森田が個人2位と健闘!団体は惜しくも入賞ならず・・・ 

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 日差しが照りつける猛暑のなか、聖地・鈴鹿サーキットの地で全日本学生ジムカーナ選手権が行われた。早大男子の部は全関東学生ジムカーナ選手権(全関東)で優勝を果たしたこともあり、前大会の全日本ダートトライアル選手権との2連覇が期待されたが、結果は団体7位と入賞さえも逃す結果となった。しかし、森田真(政経4=米国・レイブンウッド)が個人の部で準優勝を決めるなど一矢報いた。

惜しくも2連覇ならず

 早大の第一走者は山本太郎(政経4=埼玉・浦和)。全関東では個人5位につけた早大屈指の実力者だ。「昨年の全日本ジムカーナでは2走目で失敗してしまった。何かやらかすなら1走目にしようと思っていた」と述べたように1走目は豪快な走りを見せる。脱輪によるペナルティーはあったもののスピードとしては申し分なく、手応えを得た午前の部となった。そして迎えた2走目、1走目をうまく修正しタイムを伸ばしたいところであったが、結果は1分18秒78で個人13位と振るわず。「少し置きに行き過ぎた。半取りを戻すかサイドブレーキを引くかのところでサイドブレーキを踏んでいたら何位だったのかと思う」と、1走目はきれいに決まったターンで少し躓いてしまったことに悔しさを滲ませた。

 第二走者は平川慶一(創理3=神奈川・光陵)。ジムカーナ、ダートトライアルの両方に出場し4年生をしっかりサポートしてきた早大の成長株だ。注目の1走目はターンが上手く決まらず1分26秒台と出遅れてしまう。しかし続く2走目は「他のところをミスしないようにして、そのターンのところは無難に決められるよう走った」と大きなミスなく走りきりタイムを大幅に伸ばし1分22秒台でレースを終えた。

 そして第三走者は早大のエース森田。全日本ジムカーナとの個人2冠もかかった大一番だ。迎えた1走目はターンも危なげなく決め、ミスもない完璧な走りをみせ午前の部で1位に。そして2走目、「540度のターンの前を二速から粘って一速に落とすことを意識した」と修正を加えさらにタイムを伸ばす。しかし前に走った中大の廣瀬正典のタイムを抜くことはできず結果は2位に。「負けてしまったのは悔しいけれどこれ以上のタイムは出せないと思う」と曇りのない思いでレースを締めくくった。

後輩に思いを託して

 「最後は勝って終わりたかったがそうはいかなかった」(山本)。これで4年生のジムカーナ選手権は最後になる。早大勢の誰もが2冠の夢を描いていた。しかし、現実は甘くはなかった。団体優勝を逃すのは今季初。期待が大きかった分落胆も大きい。しかし、自動車部は立ち止まらない。早大を背負ってきた4年生の分を、次の世代が担っていく番となる。「来年はダートもジムカーナも走ったことがあるのは平川しかいない。卒部までにみっちり指導したい」(森田)。「後輩に来年いい思いをしてもらえるように不具合の出ない車を作って引退していこうと思う」(山本)。これからの自動車部を思う先輩の気持ちはしっかり後輩にも伝わっている。平川は「先輩2人がいなくなってしまうので来年までにまたこのぐらいにレベルにもっていけるように頑張りたい」と熱意を見せた。今大会の悔しい思いを来年晴らせるように。自動車部は世代を超えて走り続ける。

★自動車部女子の部始動!城越が初参戦

 早大女子の部には城越明日香(商2=福井・藤島)が出場。女子の出場は2年ぶり、城越にとっても初の公式戦となった。

 予選でのミスが響き女子の中でトップバッターとなる厳しい展開となったが「前々日練と予選でできたことを今日もできるように臨んだ」と、短い準備期間ながらもしっかりとサーキットを走り抜き1走目では17人中の12位に。2走目はターンなどでミスがあったものの1走目よりもスムーズな走りを見せた。

 早大自動車部に女子部員は1人しかおらず、団体には出場できない状況だ。しかし、城越が今回参戦を果たしたことは大きな進歩と言えるだろう。これからも鍛錬を積んで、さらにたくましく成長していく女子の部からも目が離せない。

(記事 松本一葉、写真 石田耕大)

結果

▽男子団体の部

7位  早大 3分58秒63 

▽男子個人成績

準優勝  森田 1分17秒56(2走目) 13位  山本 1分18秒78(2走目) 36位  平川 1分22秒29(2走目)

▽女子個人成績

14位  城越 1分49秒55(2走目)

コメント

森田真(政経4=米国・レイブンウッド)

――きょうに向けて取り組んできたことはありましたか

全日本ダートトライアル選手権からあまり日数がなかったんですけど、ダートからジムカーナに気持ちを切り替えるために練習を重ねてきました。個人的にはサイドターンを忘れてしまっていたので、思い出せるように取り組んでいました。

