順大に2点差の惜敗も ラストまで懸命に戦い抜き後半戦につなぐ

男子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月16日 東京・国士舘大学多摩体育館

 迎えた3連戦最終日。日体大との激戦から一夜明け、早大は16日、昨季6点差で敗戦を喫した順大と対戦した。立ち上がり順大が2点を先制すると、徐々にリードを広げられ13―17で前半を終える。追いかける後半は途中6点にまで点差を広げられるが、運動量を落とさない攻守で追い上げを見せる。早大は最後まで勝ちにこだわり全力で戦い抜いたものの35―37で敗戦。勝利まであと一歩及ばなかった。

 立ち上がり、ミドルを連続で押し込まれると順大が2点を先制する。早大の初得点は前半2分、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)がカットインからペナルティースローを獲得し、尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)が冷静にゴールに押し込んだ。早大の得点後、順大がすかさず反撃。ミドルや1、2枚目間を割るプレーで得点を重ねた。一方の早大も、外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)のタイミングをずらしたミドルや、途中から入った村松涼雅(商3=岩手・不来方)の体を張ったポストシュートで食い下がるが、シュートを決めきれない場面もあり少しずつ点差は広がっていく。前半終盤にはGK大武蓮(社3=神奈川・川和)が好セーブで後ろからチームを支えるも、13―17で前半を折り返した。

得点後ガッツポーズを見せる村松

 4点のビハインドを追いかける後半。杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)が1、2枚目間を割ってシュートを決めると、続けて大武の好セーブから所真大(社2=岡山・総社)の速攻がつながり、出だしは早大がリズムに乗る。追いつきたい展開だったが、相手の速攻の間に退場者を出すと、コートを広く使ったオフェンスを展開され一気に6点差をつけられた。これ以上の点差を避けたい早大は、ここから粘り強いディフェンスを見せる。3枚目に入った守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)がオーバーを誘発するなど、後半15分から約6分間、順大に得点を許さなかった。その間に「秋リーグは春と比べて調子が上がらず、自分の中で葛藤もあった」という所がサイドシュートをインコースに確率高く決め切ると、流れに乗った早大はついに2点差にまで迫った。

シュートを放つ所。後半には6得点をマークし追い上げに貢献した

勢いそのままに攻め込みたい早大だったが、後半21分から意地を見せる順大に3連続得点を許す。ディフェンスから流れに乗ったオフェンスを展開させてもらえず、順大の背中を捉え切れない。残り2分で3点のビハインド。ここから逆転を狙う早大は、マンツーでボールを奪いに行く。相手に食らいつきプレッシャーを与えると、再び2点差まで詰め寄った。ラスト1分から渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)が2連続で順大の得点を阻むなど粘りを見せたものの、反撃にはあと一歩及ばず試合終了。笛が鳴る瞬間まで足を動かし続け全力で戦った早大だったが、35―37で悔しい敗戦となった。

好セーブを見せる渡辺

 この3連戦を1勝2敗で終えた早大。今試合は悔しい僅差での敗戦となったが、ラストまで勝利を目指して懸命に戦い抜く姿が印象的だった。3連戦というハードな日程を乗り切ったチームは、息つく暇もなく切り替えて次の戦いに備える。秋季リーグも残すはあと3ゲーム。次戦早大は、関東学生春季リーグ(春季リーグ)と早慶明定期戦で1勝1敗の明大と対戦する。負けらない試合が続く後半戦、勝ちにこだわる早大の戦いぶりに注目だ。

(記事 片山和香、写真 芦刈れい)

結果

関東学生秋季リーグ
早大 35―37 順大

13―17
22―20

スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
LW 所真大(社2=岡山・総社)
LB 杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)
PV 結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
CB 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
RB 尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)
RW 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)

コメント

所真大(社2=岡山・総社)

――3連戦の最終日でしたが、どんな気持ちで試合に臨まれましたか

 (先週の初勝利から)そのまま2連勝、3連勝といきたかったんですけど、昨日の日体戦で負けたというのもあったので、ここはどうしても連敗を阻止したいっていう気持ちで挑みました。

