富士スピードウェイの地で早大自動車部の熱い戦いが幕を開けた。新体制になり初めて迎えた今回の全関東学生ジムカーナ選手権。1本目を終えた時点では3位と出遅れたが2本目で逆転。チームは団体優勝に輝いた。個人では森田真(政経4=米国・レイブンウッド)が優勝、山本太郎(政経4=埼玉・浦和)は5位につけるなど王者の風格を見せつけた。
圧巻の走りを見せた森田
今大会は各大学の代表3人が午前・午後と2本を走り、良いタイムを競うレースである。早大の第一走者は山本。「優勝を狙っていた」という言葉の通りミスのない完璧な走りを見せ、午前の部では8位に輝く。そして午後の部では57秒台という好タイムを出し暫定1位につける。しかしその後は後続の選手にタイムを抜かれてしまい最終的には5位。惜しくも表彰台を逃す結果となった。第2走者は平川慶一(創理3=神奈川・光陵)。「コースを確認するので精一杯だった」と語った午前の部、結果は27位と今ひとつ。しかし午後の部ではタイムを上げ22位。「速い先輩たちの最低限のアシストはできた」と車体の調子に不安があった中、ミスのない走りで団体優勝に望みをつなげた。
そして圧巻の走りを見せつけたのは森田。午前の部では唯一の57秒台前半を出し、観客を沸かせる。2本目、午後の部では「監督やスタッフにアドバイスをもらって修正した」という安定した貫禄ある走りで56秒台を叩き出した。「自分が走りたかったように走っていた」と平川もこぼしたほどの完璧な走りで見事1位に。個人優勝を成し遂げた。
応援にも力が入る
「学生競技というのは自分の車をいかに速く作って壊さずに大会終了までやっていけるかということ。チーム力で他の大学より優れていたのではないか」と試合後森田は語った。一度もミスをすることなくレースを終えたドライバーたち。そして 『勝てる車』を目指し続けたサポーター。久々の公式戦かつ新体制初のレースというハンデがある中、多くの人の努力で得た団体優勝だった。早大自動車部の勢いは止まらない。より一層加速し、目指すは全国の頂点だ。
(記事 松本一葉、写真 石田耕大)
▽男子団体の部
優勝 早大
▽男子個人成績
優勝 森田
5位 山本
22位 平川
▽男子オープン
藤谷航(政経3=静岡・浜松西) 1分03秒52
コメント
森田真(政経4=米国・レイブンウッド)
――今大会へ向けての意気込みをお願いします
頑張って入賞しようっていうのが目標だったし、優勝できればなというのはちょっとありました。
――今大会へ向けて強化してきたことはどんなことでしたか
車は全部メカニック担当の山本(太郎、政経4=埼玉・浦和)に任せていたんですけど、自分に関してはジムカーナそんなに得意ってわけじゃないので、個人的に練習したりして、この車に乗り慣れるように取り組んでいました。
――その結果として個人部門で優勝となりましたが
それについては、自分の力というよりも学生競技というのは自分の車をいかに速く(走れるように)作って、壊さずに大会終了までやっていけるかということなので、チーム力で他の大学より優れていたんじゃないかなと思います。
――一走目を振り返って
一走目はちょこちょこミスしたところもあったんですけど、概ね自分が思った通りに走れてよかったんじゃないかなと思ってます。
――二走目を振り返って
二走目も一走目で監督とかスタッフのみなさんにアドバイスをもらって修正したらこういう結果になったので、よかったなと思ってます。
――具体的にどのあたりを修正されたんですか
スラロームの入り口を一速に落とさずに二速のままでいった方がいいんじゃないとかサイドターン回し過ぎない方がいいとか細かいアドバイスを考慮していて、二本目は一本目より慣れてるんで、速くなったのはジムカーナという競技なら必然的なことかなと思います。
――きょうの大会を終えた上での課題は見つかりましたか
自分は慣熟が苦手で朝に慣熟走行っていうどう走るかを決めるものがあるんですけど、そこでどう走るか決めるのが苦手なのでそこをもっと煮詰めていけたらなって思います。
――今後に向けての意気込み
次は(全関東学生)ダート(トライアル選手権)なので、そこでも優勝を目指して頑張ります。
山本太郎(政経4=埼玉・浦和)
―今日のレースを振り返っていかがでしたか
そうですね、まず団体で1位を取れたのはとても良かったと思って素直に喜んでます。ただ個人で同じ大学の森田(真、政経4=レイブンウッド)に(優勝を)取られちゃったのは悔しいですね。
―きょうの目標はやはり優勝でしたか
そうですね。まあ1位を狙ってたんですけど。
―森田さんの走りはいかがでしたか
いやぁ、もう言うこと無いですね。完璧です。自分が走りたかったように走ってました。
―車の調子はいかがでしたか
僕が午前1本目走ったときに、前から懸念してた箇所がやっぱり駄目で。それで、すぐに横付けしてた同車種の自分の車から部品を移植して、そしたら調子が良くなったのでよかったです。
―今大会に向けて強化してきたことはありましたか
まずはハード面で、勝てる車を。こっちがちゃんと操ればきちんと着いてくれる車を作ろうと思って。直前まで思考錯誤して作ってました。後はまあドライバーの面で、僕自身もこの大会に向けてもう試合に作る車と同じものを買ってきて練習して、とかしてたんで。結構この大会に向けては準備してきました。
―6月のダートトライアルに向けて意気込みをお願いします
まだ選手選考はしてないんですけど、選考に通れば頑張って、ダートも同じように団体優勝できるように頑張ります。
―では最後に全日本に向けてお願いします
そうですね、もう全日本は1番上しか狙ってないです。森田を負かして、全日本優勝できるように頑張ります。
平川慶一(創理3=神奈川・光陵)
―今日の午前のレースを振り返っていかがでしたか
1週目はコースを覚えるのに精一杯で本当にそれのために全然スピードも出せなくて先輩たちにも5秒くらい差をつけられちゃったのはちょっと焦りましたね、午後に向けて。
―では午後のレースはいかがでしたか
午後は、本当に先輩たちが速くて僕が最低限のタイムを出すだけで総合(優勝)いけるという、本当に恵まれた環境だったのでまあ自分ができる最低限のことはしたかなと思ってます。
―今日の目標は何でしたか
最初から、先輩たちも経験豊富で、僕はまだほぼ初めてのような感じでやってたのでとりあえず団体で記録を残せるように、ペナルティーなしで帰ってくるのが1番の目標でした
―メンバーはどのようにして決められましたか
選手選考で。練習会とかでタイムを取ってそれで決めました。
―総合優勝という結果、いかがですか
僕はなんかもう特に速いタイムを出したわけではないんですけど、速い先輩たちの最低限のアシストはできたかなっていう風に思います。
―今日に向けて強化してきたことなどはありましたか
ことしになって、初めてこういった競技の車に乗ることになって、それをうまく操るっていうこと、自分の思った通りに動かすというのが精一杯で。それぐらいですかね。
―今日は車の調子はいかがでしたか
今日は午前中は車の調子がよくて、午前中は逆に僕が調子良くなくてあたふたしちゃって全然で。午後になって車のセッティングが変わっちゃって、車としては良くなかったんですけどまあ午後の方が自分が慣れていて速いタイムが出せたのでよかったです。
―次のダートトライアル、全日本それぞれに向けて意気込みをお願いします
ダートもまた選手選考があってそういうところで、まず部内で勝ち上がっていきたいなと思います。また、来年になったら今速い先輩たちが引退してしまうので頑張っていきたいと思います。全日本もまた選手選考があってよくわからないんですが、このペースでいけたらなと思います。