――それを踏まえた1走目はどうでしたか

デモランに近いタイムを出したいなと思っていたので、それでいうとあんまりいいタイムは出なかったです。

――2走目はどんなことを意識していましたか

540度のターンの前に二速で入って一速に落とすんですけど、1走目はは結構前に落としてしまっていたので、粘って一速に落とすことを意識していました。

――その結果についてはどうですか

中大の3年生に負けてしまったのは悔しいんですけど、自分の実力を出し切れたと思います。これ以上のタイムは出せないと思う。

――車の調子はどうでしたか

よくなかったです。前日の練習で不調になって、エンジンもうまくつかなくて、試行錯誤でした。なんとかして直そうとしたんですけど、一番調子がよかったときよりは遅くなってしまった。

――その中でも個人2位につけましたが

満足か満足じゃないかって言ったら満足じゃないんですけど、自分の実力は出し切れたんじゃないかと思います。

――チームの結果についてはどうですか

車の調子が良くなくて、前日練習であまり走れなかったことがありました。コースジムカーナなので、大体通る道は同じで、練習したもん勝ちなので、あたり練習できなかったのがミスだったかなと思いました。

――自動車部での4年間はどうでしたか

本当に楽しかったです。自動車部に入部してよかったと思いますし、こうして選手として試合に出してもらえてるのもありがたいと思います。ことし色々と結果を残すことができて、部員とかOB・OGには感謝してます。あと、全部の車を同期の山本に任せたんですけど、去年よりすごくいい車ができて、ありがたいと思ってます。

――後輩へのメッセージはありますか

ことしは、自分とかダートなら齋藤(周太主将、人4=東京・日野台)、ジムカーナなら山本がいて、選手の層としては厚くて、優勝を狙える位置にいたと思います。しかし、4年生がそれを占め過ぎていて、来年ダートもジムカーナも走ったことがあるのが平川(慶一、創理3=神奈川・光陵)しかいないので、自分が卒部するまでにみっちり指導して、来年ダートだけじゃなくジムカーナも団体個人共に取ってほしいなと思います。

――同期へのメッセージ

まず、山本には技術的な面での指導や車を作ってくれたりなどですごく感謝してます。その他にも、色々忙しいだろうに、主将や庶務なりがサポートしてくれて、こういう状態で試合に臨めるようにしてくれてありがとうと思ってます。

山本太郎(政経4=埼玉・浦和)

――全関東ジムカーナ選手権(全関東)を踏まえて心がけてきたことはありましたか

全関東というより去年の全日本ジムカーナ選手権なんですけど、2走目ですごいやらかしをしていて、2走目でやらかすと3度目はないので修正が効かない。なので、何かやらかすなら1走目にしようと思っていました。その通りに1走目で限界を超えちゃったところがあって、そこを修正すればかなりいいところまでいけるというプラン通りでやれていました。ただ、午後に走ってみて、少し置きにいってしまったことと、鈴鹿の路面温度が上がるとタイムが伸ばしにくいというのがあって、不本意な結果になってしまった。

――1走目での脱輪も気にしてなかったですか

そうですね、気にしてなかったです。

――2走目はどうでしたか

2走目の最後で450度のターンがパイロンに近づき過ぎてしまった場面があって、個人戦だけだったらサイドブレーキを引いてハンドル回して、パイロンに当たるか当たらないかという選択をしていたと思うんですけど、団体戦としてタイムを残さなきゃいけなかったので諦めて、ステアリング戻して、確実にパイロンに当てないようにしてという感じになりました。少し悔しかったです。

――車の調子はどうでしたか

おとといから会場に入ってたんですけど、エンジンをかけたままでいられないくらい調子が悪くて、その日の夜まで色々と試し続けて、多少よくなって、予選決勝と最後まで走れました。きょねんだったらそこまで直せなかったというところがあります。ことしの整備担当の僕とか森田とかがきょねんから成長して車の知識とかがあって、なんとかなりました。

――直線ではかなりスピードが出ていたように見えました

エンジン自体の調子はよくないんですけど、エンジンを制御するコンピュータをレース用にチューニングしたものにしたら、他大よりは速くなったのかなと思います。

――個人成績はどうですか

悔しいです。先ほど言ったハンドル戻すかサイドブレーキ引くかのところで、サイドブレーキ引いてたら何位だったのかなって思います。

――チームの成績はどうですか

チームの成績はこれが実力なんだと思います。やはり1人が速いだけじゃ意味ないと思います。ことしは非常にレベルが高くて、メンバー3人揃ってトップレベルじゃないと厳しかったんだなと思います。

――最後のジムカーナとなりましたが

最後個人ではできないほどのお金も時間もかけて、カラーリングもかっこよくして作った車に乗ることがもうないっていうのは寂しいですね。最後勝って終わりたかったんですけど、そうはいかなかったですね。後輩に来年いい思いしてもらえるように不具合が出ないように車を作って引退していこうと思います。

――自動車部での4年間はどうでしたか

これだけ濃い環境で過ごせることってなかなか難しいことだと思うし、めぐり合えたことが幸運だったと思えて、引退まで残り4ヶ月なんですけど、終わりよければすべてよしという言葉があるように気持ちよく引退できるように残り4ヶ月も頑張ります。

