15年ぶり快挙!3大会連続の個人・団体ダブル優勝へ

自動車

 むせ返るような暑さの中、ことしも全日本学生ダートトライアル選手権が行われた。早大からは、齋藤周太主将(人4=東京・日野台)、森田真(政経4=米国・レイブンウッド)、平川慶一(創理3=神奈川・光陵)の3人が出場。結果は個人の部で森田が優勝を果たし、齋藤は6位入賞、平川が7位につける。また、団体でも優勝を決め6月の全関東学生ダートトライアル選手権(全関東)に引き続き個人・団体でのダブル優勝をなった。

安定した走りを見せた森田

 早大の1番手として出場した平川は午前の部の1走目から全関東の優勝タイムに並ぶ1分52秒台を叩き出し暫定1位につける。続く2走目も「ミスはあったが最低限の走りはできた」とタイムを大きく更新し1分49秒台へ。ついに1分50秒の壁を越える好記録となった。

 早大の2番手は全関東で優勝を飾った齋藤。今回も表彰台の頂点を狙っていきたいところだったが、1走目は「失敗が多くて、満足のいくものではなかった」と述べるように1分52秒台後半と全関東王者としては少しもの足りない結果に。しかし2走目は「自分でも気持ちが吹っ切れた」と快走を見せ、見事1分49秒15という好タイムで走りきり主将の貫禄を見せた。そして、今大会でことしのダートトライアル選手権は幕を下ろす。主将として、選手として早大を引っ張ってきた齋藤にとってはこれが最後の大会となる。「自分の最後の走りを思う存分やっていこうと清々しく走った」と最後は笑顔で締めくくった。

 今大会またも圧巻の走りを見せたのは早大の3番手、エース森田。前大会は惜しくも車体トラブルのため2走目を走ることができず、3位に終わる悔しい結果となったが、今回はうまく車を乗りこなしコースを激走。1走目をトップと0.53秒差の1分49秒台前半で走りきると、2走目は大幅にタイムを上げ1分46秒39に。「まだいけた」と納得のいく走りではなかったが、この日の最高タイムで見事優勝を決めた。

最後は笑顔で大会を締めくくった

 「チームとして素晴らしかった」(森田)。今大会、男子の部での個人・団体ダブル優勝は実に15年ぶりの快挙だ。また、平川が「全員が練習通り実力を発揮できた」と言うように自動車部全体の普段の練習の成果が顕著に表れているといえるだろう。これが、3人全員がミスなく走りきりタイムを大きく更新し続けたことにもつながった。次に早大を待ち構えるのは聖地・鈴鹿サーキットで行われる全日本学生ジムカーナ選手権。「もちろん勝つ」(森田)、「優勝して伝説を残せるようなチームになりたい」(齋藤)と選手の気合も十分だ。今の実力を考えると引き続いての個人・団体優勝も決して夢ではない。新たなる伝説に向けて早大自動車部は暑い夏を駆け抜ける。

(記事 松本一葉、写真 石田耕大)

▽男子団体の部

優勝  早大 5分24秒97 

▽男子個人成績

優勝  森田 1分46秒39(2走目)

6位  齋藤 1分49秒15(2走目)

7位  平川 1分49秒43(2走目)

コメント

齋藤周太主将(人4=東京・日野台)

――全関東ダートトライアル選手権(全関東)を終えてやってきたことはありますか

全関東は団体でも個人でも優勝することができて、今までやってきたことは正しかったんだなってことがわかったので、その精度を高める練習をしてきました。

――それを踏まえての1走目はどうでしたか

1走目は失敗が多くて、満足のいくものではなかった。いい結果を出そうとし過ぎてしまった。

――2走目に向けて変えたことはありましたか

2走目は気持ちの問題で、1走目はいいとこ見せようとして天狗になってしまってたんですけど、2走目はOBの方や同期から励ましてもらって、自分でも気持ちが吹っ切れて、自分の最後の走りを思う存分やっていこうという気持ちで清々しく走れました。

