4年生にとって最後の大会となる全日本学生運転競技選手権が、大阪・近鉄自動車学校にて行われた。早大からは男子小型貨物、小型乗用の部に計4選手が出場。小型乗用Bに出場した杉崎裕一副将(社4=東京・早実)が個人2位に入る活躍を見せた。また、早大唯一の女子部員である橋本美咲(人4=山梨・甲府南)は、女子小型乗用の部で個人4位となった。
早大の先陣を切ったのは小型貨物Aに出場した稲荷経太主将(人4=岡山北陵)。しかし「後悔の残る結果になりました」(稲荷)と語ったように、個人13位と厳しい結果に。同部門Bの青山広明(先理4=神奈川・聖光学院)も難易度の高いコースに苦戦し、会心の走りとはならなかった。女子小型乗用の部には橋本が登場。個人での優勝を目指して挑んだが、タイム、ペナルティー共に思うような結果を残すことはできなかった。試合後には「練習の時よりダメになってしまった」(橋本)と、悔しさをにじませた。
現役最後の走行に臨む稲荷主将
全関東学生運転競技選手権で個人2位に輝いた杉崎は、全国の舞台でも安定感のある走りを披露する。「あまりいい勝負にもならずに1位の人に差を付けられてしまった」(杉崎)と満足はしていないが、小型乗用の部Aで個人2位と確かな実力を証明してみせた。また、同部門Bに森田真(政経2=米国・レイブンウッド)が出場。コースに置かれた缶や貼られた線に接触するなどのペナルティーが響き、個人11位となった。今季下級生ながら経験を積んだ森田は、来季からのさらなる活躍が期待される。
見事個人2位に入った杉崎副将
今大会を最後に、これまで部を支えてきた4年生は引退となった。なかなか結果を残せず苦しんだ今シーズン。しかし「とても濃い四年間だった」(杉崎)と、早大自動車部で過ごした日々を振り返る4年生たちの表情は晴れ晴れとしていた。一方、残る後輩たちは新たな戦いをスタートさせる。「私たち4年生は後輩に期待している部分が大きい」(橋本)。今季果たすことのできなかった全日本総合杯獲得へ、先輩の思いと共にチーム一丸となって突き進んでいく。
(記事 尾澤琴美、写真 谷口武)
※掲載が遅れてしまい申し訳ありません。
結果
※早大のみ
▽男子団体
6位 早大
▽男子個人
・小型貨物A
13位 稲荷経太
・小型貨物B
8位 青山広明
・小型乗用A
11位 森田真
・小型乗用B
2位 杉崎裕一
▽女子個人の部
・小型乗用
4位 橋本美咲
コメント
稲荷経太主将(人4=岡山北陵)
――現役最後の走りとなりましたが、出来はいかがでしたか
割と酷かったです。酷かったというよりは、後悔の残る結果になりましたね。
――完全燃焼とはなりませんでしたか
そうですね。
――良くなかったというのはどのあたりでしょうか
回数として練習はしていましたが、他の大学と比べて質が低かったです。そこが僕らでまた考え直す必要がありますし、結果として大きく差が生まれてしまいました。具体的には、今回は例年と違うコースだったのですが、その対応がうまくできませんでした。
――今大会に向けて取り組んできたことは
全関東(学生運転競技選手権)でいままで通りの練習であまりいい結果が残せなかったので、練習システムを変えて試行錯誤しながら、早い段階からこの大会に向けて練習はしてきました。全関東と全日本(学生運転競技選手権)ではルールと形式が少し違うので、全日本に向けた練習をしてきました。
――今大会のチームの結果を総括していかがですか
うちの大学としても練習が結果に結びついていないと感じましたし、みんなもそう感じていると思います。他の大学も、これまで強かった僕らに勝つために一生懸命頑張って練習を積んで努力をしてきたのに対し、僕らはいままで通りの練習で終わってしまったので、当然の結果かなと思っています。
――最後の大会を終え、いまの率直なお気持ちは
引退だな…と。悔しいのと同時に、もう少し練習してやりたかったなという気持ちがあります。
――最後の走りの前に何か考えたりはしましたか
最後だとかいろいろ考えてしまうとボロボロになってしまうタイプなので、あまり考えずにやりました。
――4年間で印象に残っている出来事は何でしょうか
丸和のダートトライアル選手権の時に、2回転半したことですね(笑)。
――主将を務められたこの一年間の振り返りをお願いします
つらくて厳しいことばかりで、いままでの先輩たちより自分たちはもっと高みを目指していかなくてはいけないので、いろいろなことに取り組んできたつもりでした。1年目でいろいろなことに手を出した結果、全てがうまくいったわけではありませんでした。試合の面ではうまくいきませんでしたが、後輩の指導や成長の面ではうまくいったかなと思います。主将として一年やってきて、良かったです。
――同期の存在というのは
大きかったですね。主将というのはいろいろ責任のかかる立場なのですが、同期がカバーしてくれたので一年間助けられました。
――後輩に向けてメッセージをお願いします