平川慶一(創理3=神奈川・光陵)

――本日のレースを振り返っていかがでしたか

 

今日は午前中でちょっと大きなミスをしてしまって午後は絶対にミスできない状態になっちゃって、車も仕上がっていたのでちゃんと良いタイムを出さなきゃな、と思いました。

 

――1走目のミスというのはターンのところですか

そうですね、ターンのところでうまくターンができなくてバックギアを使って立て直すしかなくて。それで多分5秒くらいロスしてしまったので午後は絶対にそこをターンできれば少しミスをしてもタイムが上がることはわかっていたので、他のところをミスらないようにして、そのターンのところは無難に決められるようにして走りました。

――では1本目からの修正はやっぱりターンが大きかったですか

そうですね、主にそこのターンのところを、まあちょっとベストなラインではないんですけど自分で曲がりやすいラインを見つけて走りました。

――予選を終えて修正したところはありますか

 

予選ではパイロンセクションでハンドルを回すのが遅れてしまってパイロンタッチしてしまったりだとかターンできなかったりっていう感じだったので、今回も主にパイロンのセクションの完熟を主に頑張りました。

――今回早大全体の成績を振り返っていかがでしたか

今まで、(全関東学生)ジムカーナ(選手権)、(全関東学生)ダートトライアル(選手権)、(全日本学生)ダートトライアル(選手権)とすごい上手く進んでて、まあ今までが出来過ぎだったのかもしれないんですけど、望みが高すぎて2位でもがっかりっていう感じなんですけど、まあ来年に向けて、先輩2人いなくなっちゃうんで来年までにまたこのぐらいにレベルにもっていけるように頑張ります。

――早大は直線が強いとお聞きしたのですが…

 

そうですね、ただこの車が一昨日の練習の時に不具合が起きてエンジンがかからなくなっちゃって、まあなんとか走る、という感じできたのでそういう意味では他の大学の方が車は早かったかもしれないんですけど、来年はそこも改善していきたいです。

――前大会のダートトライアルとの感覚の違いなどはありますか

 

いや、意外にそういうのはなくて。同じ感じで。両方の車に乗らせてもらって、同じ車種使ってるんで車に慣れることはできたかなと思います。

――後輩の城越明日香(商2=福井・藤島)さんにアドバイスをされたとのことですが、どのようなアドバイスをされたのですか

そうですね、あのときはそんなに大したアドバイスはしてないんですがまあ通り方とか、あとは僕らならベストなラインでいかなければいけないんですが、まだ城越は始めたばかりなのでその、ここはちょっとロスするけどこっちの方が曲がりやすい、とかアドバイスさせてもらいました。

――では、後輩育成にも力を入れているということですか

 

はい、力を入れていきたいところですね。来年の方がどんどん走が薄くなっていくので頑張りたいです。

――早慶戦はまた選考が行われるのですか

いや、早慶戦は基本2年生以上は全員出るので、またそれに向けて下級生も含めて底上げして、また来年いい結果が残せるようにしたいと思います。

城越明日香(商2=福井・藤島)

――本日のレースを振り返っていかがでしたか

 

2本走れたんですけど、1本目がちょっとスピンしたりとか、あと2回同じミスをしてしまったのが反省すべきところかなと思います。

――今大会にはどのような意気込みで臨まれましたか

前々日練と予選でできたことを今日もできるように臨みました。

――今回が初の公式戦でしたか

はい。すごい緊張して、しかも今までほとんど乗る機会もなかったのでこの数日間で詰めれるところを頑張って積み重ねてきました。

――女子のトップということで、基準タイムがわからない難しい展開だったと思うのですがいかがでしたか

 

その、多大の女子が結構強いので、前日の1本目でミスしちゃって今日1走目になっちゃったのはミスったなと思ったんですけど、結果15秒、20秒ぐらいトップと差が開いちゃったのでそこは悔しかったと思います。また来年につなげようと思います。

――久々の女子の参戦となりましたがその経緯を教えていただけますか

 

出る経緯は、まず部内の資格制度があるんですけど、それで選手として部を引っ張っていきたい、と意気込みをした上で車を壊さないという決意とか約束とかをして、あとは車両トラブルがあったとこに即時に車両の人たちに伝えたり、あと確実に最低ラインのタイムは残すとか色んな責任を負った上で選手にならなきゃいけない感じですね。

――前日に平川慶一選手(創理3=神奈川・光陵)からアドバイスを受けたと伺ったのですが、そのようなアドバイスでしたか

平川さんは今年から選手になったんですけど、ここはアールがきついから、とかここはブレーキ踏んだ方がいいよとか細かい分析をしてくださったり、あとは見る視点とかいろんなことを教えてもらいました。

――今大会、早大全体を振り返っていかがですか

今年の早稲田の集大成の結果が出たなと思います。

――早慶戦は出場されますか

はい

――では意気込みをお願いします

慶應には勝ちます。早稲田が強いです!