――僅差で勝ち切ることはできませんでしたが、その要因として考えられることはありますか

 春リーグ(関東学生春季リーグ)から失点が多いこともあって、チームでは30失点以内っていうのを目標にやっているんですけど、昨日は46、今日は37(失点)でちょっと良くない方に行っているかなと。この失点の数っていうのは勝敗を分ける上で大きいなと思います。

――失点数を抑えるためにチームで心がけていることはありますか

 試合の週には土日の対戦相手についてのミーティングをして対策を練るんですけど、対策の徹底ができていたかって言われると、ちょっとどうなのかなっていう部分もあります。今日の後半なんかは個人の技術で抜かれてみたいなところもありますし、あとはやっぱりバックチェック。春からずっと課題ですけど、ディフェンスの戻りっていう部分にはまだちょっと意識が足りないかなって思っています。でも練習から意識するようにやっているので、ラスト3戦でバックチェック意識して練習の成果を出せたらなと思います。

――サイドシュートでの得点も多く、またポストインなどを狙う場面もありましたが、今日のご自身のプレーを振り返っていかがですか

 なんかこの秋リーグ(関東学生秋季リーグ)、春リーグに比べて自分の調子があまり上がらずシュートが入らなかったりして、結構個人の中でも葛藤というか、迷いもあったんですけど、試合始まるとそんなこと言ってられないので。やっぱりとにかく飛び込んでいこうっていうのと、キーパーとの駆け引きっていう自分の持ち味を生かして決めて取ろうっていう気持ちで入って。前半は枠外に打っちゃうシュートがあって、あまり自分の中でいい感じにプレーに持っていけてなかったんですけど、後半は自分が決めていかないと勝てないなと思って切り替えて入れたので、それが後半のシュート確率を上げられたところかなと思います。

――今日の試合、最後まで全員が熱量持って戦い切っていた印象です。チームの雰囲気はいかがですか

 敗戦ではあるんですけど、それでもやっぱり追い上げて終われたっていうのは、次を目指す上で少しは良かった点かなと思います。でもやっぱり勝ちが欲しいっていうのが素直なところなので、切り替えてやっていかなきゃいけないなと思っています。

――最後に来週の明大戦に向けて意気込みを聞かせてください

 明治は春から何回かやってきて、春リーグは負けたんですけど早慶明で勝って1勝1敗できているので絶対負けられないです。明治は今(16日早大の試合終了時点で)0勝の段階で、その面でも勝たなきゃいけない試合なので、自分たちの力を発揮できればいいですし、そこに向けて1週間しっかり調整してやっていきたいと思います。


尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)

――3連戦の最終日、どのような気持ちで試合に挑みましたか

 昨日負けてしまったので今日は絶対勝ちたいっていうふうに思っていたんですけど、自分のプレーで言うとオフェンスでシュート外しすぎたので、やっぱりそこは反省のところです。

――45でもサイドでもプレーされていますが、今日のご自身のプレーを振り返っていかがですか

 初めはいつも練習でやっている僕が最初バックの形だったんですけど、今日僕のシュートの調子があまり良くなかったので、途中から崚汰さん(外種子田崚汰、スポ3=鹿児島・国分)がバック入って僕がサイドに入る形に切り替えました。

――その形はいかがでしたか

 崚汰さんがはまっていたので正解だったかなと思います。

――ここ数試合ではペナルティースローを何度も任されていますが、チームの中でご自身の役割は

 琢磨さんの調子が悪い時に打つ、2番手のペナルティースローの人みたいな感じですかね。

――試合後のミーティングではどのようなお話がありましたか

 負けたんですけど内容的には最後の方もしっかりみんな足動いてシュートまで行けていて悪いものではなかったので、ここから切り替えて来週の試合まで練習あるので、そこでしっかり調整していこうという話でした。

――最後に来週の明大戦に向けての意気込みをお願いします

 まず個人の目標としては、今日はシュートが悪かったのであと少しの練習期間なんですけど、そこで自分が今日外してしまったシュートを意識して少しでも精度を上げていきたいです。チームとしては今できていること、自分たちの強みをもっと強化する練習をみんなでやっていきたいです。