もっと練習してうまくなることと、先輩への態度を考え直してほしいですね(笑)。
杉崎裕一副将(社4=東京・早実)
――4年生にとって最後の大会でしたが、目標は
目標は部門優勝だったのですが、準優勝で終わってしまいました。
――結果にあまり満足はされていない
そうですね。あまりいい勝負にもならずに1位の人に差を付けられてしまったので、詰めの甘さというのを痛感させられました。
――きょうのコースを走る上で気を付けたことは
練習ではそれなりにいいところまでいけたので、練習を再現するということに重きを置きました。
――ご自身の走りに点数を付けるとしたら
70点くらいですかね。可もなく不可もなくという感じです。
――早大自動車部で過ごした四年間を振り返って
いいか悪いかは別として、とても濃い四年間だったと思います。(自動車部に)入って悔いはなかったし、やり切りました。
――後輩たちにメッセージをお願いします
4年間しかないので、手を抜いたりすることなく、ひたすら努力をすれば結果はついてくると思うので頑張っていってほしいと思います。
青山広明(先理4=神奈川・聖光学院)
――きょうが最後の試合でしたが、目標は
とりあえず入賞したかったですね。全然ダメでしたが、終わったことは終わったことなので。これでよかったのかなと思います。
――悔いなく終えることができたのでしょうか
多少悔いはありますね。最後ということで緊張もあったので、もっといけたんじゃないかとも思います。
――ここまでチームの雰囲気はいかがでしたか
悪くはなかったですが、もっとやれたんじゃないかとも思います。
――今回の車やコースへの印象は
コースへの印象は正直なところ最悪でした(笑)。いつもと違うサイズで組まれていたので。
――なかなか練習通りにはいかなかった
練習通りにもいかなかったですし、練習でも戸惑いがありました。
――チーム全体の結果についてはいかがでしたか
杉崎(裕一副将、社4=東京・早実)が2位を獲ったので、その点に関してはすごいなと思います。森田(真、政経2=レイブンウッド)に関しては、まだ2年生でこれからもっとのびていくと思うので、以降に期待かなという感じです。
――早大自動車部で過ごした四年間を振り返って
なんだかんだ忙しかったですけど、終わっちゃったなという感じです(笑)。
――後輩たちにメッセージをお願いします
来年、再来年あたりに全日本総合杯を獲ってくれということだけです。
橋本美咲(人4=山梨・甲府南)
――4年生にとって最後の大会でしたが、目標は
やはり最後の大会ですし、ことし結果を残せていなかったので個人で優勝したいと思っていました。
――ご自身の走行に関してはいかがでしたか
ほんとにふがいない結果になってしまいました。練習の時よりダメになってしまっていて、すごくくやしいです。
――コースや車に関しての印象はいかがでしたか
今回のコースは事前に発表されていて練習できたので、なおさらそれが悔しかったというのがあります。
――ご自身の走りに点数を付けるとしたら
20点くらいですかね…。タイムかペナルティーのどちらかがよければ多少よかったと思いますが、どちらも思うようにいかない結果になってしまいました。とても悔しいです。
――唯一の女子部員として過ごした1年間を振り返っていかがでしたか
ことしは最初の大会から思うように走れなかったり、結果を残せかったりということが続いていました。ほんとに悔いの残る1年になってしまったなと思っていたので、なおさら最後くらいはと思っていました。でも有終の美を飾ることもできませんでしたので、後輩に期待したいと思っています。
――後輩たちにメッセージをお願いします
男子と女子で違う部分はあるんですけど、私たち4年生は後輩に期待している部分が大きいので、来年再来年と私たちより良い結果を残してほしいなと思います。
森田真(政経2=米国・レイヴンウッド)
――きょうの走りを振り返っていかがでしたか
たくさんペナルティを犯してしまったので、いい出来とは言えないです。
――具体的に悪かった部分というのは
練習でもそうでしたが、線を踏んでしまったり缶を踏んでしまったりといったことにあまり注意が向けられませんでした。それでペナルティーが多くなってしまいました。
――逆に得た収穫などはありますか
来年はこうならないように頑張りたいです。
――4年生はきょうで引退でしたが、大会前のチームの雰囲気はいかがでしたか
良かったと思います。最後みんな出られるということだったので、練習も頑張れていました。
――来年は3年生となりますが、どのようにチームを引っ張っていきたいですか
新主将のサポートをできればなと思っています。
――4年生に向けて一言お願いします
4年間お疲れ様でした。
――改めて来年度への意気込みをお願いします
ことしがダメだったというわけではありませんが、来年は頑張っていきたいです。