようにイメージトレーニングをしてきました。

――1本目を振り返っていかがですか

1本目は12位で。自分としてはやり切ったかなとは思ってるんですが、根本的に練習不足だったかなと。あまり喜ばしい結果ではなかったですけど、悪くはなかったんじゃないかなと思ってます。

――2本目は雨の中の出走でしたがあまりタイムを落としませんでした振り返っていかがですか

あれはまぐれみたいなもんなんで(笑)本当にたまたまうまくいったという感じですね。午後のタイムだけで見れば2番手だったらしいんですけど、けどまああれはまぐれなので。コンディションはがたがたなので関係ないかなとは思ってます。午前と午後が同じ条件ならよかったですね。

――初めての公式戦ということで特別意識されたことはありましたか

いつも通り走ることですかね。これがやっぱり一番です。

――最後に今後の目標をお願いします

次は全関ダート(全関東学生ダートトライアル選手権)の選手に選ばれて、総合で優勝することです!

藤谷航(政経4=静岡・浜松西)

――きょうの大会振り返っていかがですか

自分が1本目ミスコースしてしまって、結果として団体の結果が悪かったので自分のせいかなと思います

――1本目の走行を振り返ると

自分でもミスは信じられなかったのですが、そこは練習不足だったのかなと思います

――2本目はどうでしたか

雨が降ってしまってコンディションが悪くて、タイムが残せなくて悔しかったです

――1本目から2本目への修正した点はありましたか

まず記録をしっかり残すことをより意識して走りました

――雨への対応はなにかされましたか

雨が降っているとどうしても遅くなってしまうので、大きなトラブルがないように気を付けました

――団体戦の結果についてどうお考えですか

非常に悔しいです。申し訳ない気持ちでいっぱいです

――今後の意気込みをお願いします

気持ちを切り替えて、次の試合に向けて色々準備していきたいと思います

城越明日香(商3=福井・藤島)

――今回のレースを振り返ってみていかがですか

周りからは経験とか成長する大会にしろと言われていたんですけど、自分では勝ちを狙っていました。でもうまくいかなくて。今回は1本目が曇りで2本目が雨が降るってのはわかってたので一本勝負だなっていうのはわかっていたんですけど、サイドの引きが甘かったりとか気持ちの面でまだまだだなとか、痛感しました。

――今回のレースに向けてどのような準備をしてきましたか

3月の終わりくらいからジムカーナ練を始めてきて、富士も3・4回走ったりとかゴールデンウイークもほぼ全て潰してみんなで遠征に行ったりして。短期集中みたいな感じで練習したり動画研究したり、色んな人から講評をもらって参考にしたりとかをしてきました。

――1本目の結果はどうでしたか

ダメダメだったなと思いました。30パーセントくらいかな、と思ってたんですけど、タイムに現れたのが全てだなと。単純に準備不足だったなと。

――2本目も同様にお願いします

デモランの時点で午前の自分のタイムと一緒だったので、これ以上のタイムアップは望めないなっていうので、半ば諦めというか。できることを、午後でとりあえず走ってみようという感じで望んだんですけれど、今の実力の70%くらいは出せたかなと思います。

――雨というコンディションに対してどのような対応を心がけていましたか

路面のミューが低くていつもよりスピンしやすかったので、なるべく危なくない、スピンせず安全に帰ってこれる走り方を考えてブレーキをしたのと、あと回りやすくなるので、サイドターンを確実に決めようという感じで望みました。

――今回のレースは、自分のなかでどのような評価ですか

勝ちを狙ってただけにすごい残念な結果だったんですけれど、これを次の全日本戦に向けて出していけたらなと思いました。

――次の試合へ向けて意気込みをお願いします

優勝します!