――マシンの調子はどうでしたか

マシンの調子は、チームが作ってくれたのでいい状態で、他のチームと比べてもかなり速い状態になってました。

――団体優勝という結果について

感無量です。最高でした。

――選手としては最後の大会になりましたが

選手としてはこの大会が最後なので、ここからは主将としてチームをサポートできたらなと思います。

――全日本ジムカーナ選手権(全日本)へ向けて

いまの自動車部は、OBの方々、スタッフの方々、現役の部員、周りの方含めてすごく強いチームになっていると思うので、次の大会も優勝して、伝説残せるようなチームになれたらなと思います。

森田真(政経4=米国・レイブンウッド)

――全関東からやってきたことはありますか

全関東の2本目でシャフトが折れてしまって、あの時はスタートが雑だったので、それを意識してました。

――それを踏まえて臨んだ1走目はいかがでしたか

ミスをしてしまった。一回ギアを落とし間違えてしまって、あまりいい走りができませんでした。

――続く2走目はどういうところを意識していましたか

2走目は、平川や齋藤にどこをどう走るべきか聞いたり、OBの方などからのここをこうした方がいいよっていうのを実践しました。

――1分46秒39というタイムで個人部門1位となりましたが

まだいけます。もう(ダートトライアル競技が)終わりなので、これ以上走ることはないんですけど、まだいけたなぁ。あと、1、2秒はいけたなぁと思います。

――マシンの調子はどうでしたか

抜群でした。前日に見つかった整備不良を直したおかげで、完璧でした。

――団体としても優勝という結果になりましたが

それは、もうチームとして素晴らしかったということですね。あと、齋藤と平川がしっかり練習していて、みんなが速かったのが素晴らしいと思います。

――2週間後に控える全日本への意気込みをお願いします

鈴鹿でももちろん勝ちます。個人優勝するかはわかんないですけど、団体は勝ちます。

平川慶一(創理3=神奈川・光陵)

――本日の走りを振り返っていかがですか

まず1本目は1走目ということもあって路面がそんなに出てなくてタイムが出づらくて、2走目は結構ミスしたかなって思ったんですけど、まあ最低限の走りはできたかなという感じです。

――どこらへんをミスされたのですか

島周りっていう山の周りを回るところとか、あとは午前の部よりも早く走れるところが多くて、そのせいでブレーキーが遅れちゃったり、ちょっと早くなったぶん修正ができなかったです。でも、最低限の走りはできて団体でも優勝できたのでよかったかなとは思います。

――練習ではどのくらいのタイムで走られてましたか

練習だと毎回先輩たちに届きそうで届かないくらいのタイムだったんで、まあ今回本番でも全員が練習の時通り実力を発揮して走って帰ってこれたのでよかったと思います。来年はもっと上を目指していきたいなと。

――車体の調子はいかがでしたか

もういつも通り順調で早くて乗りやすい車だったのであとはそれをドライバーがちゃんと扱えばいいだけだったのでよかったかなと思います。

――個人では7位と惜しくも入賞を逃してしまいましたね

はい、あと一つで入賞できたんですけど。まあ来年もあるんで来年も頑張ろうと思います。

――早大の結果全体を振り返っていかがですか

みんながちょっと高望みしすぎちゃってて団体でも優勝するつもりできちゃってて逆に最初にあんまり差をつけれなかったり個人で優勝できなかったりして部の雰囲気がどうしても悪くなりそうだったんですけど、午後の部でも走るときにみんな一回リセットしてまた雰囲気良くなったのでそういうところでもよかったかなと思います。

――最後に次回の全日本学生ジムカーナ選手権への意気込みをお願いします

ジムカーナの方がダートトライアルよりも他の大学との差が全然なくて、全関東(学生ジムカーナ選手権)のときもすごい僅差で勝ってて厳しいんですけど、先輩2人がすごく早いので、足を引っ張らないように頑張りたいと思います。