劣勢からの立て直しを見せ日大に勝利!

男子バレーボール

秋季関東大学リーグ戦 9月21日 キッコーマンアリーナ

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ)第5戦は日大と対戦。後半の連続得点で1セット目を先取するも、2セット目は度々相手にブレイクを許しイーブンに。3セット目の両者譲らぬデュースを制すると、4セット目は劣勢から立ち直り、セットカウント3-1(25-20、21-25、28-26、25-22)で秋季リーグ5連勝目を飾った。

 第1セットは中盤まで一進一退の戦いとなる。セッター前田凌吾主将(スポ3=大阪・清風)が相手のネットインしたサーブやフェイントを立て続けに拾い、攻撃へとつなげる。MB板垣慧(政経3=京都・洛南)のクイック、MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)のブロックや、OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)が自らのブロックされたボールを拾い、そのボールをOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が決めるといった落ち着いたプレーも見られたが、相手も積極的な攻撃を仕掛け9-11。しかし、畑のレフトからのスパイク、板垣のブロックを皮切りに5連続得点を決め、早大が一歩前へ出る。その後、相手サイドからの攻撃に翻弄(ほんろう)され、15-16と逆転を許す。しかし、麻野がサーブで相手のミスを誘引すると最後は畑が相手レシーブを吹き飛ばす強烈なストレートを放ち、セットを先取した。

麻野のブロック

 続く第2セットで先制したのは早大。板垣のクイックで先制点を挙げると、畑のライトからのスパイク、徳留のパイプ攻撃で5-2とする。相手がサービスエースで並ぶと試合は混戦状態に。長いラリーではOH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)が粘り強く攻撃を仕掛け、相手攻撃を板垣が仕留める。その後は相手のミスもあり2点差まで点差を広げるも、サービスエースやシャットに苦しみ逆転されると、流れを引き戻すことができず、このセットを落とした。

  流れを断ちたい第3セットだが、波に乗った日大に先行される。レフトからのスパイクやダイレクトに押され、3点差をつけられる。しかし、前田のサーブで崩したところに攻撃を展開し、日大の背中をとらえる。その後、佐藤の1.5枚ブロックや鋭いスパイクで2点差をつけることに成功。このまま流れに乗りたいところだが、これ以降なかなかブレイクができない。取っては取られての状態となり、再び逆転を許すと先にセットポイントを握ったのは日大。2点差を追いかける苦しい状況となったが、ここで徳留がエンドライン際にスパイクを打ち込むと、板垣、徳留のブロックもあり3連続得点。25-24で勝負はデュースへともつれ込む。ここで日大は堪らずタイムアウトを要求。タイム明けにはブロックポイントを取られるが、勝ち急ぐことなく最後は板垣のクイックと相手のミスにより28-26で緊張感走るデュースを制した。

スパイクを打つ佐藤

 第4セットも序盤は相手にリードされる。日大のサービスエースで幕が開けると、相手のシャットや真下に打ち込むスパイク、クイックといった強気なプレーで6-11と引き離される。点差を埋めたい早大も板垣のサーブで崩したところにすかさずスパイクを打ち込むなどし、2点差まで詰め寄る。佐藤のスパイクで得点してもクイックで反撃され、14-17と点差が埋まらなかった中、麻野のクイックで流れを引き寄せる。畑のディグからの徳留のスパイク、前田の意表を突くツーアタック、板垣と徳留のブロックで日大の前に出る。長いラリーが続いた場面でも前田と浅野翼副将(スポ4=宮城・東北)が執念のディグを見せボールをつなぎ、チャンスを生み、22-18とする。最後は麻野のクイックで秋季リーグ5連勝とした。

前田のディグ

 2セット目を取られ、3、4セット目は劣勢を強いられた中でも勝利を挙げられた今試合。「自分たちの形を取り戻して勝つことができた」(麻野)のは、選手たちの自信につながったかもしれない。全11試合で繰り広げられる秋季リーグもいよいよ折り返しに近づいてきた。明日の相手・国士館大も勢いのあるチームだ。今試合での収穫を糧に、明日の一戦も大切に戦いたい。

(記事 町田知穂、写真 芦刈れい、河野紗矢、末松花菜)

 

セットカウント
早大 25-20
21-25
28-26
25-22
日大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 板垣慧(政経3=京都・洛南)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)
途中出場
浅野翼(スポ4=宮城・東北)
馬渕純(スポ4=岐阜商)
大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)
伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)
ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ1=茨城・土浦日大)
コメント
浅野翼副将(スポ4=宮城・東北)

ーー試合を振り返って

 元々チームで難しい試合になると言っていたので、自分たちがどうチームを持っていくのかを練習の時からすごく配慮してやっていました。日本大学さんが粘ってくるチームで自分たちもなかなか得点が決められませんでしたが、そういったところで苦しみながらも踏ん張って、いい勝利とは言えないですが、よく頑張って勝てたかなと思います。

ーー4セット目、劣勢の場面で途中出場されましたが、振り返ってみて

 やはり明確にやることがあったので、それをしっかりやって、チームの雰囲気を良くすることをとにかく頑張りました。

ーーチームの守備を振り返って

 今週はブロックがあまり良くなかったかなと思います。ブロックを整えるとディフェンスも整うと思うので、明日調整して、もう少しブロックをチームとして頑張っていきたいです。

――秋リーグの意気込みをお願いします

 一戦一戦自分たちが成長できる場になるようにチーム一丸となって頑張っていきます。

ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)

――今日の試合を振り返って

 チームとしては自分たちが思い描いた試合展開にはならなかったですが、(秋季リーグ)5試合目ではじめて劣勢の場面から自分たちの形を取り戻して勝つことができたので、いい経験になったと思います。個人に関しては、(秋季リーグで)なかなかセッターとトスが合わないシーンが多かったのですが、今日は終盤にかけてトスがどんどん合うようになってきたので、継続して残りのリーグ戦を戦っていきたいです。

ーートスのお話が出ましたが、何か前田選手との間でお話したことは

 リーグ戦を終えて平日に入った時にトスが合わない理由を淩吾さんとコミュニケーションをとって突き詰めて練習してきたので、そこが今日終盤だけにはなりますが、練習の成果が少しは出たのかなと思います。

ーー夏はB代表として練習に参加されていたと思いますが、そこで得た収穫は

 代表のチームはみんな意識も技術レベルも高くて、その環境の中で練習できたことがよかったです。今年は韓国で大会をさせていただきましたが、アウェイの環境での試合ということで観客の方も多く、慣れない環境でしたが、そこで戦えたことはいい経験でした。

――代表から帰ってきて、クイックが合いにくいところはあるのでしょうか

 色々なセッターとやっていて、そのセッターの上げ方はバラバラになるので、僕自身もそうですし、多分セッター側も左(利き)のミドルには慣れてなくて、合わせるのが難しいとは感じます。今日の試合では特に最後の方では合わせることが出来たのでよかったです。

ーーチームのディフェンス面を振り返って

 今日は真ん中のクイックが通されていて、相手が形を作りやすいというか、簡単に決められていた部分があったので、そこを僕はミドルなので真ん中で圧かけて、こっちに流れを持ってこれるようにもっと頑張りたいなと思いました。

ーー残りの秋リーグの目標を教えてください

 僕たちはまだタイトルがとれてないので、もちろん目標は優勝ですが、一戦一戦大事に戦っていきたいです。

ーー最後に明日への意気込みをお願いします

 明日の相手は2部から上がってきてすごく勢いのあるチームなので、今日のような押されるような展開にはなると思いますが、そこからしっかり勝ち切れるように頑張ります。